64
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
特定の期間に受け入れた印刷資料及び電子資料の数を数える。電子的定期刊行物及び新聞については,
年間購読1件を1冊として数える。
受入及び目録作業に従事しているフルタイム換算の職員数を算出する(定期刊行物の受入及び目録作業
は含むが,遡及入力は含まない。)。非常勤職員及び常勤職員のほか,プロジェクトスタッフも考慮に入れ
る。職員が幾つかの職務に従事している場合,各々の職務に費やした時間は,標準的な期間における各時
間を記録するのがよい。このようにして,あらゆる職員が資料整理に専念した時間の割合を算出すること
ができる。時間が記録できない場合は,その代わりとして,この割合を推定することができる。
パートタイム職員のフルタイム換算数は,次の方法をとる。
− 通年雇用者 : 週当たりの勤務時間数を通常の週当たりの勤務時間数で除したもの。
− 通年雇用でない者 : 週当たりの勤務時間数を通常の職員の週当たりの勤務時間数で除し,比率(雇用
週数を52で除した値)を乗じる。
資料整理における職員の生産性(IEPMP)は,次の式による。
IEPMP=A/B
ここに, A : 特定の期間に受け入れた資料の数
B : フルタイム換算した,資料整理に従事した職員数
小数点以下は,四捨五入する。
B.3.3.4.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,上限のない整数とする。
通常,高い値がよいとされる。
この指標は,整理される資料の種類,資料整理の方法及びコピーカタロギングの可能性の影響を受ける。
この指標は,上記の責務が外注化されている場合には適用しない方がよい(例 目録データの購入)。
B.3.3.4.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
− [6](PI 3.3)
− [25] pp. 199-201
B.3.4 全般
B.3.4.1 利用者当たり費用(Cost per User)
B.3.4.1.1 目的
利用者数との関連から,図書館サービスの費用を測定する。
B.3.4.1.2 指標の適用範囲
全ての図書館。
同じ方法で経費を計算する場合には,同様の使命をもつ図書館間の比較に用いてもよい。
B.3.4.1.3 指標の定義
1会計年度の図書館の経常経費又は運営経費の総額を,利用者数によって除したもの。
経常経費総額は,次の支出の合計である。
a) 資料購入費(製本,使用許諾契約及びペイ パー ビューの費用を含む。)
b) 人件費(プロジェクト職員,学生補助員などを含む。)
c) その他全ての使途にかかる経費,すなわち,コンピュータ及びネットワークの運用・維持費,ソフト
ウェアの使用許諾契約及び通信にかかる費用,不動産の賃借料及び建物維持費,水道光熱費(暖房・
電気・上下水道),既存のじゅう(什)器及び機器の修理又は交換費,その他の費用(例 目録作成,
――――― [JIS X 0812 pdf 66] ―――――
65
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
複写,郵送,サービスの広報,事務用品,保険,交通,通信,コンサルティング)
この指標において,“利用者”とは,過去1年間に来館した,又は他の方法で図書館のサービスを利用し
た人を指す。貸出を主な活動とする図書館の場合には,貸出を行った利用者数をターゲット集団中の利用
者数の推定値としてもよい。
この指標では,“利用者”を,個人又は団体(組織,機関又は会社)としてもよい。
B.3.4.1.4 方法
B.3.4.1.4.1
サービス対象者から無作為標本を抽出する。標本中の各人に対して,過去1年間に図書館に来館したか,
又は他の方法で図書館のサービスを利用したかを質問する。会計データを用いて,1会計年度の経常経費
総額を計算する。当年度の金額については,予算データから推定してもよい。
利用者当たり費用(ICPU1)は,次の式による。
ICPU1=(A/D)×(C/B)
ここに, A : 当該通貨で表した,1会計年度の図書館の経常経費総額
B : “はい”と回答した,標本中の人数
C : 標本の人数
D : サービス対象者数
値は,用いた通貨の慣例に従って丸める。
B.3.4.1.4.2
コンピュータによる貸出システムの記録を用いて,過去1年間に資料を借りた,ターゲット集団中の利
用者数を数える。
利用者当たり費用(ICPU2)は,次の式による。
ICPU2=A/B
ここに, A : 当該通貨で表した,1会計年度の図書館の経常経費総額
B : 過去1年間の貸出者数
値は,用いた通貨の慣例に従って丸める。
B.3.4.1.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,上限のない実数とする。
この指標は,次の事項の評価に用いる。
− 同一図書館における異なる期間での費用対効果の比較
− ある地域における図書館と他のサービスとの費用対効果の比較
− 同じ館種の他の図書館との費用対効果の比較
この指標を単独で用いない方がよい。この指標は,より広い観点から検討する方が有用である。この指
標は,サービスの範囲及び品質,並びに,より一般的には図書館の目標との関連から検討されるのが望ま
しい。目標に照らして解釈される場合,公的な財源からの支出の正当性を判断するために,及び同様の図
書館間での費用の相違を把握するために用いることができる。計算は,会計方法の違いに影響される。貸
出者だけを数える方法を用いる場合には,資料を借りずに他のサービスを受けた利用者を除外することに
なるため,利用者当たり費用を過大に推定する可能性がある。
B.3.4.1.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
[4] pp. 52-53
B.3.4.1.7 関連指標
――――― [JIS X 0812 pdf 67] ―――――
66
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
来館当たり費用(B.3.1.4)及び貸出当たり費用(B.3.1.1)を参照。
B.4 発展可能性
B.4.1 コレクション
B.4.1.1 電子的コレクション提供にかかる経費の割合(Percentage of Expenditure on Information Provision
Spent on the Electronic Collection)
B.4.1.1.1 目的
図書館が電子的コレクションの構築に取り組んでいる程度を測定する。
B.4.1.1.2 指標の適用範囲
全ての図書館。
図書館コレクションの特定部分(例 ジャーナル,主題分野)又は図書館の分館に用いてもよい。
これらのそれぞれの領域間で,この指標の結果を比較して,百分率に著しい相違があるかどうかを調べ
てもよい。
主題の相違,並びに資料収集方針及びサービス対象者の社会的・経済的要因の相違を考慮する場合には,
図書館間で比較してもよい。
B.4.1.1.3 指標の定義
図書館資料購入費の総額のうち,電子的コレクション提供にかかる経費の百分率。
電子的コレクションには,データベース,電子逐次刊行物及びデジタル資料を含む。
この指標において,電子的コレクション提供にかかる経費は,図書館の資料収集,購読及び使用許諾契
約にかかる費用からなる。図書館によっては,代わりに,ペイ パー ビューの費用及び電子的文献配送の
費用を電子的コレクション経費に含めることにしてもよい。値を公表する又は比較する場合には,そのこ
とを明示するのがよい。
製本の費用は,資料購入費の総額から除く。
ハードウェア,ソフトウェア,ネットワークなどのインフラにかかる経費,及び資料のデジタル化にか
かる経費は含めない。
付加価値税,消費税・サービス税,又はその他の地方税を含める。これらを含めることは,国際比較に
影響がある可能性がある。
B.4.1.1.4 方法
ある会計期間における,電子的コレクションのための図書館の資料収集,購読及び使用許諾契約の経費
(希望に応じて,ペイ パー ビューの費用及び電子的文献配送の費用を含む。)を計算する。図書館がコン
ソーシアムなどの包括契約に加わっている場合,契約経費における自館の負担分だけを数えるのがよい。
資料の電子版を印刷版と一括で受け入れている場合は,電子版への追加支払分だけを数えるのがよい。
電子的コレクション提供にかかる経費の割合(IPEIPSEC)は,次の式による。
IPEIPSEC=(A/B)×100
ここに, A : 電子的コレクション経費
B : 資料購入費の総額
小数点以下は,四捨五入する。
B.4.1.1.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,0100の整数とする。
経年的な比較は,図書館が,その焦点を電子的情報に移す程度を明らかにする。しかし,印刷形態の資
――――― [JIS X 0812 pdf 68] ―――――
67
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
源と電子形態の資源との間における価格構造の相違は,経年的な比較にかなりの影響を与える。
この指標は,その図書館の使命及び目標に照らして解釈されなければならない。資料収集方針,サービ
ス対象者の構成,及び特に図書館が収集する主題は,この値に大いに影響を与える。
したがって,この指標は,単独で用いない方がよく,コレクション利用の指標及び利用者満足度の指標
と組み合わせて用いるのがよい。
B.4.1.1.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
− [3](PI 11)
− [6](PI 1.4)
− [25] pp. 233-237
B.4.1.1.7 関連指標
電子的サービスに従事している職員の割合(B.4.2.1)を参照。
B.4.2 職員
B.4.2.1 電子的サービスに従事している職員の割合(Percentage of Library Staff Providing and Developing
Electronic Services)
B.4.2.1.1 目的
図書館が電子的サービスに対する技術的支援に投入している人的資源の程度を測定する。
B.4.2.1.2 指標の適用範囲
自館の職員によって電子的サービスを提供する,全ての図書館。同じ方法で測定する場合には,同様の
使命及び同様の利用者をもつ図書館間の比較に用いてもよい。
B.4.2.1.3 指標の定義
ITサービスの計画立案・運用・提供・開発及び図書館の電子的サービスの技術的開発・改善を行う図書
館職員数(フルタイム換算)を,図書館職員総数(フルタイム換算)で除したもの。
この指標において,電子的サービスの提供とは,図書館コンピュータシステム,図書館ウェブサーバ,
電子出版物の保管庫,電子的レファレンスシステムなど利用者に提供される全てのソフトウェア アプリケ
ーションの運用・開発,及びコンピュータ ハードウェア(サーバ,コンピュータ,プリンタ及びスキャナ)
の保守を行う職員を意味する。
案内・ヘルプサービス,電子的資源の受入・整理,電子的コレクションのための資料のデジタル化,電
子図書館サービスの利用者教育及び図書館のインターネットサービスのコンテンツに関連する業務を行っ
ている職員は除外する。
B.4.2.1.4 方法
電子的図書館サービスを提供・開発する図書館職員数(フルタイム換算)は,プロジェクトのための雇
用スタッフを含めた,常勤・非常勤全ての職員が,ITサービスの計画立案・運用・提供・開発及び図書館
のウェブ上のサービスの技術的開発・改善に従事した時間の合計を算出する。
多くの職員が電子的サービスに対する技術的支援に従事している場合は,標本抽出によってデータを収
集してもよい。例えば,ある1日又は標準的な数日の業務日誌を記録するように職員に求めてもよい。そ
の場合,技術的支援に従事した時間は,標本期間中の職員の総勤務時間に対する百分率として算出できる。
図書館職員総数(フルタイム換算)は,プロジェクトのための雇用スタッフを含めた,常勤・非常勤全
ての図書館職員をフルタイム換算した合計を算出する。
電子的サービスに従事している職員の割合(IPLSPDELS)は,次の式による。
――――― [JIS X 0812 pdf 69] ―――――
68
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
IPLSPDELS=(A/B)×100
ここに, A : ITサービス及び/又はウェブ上のサービスを提供・
運用・開発している図書館職員数(フルタイム換算)
B : 図書館職員総数(フルタイム換算)
小数点以下は,四捨五入する。
B.4.2.1.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,0100の整数とする。この値は,図書館が,ITサービス及びウェブ上のサービスの提供・
開発に与えている優先度を示す。
上記の責務のうちいずれかが(報酬の有無にかかわらず)IT部門などの外部機関に外注されている場合
は,外部化された作業量が,しかるべく数量化できる(すなわち,フルタイム換算できる)ときに限り,
この指標を適用することが望ましい。この作業量は,式のA及びBの両方に加算するのがよい。
B.4.2.1.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
− [3](PI 13を適用)
− [6](PI 4.4)
− [25] pp. 238-241
B.4.2.1.7 関連指標
電子的コレクション提供にかかる経費の割合(B.4.1.1)を参照。
B.4.2.2 職員当たり公式研修参加時間数(Number of Attendance Hours at Formal Training Lessons per Staff
Member)
B.4.2.2.1 目的
公式研修に参加することによる,図書館職員のスキルの向上を測定する。
B.4.2.2.2 指標の適用範囲
全ての図書館。
B.4.2.2.3 指標の定義
職員の公式研修参加時間を,図書館職員総数(総人数であって,フルタイム換算ではない。)で除したも
の。
研修は,あらかじめ用意された指導として構成され,館内又は外部で開催されるもの,及び図書館職員
又は外部の専門家によって主催されるものがあり得る。
この指標は,研修参加者の人数も測定する。
B.4.2.2.4 方法
公式研修参加時間数は,図書館職員がこれらの研修に参加した記録を取ること及びこれらの研修の参加
時間を数えることによって確認できる。次に,この時間数を職員総数で除す。
職員当たり公式研修参加時間数(INAHFTLSM)は,次の式による。
INAHFTLSM=(A/B)×100
ここに, A : 特定期間における公式研修参加時間数
B : 図書館職員総数
小数点以下は,四捨五入する。
B.4.2.2.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,上限のない整数とする。値が高いほど,研修参加の点で条件がよいことを意味する。低い
――――― [JIS X 0812 pdf 70] ―――――
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JIS X 0812:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11620:2008(IDT)
JIS X 0812:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.140 : 情報科学.出版 > 01.140.20 : 情報科学
JIS X 0812:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称