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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
b) プロファイル要素の選択
プロファイルの目的及び内容を定義し終えると,プロファイルが(分類の位置付けの中で)与えら
れ識別され,かつ,プロファイル要素に構造化されていることになる。これらのプロファイル要素は,
アセスメント又は適合性の一部として明確に参照されるという方法で識別されなければならない。ま
た,このプロファイル自身が他のプロファイルの基礎となり得る方法で識別されなければならない。
各プロファイル要素は,次に,基礎規格中の対応要素と関連付けられる。
基礎規格中の既存の関係は,この過程によって変更することはできない。例えば,プロセスP1が
成果O1及びアクティビティA1をもち,かつ,プロセスP2が成果O2及びアクティビティA2をもつ
場合,それらをプロファイルへ取り込むときに,O2がP1の成果とされることも,A2がP1の一部と
されることもない。
c) プロファイルの洗練
もし基礎規格がプロファイルに選択された要素についての属性又は特性を特定するならば,この特
定された属性又は特性は,選択及び精度を要求してもよい。例えば,あるプロセスが異なる能力水準
で実施される場合,プロファイル要素と基礎規格要素との対応付けは,使用目的によっては十分でな
いことがあるし,また,能力水準を特定することが必要なことがある。
もし,既存規格に“ギャップ”がある場合,必要に応じて追加要素がプロファイルの中に組み込ま
れる。
注記 “ギャップ”については,6.2を参照。
プロファイルはそれを構成する基礎規格よりも更に規定的であるようにできる。したがって,プロ
ファイルでは,規定特性・参考特性,及び,もしそうしたものが存在するならば,適合の水準を積極
的に考えることが重要である。
7 ソフトウェア技術規格のプロファイルの作成
7.1 ソフトウェア技術(SE)プロファイルの根拠
一般にSE規格のプロファイルを必要とするニーズ主張の裏付けとなるものとしては,次のような複数
の根拠がある。
SE規格は,(中心となる指導根拠なしで)幾つかの異なったグループ及び組織によって作成されてきた
ため,多くの既存規格は,うまく統合されてはいない。プロファイルは,これら規格間の依存性をより明
白にすることで,可能な場合にはいつでも統合を進められる。
SE規格は一般に大きな組織を対象にしていて,より小さい組織には最初の適合達成を難しくしている。
能力水準の漸進的なプロファイルを複数用意することで,完全な適合に向けての段階的なアプローチが可
能となる。
SE規格は一般に大きなものであり,小さな組織には当てはまらない多くの要素を指定している。基礎規
格の部分集合を取り扱う複数のプロファイルの作成は,規格及びプロファイルの利用者の取組を促進する。
ISO/IEC SE規格は,必ずしも全ての課題を取り扱ってはいないわけであり,既存のISO/IEC SE規格で
は取り扱っていない必要な要素を統合するのにプロファイルを使用することができる。
この規格類の目的からみると,SE規格は次の二つに分類される。
a) 特定の目標又は成果を達成するために必要なアクティビティを定義するプロセス規格。
b) プロセスによって作成される人工物の構造及び内容を定義する成果物規格。
7.2で論点b)を取り上げ,7.3で論点a)を取り扱う。
――――― [JIS X 0165-2 pdf 11] ―――――
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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
7.2 ライフサイクル成果物規格のプロファイル作成
SEプロセス成果物プロファイルの作成に当たり,ある特定の人工物についての任意選択事項を規定する
ことがある。例えば,ISO/IEC 15289では,“データベース設計記述”を,ライフサイクルプロセスの標準
成果物として規定しているが,各プロファイルで,このデータベース設計記述(人工物)の具体的仕様を
任意選択事項として追加することがある。表2は,第4部(Part 4)で規定するプロファイルについての例
であるが,ここでは,データベース設計記述のために統一モデル化言語(UML)規格(JIS X 4170)を任
意選択事項としている。また,データベーススキーマ記述には,クラス図を任意選択事項としている。こ
のプロファイル例では,[第4部(Part 4)に定義する]別のプロファイルの特定の要素を参照している。
この参照で,必要な情報成果物への対応が,SE LC(ライフサイクル)情報成果物の内容と題された表の
列として記述されている。例では,ISO/IEC 15289のデータベース設計記述への参照が与えられている。
注記 この例のクラス図は,ODPの一つのIVObjectについてのUML仕様による記述としてISO/IEC
19793で標準化されている。
同じ人工物が複数の文書で異なって識別されている場合,それらの対応関係を正式化し文書の利用を助
けるためにプロファイルを作成してもよい。例えば,SEアセスメント規格は,SE成果物のための識別方
式を独自に定義している。
プロファイル(又はプロファイルの一部)は,この対応関係を正式化するために作成されることもある。
表3は,ライフサイクル成果物間の対応を示すプロファイルの例である。
注記 表の“要素名称”については10.2を参照。
7.3 ライフサイクルプロセス規格のプロファイル作成
SEライフサイクル規格は,一般にアクティビティ及びタスクを含むプロセス,並びに成果という共通パ
ターンを使って定義されている。
このような規格のプロファイル作成は,適用可能なプロセス及び成果の選択を含む。
表4は,ライフサイクルプロセス及び成果についてのプロファイルの例を示す。
基礎規格で規定とされているプロセス及び成果を選択した場合は,プロファイル中の要素としても規定
でなければならない。
適用される完全性についての制約に注意することが重要である。つまり,もし基礎規格のあるプロセス
Xが成果Yをもつならば,別の基礎規格のあるプロセスZの成果としてプロファイルの中で示すことはで
きない。
同じプロセスが複数の文書で異なって識別されている場合,それらの対応関係を正式化し,文書の利用
を助けるためにプロファイルを作成しても良い。例えば,SEアセスメント規格は,SEプロセスのための
識別方式を独自に定義している。
表4のプロファイルへの追加として,この対応関係を正式化するものが作成されることがある。表5参
照。
7.4 プロセス規格とプロダクト規格とのプロファイルによる関連付け
プロセスとプロダクトとの間の関連は,プロダクト規格又はプロセス規格で確立される。もし,プロセ
ス及びプロダクトが共にプロファイルの中で強化されるのであれば,かつ,それらの関係も同様に強化さ
れるのであれば,プロファイル中に,関係(入力及び出力)を示す表が追加されなければならない。
適用される完全性の制約,すなわち,基礎規格においてもしプロダクトXがプロセスYの出力であるな
らば,他の基礎規格のプロセスZの出力として示すことはできないという制約,を考慮することは重要で
ある。
――――― [JIS X 0165-2 pdf 12] ―――――
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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
ライフサイクルプロセス及び出力成果物のためのプロファイルの例示を表6に示す。
もし複数の文書において,同一のプロセスとプロダクトとが異なって識別されているならば,その対応
関係を示すプロファイルが作られなければならず,そうすることによって文書を利用しやすくできる。例
えば,SEアセスメント規格は,SEプロセスのための識別方法を独自に定義している。
表6に追加してそのような対応関係を示すプロファイルを準備することができる。表7を参照。
――――― [JIS X 0165-2 pdf 13] ―――――
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X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC 29110-2 : 2011)
表2−ライフサイクル成果物のモデル化手法のプロファイルの例
プロファイル構成 SE LC情報成果物の内容 ODPシステム仕様のためのUMLの使用 統一モデル化言語仕様
文書ID 箇条 箇条要素ID 要素 文書ID 箇条 箇条名称 要素 要素名称 文書ID 箇条 箇条名称 要素ID 要素名称文書ID 箇条番号箇条 要素要素名称
番号 名称 名称 番号 ID 番号 名称 ID
プロファ プロファ 規格ID Record 規格ID
イル(規格) イル要素
ID
nnnnn-m n △△ ○.○△△ ISO/IEC 10 Specific 10.14 Database-ISO/IEC 8 Information IVObject JIS 第5区分 静的 5.19 クラス図
△ △ 15289: Information Design 19793 Specification X 4170 構造図
2006 Items Description
··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ···
表3−ライフサイクル成果物間の対応を示すプロファイルの例
プロファイル構成 SE LC情報成果物の内容 プロセスアセスメントモデルの例
文書ID 箇条 箇条 要素ID 要素 文書ID 箇条 箇条名称 要素 要素名称 文書ID 箇条 箇条名称 要素 要素名称
番号 名称 名称 番号 ID 番号 ID
プロフ プロフ 規格ID Record 規格ID 作業
ァイル ァイル 成果物
(規格) 要素
ID
X0
nnnnn-m N △△△ ○.○ △△△ ISO/IEC 10 Specific 10.75 System ISO/IEC Annex Work product 17-03 Customer
165
15289: Information Requirements15504-5: B (Inf) characteristics requirements
-
2 : 2
2006 Items Specification 2006
ISO/IEC 10 Specific 10.75 System ISO/IEC Annex Work product 17-12 System
013(
15289: Information Requirements15504-5: B (Inf) characteristics requirements
ISO/
2006 Items Specification 2006
I
ISO/IEC 10 Specific 10.14 Database ISO/IEC Annex Work product 04-01 Database
EC2
15289: Information Design 15504-5: B (Inf) characteristics design
9
2006 Items Description 2006
1
10
··· ··· ··· ··· ···
-2 : 2011
6
)
――――― [JIS X 0165-2 pdf 14] ―――――
12
29110-2 : 2011)
X 0165-2 : 2013 (ISO/IEC
X0
6
表4−ライフサイクルプロセス及び成果についてのプロファイルの例
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プロファイル構成 ソフトウェアライフサイクルプロセス
5-
2
文書ID 箇条 箇条 要素ID 要素 文書ID 箇条 箇条名称 要素 要素名称 要素 要素名称
: 2
番号 名称 名称 番号 ID ID
013(
プロファ プロフ 規格ID プロ 成果
I
セス
SO/
イル(規 ァイル
格)ID 要素
IEC2
nnnnn-m 8 △△△ 8.1 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.1 利害関係者要求事項6.4.1.a サービスに要求されている特性及び
9
2012 サイクルプロセス 定義プロセス サービスの利用場面が指定されてい
1
10
る。
-2 : 2
nnnnn-m 8 △△△ 8.2 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.1 利害関係者要求事項6.4.1.c 利害関係者要求事項がどの利害関係
2012 サイクルプロセス 定義プロセス 者のものか,及びどのニーズに対応
011
しているかが追跡可能である。
)
nnnnn-m 8 △△△ 8.3 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.1 利害関係者要求事項6.4.1.d システム要求事項を定義するための
2012 サイクルプロセス 定義プロセス 基礎が記述されている。
nnnnn-m 8 △△△ 8.4 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.1 利害関係者要求事項6.4.1.f サービス又は製品を供給するための
2012 サイクルプロセス 定義プロセス 交渉及び合意の基礎が提供されてい
る。
nnnnn-m 8 △△△ 8.5 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.2 システム要求事項 6.4.2.a 解決することが望ましい問題を記述
2012 サイクルプロセス 分析プロセス したシステムの機能要求事項及び非
機能要求事項の定義された集合が確
立されている。
nnnnn-m 8 △△△ 8.6 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.2 システム要求事項 6.4.2.b 選択されたプロジェクトソリューシ
2012 サイクルプロセス 分析プロセス ョンを最適化するために適切な手法
が実行されている。
nnnnn-m 8 △△△ 8.7 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.2 システム要求事項 6.4.2.c システム要求事項が正確性及びテス
2012 サイクルプロセス 分析プロセス ト可能性について分析されている。
nnnnn-m 8 △△△ 8.8 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.2 システム要求事項 6.4.2.e 必要に応じて,要求事項が優先順序
2012 サイクルプロセス 分析プロセス 付けられ,承認され,更新されてい
る。
nnnnn-m 8 △△△ 8.9 ··· JIS X 0160:6 システムライフ 6.4.2 システム要求事項 6.4.2.g ベースラインの変更は,コスト,ス
2012 サイクルプロセス 分析プロセス ケジュール及び技術的影響に対して
評価されている。
··· ··· ··· ··· ···
――――― [JIS X 0165-2 pdf 15] ―――――
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JIS X 0165-2:2013の引用国際規格 ISO 一覧
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