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X 6232 : 2017 (ISO/IEC 30192 : 2017)
附属書H
(規定)
ジッタ測定のためのHF信号の前処理
H.1 一般
ディスク上のデータは高密度であり,結果I2pp変調振幅はかなり小さい。光ディスクの読取りシステム
に用いる装置には,次がある。
a) 従来波形等化器 一般的に,光ディスクの読取りシステムで使う従来波形等化器は,少しの高周波の
強調しかできない。なぜならば,そのような形の波形等化器でもっと高域強調をすると符号間干渉が
更に増え,良いジッタ値が得られないからである。
b) リミットイコライザ リミットイコライザと呼ばれる波形等化器は非線形の波形等化器だが,符号間
干渉を起こすことなく高周波成分を強調することができる。そのような波形等化器は,スライサに入
れるHF信号の品質の改善ができジッタが小さくなりシステムのマージンが増える。
この附属書では,従来波形等化器モードとリミットイコライザモードとの切替えができる,HF信号の
前処理の流れ全体を規定する。
H.2 波形等化器の実装一般
図H.1の回路は,切替えができる波形等化器及びその周辺回路の実装例を示す。
プリ アナログ゛
プリアンプ HPF HF 読取り
LPF
信号
4分割 2値
フォトディテクタ HF 読取り
信号
従来の リミットイコライザ ポスト
A/D D/A スライサ
波形等化器 LPF
TIA
PLL
図H.1−前処理回路の実装例
9.5に規定したHF読取りチャネルからのHF信号は,図H.1に示す高域通過フィルタ(HPF)によって
信号処理回路に交流結合される。
低域通過フィルタ(プリLPF)は,折返しひずみを防ぐために,ナイキスト周波数以上の周波数成分を
除く。
8ビット以上の分解能のA/Dコンバータによって,チャネルビットレートに同期したクロック信号で,
HF信号をサンプリングする。サンプリングは,チャネルビットのエッジがアイパタンのゼロクロスに相
当するため,チャネルビットの中央で行う(図H.2参照)。
――――― [JIS X 6232 pdf 191] ―――――
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X 6232 : 2017 (ISO/IEC 30192 : 2017)
サンプリング後に,HF信号は,デジタル的に波形等化される。
デジタル信号処理の後で,信号は,D/Aコンバータ及びその後の適度な低域通過フィルタ(ポストLPF)
にて変換されアナログ信号に戻る。アナログの波形等化されたHF信号は,スライサによって2値化され
る。
2値化されたHF信号は,箇条30に規定されたタイムインタバルアナライザ(TIA)を使って,ジッタ
の測定及び箇条34の規定によるシンボルエラー率(SER)の測定に使用される。
アナログHF読取信号は,箇条30の規定による信号パラメタの決定に使用される。
ゼロクロスレベル
サンプリングタイミング
図H.2−サンプリングタイミングの規定
H.3 従来の波形等化回路
HF信号前処理ユニットが従来波形等化器モードに設定されると,リミットイコライザ回路はオフとな
り,この従来波形等化器回路(図H.3参照)が高域の強調を行う。
リミットイコライザモードに設定されると,この従来波形等化器回路はプリ波形等化器として機能する。
従来波形等化器回路は,次の伝達関数をもつ4タップのトランスバーサルフィルタである。
r 1 r 1 r r
Hz z1 z2 z3
2 2 2 2
波形等化器 T T T
入力
-r 1+r 1+r -r
2 2 2 2
+
波形等化器
出力
図H.3−従来波形等化器回路の例
従来波形等化器モードで,係数rを,次のとおりに設定する。
r=33/32 (5.8 dB)
――――― [JIS X 6232 pdf 192] ―――――
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X 6232 : 2017 (ISO/IEC 30192 : 2017)
リミットイコライザモードで,係数rを,次のとおりに設定する。
r=29/32 (5.0 dB)
H.4 リミットイコライザ回路
リミットイコライザ回路は,図H.4に示すとおり,補間器,適応リミッタ,及び高域強調回路で構成さ
れる。
HF前処理回路が従来波形等化器モードに設定されると,リミットイコライザは,適応リミッタの出力
を0に変えるか又は高域強調部の係数mを0に設定することによって,オフに切替えができる。
T T T
-k 1+k 1+k -k
2 2 2 2
+
補間器
適応リミッタ
T T T
IP(i) OP(i)
-m +m +m -m
+
高域強調
リミットイコライザ リミットイコライザ
入力 出力
T T T +
図H.4−リミットイコライザの例
補間器は,次の伝達関数をもつトランスバーサルフィルタである。
k 1 k 1 k k
Hz z1 z2 z3
2 2 2 2
ここに, k : 3/16
適応リミッタの出力信号OP(i)は,次による。
− abs[IP(i) ]≦Thの場合,
OP(i)=IP(i)
− そうでない場合,
OP(i)=sgn[IP(i) ]×Th
ここに, Th : しきい値
abs (x) : 変数xの絶対値
sgn (x) : 変数xの極性(+又は−)
適応リミッタのしきい値は,IP(i)の各ゼロクロスごとに,次の方法で更新する。
− sgn[IP(i) ] ≠ sgn[IP(i−1) ]の場合,
――――― [JIS X 6232 pdf 193] ―――――
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c abs[IP(i) IP(i 1) ]Th
Th: Th
n
− そうでない場合,
Th:=Th
ここに, c : 1/2
n : 256
高域強調の部分は,次の伝達関数のトランスバーサルフィルタである。
1 2 3
Hz m m z m z m z
ここに, m : 1
高域強調部分の出力は,適度に遅らせたリミットイコライザの入力信号に加算する。
H.5 周辺回路の規定
H.5.1 増幅器及びフィルタ
HF信号前処理回路ユニットのフィルタの部分は,次による。
− 交流結合(高域通過フィルタ) : 1次,f−3dB=10 kHz
− プリLPF : f−3dB=25 MHz33 MHz
50 MHzを超える周波数の抑圧は,−30 dBよりも小さい
− ポストLPF : f−3dB=30 MHz±3 MHz
50 MHzを超える周波数の抑圧は,−50 dBよりも小さい
プリLPFの入力からポストLPFの出力まで(r=33/32に設定した,従来波形等化器モードの波形等化器
及びゼロ次ホールドのD/Aコンバータを含む。)を測定したHF信号前処理回路の周波数特性は,図H.5
に示すものとする。
(16.5 MHzの利得−0.1 MHzの利得)=5.8 dB±0.5 dB
――――― [JIS X 6232 pdf 194] ―――――
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利得(dB)
等化器単体特性
全体特性
周波数(MHz)
図H.5−従来波形等化器の周波数特性
フォトディテクタ,プリアンプ,交流結合,プリLPF,従来波形等化器モード設定の波形等化回路セッ
ト,D/Aコンバータ及びポストLPFの全体の特性は,図H.5に示した特性に対し,3 MHzと22 MHzとの
間で,次に示す範囲に入る。
− 利得の偏移 : 0.0 dB±1 dB
− 群遅延の最大変動 : 2 ns pp
H.5.2 PLLの開ループ伝達特性
PLLの開ループ伝達特性は,図H.6に示すものとする。
利得
(dB)
−40 dB/decade
−20 dB/decade
0 dB
8 32 100 周波数
(kHz)
−40 dB/decade
図H.6−PLL開ループ伝達関数の図
――――― [JIS X 6232 pdf 195] ―――――
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JIS X 6232:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 30192:2017(IDT)
JIS X 6232:2017の国際規格 ICS 分類一覧
JIS X 6232:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-30:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
- JISC6950-1:2016
- 情報技術機器―安全性―第1部:一般要求事項
- JISK7204:1999
- プラスチック―摩耗輪による摩耗試験方法
- JISX0201:1997
- 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合