この規格ページの目次
3
T 9254 : 2015
(図1参照)。
記号
1 アクセサリーを含む接触部範囲
図1−接触部
3.14
単一故障状態(single fault condition)
リスクを低減させる手段の一つが故障しているか,又は一つの異常状態が存在する状態。
3.15
トラッピングゾーン(trapping zone)
サイドレール,ヘッドボード,フットボード,ボトム,マットレスなどベッドの部分の間で,利用者が
挟まれたり,巻き込まれたり,くさび形状の部分にはまったり,動けなくなったりする可能性のある場所。
3.16
利用者
ベッドに寝る人。
3.17
附属品
ベッドに標準装備されていない部品で,ベッドと併用することで性能を発揮する部品(延長床,キャス
ターなど)。
3.18
正常な使用(normal use)
取扱説明書に従って操作者が行う日常の点検及び調整を含む操作並びに事前準備。
3.19
正常状態(normal condition)
危険状態又は危険に対する保護のために備えた全ての手段が機能している状態。
3.20
責任部門(responsible organization)
ベッドの使用及び保守に責任をもつ部署。
――――― [JIS T 9254 pdf 6] ―――――
4
T 9254 : 2015
4 各部の名称
ベッドの各部の名称は,図2による。
ベッド用グリップの名称は,JA.1.2による。
図2−各部の名称
5 リスクマネジメントによる設計
リスクマネジメントによる設計は,次の事項について実施し,製造業者又は販売事業者によって実施手
順及び実施結果を文書化し,維持しなければならない。
a) 予測耐用期間をリスクマネジメントファイルに記載する。
注記 予測耐用期間は,リスクマネジメントを実施するときの前提となる期間である。
b) 衣服などが絡み付くリスク
c) 動く部分に関わるリスクは,次による。
1) 動く部分をもつベッドは,取扱説明書に従って正しく設置され,かつ,使用されたとき又は合理的
に予見できる誤使用をされたときでも,動く部分に関連するリスクを受容できるレベルまで低減す
るように,設計,製造及び配置をする。
2) 動く部分に接触することに起因するリスクは,接近のしやすさ,ベッドの機能,部品の形状,運動
のエネルギー及び速度,並びに利用者の利便性を考慮した上で,防護手段を用いてリスクを受容で
きるレベルに低減させる。
3) ボトム下の全ての領域は,ベッドの昇降動作によるはまり込みのリスクに関してリスクアナリシス
――――― [JIS T 9254 pdf 7] ―――――
5
T 9254 : 2015
を行う。
4) ベッド用グリップのスイングによって身体の一部が挟み込まれるリスクに関してリスクアナリシス
を行う。
d) ベッドの隙間へ身体が引き込まれる又は閉じ込められるリスク
e) 人間工学的な配慮(操作性,握りやすさなど)
f) プログラマブル機器によって動作させる機能について,既知又は予見可能なハザードをリスクマネジ
メントファイルに記載する。
6 構造及び外観
6.1 ベッド及びサイドレールの構造
ベッド及びサイドレールの構造は,次による。
a) 水平な床面に置いたとき安定し,堅ろう(牢)でなければならない。また,使用に当たって著しい異
音,きしみなどが発生してはならない。音については9.11の試験による。
b) 部品を含め十分な機械的強度をもち,かつ,成形ストレス(残留応力),又は押付け,衝撃,落下及び
手荒な取扱いに起因する機械的ストレスを受けても,受容できないリスクを生じてはならない。
c) 電動機能の場合,制御ユニットのボタンの操作力は,5 N未満でなければならない。
d) ノックダウンベッドの場合は,ユニットに分解可能な部分の質量は50 kg未満とするか,又はその部
分に実際の質量を表示し,かつ,そのことを取扱説明書にも記載する。
e) キャスター付きのベッドの場合は,2個以上のキャスターにストッパを付けなければならない。
f) 電磁両立性については,附属書JBに示す。
g) 水の浸入について,ベッドの電装品は,JIS C 0920の分類によるIPX4の保護等級をもたなければな
らない。
h) 電源電圧が遮断される緊急事態において,背ボトムを下げることができなければならない。
6.2 機械的ハザードに関する構造
6.2.1 動く部分に関する保護
6.2.1.1 一般
ベッドの可動部分は,正常状態又は単一故障状態において,受容できないリスクを生じるような動作を
起こしてはならない。
6.2.1.2 意図しない動き
意図しない動きに対する構造は,次による。
a) 制御用の操作部は,意図しないで偶然に動くことによって受容できないリスクが生じることがないよ
うにくぼんだ箇所など適切な位置に配置するか,又は他の手段によって保護する。ただし,意図する
利用者(例えば,特別な扱いが必要な利用者)に対する人間工学的な配慮から,他の方法が必要な場
合を除く。
b) 製造業者が指定するベッドの緊急動作を除いて,ベッドの動作禁止制御手段(手元スイッチ,サイド
レール機能制御などからの動作指令を受け付けなくする制御手段)は,ベッド内にいる利用者が誤っ
て再作動させることができてはならない。
6.2.1.3 行き過ぎ
ベッドの可動部分が行き過ぎる(動きの範囲限界を超える)ことに起因するリスクは,受容できるレベ
ルまで低減させる。エンドストッパ又は他の停止手段を,正常状態及び単一故障状態の両方において動き
――――― [JIS T 9254 pdf 8] ―――――
6
T 9254 : 2015
の範囲を制限する最終的手段として備えなければならない。
そのような手段は,正常な使用及び合理的に予見できる誤使用において,意図する負荷に耐える機械的
強度をもたなければならない。
6.2.1.4 緊急停止装置
一つ以上の緊急停止装置をもつ必要がある場合には,次に適合しなければならない(7.3.2参照)。
a) 緊急停止装置は,リスクを受容できるレベルまで低減できる。
b) 緊急停止装置は,危害を確実に防ぐために操作者が接近でき,かつ,操作ができる。
c) 緊急停止装置の操作は,ベッドの通常の操作の一部としない。
d) 緊急の切替え手段及び停止手段の操作は,新たな危険状態を発生させず,かつ,当初の危険状態を除
去するのに必要な操作を妨げない。
e) 緊急停止装置は,モータの停止電流などの値を考慮し,関連する回路の全負荷を遮断できる。
f) 動きを停止する手段は,単一操作によって作動する。
g) 緊急停止装置は,他の制御器と明確かつ容易に識別できる赤色の操作部を備える。
h) 機械的な動きを遮断又は開放する操作部は,その表面又は直近にJIS T 0601-1の表D.1の 番号
18又は“停止”という単語を表示する。
なお,操作部が全ての動力を遮断するスイッチである場合には,上記の表示に対する要求事項への
適合は不要である。
i) 緊急停止装置は,作動させたら,それと異なる意図的な操作をしない限りベッドを動かない状態に維
持する。
6.2.2 マットレスの保持
ベッドは,正常な使用時にマットレスを保持し,マットレスがボトムから滑り出してはならない。
6.2.3 表示光及び制御用の操作部の色
表示光及び制御用の操作部の色は,次による。
a) 表示光の色及びそれらの意味は,表1に適合するものとする。ドットマトリックス及びその他の文字・
数字表示は,表示光とは考えない。
表1−ベッドの表示光の色及びそれらの意味
色 意味
赤 警告−操作者による即時に対処が必要
黄 注意−操作者による速やかな対処が必要
緑 使用の準備が完了
その他の色 赤,黄又は緑の意味以外の意味
b) 制御用の操作部の色として赤は,緊急時に機能を停止するための制御だけに使用する。
注記 “機能を停止する”とは,“interrupt”の訳である。
6.2.4 正常な使用時の最高温度
ベッドの接触部で皮膚に接触する場合の最大許容温度は,表2による。
――――― [JIS T 9254 pdf 9] ―――――
7
T 9254 : 2015
表2−ベッドの接触部で皮膚に接触する場合の最大許容温度
ベッドの接触部 最大温度a) ℃
金属及び液体 ガラス,磁器, 成形材料,プラスチ
ガラス状材料 ック,ゴム,木
t時間利用者に触 t<1 min 51 56 60
れている接触部 1 min≦t<10 min 48 48 48
10 min≦t 41 41 41
注a) これらの温度限界値は皮膚の健康な成人に適用するが,10分を超えて継続するときの温度限界については
敏感肌又は皮膚感覚のない障害者についても考慮した。これらの値は皮膚の広い範囲(体の全表面積の10 %
以上)が高温の面と接触する場合は適用しない。また,頭部の表面積の10 %を超える皮膚が接触する場合
も適用しない。この場合は,適切な限界値をリスクマネジメントファイルで決定し,文書化しなければな
らない。
6.3 ベッド用グリップの構造
ベッド用グリップの構造は,次による。
a) 各接合部,組立てなどが良好で,緩み,がたつき,変形などがあってはならない。
b) 寸法調節機構をもつものにあっては,使用中不用意に緩まない構造でなければならない。
c) ベッドへの取付けは,堅ろうかつ確実に行える構造であり,使用中不用意に外れない構造でなければ
ならない。
6.4 スイング機能をもつベッド用グリップの構造
スイング機能をもつベッド用グリップの構造は,次による。
a) スイング機能をもつベッド用グリップは,グリップ部ロック機構を備えなければならない。
b) スイング機能のグリップ部ロック機構は,確実で,不用意に外れない構造でなければならない。
6.5 外観
外観は,次による。
a) 各部の仕上げは良好で,危険な突起,鋭い角部,ささくれ,ばり,まくれなどがあってはならない。
試験は,9.11による。
b) 塗膜は,表面が滑らかで,亀裂及び著しい色むらがあってはならない。
7 形状・寸法
7.1 ベッドとマットレスとの組合せ
ベッドからの出入りを想定するボトム部分において,使用されるマットレスの高さは,いかなる構造部
(ベッドフレーム,側面の構造部,ボトムの横の下がった状態のサイドレールなど)よりも20 mm以上高
くなければならない。
なお,この要求が満たせない場合は,リスクマネジメントを行わなければならない。
7.2 サイドレール及びベッド用グリップの形状・寸法
7.2.1 利用者の非可動部への挟まれに対する保護
ベッドとサイドレール,ベッド用グリップ及び他の附属品との組合せによって,ボトムより上の全ての
開口部(A1,A2,A3,A4,A5,A6,A,B,C1,C2,C3,D)は,図3,図4及び表3の寸法構造要求に合
致しなければならない。寸法構造要求に適合せず,他の方法によって対策を行う場合,製造業者はリスク
マネジメントを行わなければならない。
D寸法の試験以外の全ての試験は,マットレスなしで試験を行う。マットレスを使用する要求事項は,
――――― [JIS T 9254 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS T 9254:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-2-52:2009(MOD)
JIS T 9254:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.01 : 心身障害者用介護用具一般
JIS T 9254:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]
- JIST0601-1:2017
- 医用電気機器―第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項