JIS X 0165-2:2013 小規模組織のソフトウェアライフサイクルプロファイル―第2部:枠組み及び分類指針 | ページ 2

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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
29110概要(ISO/IEC TR 29110-1)
29110プロファイル(規格)
枠組み及び分類指針(JIS X 0165-2)
VSEプロファイルの仕様(ISO/IEC 29110-4)
仕様−VSEプロファイルグループm
(ISO/IEC 29110-4-m)
手引類(標準報告書/TR)
アセスメントの手引(ISO/IEC TR 29110-3)
管理及び技術の手引(ISO/IEC TR 29110-5)
管理及び技術の手引
VSEプロファイルm-n
(TR 29110-5-m-n)
図1−JIS X 0165規格類

1 適用範囲

1.1 適用分野

  この規格類はVSEに適用できる。この規格で記述するライフサイクルプロセスは,VSEより大きな組
織での利用を排除するものではない。大きな組織での特定の課題は,この規格で対応しないことがある。
この規格で記述するライフサイクルプロセスは,ソフトウェアシステムの作成及び提供と同様,調達及
び利用においてVSEで用いることができる。このライフサイクルプロセスは,ソフトウェアシステムのど
の水準においても,ライフサイクルのどの段階においても適用することができる。この規格で定義するプ
ロセスは,VSEで有用な追加プロセスの利用を排除するものではない。
この規格は,VSEに対するソフトウェア技術プロファイルの概要を紹介し,VSEプロファイルの文書の
共通用語を定義する。
この規格は,プロファイルの定義及び応用の背景にある論理を確立する。構造,適合及びアセスメント
の上で,全ての標準プロファイルに共通な要素を示し,このISO/IEC 29110プロファイルの分類指針を導
入する。
この規格は,全てのプロファイルに適用できる。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

――――― [JIS X 0165-2 pdf 6] ―――――

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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
ISO/IEC 29110-2:2011,Software engineering−Lifecycle profiles for Very Small Entities (VSEs)−Part
2: Framework and taxonomy(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

1.2 対象読者

  この規格は,標準プロファイルの作成者及び評価者,他の部(part)の作成者,他のVSEプロファイル
の作成者を対象とする。

2 標準プロファイルへの適合

2.1 導入

  適合はISO/IEC 29110-4-mとして発行する各プロファイル仕様文書に定義する。ISO/IEC 29110プロフ
ァイルへの適合の一般規則は2.2及び2.3に概説する。

2.2 一般原則

2.2.1  修整及び排除事項
ISO/IEC 29110標準プロファイルは,関連するソフトウェア技術規格を修整した結果のパッケージであ
る。それゆえ,次のことに帰結する。
− ISO/IEC 29110プロファイルの修整は必要がなく,認めない。
− 2.2.3で概説する一つの場合を除いて,部分的適合は認めない。
− 適合に関する水準という考え方はない。
2.2.2 拡張
実装がプロファイルの仕様で定義したものを超えて要素を採用することは受け入れ可能である。しかし,
このような拡張を行うと,実装の相互運用問題の原因になることがある,また,拡張ではなくより豊富な
プロファイルを定義するか,用いるかによって実現できた可能性がある。
このようにプロファイルが拡張を認める場合,各実装は,プロファイル仕様の全ての必要な要素に実際
に記述してあるとおりに厳密に対応しなければならない。そして,拡張は,矛盾したり,プロファイル仕
様で定義している要素自体の非適合を引き起こしたりしてはならない。拡張を認めるプロファイルの適合
箇条は,次のような幾つかの追加的な特化した仕様,要求事項を含むことが望ましい。
− 拡張は,既存の要素の意味を再定義してはならない。
− 拡張は,規格適合実装(すなわち,拡張を用いないプロセス)が不適切に実施されてしまう原因とな
ってはならない。
− 拡張は,拡張する仕様の原則及び手引に従い,標準的な方法で拡張しなければならない(2.2.3参照)。
− 拡張を含む実装及び/又は応用では,拡張は支援文書で明確に記述しなければならない。拡張は実装
及び/又は応用において区別できるようにしなければならない。
− 拡張を含む実装では,適合するファイル(文書)だけを生成するような,又は厳密に適合する手順で
運用するようなモードをもたなければならない。
2.2.3 基礎規格への適合
標準プロファイルの目的は,一連の仕様の利用法を特定して,明確に定義した機能を提供することであ
る。したがって,この規格の標準プロファイル仕様への適合は,もしプロファイルにおいて完全に参照し
ている基礎規格があれば,その参照する基礎規格仕様への適合を意味する。
しかし,もしプロファイルで基礎規格の一部だけを参照していれば,上の文は基礎規格への適合が,修

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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
整及び部分適合を認める限りにおいて正しいことになる。
この規格の標準プロファイルの適合要求は,次の方法で,基礎規格における適合要求と関係付けなけれ
ばならない。
a) 基礎規格における条件付きでない必須要求事項は,この規格のプロファイルでも必須とする。
b) 基礎規格における条件付きでない任意選択事項は,任意選択事項のままとするか,又はプロファイル
において次のように変更してもよい。
1) 必須とする。
2) 条件付きとする。これは,指定された条件に基づいて,異なった状態になることである。
3) 適用外とする。これは,任意選択事項がプロファイルの範囲に関連していない場合である。例えば,
その機能要素をプロファイルの範囲では使わない場合である。
4) 禁止とする。その任意選択事項の利用が,プロファイルの範囲で非適合な振る舞いをすると考えら
れる場合である。このケースは本当に必要な場合にだけ用いるのがよく,適用外にする方が多くの
場合適切である。
c) 基礎規格の条件付き要求事項のその条件が,プロファイルの範囲で完全に評価できた場合,これらの
要求事項は,条件付きでない必須要求事項若しくは条件付きでない任意選択事項,又は,適用外若し
くは禁止になる。そうでない場合,適切に,おそらく部分的に,評価された条件の下で,条件は条件
のままとなる。

2.3 標準プロファイルの適合要求

2.3.1  適合状況
適合は様々な状況に合わせて異なる解釈ができる。適合性を主張する場合には,関連状況を特定しなけ
ればならない。
この規格で定めるプロファイルは,次の人又は組織によって実装できる。
− 組織におけるプロファイルの利用及び実装を容易にする製品(これらは方法,教育コース,教材,ツ
ール,様式などである。)の開発者
− プロファイルで規定されているプロセス及び成果物を実装し利用する組織又はプロジェクト
注記 他の規格関連文書,例えば手引,標準報告書(TR)といった文書がプロファイル仕様に無矛盾
であることは,実装の適合性とも,適合箇条の対象ともみなされない。例えば,ISO/IEC TR
29110-5手引群はISO/IEC 29110-4プロファイル仕様に無矛盾である。そして,これは適合箇条
によってではなく,ISO/IEC TR 29110-5でISO/IEC 29110-4を引用規格としていることで裏付
けられているのである。
2.3.2 標準プロファイルへの適合
この規格の標準プロファイルへの適合を主張する(支援ツールなどの)製品は,プロファイル仕様
ISO/IEC 29110-4-mで特定される全ての必須のプロファイル要素,並びに適切であるときには,基礎規格
で規定される関連特性及び要求事項を実装しなければならない。必須のプロファイル要素のいずれに対し
ても適合製品が除外,変更,矛盾しないことを示すことによって,適合は達成される。
この規格の標準プロファイルに適合を主張する組織は,プロファイル仕様ISO/IEC 29110-4-mで特定さ
れる全ての義務的な必須のプロファイル要素,並びに適切なときに,基礎規格で規定されている関連特性,
及び要求事項を実装して使用しなければならない。
次を示すことによって,適合は達成される。
− 適合ライフサイクル成果物の内容を証拠として,ライフサイクル成果物(情報項目)の必須の要求事

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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
項を満たしていることを示す。
− プロセス成果及び成果物を証拠として,ライフサイクルプロセスの必須の要求事項を満たしているこ
とを示す。
標準プロファイル適合箇条で特に断りのない限り,プロファイルへの適合は基礎規格への適合を含意す
る。
2.3.3 標準プロファイルに含まれる基礎規格への部分適合
組織又は製品がプロファイルへの適合を主張することができない場合でも,次の条件でプロファイルに
含まれる基礎規格の要素への適合を主張できる。
− 基礎規格はプロファイルに完全に含まれているわけではない(それが完全に含まれている場合,実装
は基礎規格に適合を主張することが望ましい。)。
− 基礎規格の適合箇条は,部分適合,及び/又は,修整した上での適合を許容する。
上記の場合,適合箇条はプロファイル仕様ISO/IEC 29110-4-mで特定された次のような必須プロファイ
ル要素だけを参照しなければならない。
− 該当の基礎規格を参照しているもの。
− その基礎規格において必須のものとして識別されているもの。

3 引用規格

  なし(対応国際規格では,ISO/IEC TR 29110-1が引用規格として示されているが,この規格では,不採
用とし,参考文献に記載した。)。

4 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,附属書JAに示す。

5 規約及び略語

5.1 命名規約,図示規約及び定義規約

  なし。

5.2 略語

VSE(Very Small Entity) 小規模組織
SE(Software Engineering) ソフトウェア技術
注記 対応国際規格ではVSEsという略語が用いられているが,日本語訳では不要なため,この規格
では削除した。

6 VSEのためのソフトウェア技術プロファイル

6.1 基本概念

  機能標準化はIT標準化活動の領域の一部であり,次を含んでいる。
基礎規格 これは基礎及び一般化された手順を定義する。基礎規格は様々な応用で使用できる基盤を提供
することができる。応用では,基礎規格が提供する任意選択事項からその応用独自の選択が実現できる。
標準プロファイル これは,特定の機能を提供するために使用する,基礎規格の適合した部分集合又はそ
の組合せを定義する。プロファイルは基礎規格中で使用できるオプションの採用を識別し,また,均一で
国際的に認められている適合性試験の開発の基礎を提供する。

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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
登録機構 これは基礎規格又はプロファイルの枠組みの中で,詳細なパラメタ特定の手段を提供する。
注記 対応国際規格では登録機構というものが説明されているが,この規格類に関連して現在このよ
うな仕組みは存在しない。
ISO/IEC JTC1の中では,機能標準化の過程はJTC1の専門業務指針に含まれる手順に従って,プロファ
イルを定義し国際規格(IS)として公表する方法論に関係がある。完全な方法論については,ISO/IEC TR
10000-1を参照。
注記 この規格では,ISO/IEC TR 10000-1のInternational Standardized Profile制定の手順的な部分は採
用していないが,技術的なアプローチは採用している。

6.2 標準プロファイルの目的

  標準プロファイルは,所定の機能及び環境のために基礎規格を組み合わせて使用する方法を定義するこ
とによって,基礎規格の統合利用を促進する。基礎規格の選択に加えて,基礎規格で許可されたオプショ
ンを選択し,基礎規格で指定しないで残っているパラメタの適切な値を選択する。
一般に,次の目的でプロファイルが準備されている。
− 識別された機能を達成するか,又は応用のクラスを支持するのに必要な,部分集合,オプション及び
パラメタを用いて,規格及びプロファイルを識別する。
− 利用者要求事項の系統的な識別及び分析に対応して,利用者及び供給者の両方に有意義な規格及びプ
ロファイルの様々な利用を参照付ける仕組みを提供する。
− 明確な規格及びプロファイルのグループ,すなわち,アクティビティの一貫した実装を獲得すること
の可用性を向上する手段を提供する。それらのアクティビティは,実際のITシステムの主要コンポー
ネントであると期待され,参照モデル又は規格が関連している枠組みの意図を実現するものである。
− プロファイルに関連する機能を実行するITシステムのための適合性テストの開発における一様性を
促進する。
これら全ての目的の基礎として存在するのは,そのようなプロファイルの定義,標準化,実装及びテス
トを求める要求が存在しているという仮定である。したがって,用いられたプロセスは,プロファイルの
最終的な利用者によって表現されている,そのような要求の識別,記録及び監視を含んでいなければなら
ない。
これら幾つかの要求事項が満足されると,受け入れられた基礎規格でカバーされていないアクティビテ
ィを識別することがある。これは利用可能な規格の“ギャップ”と定義される。
プロファイルは,基礎規格と矛盾してはならないが,利用可能なオプション及び値の範囲の選択をしな
ければならない。基礎規格のオプションの選択は,プロファイルの目標を達成する確率を最大にするよう
な制限であることが望ましい。

6.3 プロファイルの作成

  標準プロファイルの作成には次の三つのアクティビティが必要である。
a) 基礎規格の選択及び準備
基礎規格の選択を終え,それらの構成要素への参照が明確であり,また,それらの基礎規格間の関
係も明確に参照されていることを検証することが重要である。
これは,関連要素に一意な識別子を割り当て,基礎規格の間の外部関係を,その識別子を使って表
してもよい。基礎規格が複数の関連する要素をもつ場合,例えば,プロセスが複数の成果をもつ場合,
それらの内部関係を(文書中のそれらの位置とは独立に)明確に示す必要がある。
この段階でこれらの要素が規定要素か,又は参考要素かを識別しておくことが重要である。

――――― [JIS X 0165-2 pdf 10] ―――――

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