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X 6232 : 2022
pdf 目次
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第14条第1項の規定に基づき,認定産業標準
作成機関である一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準の案を添えて日本産業規格を改正すべ
きとの申出があり,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS X 6232:2017は改
正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
− 氏名 : 日立コンシューマエレクトロニクス株式会社
− 住所 : 〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地
− 氏名 : パナソニック株式会社
− 住所 : 〒540-6207 大阪府大阪市中央区城見2丁目1−61 OBPパナソニックタワー
− 氏名 : パイオニア株式会社
− 住所 : 〒113-0021 東京都文京区本駒込2丁目28番8号 文京グリーンコート
− 氏名 : ソニーグループ株式会社
− 住所 : 〒108-0075 東京都港区港南1−7−1
上記の特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施の
許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対し
ては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣は,このような
特許権等に関わる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。
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――――― [JIS X 6232 pdf 6] ―――――
日本産業規格 JIS
X 6232 : 2022
情報の交換及び蓄積用のデジタル記録媒体−
120 mm単層(25ギガバイト/ディスク)及び
2層(50ギガバイト/ディスク)BD書換形ディスク
Digitally recorded media for information interchange and storage-120 mm Single Layer (25.0 Gbytes per disk) andDual Layer (50.0 Gbytes per disk) BD Rewritable disk
序文
この規格は,2021年に第3版として発行されたISO/IEC 30192を基とし,用語及び定義を充実させるな
ど,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
技術的差異の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
100社以上が参加するブルーレイディスクアソシエーション(BDA)で作成された,ブルーレイディス
クTMの物理フォーマットをベースに,四つの記録形ディスクのISO/IEC物理規格が作成された。この規
格の第1版は,2016年に第2版として発行されたISO/IEC 30192を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本産業規格である。この規格は,4K放送·8K放送の記録に必要な,アプリケーショ
ン関連事項を追加して2021年に第3版として改訂されたISO/IEC 30192を基に改訂内容を取り込み作成
したこの規格の第2版の日本産業規格であるが,対応国際規格ではOBP(online brousing platform)がある
ことを前提に削除されたISO/IEC 30193:2020との共通の用語を日本産業規格として追加している(日本産
業規格ではOBPはまだ構築されていない。)。
BDレコーダブルディスクにビデオの記録再生を行うためには,この国際規格以外にBDMV及びBDAV
といったBDAで規定したフォーマットが必要となる。これらのBDA規定の応用関連フォーマット,ファ
イルシステムフォーマット又は著作権保護フォーマットは,ディスク,情報生成システム,及び情報受領
システムに必要である。更に詳細なBDフォーマットに関する情報が必要な場合,http://www.blu-raydisc.info
を参照。
1 適用範囲
この規格は,記録容量25ギガバイト(GB)及び50 GBの120 mm書換形光ディスクの機械的特性,物
理的特性及び光学的特性を規定するとともに,そのディスクを用いての情報交換を可能にする記録及び未
記録の信号品質,データのフォーマット及び記録方法について規定する。使用者データは,可逆的方法に
よって何回でも記録,読取り及び上書きをすることが可能である。このディスクは,BD書換形ディスク
として識別される。
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2
X 6232 : 2022
この規格は,次の項目について規定する。
− このディスクに関する二つの異なるタイプ
− 適合条件
− このディスクの使用環境及び保存環境
− データ処理システム間の機械的互換性のためのディスクの機械的特性及び物理的特性
− トラック及びセクタの物理的配置を含むディスク上の情報フォーマット
− エラー訂正符号及び使用した符号化方法
− データ処理システムがディスクからデータの読取りを可能にする,ディスクに記録した信号の特性
この規格は,ディスクドライブ間のディスクの互換性を与える。ボリューム及びファイル構造の規格と
ともに,データ処理システム間の完全なデータ互換性を与える。
注記1 この規格では,ギガバイト(GB)は,109バイトとしている。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 30192:2021,Information technology−Digitally recorded media for information interchange
and storage−120 mm Single Layer (25,0 Gbytes per disk) and Dual Layer (50,0 Gbytes per disk)
BD Rewritable disk(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正してい
る”ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。これらの引用規格のうち,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その
後の改正版(追補を含む。)は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)
を適用する。
JIS C 6950-1 情報技術機器−安全性−第1部 : 一般要求事項
注記 対応国際規格における引用規格 : IEC 60950-1,Information technology equipment−Safety−Part
1: General requirements
JIS C 60068-2-2 環境試験方法−電気·電子−第2-2部 : 高温(耐熱性)試験方法(試験記号 : B)
注記 対応国際規格における引用規格 : IEC 60068-2-2,Environmental testing−Part 2-2: Tests−Test
B: Dry heat
JIS C 60068-2-30 環境試験方法−電気·電子−第2-30部 : 温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試
験方法(試験記号 : Db)
注記 対応国際規格における引用規格 : IEC 60068-2-30,Environmental testing−Part 2-30: Tests−Test
Db: Damp heat, cyclic (12 h + 12 h cycle)
JIS K 7204 プラスチック−摩耗輪による摩耗試験方法
注記 対応国際規格における引用規格 : ISO 9352,Plastics−Determination of resistance to wear by
abrasive wheels
JIS X 0201 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合
注記 対応国際規格における引用規格 : ISO/IEC 646,Information technology−ISO 7-bit coded
character set for information interchange
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3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
注記 この規格の対応国際規格であるISO/IEC 30192:2021の用語は,ISO/IEC 30190,ISO/IEC 30191及
びISO/IEC 30193の用語とほぼ共通している。ISO及びIECでは,規格の用語を集め検索が可能
であるWeb上の検索システムのOBP(Online Brousing Platform)を準備している。ISO/IEC
30192:2021のDISでは,ISO/IEC 30192:2016と同じ用語を定義していたが,FDISではOBPがあ
ることを前提に,先行していたISO/IEC 30193:2020と共通の用語は削除となった。JISのOBPは
まだ構築されておらず,ISO/IECと同様の記述は不可能であることから,この規格ではISO/IEC
30192:2021のDIS時の用語を全て掲載した。対応国際規格では,箇条3でISO及びIECのOBP
のURL及びISO/IEC 30193の適用を記載し,箇条2でISO/IEC 30193を引用規格として記載し
ているが,この規格ではいずれも不記載とした。
3.1
BD
約0.1 mmの厚さのカバー層(3.4)及び約1.1 mmの厚さの基板(3.41)をもち,NA=0.85のレンズ及
び波長405 nmのレーザダイオードを用いる光学ピックアップユニットで,ディスク上にデータを読み書
きするディスク
注釈1 ディスクに記録する使用者データは,17PP変調及びLDC+BIS符号でフォーマットされる。
3.2
BDアプリケーション,BDAP
ビデオ応用のような,著作権保護及び欠陥管理システムのためのディスク上の領域を要求する,BD
(3.1)用に規定した応用
3.3
チャネルビット(channel bit)
ディスク上の,ピット(3.27)又はマーク(3.19)を使いスペースとの組合せで,2値の“0”又は
“1”を表す要素
3.4
カバー層(cover layer)
ディスクの入射面(3.10)に一番近い記録層(3.31)を覆う,精密に制御した光学特性をもつ透明な層
3.5
データゾーンn(data zone n)
Ln層(3.17)にある内側ゾーンと外側ゾーンとの間の領域
3.6
欠陥クラスタ(defective cluster)
信頼不可能である又は訂正不可能であるとして欠陥リストに登録された,使用者データ領域(3.45)中
のクラスタ
3.7
デジタル総計値,DSV(digital-sum value, DSV)
“1”に設定したチャネルビットに10進数の数値“+1”を,“0”に設定したチャネルビット(3.3)に
10進数の“−1”を割り当てることによって,ビット列から得られた算術和
――――― [JIS X 6232 pdf 9] ―――――
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X 6232 : 2022
3.8
ディスク基準面(disk reference plane)
その上でディスクのクランプゾーンがクランプされる,理想スピンドルの完全に平らな環状表面で規定
する,回転軸に対して垂直な面
3.9
エンボスHFM領域(embossed HFM area)
ディスクの製造中に,HFMグルーブ(3.13)によって情報が保存されたディスク領域
3.10
入射面(entrance surface)
光ビームが最初に入射する,ディスクの表面
3.11
消去グルーブ(erased groove)
トラックにOPCアルゴリズムで決めたPE10及びPE20の消去パワーレベルだけを使いトラック(3.42)
を照射することによって消去した空のグルーブ
3.12
グルーブ(groove)
記録層(3.31)に連なる,ディスクの溝状構造
注釈1 グルーブは,単層ディスクの場合は,基板(3.41)に形成可能で,2層ディスクの場合は,一つ
は基板(3.41)に,他はスペーサ層(3.39)又はカバー層(3.4)に形成可能である(図1及び図
2参照)。グルーブは,トラック(3.42)の位置決めをするために用いられる。
BD書換形システムでは,次の3種類のグルーブがある。
− アドレスをもつ書換領域中のウォブルグルーブ(3.47)
− 不変制御情報データをもつエンボスHFM領域(3.9)のHFMグルーブ(3.13)
− BCAゾーンの無変調の直線グルーブ
3.13
高周波変調グルーブ,HFMグルーブ[HFM (high-frequency modulated) groove]
比較的高い帯域幅の信号で,半径方向に変調されたグルーブ(3.12)
注釈1 HFMグルーブは,転写記録する情報のための十分な容量及び転送スピードのデータチャネルを
作っている。
3.14
情報領域(information area)
情報を記録可能であるディスク上の領域
3.15
情報ゾーン(information zone)
情報領域(3.14)で記録された部分
3.16
ランド(land)
連続して渦巻くグルーブ(3.12)の間の記録層(3.31)の表面
――――― [JIS X 6232 pdf 10] ―――――
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JIS X 6232:2022の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 30192:2021(MOD)
JIS X 6232:2022の国際規格 ICS 分類一覧
JIS X 6232:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-30:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
- JISC6950-1:2016
- 情報技術機器―安全性―第1部:一般要求事項
- JISK7204:1999
- プラスチック―摩耗輪による摩耗試験方法
- JISX0201:1997
- 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合