JIS X 0525:2013 自動認識技術―リライタブルハイブリッドメディアの評価仕様 | ページ 2

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X 0525 : 2013 (ISO/IEC 29133 : 2010)
Rmin 最小反射率

5 ハイブリッドメディア機能及びプロセスの解説

  RMは,バーコードシンボル及び/又は人間可読データを含む光学データの書込みと消去とが繰り返し
てできる基材である。これは,基材に光学画像形成層を組み込むことで可能となる。消去及び書換えは,
通常この二つの機能を兼ね備えた単独の装置によって行われるが,それぞれの機能に特化した個別装置の
組みによって行われることもある。
この規格は,箇条6で規定している適合への基本的な要求事項を満たすことだけを規定するものであっ
て,システムの構成要素である基材の種類及び“印字”プロセスに対して,何ら制約を課すものではない。
技術例を附属書Aに示す。
このRHMを用いることによって,表示技術及び無線技術の利点を活用したアプリケーションの開発を
可能にする。重要な優位性は,媒体が複数回再利用できることにある。
注記 個別装置には,RM消去装置,RM印字装置,RFID読取装置,RFID書込装置などがある。

6 RMシステムの適合試験

6.1 概要

  箇条6では,RMを単体として用いる場合,又はRHMの構成要素の一つとして用いる場合にも,同じ
く適用する。
RMシステムは,RM製品と,バーコード及び/又は人間可読データを消去し,新しく書き換えること
ができる装置とによって構成する。6.2では,RMとRM専用の装置との性能に対して,適合性を要求する
(又は適合していることを明確にする。)ための手順を規定する。6.2.1及び6.2.2では,プロセス管理目的
で考慮を要する要素を規定する。最終的には,より詳細な一連のプロセス管理方法を規定している。

6.2 製品の適合性

  RM製品及びRM装置の製造業者は,アプリケーション設計者及び使用者が適切な製品を選択できるよ
うに,製品の型式試験を実施することを求められている。全ての適合性表明は,次の条件を満たす最小総
合印字品質グレードとして表現しなければならない。
a) IS X 0523に規定されている手順を用いている。
b) 一次元シンボルの場合,JIS X 0520の手順を用いて申告し,試験目的で用いたシンボル及びX寸法を
特定する。
c) 二次元シンボルの場合,ISO/IEC 15415の手順を用いて申告し,試験目的で用いたシンボル及びその
X寸法を特定する。
d) (消去及び書換えサイクルの繰返しにおける)最初の印字画像には,未使用のRM製品を用いている。
e) M製品の製造業者によって申告された消去及び書換えサイクルの回数に基づいている。
f) グレードを測定したときの,光源の波長を申告する。
g) 試験で用いたスキャンの測定開口径を申告する。
注記 上記f)及びg)は,b)及びc)での内容と重複しているが,この規格は,対応国際規格とのIDTで
あるため,そのまま記載した。
6.2.1 RMの製造業者による試験及び申告
RMの製造業者は,どのような書換装置を選択して製品試験を実施してもよい。この装置は,試験報告
の中で製造社名及び型式コードによって識別されることが望ましい。試験報告は,6.2にある項目全てを扱

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わなければならず,その他の点ではJIS X 0523に適合しなければならない。
6.2.2 RM書換装置の製造業者による試験及び申告
RM書換装置の製造業者は,どのようなRMを選択して装置試験を実施してもよい。この媒体は,試験
報告の中で製造社名及び型式コードによって識別されることが望ましい。試験報告は,6.2にある項目全て
を扱わなければならず,その他の点ではJIS X 0523に適合しなければならない。

6.3 プロセス管理項目

  RMの性質上,一次元シンボルのJIS X 0520及び二次元シンボルのISO/IEC 15415に規定された方法以
外にも考慮する必要がある事項がある。これらは,6.3.16.3.5で規定する。
6.3.1 最小総合グレード
JIS X 0520に規定されている方法を用いて一次元シンボルを評価するとき,又はISO/IEC 15415に規定
されている方法を用いて二次元シンボルを評価するときは,繰り返して印字される画像の最小総合印字品
質グレードをアプリケーションによって規定されたとおりにしなければならない。
6.3.2 シンボルコントラストのグレード付け及びアプリケーション標準
RMによっては,高いシンボルコントラストグレードを得ることが難しい場合もある。アプリケーショ
ンが3(B)よりも高いレベルの総合グレードを要求する場合は,アプリケーション標準で追加的なアドバ
イスを提供し,シンボルコントラストを省いた総合シンボルグレードを計算する。それに加えてシンボル
コントラストに対する許容可能なグレードを規定することが望ましい。
6.3.3 変位幅のグレード付け及びアプリケーション標準
RMによっては,最も高い変位幅グレードを得ることが難しい場合もある。アプリケーションが3(B)よ
りも高いレベルの総合グレードを要求する場合は,アプリケーション標準で追加的な推奨的な事項を提供
し,シンボルグレードを算出するときに変位幅を省いた総合シンボルグレードを規定し,それに加えて変
位幅に対する許容可能なグレードを規定することが望ましい。
6.3.4 最小反射率における要求事項
6.4に規定しているプロセス制御方法を使用可能にするために,アプリケーションによって,基材の反射
率しきい(閾)値[最小明反射率(RLmin)]を設定しなければならない(6.4.2参照)。これは,シンボル
コントラスト及び変位幅に関する要求が満たせることを確実にするためである。
注記 基材からの明反射率(RL)は,場所によって値が異なるが,それらの値の中で最小の値がRLmin
である。
6.3.5 光源の波長
RMの光学特性に起因し,反射率の測定値は,用いるスキャナ(光学読取装置)の光源の波長によって
大きく変化する。光学システムに用いる技術及びスキャナが製造会社及び型式によって,反射率の測定値
が異なっているため,アプリケーションにおいて,走査目的に適した光源の波長について,何らかの考慮
が必要である。
ISO/IEC 15415が提供している詳しい助言は,この規格においても,RMに印刷された一次元シンボル
及び二次元シンボルの両者に当てはまる。ISO/IEC 15415は,想定走査環境での特性と同じ特性をもつ光
源を用いて測定することを推奨している。
プロセス制御試験(6.4参照)は,アプリケーションで定められた波長の光源を用いて行われることが望
ましい。アプリケーションで規定されていない場合,初期値を660 nmとする。

6.4 プロセス制御方法

6.4.1  プロセス制御に関する留意事項

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6.4.1.1 JIS X 0520のプロセス制御
JIS X 0520の附属書J(参考)が引用しているISO/IEC 15416のAnnex J (informative)は,シンボル印字
のプロセス制御について考察している。この附属書に規定されている手順は,RMに,そのまま適用する
ことはできない。なぜならば,それらの手順では,同じシンボルを,一様に均質な基材を用いて連続印字
するような状況に適用しているからである(すなわち,それらは均質なセットを形成する。)。JIS X 0520
のプロセス制御方法は,均質なセットの変動をモニタ及び制御するように設計されている。それに対して,
RMを消去して書き換えるのに用いるプロセスには,多数回又は何回か再利用されている媒体が,ランダ
ムに連続して混在している(すなわち,それらは不均質なセットを形成する。)。さらには,RMは,消去
回数及び書換回数だけでなく,想定外の損傷,使用条件などによっても影響を受ける。
RMのための,より適切なプロセス制御方法を,次に規定する。
6.4.1.2 不均質性
RMの性質は,使用に伴い,複雑に組み合わされる要因によって,品質が劣化することである。基本的
な要因は,書換えの回数であるが,データキャリアとしての媒体が,繰り返して用いられる中で,悪い環
境条件(例えば,通常使用よりも高い温度の下。)に置かれると,劣化が加速することもある。書換えのた
めに処理されたRMの集まりは,不均質である可能性があり,RMとしての品質が一枚一枚異なるため,
書換えに適さない媒体の存在を予測するのは困難である。
6.4.1.3 サンプリング数に関する留意事項
各媒体の品質が均質なセットについては,緻密な試験を,少ないサンプル数で適用できるのに対し,RHM
については,簡単な試験を,より多くのサンプル数又は全数で適用することが,より適切である。6.4.2
6.4.5では,順を追って緻密になる一連の試験方法を特定する。それらの試験の適用範囲は,少数のサンプ
ルから全数検査までの幅がある。
6.4.2 反射率試験
最も簡単な試験の一つとして,基材の地色からの明反射率(RL)を判定する方法がある。
RLに基づいたこの基本的な方法は,消去及び書換えサイクルに用いた,RMの一枚一枚に適用すること
が望ましい。また,アプリケーションは,判定のしきい(閾)値[最小明反射率(RLmin)]を新しい基材
の反射率との比の形で設定することが望ましい。アプリケーションが設定しないときのしきい(閾)値は,
基材の最大反射率(Rmax)のマイナス10 %とする[例えば,もし,新しい基材のアプリケーションが設定
しないときのRmaxが0.83であれば,この試験での反射率しきい(閾)値は,各書換えサイクルにおいて,
0.75以上であることを示す。]。
この反射率試験で不合格となった全てのRM印刷結果は,JIS X 0520及び/又はISO/IEC 15415で規定
する要求事項で判定することが望ましい。
注記 この評価法は,最も簡便な方法の例である。RM又はRHMの初期の最大反射率は,RM又は
RHMを製造する時点で測定した値を製品に添付しておくと,よりよい結果が得られる場合があ
る。
6.4.3 シンボルコントラスト試験
RMを再利用する場合,より適した評価は,全ての走査線における,反射率の最大値及び最小値に基づ
いて計算されたシンボルコントラストによって行うことができる。この試験は,消去前のRMに適用でき
る。もし,シンボルコントラストがアプリケーションで定められた値よりも小さければ,そのRM印刷結
果は,JIS X 0520及び/又はISO/IEC 15415に定められている要求事項で試験することが望ましい。
任意の画像(バーコードも含まれている場合がある。)のシンボルコントラストを測定することに代わっ

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て,別の方法を考えることができる。もし,アプリケーション標準によって,印字領域に十分な余裕があ
れば,特別なマークのセットを,各書換えサイクルにおいて印字することができる。附属書Bでは,使用
されるごとに,消去よりも前に特別なマークのセットを読み取り,RMが使えないか,再利用できるかを
判断することが可能な構造を示している。
注記1 評価プロセスは,シンボルコントラストを測ることを意図しているが,6.4.2に規定している
反射率試験に適用することもできる。
注記2 この評価法は,RM又はRHMの表示内容を書き換えるごとに,RM又はRHMの目立たない
場所に特別なマークを印字して反射率の測定を行い,使用限界を判定する方法の例である。
6.4.4 使用限界判定のための新たなプロセス制御方法
JIS X 0520の評価方法に加えて,新たな試験方法[二つの反射率値の和(Rmax−RLmin)+(RDmax−Rmin)
を用いる方法]を適用する(附属書Cを参照)。
注記 RM又はRHMの使用限界を判定できる最も複雑な例である。この例では,最も適切な使用限
界を見つけることができる。
6.4.5 シンボル検証
シンボル検証は,シンボルの品質及び/又は印字プロセスをモニタすることを主たる意図として,印字
の後にサンプル単位で適用するのが望ましい。個別のRMが使用限界に達したことを検知することを目的
として,シンボル検証を適用することは望ましくない。
注記 サンプル単位のシンボル検証は,消去の前に適用しないことが望ましい。なぜならば,システ
ム全体の品質に寄与しないからである。

7 RFタグ構成要素の適合試験

7.1 概要

  箇条7では,RFタグがRHMの構成要素として組み込まれる場合,又は物理的に別のデータキャリアと
してRHMシステム内(例えば,通い箱など)にある場合にも,同じく適用する。
7.27.4では,RFタグの適合性を要求するための手順を規定する。7.4.17.4.3では,プロセス管理の目
的で考慮を必要とする要素を規定する。最終的に,簡易法から精密法までの一連のプロセス管理方法が規
定される。

7.2 製品の適合性

  RHMのアプリケーションで用いるRFタグは,ISO/IEC 18000規格群の中の特定の部に規定された適切
な技術に基づくべきであり,具体的には,用いるモード及びエアインタフェース手順の種類を特定する。
RHM製品に用いるRFタグの製造業者は,製品の型式試験を実施して,アプリケーション設計者及び利
用者が,適切な製品を選定可能にすることを求められている。ISO/IEC TR 18047規格群に規定されている
試験手順では,RFタグの機能試験を規定している。特定のエアインタフェース手順機能試験に合格した
RFタグだけをRHM製品の構成要素として用いなければならない。このような試験は,手順に従って試験
が実施されたことの詳細を提供する,製造業者の証明書によって保証されることが望ましい。

7.3 RFID性能試験

  ISO/IEC 18046規格群は,RFタグの性能を測定する試験手順を規定する。ISO/IEC 18046規格群に完全
に適合させるための試験測定場所は,既定の仕様を満たす,電波暗室,接地面のある電波暗室又は所定の
オープンエリアテストサイト(OATS)であることが求められている。
この規格の目的上,ISO/IEC 18046規格群は,RFID製品が,アプリケーションの要求する性能と比較可

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能にする型式試験だけに用いることが望ましい。
この規格の目的上,RHMを処理する連続的サイクルからは,RFタグ構成要素の仕様変更を要求しない。
しかし,幾つかのプロセス管理試験を7.4に規定する。

7.4 プロセス管理方法

  RFタグが次の7.4.1,7.4.2及び7.4.3で示すような機能を利用可能にし,その機能がアプリケーションで
要求されている場合は,次のプロセス管理方法を適用しなければならない。
7.4.1 RFタグの読取り及び書込み
RFタグへの基本的な要求として,過去のサイクルのデータを読み取り,新しいデータに書き換えること
ができなければならない。いずれかの機能が果たせない場合,タグに何らかの損傷が与えられたか,又は
RFタグによっては,通常の書換禁止モードに設定されていることを示している。例えば,アプリケーショ
ンサイクルから,RFタグ内にある追加的又は代替的パスワードを発行してしまうことがある。
この試験(7.4.1)で不合格となったいかなるタグも排除されなければならない。また,RHMシステム
の中に存在してはならない。
7.4.2 ロックされたメモリへの試験
多くのRFタグは,メモリ内の選択された箇所を,アプリケーションの要求によってロックする機能を
提供する。アプリケーション標準によってロックすべきデータ及びロックすべきではないデータを特定す
ることが可能であり,アプリケーションに関係するデータに書き換えることができる。書換えの前の読取
りサイクルの中で,メモリの一部分が,アプリケーションが定めていない方法でロックされていることが
判明した場合,そのRFタグを,RHMシステムから排除しなければならない。
注記 全てのRFタグが,製品の仕様に完全に適合している場合は,RHMの導入が容易である。異な
るロッキング機能を備えるRFタグが,基本的なエアインタフェース手順に適合している場合,
RFタグが混在すると,このような種類の合格又は不合格手順を適用することができない。
7.4.3 センサ機能
RFタグの中には,センサ機能が組み込まれているものもある。ISO/IEC 18000規格群の中にある,特定
のエアインタフェース手順の標準は,どのインタフェース手順がこのセンサ機能を利用可能にするのかを
特定している。
RFタグがセンサを利用可能にする場合,RFタグが書換え可能か又は除外すべきかを決めるために,次
の手順を適用しなければならない。
1) センサを利用可能にする電池の出力が低い場合は,RFタグは,一時的に書換手順を中断しなければ
ならない。電池の状態は,書換手順とは別に評価され,電池が再充電又は交換できたRFタグが,
RHMプロセスに戻される。
注記 電池を交換できるセンサ付きRFタグも存在する。
2) センサのアラームが起動状態にある場合,RFタグは,一時的に書換手順を中断しなければならない。
そのセンサを,更なるオフライン試験手順に従ってアラームをリセットし,RFタグをRHMプロセ
スに戻すかを判断することができる。
注記 センサによっては,再設定及びアラームのリセットが可能である。
3) アプリケーションが書換手順に入る前に,過去のアプリケーションサイクルの履歴の確認と消去と
を要求する場合,センサメモリの履歴部分だけを選択的に読み取ることで,追加的な抜取検査を適
用できる。抜取検査では,もし,ロットの中で一つでもデータが残っているセンサが見つかれば,
そのロットはオフラインでの確認及び再処理を行って,過去の履歴が消去されることを確実にする

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JIS X 0525:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 29133:2010(IDT)

JIS X 0525:2013の国際規格 ICS 分類一覧

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