JIS X 33020:2019 情報技術―プロセスアセスメント―プロセス能力のアセスメントのためのプロセス測定フレームワーク | ページ 3

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X 33020 : 2019 (ISO/IEC 33020 : 2015)
セスを厳密にはサポートしないときに),専門家としての判断の使用を除外しないほうがよい。順序評定を
区間値に変換するときに,次の二次元の集約方法のうちの一つを,要約評定を得るために使ってもよい。
5.5.2.1 算術平均を使う二次元の集約
(区間値として表現される)評定する範囲全体の行列にわたる算術平均を計算し, 対応する順序評定に
結果を逆に変換することによって,集約を実行してもよい。
注記 集約を実行するとき,平均の平均をとることは統計的に妥当でないため,許されていない。
5.5.2.2 発見的手法を使った二次元の集約
評定を要約するために定義された一式の規則を使って集約を実行してもよい。例えば,表1参照。

5.6 プロセス能力水準モデル

  プロセスによって達成されたプロセス能力水準は,表1で定義するプロセス能力水準モデルに従って,
そのプロセスに対するプロセス属性評定から導出しなければならない。
表1−プロセス能力水準の評定
尺度 プロセス属性 評定
水準1 プロセス実行(PA 1.1) L(おおむね),又はF(十分)
水準2 プロセス実行(PA 1.1) F(十分)
実行管理(PA 2.1) L(おおむね),又はF(十分)
作業生産物管理(PA 2.2) L(おおむね),又はF(十分)
水準3 プロセス実行(PA 1.1) F(十分)
実行管理(PA 2.1) F(十分)
作業生産物管理(PA 2.2) F(十分)
プロセス定義(PA 3.1) L(おおむね),又はF(十分)
プロセス展開(PA 3.2) L(おおむね),又はF(十分)
水準4 プロセス実行(PA 1.1) F(十分)
実行管理(PA 2.1) F(十分)
作業生産物管理(PA 2.2) F(十分)
プロセス定義(PA 3.1) F(十分)
プロセス展開(PA 3.2) F(十分)
定量的分析(PA 4.1) L(おおむね),又はF(十分)
定量的制御(PA 4.2) L(おおむね),又はF(十分)
水準5 プロセス実行(PA 1.1) F(十分)
実行管理(PA 2.1) F(十分)
作業生産物管理(PA 2.2) F(十分)
プロセス定義(PA 3.1) F(十分)
プロセス展開(PA 3.2) F(十分)
定量的分析(PA 4.1) F(十分)
定量的制御(PA 4.2) F(十分)
プロセス革新(PA 5.1) L(おおむね),又はF(十分)
プロセス革新実装(PA 5.2) L(おおむね),又はF(十分)
注記 プロセス属性の欄に括弧を付けて示したPA番号は,5.2に示すPA番号に対応している。

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X 33020 : 2019 (ISO/IEC 33020 : 2015)
附属書A
(参考)
プロセス測定フレームワークの適合度
A.1 適合性要求事項
次に記載するプロセス測定フレームワークのための要求事項は,プロセス測定フレームワークの要求事
項を規定するISO/IEC 33003から抜き出したものである。ISO/IEC 33003から引用した箇所は,容易に識
別できるように枠で囲って記載している。
A.1.1 概念化
プロセス能力水準は,プロセス能力の形成的な測定量である一つ以上のプロセス属性によって特徴付け
られる。プロセス能力を構成する要素として,プロセス属性が必要とされる。プロセス属性は,反映的な
測定量であるプロセス属性成果の達成によって示される(図A.1参照)。
プロセス
能力水準
形成的
プロセス
属性
反映的
プロセス属性
成果
図A.1−プロセス能力の形成的な尺度及び反映的な尺度
プロセス能力という概念は,プロセス属性だけによって形成される。例えば,組織の実行結果について
は評価の対象にしていない。
a) 一つのプロセス測定フレームワークは,一つのプロセス品質特性を特定し,対象としなければならな
い。
ソフトウェア品質は,上記測定フレームワークで,定義している。
b) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性は,多次元構成概念2) に基づいて定義しなけ
ればならない。
注2) “構成概念”は,ISO/IEC 33003参照
プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性(プロセス能力水準)は,九つのプロセス属性
によって構成されるものである。

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c) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性は,一式のプロセス属性として定義しなけれ
ばならない。
プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性は,九つのプロセス属性によって構成されるも
のである。
d) それぞれのプロセス属性は,プロセス品質特性の性質を定義しなければならない。
それぞれのプロセス属性によって定義される性質は,箇条5に記載する。
e) 直接測定可能でないそれぞれのプロセス属性は,プロセス品質特性を構成概念と考えなければならな
い。
この測定フレームワークでのそれぞれのプロセス属性は構成概念であり,箇条5で定義している。
f) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス属性は,反映的又は形成的として定義しなければなら
ない。
この測定フレームワークのプロセス属性は,形成的である。
g) プロセス測定フレームワークは,その適用の基礎をなす方針及び前提を文書化しなければならない。
このプロセス測定フレームワークの適用の基礎をなす方針及び前提を,箇条1,箇条4及び箇条5に記
載している。
A.1.2 構成概念定義
a) 構成概念定義は,プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性の意味及びそのプロセス属
性を定義しなければならない。
プロセス品質特性の意味及びそのプロセス属性は,箇条5で定義している。
b) 構成概念定義は,プロセス品質特性の仕様,及びその多次元としてのプロセス属性群を明確にしなけ
ればならない。
プロセス品質特性の仕様及びそのプロセス属性は,箇条5で定義している。
c) 構成概念定義は,プロセス品質特性及びそのプロセス属性群の活用のガイドを提供しなければならな
い。
プロセス品質特性及びそのプロセス属性を用いた評定は,箇条5で定義している。
d) 構成概念定義は,カテゴリ(例えば,能力水準のような一連の序数)又は数値のような合成の測定量
の尺度を提示しなければならない。
この測定フレームワークにおける合成の測定量の尺度は,箇条5で定義している。
e) プロセス属性の少なくとも一つは,定義されたプロセス目的及びプロセス成果の達成を含まなければ
ならない。これを,プロセス実行属性と呼ぶ。
プロセス実行属性(PA1.1)は,対象とするプロセスのプロセス成果の達成を通じて,定義されたプロセ
ス目的を達成することによってなる。
A.1.3 操作化
a) 全てのプロセス属性は,その構成概念の仕様に従って定義しなければならない。
プロセス属性は,5.2で定義している。記載は,5.1の共通の方法に従う。
b) プロセス属性の達成は,客観的証拠によって検証可能でなければならない。
プロセス実行属性では,プロセス成果の達成は,客観的な証拠に基づいて実証する。他の全てのプロセ

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ス属性では,属性の達成は,客観的な証拠に基づいて実証し,プロセス属性成果を基本測定量として使用
する。
A.1.4 構成概念仕様の検査
プロセス品質特性及びそれに関連するプロセス属性の構成概念の仕様は,操作化を通じて,かつ,根拠
をもって検査しなければならない。
各プロセス属性は,アセスメントのクラスに応じて一連の基本又は導出測定量によって評定に用いる。
ISO/IEC 33003の5.2.3を参照。
A.1.5 プロセス属性の評定
a) プロセス属性は,評定しなければならない。
測定単位は,5.3で規定している。
b) プロセス属性について,測定尺度,すなわち,名義尺度,順序尺度,間隔尺度又は比尺度を定義しな
ければならない。
基本測定の測定尺度は,5.3で定義した序数である。
c) 各測定量に客観的に値を割り当てる測定方法を特定しなければならない。
プロセス能力の測定量に値を割り当てる方法は,5.3で記載している。
A.1.6 集約
a) 測定フレームワーク内で要求している全ての集約を識別しなければならない。
集約方法は,5.5で定義している。
b) 集約方法を特定しなければならない。
集約方法は,5.5で定義している。
c) 集約方法は,統計的に妥当でなければならない。
この規格における集約方法の妥当性の理論的根拠は,5.5に記載している。
d) 集約方法は,一貫した測定尺度を利用しなければならない。
集約方法は,5.5で説明した一貫した尺度を利用する。
e) 集約方法は,測定フレームワークの方針及び前提と一貫していなければならない。
f) 集約方法は,構成概念の仕様と一貫していなければならない。
方針及び前提の一貫性並びに構成概念の仕様との一貫性については,5.5で記載している。
A.1.7 感度分析
a) 基本及び導出測定量の測定尺度に対して,感度分析を実施しなければならない。
プロセス能力尺度の感度は,SPICEトライアルでテストされた[5] [6]。調査は,評価者間の合意と内部
の一貫性とを含み,両方とも受入れ可能であることが判明した。真ん中の二つの評定値[N,(P,L),F]
又は外側の二つの評定値[(N,P),(L,F)]のいずれかを結合して,四つのカテゴリ尺度を三つ又は二つ
のカテゴリ尺度に変えることによって,増大する内部の一貫性の可能性が調査された。現行の四つのカテ
ゴリ尺度は,三つ又は二つのカテゴリ尺度に削減することによって改善することはできない。
プロセス能力水準の評定値の感度は,SPICEトライアルで調査され,中間報告[7]で報告された。総合的
に,調査では,能力水準の評定の下方へのひずみは上方へのひずみの影響よりも大きいことが結論付けら
れた。しかし,ひずみの潜在的影響については,アセッサに対して解説を提供することが望ましい。

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b) 集約方法に対して,感度分析を実施しなければならない。
集約に関連する感度分析データの中には,SPICEトライアル報告[6] [7]で利用できるものもあるが,現
在のアプローチとの関連性には限界がある。集約の問題は,国際標準の策定中に詳細に検討された。
c) 適用可能であれば,感度分析は重み付けに対して実施しなければならない。
この測定フレームワークでは,重み付けは使用していないため,適用していない。
A.2 プロセス測定フレームワークの妥当性確認要件
A.2.1 信頼性及び妥当性
a) プロセス測定フレームワークの信頼性の検証及び妥当性の確認のための計画は,標準化の開始時に確
立しなければならない。これらの計画は,標準化後の活動を含まなければならない。
b) プロセス測定フレームワークの信頼性及び妥当性に関する主張は,構成概念の仕様と一貫していなけ
ればならない。
c) プロセス属性が反映的である場合,信頼性測定量としての一貫性(等価性ともいう。)を検査しなけれ
ばならない。
d) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性及びそのプロセス属性に対して,妥当性を検
査しなければならない。
e) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性及びその測定量に対して,構成概念の仕様を
実験的に検査しなければならない。
f) 開発中のプロセス測定フレームワークの外部測定量(例えば,目標,基準及び/又は達成成果)は,
妥当性の調査のために文書化しなければならない。
妥当性確認は,標準策定中に行われたSPICEトライアルで実施された。
測定方法及び能力尺度は,SPICEトライアルでテストされた。プロセス能力尺度又はトライアルの所見
を無効にするような測定尺度の概念への変更はなかった。
A.3 適合
プロセス測定フレームワークは,この規格の要求事項に適合しなければならない。
トライアルの間にデータが利用可能である場合,及び/又はフレームワークが発行された後,全ての適
用可能な要件に対して,厳密な統計的分析が必要である。
そのような分析の結果は,A.1及びA.2の要件を満たす場合に参照する。分析の結果を参考文献に示す
[5] [6] [7]。

――――― [JIS X 33020 pdf 15] ―――――

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JIS X 33020:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 33020:2015(IDT)

JIS X 33020:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 33020:2019の関連規格と引用規格一覧