JIS X 0812:2012 図書館パフォーマンス指標 | ページ 5

                                                                                             19
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
表A.1−図書館で通常行われている又は提供されている活動及びサービスのための
パフォーマンス指標一覧(続き)
参照項目 パフォーマンス指標 記述/目的
B.2.2.3 外部利用者の割合 図書館のサービス対象者に含まれない利用者の
百分率を測定する。また,その地域(リージョ
ン)における学習及び文化に関する図書館の重
要性を測定する。加えて,サービス対象領域外
への図書館のインパクト及び誘因力を推定す
る。
B.2.2.4 外部利用者による貸出率 図書館の貸出サービスが外部利用者に利用され
ている程度を測定する。サービス対象者以外の
利用者にとっての図書館コレクションの誘因力
を示す。
B.2.2.5 人口当たり図書館の催物参加者数 図書館のサービス対象者に対する催物の誘因力
の度合いを推定する。
B.2.2.6 人口当たり利用者教育参加者数 図書館サービスに関する教育の提供を通じて,
利用者に対する図書館サービスの到達度を測定
する。
B.2.3 施設
B.2.3.1 利用者用座席占有率 ある時点での利用中の座席の比率を推計するこ
とによって,図書館内での閲覧及び作業のため
に提供されている座席の全体的な利用率を測定
する。
B.2.3.2 ワークステーション利用率 特定の時点でのワークステーションの利用割合
を推定することによって,ワークステーション
の総利用率を測定する。
B.2.4 全般
B.2.4.1 ターゲット集団の利用率 ターゲット集団における図書館サービスの到達
度を測定する。
B.2.4.2 利用者満足度 利用者が,図書館のサービス全体又は個々のサ
ービスに満足している程度を測定する。
B.3 効率性 資源及びサービスの効率性(例 貸出当たり費
用,電子的資源のセッション又はダウンロード,
資料の受入又は整理にかかる時間,正答率)を
測定するパフォーマンス指標
B.3.1 コレクション
B.3.1.1 貸出当たり費用 貸出数との関連から,図書館サービスの費用を
測定する。
B.3.1.2 データベースセッション当たり費用 セッション数との関連から,データベースの費
用を測定する。
B.3.1.3 ダウンロードされたコンテンツ単位当たり費用
ダウンロードされたコンテンツ単位数との関連
から,電子的資源の費用を測定する。
B.3.1.4 来館当たり費用 図書館への来館回数との関連から,図書館サー
ビスの費用を測定する。
B.3.2 アクセス
B.3.2.1 資料の受入に要する期間(中央値) 図書館資料の供給者が,納入の迅速性の点で有
効である程度を測定する。
B.3.2.2 整理に要する期間(中央値) 様々な整理手順が,迅速性という点で有効かど
うかを測定する。
B.3.3 職員

――――― [JIS X 0812 pdf 21] ―――――

20
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
表A.1−図書館で通常行われている又は提供されている活動及びサービスのための
パフォーマンス指標一覧(続き)
参照項目 パフォーマンス指標 記述/目的
B.3.3.1 職員の利用者サービス従事率 サービス提供業務に図書館が費やす労力の程度
を,後方支援業務との関連から測定する。
B.3.3.2 正答率 職員が,よいレファレンスサービスであるため
の第一の要件(すなわち,質問に対して,正し
い回答を提供すること)を満たすことができる
程度を測定する。
B.3.3.3 職員人件費に対する資料購入費の割合 資料購入費を職員人件費と関連付けることで,
図書館が,収入をコレクションに適切に投資し
ているかどうかを測定する。
B.3.3.4 資料整理における職員の生産性 特定の期間(通常1年間)における,受入資料
(印刷資料及び電子資料)の職員当たり平均整
理件数を測定する。この指標は,職員の生産性
を典型的に明らかにする。
B.3.4 全般
B.3.4.1 利用者当たり費用 利用者数との関連から,図書館サービスの費用
を測定する。
B.4 発展可能性 図書館の,新規のサービス・資源領域への投入
量,及び発展のための資金獲得能力を測定する
パフォーマンス指標(例 電子的資源にかかる
費用の割合,職員の公式研修参加費の割合)
B.4.1 コレクション
B.4.1.1 電子的コレクション提供にかかる経費の割合 図書館が電子的コレクションの構築に取り組ん
でいる程度を測定する。
B.4.2 職員
B.4.2.1 電子的サービスに従事している職員の割合 図書館が電子的サービスに対する技術的支援に
投入している人的資源の程度を測定する。
B.4.2.2 職員当たり公式研修参加時間数 公式研修に参加することによる,図書館職員の
スキルの向上を測定する。
B.4.3 全般
B.4.3.1 図書館が追加的な財源を獲得できた程度を測定
特別助成金又は創出収入によって得た資金の割
合 する。
B.4.3.2 図書館向けに措置される機関の資金の割合 資金提供団体における(通貨単位で表した)図
書館の重要性,及び資金提供団体からの支援を
測定する。

――――― [JIS X 0812 pdf 22] ―――――

                                                                                             21
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
附属書B
(規定)
パフォーマンス指標の記述一覧
この附属書で示されるパフォーマンス指標の一覧は,表A.1を参照。
B.1 資源・アクセス・基盤
B.1.1 コレクション
B.1.1.1 要求タイトル利用可能性(Required Titles Availability)
B.1.1.1.1 目的
図書館が所蔵又は使用許諾契約し,かつ,利用者によって実際に要求されたタイトルが,要求された時
点で,利用可能な程度を測定する。
B.1.1.1.2 指標の適用範囲
全ての図書館。レファレンス用コレクションと貸出用コレクションとは,分けて測定するのが望ましい。
特定のコレクション,主題分野,分館又は期間に対して用いてよい。図書館内のそれぞれの領域間で,
この指標の結果を比較して,利用可能性に著しい相違があるかどうかを調べてもよい。
同じ方法で指標を算出する場合には,同様の使命をもつ図書館間の比較に用いてもよい。
B.1.1.1.3 指標の定義
一人以上の利用者が要求した図書館が所蔵するタイトルのうち,印刷形態又は電子形態で即時に利用可
能なものの百分率。
この指標において,“利用可能”とは,貸出,館内利用,又はダウンロードによって,利用者がそのタイ
トルをその時点で1点以上利用できることを指す。閉架書庫から出納するタイトルも利用可能なものとし
て数える。
目録,分類,製本,再配架などの作業のために書架にないタイトル,及び盗難,誤配架などのために見
つからないタイトルは,利用可能なものとしては数えず,タイトル総数にだけ含める。また,電子的コレ
クションの一部で,同時利用制限,システムダウンなどで要求時にアクセスできないタイトルは,利用可
能なものとしては数えず,タイトル総数にだけ含める。
この指標における“タイトル”として,雑誌,図書,電子ジャーナル又は電子図書,及び,その他の目
録登録した資料又は資源中の個々の論文を含めてもよい。その場合には,タイトル総数にもその数を加え
なければならない。また,何を加えたかを場合ごとに明示しなければならない。
B.1.1.1.4 方法
印刷形態及び電子形態で図書館が所蔵又は使用許諾契約し,かつ,一人以上の利用者が要求したタイト
ルから無作為標本を抽出する。標本中のそれぞれのタイトルについて,利用可能かどうかを記録する。粗
く測定する場合には,図書館の記録だけを調べる。より正確に測定する場合には,現物も確認する。
要求タイトル利用可能性(IRTA)は,次の式による。
IRTA=A/B×100
ここに, A : 標本中の利用可能な要求タイトル数
B : 標本中の要求タイトル総数
小数点以下は,四捨五入する。

――――― [JIS X 0812 pdf 23] ―――――

22
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
次に示す方法で要求タイトルの無作為標本を抽出してもよい。
a) 利用者を無作為抽出した上で,印刷形態及び電子形態の図書館コレクションのうち探しているタイト
ルを質問し,そこから図書館が所蔵又は使用許諾契約していないものを除く。主題による探索ではな
く,特定のタイトルに対する探索だけを対象とする。同一タイトルの重複は,標本から除く。真に無
作為な標本にするためには,一人の利用者につき要求する全てのタイトルを集めるか,又は一人の利
用者につきタイトルを1件だけ無作為に集めるかしなればならない。
b) 実際の貸出手続,遠隔の書庫への出納要求,予約,及び館内利用の記録から,無作為標本を抽出する。
同一タイトルの重複は,標本から除く。
注記 この方法の場合には,利用者に負担をかけないが,貸出手続の処理が済んで,既に入手され
た要求タイトルだけが結果に反映されるのにすぎない。ただし,調査の目的によっては,こ
の方法でも十分な結果が得られる。
季節変動などの著しい変動がある図書館では,より正確な指標を得るために,特定期間に要求タイトル
利用可能性を繰り返し測定し,その平均値を計算してもよい。
レファレンス用コレクションと貸出用コレクションとが混在している場合には,レファレンス用コレク
ションは,計算から除くのが望ましい。
B.1.1.1.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,0100の整数とする。この指標は,無作為に抽出された,図書館が所蔵又は使用許諾契約
し,かつ,利用者が要求したタイトルが利用可能である確率を推定したものである。値が高いほど,利用
可能性が高いことを意味する。
図書館によっては,著しい季節変動が予想される。1週間のうち,又は1日のうちでの変動も予想され
る。
この指標は,幾つかの要因に影響される。重要なものを次に示す。
− それぞれのタイトルの複本数,特に,利用の多いタイトルの複本数
− 利用者の要求に対応した蔵書構成
− その図書館の通常の貸出期間,利用の多いタイトルの特別な貸出期間,及び同時に借りられる資料数
− 算出時に電子形態で利用可能なタイトル数
この値は,副次的な要因による影響も受ける。例えば,製本その他の作業のために書架から持ち出され
ているタイトルの数,再配架の迅速性などである。
B.1.1.1.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
− [18] p. 300
− [24] pp. 84-89[“Availability(利用可能性)”]
− [29] pp. 60-71[“Materials Availability(資料の利用可能性)”]
B.1.1.1.7 関連指標
要求タイトル所蔵率(B.1.1.2)を参照。
B.1.1.2 要求タイトル所蔵率(Percentage of Required Titles in the Collection)
B.1.1.2.1 目的
利用者が要求したタイトルを,図書館が所蔵している程度を測定する。コレクションが利用者の要求に
適合しているかどうかを測定する。
B.1.1.2.2 指標の適用範囲

――――― [JIS X 0812 pdf 24] ―――――

                                                                                             23
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
全ての図書館。
特定のコレクション,主題分野,分館又は期間に対して用いてよい。図書館内のそれぞれの領域間で,
この指標の結果を比較して,利用可能性に著しい相違があるかどうかを調べてもよい。
同様の使命をもつ図書館間の比較に用いてもよい。
B.1.1.2.3 指標の定義
一人以上の利用者が要求したタイトルのうち,既に図書館が所蔵していたタイトルの百分率。
調査の時点よりも前に出版され,図書館による発注も済んでいるが,納品されてはいないタイトルは,
所蔵されたタイトルとして数える。
この指標における“タイトル”として,雑誌又は図書中の個々の論文を含めてもよい。その場合には,
タイトル総数にもその数を加えなければならない。また,何を加えたかを場合ごとに明示しなければなら
ない。
B.1.1.2.4 方法
図書館内で資料を探している利用者にそのタイトルを質問し,一人以上の利用者が要求したタイトルか
ら無作為標本を抽出する。主題による探索ではなく,特定のタイトルに対する探索だけを標本とする。
注記 この方法では,一人の利用者につき,タイトルを1件だけ集めるようにしない限り,真に無作
為な標本にはならない。ただし,多くの場合,利用者が挙げたタイトル全てを用いても十分な
結果が得られる。
標本中のそれぞれのタイトルについて,図書館がそれを所蔵しているかを記録する。
要求タイトル所蔵率(IRTC)は,次の式による。
IRTC=A/B×100
ここに, A : 標本中の要求タイトルのうち,図書館が所蔵していた
タイトルの数
B : 標本中の要求タイトルの総数
小数点以下は,四捨五入する。
B.1.1.2.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,0100の整数とする。この指標は,無作為に抽出された,利用者の要求タイトルが,図書
館コレクション中に存在する確率を推定したものである。値が高いほど,コレクションが利用者の要求に
適合していることを意味する。
注記 値が低い場合には,コレクションが利用者の要求に適合していないだけでなく,利用者が図書
館の取り扱う主題について間違った認識をしている可能性がある。これは,図書館の利用促進
活動で取り組むべき問題になると考えられる。
期待される結果は,館種(例 専門図書館か総合図書館か,大学図書館か公共図書館か,など)によっ
て異なる。
B.1.1.2.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
[24] pp. 84-89[“Acquisition Rate(資料収集割合)”又は“Ratio of Acquired Items to Sought Items(要求資
料に対する資料収集割合)”という名称で“Availability(利用可能性)”の箇所にある。]
B.1.1.2.7 関連指標
要求タイトル利用可能性(B.1.1.1)を参照。
B.1.1.3 主題目録探索成功率(Subject Catalogue Search Success Rate)

――――― [JIS X 0812 pdf 25] ―――――

次のページ PDF 26

JIS X 0812:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11620:2008(IDT)

JIS X 0812:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0812:2012の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称