JIS X 6232:2017 情報の交換及び蓄積用のデジタル記録媒体―120mm単層(25ギガバイト/ディスク)及び2層(50ギガバイト/ディスク)BD書換形ディスク | ページ 42

200
X 6232 : 2017 (ISO/IEC 30192 : 2017)
附属書K
(参考)
カバー層及びスペーサ層の厚さの測定
K.1 フォーカス方法
レーザ光は,対物レンズによってカバー層の表面から各記録層へと順番に焦点を合わす。カバー層及び
スペーサ層の厚さは,レンズの動きを測定することによって決めることができる。図K.1は,この方法で
ディスクの測定をする例を図示している。
カバー層
L1層
d2 スペーサ層
d1 L0層
基板
図K.1−カバー層及びスペーサ層の厚さの測定例
上記規定した,カバー層及びスペーサ層の厚さの測定は,次に示す条件で行うことが望ましい。
− レーザビームの波長 : 405 nm±5 nm
− 試験環境 : 8.1.1の規定による。
測定器によって,レンズの移動距離が各層の厚さd1及びd2に変換できる。
この測定では,フォーカスシステムの引込み範囲の幅は,スペーサ層の厚さよりも十分短くすることが
望ましい。
K.2 干渉計方法
この方法では,波長の変化可能な光源が使用される。反射光の強度は,次のパラメタ : 厚さ,屈折率及
び波長によって変わる。
反射光の干渉パタンを測定した標準的な例を,図K.2に示す。
反射光強度(単位は任意)
)
.
500
arb
400
強度 (
300
200
FT
100
F
0
560580600620640660680700720740760780800820840860880900
波長, (nm)
図K.2−反射光強度の例

――――― [JIS X 6232 pdf 206] ―――――

                                                                                            201
X 6232 : 2017 (ISO/IEC 30192 : 2017)
この波形から開始し,層の厚さは,高速フーリエ変換(FFT)の手法を使って得ることができる。しか
し,屈折率は,波長の関数であるためFFTで,次に示す方法を行うことが望ましい。
最初に,波長空間は,波長の逆数及び波長依存の屈折率の積に変換される。この変換した結果の波形を,
図K.3に示す。ここに,横軸はn(λ)/2λに変換されている。
反射光強度(単位は任意)
rb.)
500
T強度 ( a
400
300
200
FF
100
0
0.9 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4
n()/2泰 ( ×106m-1)
図K.3−反射光強度の例
FFT法を使い,この変換した波形は,図K.4に示すとおり,厚さの空間の干渉空間へ変換できる。横軸
は,干渉距離の値を示している。d1及びd2の位置は光強度がピークになる場所で,それぞれスペーサ層及
びカバー層の厚さを示している。
反射光強度(単位は任意)
.)
100
T強度 ( arb
50
FF
0
0 20 d1 40 60 d2 80 100 120
干渉距離, d( m)
図K.4−反射光強度のFFTの例
それによって,スペーサ層の厚さ=d1かつカバー層の厚さ=d2となる。
注記 スペーサ層の厚さを得るために,スペーサ層の屈折率n1(λ)を用いる必要があり,カバー層の厚
さを得るために,カバー層の屈折率n2(λ)を用いる必要がある。
この方法は,層の厚さが薄めの場合,特にフォーカス方法で二つの層の表面の区別が難しい場合に,正
確に厚さを測定することに向いている。

――――― [JIS X 6232 pdf 207] ―――――

202
X 6232 : 2017 (ISO/IEC 30192 : 2017)
附属書L
(参考)
カバー層の衝突耐久性の測定
L.1 一般
BD書換形ディスクシステム構成は,次の特徴がある。
− ディスクに入射するレーザのスポットサイズは,以前の光記録システムのものよりも小さい。
− レンズの自由作動距離(FWD)は,前の光記録システムのものよりも短い。
L.2 ドライブの推奨
L.1の両方の結果から,光学ピックアップユニットの先端とディスクとの機械的接触の危険性及び実際
に衝突することが増えた。そこで,ドライブはディスクに衝突した後でも,SER(33.4参照)が許容限度
内にあるようなレンズ及びディスクを保護する十分な手段をもつことが望ましい。そこで,バンパ(例え
ば,衝撃ダンパ)をOPUの先端に付けるのが推奨される。このバンパは,円柱状の形でもよく,ポリマ,
ポリオキシメチレン(POM)のようなポリマ化合物で作ることができる。
L.3 カバー層の衝突耐久性の測定
さらに,ディスクの入射面は,十分な衝突耐久性をもつことが望ましい。衝突耐久性は,保護コートに
よって改善できる。
次に示す試験は,ディスクの入射面の衝突耐久性が十分かどうか検証する。
球面形状のピン(図L.1参照)が,ディスクに対しピンを当てることができる機械装置の先端に装着さ
れる。ピンは,回転するディスクを規定の衝撃で打つ。
R
図L.1−標準的ピン形状
試験開始前は,次のとおりに確認する。
ディスクに,任意のデータを記録する。半径24.5 mmから25.5 mmまでの全てのデータエラーが,箇条
31及び34.1の規定を満たすことを検証する。
バンパ及びディスク入射面がきれいであることを確認する。
試験条件は,次による。
− ピンの材料 : ポリオキシメチレン(POM : 自然グレード,成形ピース)
− ピンの半径 : 先端 : 球形で半径R=1.0 mm
− 表面の最大粗さ : 0.1 μm(山から谷まで)
− 可動部質量(ピン及びピン保持部) : (0.5±0.1)グラム

――――― [JIS X 6232 pdf 208] ―――――

                                                                                            203
X 6232 : 2017 (ISO/IEC 30192 : 2017)
− 衝突直前速度 : (0.20±0.05) /s
− ディスクの線速度 : 5.0 m/s
− テスト領域半径 : (25.0±0.2) m
− 衝突回数 : 1回
− 環境 : 8.1.1に規定した全ての動作条件
試験の後の結果は,次による。
ディスクの関係した領域で生じたエラーは,いずれのLDCブロックのSER(33.4参照)も 4.2×10−3
未満を満たすことが望ましい。

――――― [JIS X 6232 pdf 209] ―――――

204
X 6232 : 2017 (ISO/IEC 30192 : 2017)
附属書M
(参考)
グルーブ偏移及びウォブル振幅
M.1 正規化ウォブル信号及びウォブル振幅の関係
nm単位のウォブル振幅を直接測定することは,簡単にはできない。しかし,正規化ウォブル信号から,
求めることができる。このように求めた誘導の近似式を,次に示す。
ウォブル信号のピーク値IWは,次のとおりに表すことができる。
2 πa
IWp A sin
Tp
ここに, a : nm単位のウォブル振幅
Tp : 半径方向エラー信号のトラックピッチ
A : 半径方向エラー信号のピーク値
図M.1に,パラメタa,Tp,A及びIWpが示される。トラックの平均中心は,“O”点にとられる。トラ
ックは,トラックの平均中心から実際のトラック中心までピーク偏移“a”(ウォブル振幅)となる。正規
化ウォブル信号は,それらを用いて,次による。
IWpp 2 IWp 2 πa
sin
I1 I2 pp 2 A Tp
ここに,
(I1−I2) pp=2×A
ウォブル信号IWは,ウォブル振幅aだけではなく,トラックピッチTpにも依存する。
正規化によってグルーブ構造及びスポット形状並びに光学収差要因を除く。
M.2 正規化ウォブル信号の許容値
M.1の正規化ウォブル信号の式によって,27.3の許容値は,与えられたトラックピッチTp=0.32 μmで
のnm単位のウォブル振幅に変換できる。
− 下限 : 0.20は,10 nmに相当する。
− 上限 : 0.55は,30 nmに相当する。

――――― [JIS X 6232 pdf 210] ―――――

次のページ PDF 211

JIS X 6232:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 30192:2017(IDT)

JIS X 6232:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 6232:2017の関連規格と引用規格一覧