JIS X 0137-2:2003 CASEデータ交換形式―CDIFフレームワーク―第2部:モデル化及び拡張性 | ページ 3

                                                            X 0137-2 : 2003 (ISO/IEC 15474-2 : 2002)
Usage(使用法) 継承する。拡張してもよい。

6.2.6 メタ実体における多重継承

  メタ実体は“多重継承”(multiple inheritance)が可能であり,多数の
上位型をもっていることがある。この場合,下位型は,そのすべての上位型(そして,それらの更なる上
位型)のメタ属性及びメタ関係のすべてを継承する。
多重継承を使うとき,継承が衝突する幾つかの状況がある。
一つのメタ実体の幾つかの継承の列(inheritance threads)が共通の上位型に集まるとき,その継承している
メタ実体(inheriting meta-entity)は,その階層の最上位から多重にメタ属性及びメタ関係を継承するわけでは
ない。ただ一つのコピーを継承するだけである。 図2にメタ実体Aが二つの下位型メタ実体(B及びC)
をもっている状況を示す。ここでB及びCは,メタ実体Dの上位型メタ実体である。この図には,すべ
てのメタ実体における局所メタ属性(local meta-attribute)及び継承メタ属性(inherited meta-attribute)の両方が
示されている。
A 局所メタ属性 A1,A2,A3
局所メタ属性 B1,B2
継承メタ属性 A1,A2,A3 局所メタ属性 C1,C2
B C
継承メタ属性 A1,A2,A3
局所メタ属性 D1
継承メタ属性 A1,A2,A3(それぞれただ
D 一つ継承)
図 2 多重継承
一つのメタ実体が二つの上位型からメタ属性を継承する際に,別の衝突が起こりうる。すなわち,実際
には異なるメタ属性が同じ名前をもっている,二つの上位型がある場合である。この状況におけるCDIF
としての振る舞いは定義されていない。移入者及び移出者の適切な(予測可能な)行動を保証するために,
この状況は避ける必要がある。CDIF 意味メタモデル及び CDIF メタメタモデルが,これが起こらないこ
とを保証するように定義されている。
局所メタ属性 M1,Z1 局所メタ属性 N1,Z1
M N
局所メタ属性 P1
継承メタ属性 M1,N1
(あいまいさがあるため、Z1が正しく継
P 承されない場合が生じる。)
図 3 多重継承 : 無効なメタ属性,Z1

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X 0137-2 : 2003 (ISO/IEC 15474-2 : 2002)
図3に無効な継承の例を示す。メタ実体Pは,共に同じ名前をつけられたメタ属性,Z1をもつ二つの上
位型メタ実体(M 及びN)をもつ。

6.2.7 メタ関係の下位型化

   メタ関係がもう一つのメタ関係の下位型であるように定義されることがあ
る。
下位型メタ関係は,上位型メタ関係が定義されたメタ実体の階層の“レベル”において定義することが可
能であり(すなわち,上位型としての同じ関係元メタ実体及び関係先メタ実体で定義される。),関係元メ
タ実体(source meta-entity)若しくは関係先メタ実体(destination meta-entity),又は両方ともが,上位型メタ関
係での関係元メタ実体及び関係先メタ実体の下位型である場合もある。
それぞれの下位型メタ関係は一意な CDIFMetaIdentifier をもっている。すなわち,上位型メタ関係から
CDIFMetaIdentifier を継承しない。
下位型メタ関係の基数は局所的に定義される。しかし,それは上位型レベルにおける制約と同じく制限
されているか,又はより強化するだけである。そのために,下位型の最小基数は,上位型のそれ以上であ
る必要がある。また,最大基数は,上位型のそれ以下である必要がある
それ以外の文章で記述される下位型メタ関係の特徴は,上位型メタ関係から継承される。ただし,下位
型において更に詳細化されることがある。
直下及びそれより下の下位型メタ関係は,上位型メタ関係において定義されたどのようなメタ属性でも
継承する。メタ属性の特徴のいずれも変えられない。追加のメタ属性が下位型メタ関係のために作られる
ことがある。
下位型メタ関係のための継承規則の要約を表2に示す。
表 2 メタ関係の下位型化によるメタメタ属性値の継承
メタメタ属性 メタ関係の下位型化による値の継承
Aliases(別名) 継承する。拡張してもよい。
CDIFMetaIdentifier 継承しない。
(CDIFメタ識別子)
Constraints(制約) 継承する。拡張してもよい。
Description(説明) 継承する。拡張してもよい。
IsAbstract 継承しない。
(抽象型かどうか)
MaxDestCard 継承しない。局所的に定義する必要がある。
(関係先基数最大値)
MaxSourceCard 継承しない。局所的に定義する必要がある。
(関係元基数最大値)
MinDestCard 継承しない。局所的に定義する必要がある。
(関係先基数最小値)
MinSourceCard 継承しない。局所的に定義する必要がある。
(関係元基数最小値)
Name(名前) 継承しない。
Usage(使用法) 継承する。拡張してもよい。
どのような一対のメタ実体の間にも,(下位型メタ実体による継承の可能性があるので)上位型メタ関係,
及び定義された下位型メタ関係の両方があってもよい。同じ一対のメタ実体のインスタンスの間に,上位

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                                                            X 0137-2 : 2003 (ISO/IEC 15474-2 : 2002)
型メタ関係及び下位型メタ関係の両方のインスタンスがあるとは限らない。しかし,ほとんどの場合,上
位型メタ関係は抽象であること(インスタンス生成可能ではない。)が普通である。これは同じインスタン
スの組の間に,上位型メタ関係及び下位型メタ関係のインスタンスの両方が存在する状態が起こらないこ
とを意味する。

6.2.8 メタ関係における多重継承

   メタ実体が複数の上位型から継承してもよいように,メタ関係も同
様に複数の上位型から継承してもよい。6.2.6で示す衝突が起こりうることは,等しくメタ関係の多重継承
にも当てはまる。図3において,(箱内に)メタ実体を描いたけれども,箱がメタ関係を表すかのように読
めばよい。

6.2.9 メタ関係における項数

 (2)  CDIF 意味メタモデル,及びそのどのような拡張も,n項メタ関係で
はなく2項メタ関係を使って定義される必要がある(n項関係の機能性は,CDIF 意味メタモデルのデー
タモデル対象分野で扱っている。ISO/IEC 15476-4, Information technology - CDIF semantic metamodel - Part 4:
Data modelsを参照)。
注(2) 関係の項数は,関係の次数(degree)とも呼ばれる。2項関係は項数2をもち,3項関係は項数3
をもつ。

6.2.10 メタ関係の相互排他性

    メタモデルでのメタ関係の相互排他性は,排他グループ(exclusivity
group)にあるメタ関係に関する制約(constraint)として文書化される。

6.3 対象分野

6.3.1 対象分野における集積可能なメタオブジェク

ト(CollectableMetaObjects)の明示的な使用及び非明示的な使用 対象分野は,明示的に定義される,及び/又は明示的に使用される幾つかの集積可能なメタ
オブジェクト(CollectableMetaObjects)を保有してもよい。対象分野は,また,継承を通して非明示的に
使用される集積可能なメタオブジェクト(CollectableMetaObjects)もある。
参考 集積可能なメタオブジェクトとは,メタメタオブジェクトCollectableMetaObject及びその下位
型のメタメタオブジェクトから生成されるメタオブジェクトを総称した呼び方である。
メタオブジェクトは対象分野において,次のいずれかのときに“使用される”(したがって,各対象分野
規格の対象分野仕様(specification of the subject area)に含まれている)。
− メタオブジェクトは,その対象分野で定義される。
− メタオブジェクトは,その対象分野で定義される局所メタ属性をもつ。
− メタオブジェクトは,その対象分野で局所下位型をもつ(メタ属性及びメタ関係が使用されるメタ実
体によって継承される上位型メタ実体,及び使用されるメタ関係のための上位型メタ関係の両方があ
る。)
− メタオブジェクトは,その対象分野で局所メタ関係をもつ。
規格として発効されるCDIF対象分野で,明示的に使用される集積可能なメタオブジェクト
(CollectableMetaObjects) は,それぞれの対象分野ごとに対象分野仕様で定義されるか,参照される。各
対象分野で定義される集積可能なメタオブジェクト(CollectableMetaObjects) は対象分野仕様で定義され
る。使用されるがその対象分野で定義されない集積可能なメタオブジェクト(CollectableMetaObjects) は
対象分野仕様で参照される。
拡張性を使って新しい対象分野が作られているとき,明示的に使用されるすべての集積可能なメタオブ
ジェクト(CollectableMetaObjects) に対するメタメタ関係である
CollectableMetaObject.IsDefinedIn.SubjectArea 及び CollectableMetaObject.IsUsedIn.SubjectArea のインスタ
ンスが作られる必要がある。メタ属性及びメタ関係の継承は RootObjectへの継承階層をずっとさかのぼる

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X 0137-2 : 2003 (ISO/IEC 15474-2 : 2002)
と決めているので,非明示的に使用される集積可能なメタオブジェクト(CollectableMetaObjects)に対す
るメタメタ関係のインスタンスは作らないほうがよい。

6.3.2 対象分野を定義するための規則

   明示的に使用される(すなわち,定義される,又は参照される)
メタ実体(MetaEntity), メタ関係(MetaRelationship), 及びメタ属性(MetaAttribute)に対して
CollectableMetaObject.IsDefinedIn.SubjectArea 及びCollectableMetaObject.IsUsedIn.SubjectArea の二つのメタ
メタ関係のインスタンスを作ることによって,対象分野の見方が決まる。対象分野の範囲を定義するとき,
次の規則は遵守されることが望ましい。
− メタ関係が対象分野内で明示的に使用されるためには,関係元メタ実体及び関係先メタ実体の両方が
同じく使用される必要がある。
− あるメタ関係における関係元メタ実体及び関係先メタ実体の両方が対象分野で明示的に使用されると
しても,そのメタ関係を使用する義務はない。
− メタ実体が対象分野で明示的に使用され,かつ,そのメタ実体が別の意味メタモデルで必すメタ関係
(の必すな関係の端)として現れる場合,そのメタ関係はその対象分野で使用される必要はない。
− メタ属性が対象分野で明示的に使用されるところでは,メタ属性が記述するメタ実体又はメタ関係も,
その対象分野で明示的に使用される必要がある。
− メタ実体又はメタ関係がある対象分野で明示的に使用されるところでは,その対象分野で必要となる
メタ実体又はメタ関係を記述するすべての局所メタ属性は明示的に使用される必要がある。
− メタ実体又はメタ関係が対象分野で明示的に使用されるところでは,そのメタ実体又はそのメタ関係
のメタ属性は,それが必すのものであっても使用する義務はない。
− メタ実体及びメタ関係の両方のためのすべての継承されたメタ属性は,継承階層をさかのぼって対象
分野で非明示的に使用されるだろう。継承されたメタ属性のために,
CollectableMetaObject.IsDefinedIn.SubjectAreaメ タ メ タ 関 係 及 び
CollectableMetaObject.IsUsedIn.SubjectArea メタメタ関係のインスタンスは作るべきでない。
− 下位型メタ実体について,その上位型メタ実体が関与するどのようなメタ関係も,一つの対象分野で
他方のメタ実体又はその下位型が明示的に使用されるなら,非明示的に使用されるだろう。
一つの転送で二つの対象分野が使用される場合,(それぞれが一つの対象分野にある)非明示的に使用さ
れている二つの上位型メタ実体の間のメタ関係は,転送のための作業メタモデル内の適切な下位型メタ実
体の間に継承されるだろうことに注意してもらいたい。

6.3.3 作業メタモデル

  CDIF 転送は,幾つかの,もしかすると重なり合う対象分野を含んでもよい。
規格化された対象分野及び拡張性を使って作られた対象分野の両方とも,転送では実際の対象分野が識別
される。規格化された対象分野からのオブジェクト及び拡張性を使って作られた追加オブジェクトを統合
することによって,移入者は,転送のために作業メタモデルと呼ばれるものを作ることができる。
ある転送がある規格化された対象分野を使うとき,明示的に及び非明示的に使用されるメタオブジェク
トを定義するのに,その対象分野への参照だけで十分である。これは,上位型メタオブジェクトを単に支
援するために上位型メタオブジェクトが定義されている対象分野への参照(subject area reference)を与える
必要がないことを意味する。もしその対象分野からの他のメタオブジェクトがそのメタオブジェクト自身
として使用されるなら,対象分野参照も定義される必要がある。拡張性によって全体が定義されたメタモ
デルのCDIF転送では,ISO/IEC 15476-1で定義される基盤対象分野への対象分野参照が使用される必要が
ある。なぜなら基盤対象分野はすべてのメタ実体及びメタ関係階層の最終的な根源の定義を含んでいるか
らである。

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                                                            X 0137-2 : 2003 (ISO/IEC 15474-2 : 2002)
参考 ISO/IEC 15476-1はISO/IEC 15476-1はJIS X 0139-1 CASEデータ交換形式 ―CDIF意味メタモ
デル―第1部 : 基盤としてJIS化の予定。

6.3.4 対象分野図

   対象分野図によって明示的に使用されるメタ実体は示される。 明確にするために図
に含まれるメタ実体は塗りつぶしにしなければならない。明示的なメタ関係は,図で示されることになる。
例え,上位型メタ実体が明示的に使用されないとしても,非明示的なメタ関係(すなわち継承されたメタ
関係)を図の上に示してもよい(詳細は7.2メタオブジェクトの図記法を参照)。

6.4 メタモデルの拡張性

6.4.1 導入

  拡張性はCDIF 規格群の重要な側面である。一般に,拡張性は,CDIF意味メタモデルで定
義されない情報をCDIFで交換することを支援するための二つの(又は更に多くの)道具を与えるもので
ある。特に,規格化されたCDIF 意味メタモデルの拡張は,移出者が拡張を使った情報を転送する前に,
移出者が移入者に通知することを含んでいる。これについては6.5移出者責務による。移入者が転送され
た情報内容を維持することが可能である必要があるかどうかについて(特に拡張性が使われた場合),CDIF
は特に規定しない。移入者の責務の詳細な論議は,6.6移入者責務による。拡張性を使うためには,次の規
則を守る必要がある。
− 規格化された対象分野は拡張されない。この規則は,解釈する移入者にとっての一貫した基盤が維持
されることを保証する。
− 新しく追加された対象分野は,拡張されたメタオブジェクトを含むように作られる必要がある。
− 列挙型の有効な値は,対象分野にかかわらず不変である。 追加の列挙された値が加えられるのは,特
定の対象分野にではなく,作業メタモデルを介して加えられる。
− 規格化されたメタオブジェクトを移出者によって定義された対象分野で使ってもよい。
− 拡張性で既存のメタオブジェクトを再使用するとき,転送は,メタオブジェクトの完全な定義を含ん
でいる対象分野への参照を含んでいる必要がある。
− メタオブジェクト(すなわち,メタ実体,メタ関係,メタ属性,又は対象分野)が加えられるとき,

CDIFMetaIdentifier と呼ばれるメタメタ属性の値が定義される必要がある。この識別子は,最大128文字をもつことができる。しかし,アルファベットから始めなければならないし,一意である必要がある。CDIF意味メタモデルでのメタオブジェクトのCDIFMetaIdentifier は,数字から始まる。これ以上の識別子への命名規則はない。6.4.2 拡張性

6.4.2.1  対象分野の追加    移出者は,メタモデルのための新しい対象分野を定義してもよい。ここで,
新しい対象分野に与えられるCDIFMetaIdentifierは,転送内で拡張性によって作成された他の属性付け可
能なメタオブジェクト(attributable meta-objects)で使われることはない。対象分野は,既存の集積可能なメ
タオブジェクト(collectable meta-objects)(すなわち,メタ実体,メタ関係,及びメタ属性)及び新たに定義
されたメタオブジェクトの両方を使うことがある(詳細は6.3.2対象分野を定義するための規則を参照)。
参考 属性付け可能なメタオブジェクトとは,メタメタオブジェクトAttributableMetaObject及びその
下位型のメタメタオブジェクトから生成されるメタオブジェクトを総称した呼び方である。
6.4.2.2 CollectableMetaObject.IsDefinedIn.SubjectArea及びCollectableMetaObject.IsUsedIn.SubjectArea
の追加 移出者は,明示的に対象分野で使用される(定義される,又は参照される)集積可能なメタオブ
ジェクトを定義する必要がある。継承メタ属性及び継承メタ関係は非明示的に使用されるので,それらの
ためのメタメタ関係は定義してはならない(詳細は,6.3.2対象分野を定義するための規則を参照)。

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――――― [JIS X 0137-2 pdf 15] ―――――

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JIS X 0137-2:2003の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 15474-2:2002(IDT)

JIS X 0137-2:2003の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0137-2:2003の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称