JIS X 6931:2021 モノクロ電子写真式プリンタ及びプリンタ複合機のトナーカートリッジ印刷可能枚数測定方法 | ページ 3

                                                                                             9
X 6931 : 2021 (ISO/IEC 19752 : 2017)
表0B−トナーカートリッジの寿命判定例
トナー トナー少量 トナーなし トナーカートリッジ振りの 寿命判定の種類
カートリッジ 検知機能 検知機能 実行(2回まで)
振り規定
1 なし なし なし しない “かすれ”が発生した時点
2 なし なし あり しない “トナーなし”を発した時点又は
“かすれ”が発生した時点
3 なし あり なし しない “かすれ”が発生した時点
4 なし あり あり しない “トナーなし”を発した時点又は
“かすれ“が発生した時点
5 あり なし なし “かすれ”が発生した時点 3回目の“かすれ”が発生した時点
6 あり なし あり “かすれ”が発生した時点 “トナーなし”を発した時点又は3
回目の“かすれ”が発生した時点
7 あり あり なし “かすれ”が発生した時点又3回目の“かすれ”が発生した時点
は“トナー少量”を発した時点
8 あり あり あり “かすれ”が発生した時点又“トナーなし”を発した時点又は3
回目の“かすれ”が発生した時点
は“トナー少量”を発した時点

5.2 トナーカートリッジ又はプリンタ不良の処理手順

5.2.1 概要
測定中に,トナーカートリッジ又はプリンタに不具合が生じる可能性がある。その場合には,次に示す
方法で処理する。トナーカートリッジの不具合とは,“寿命に到達する前にトナーカートリッジの交換が必
要となる問題が発生すること”をいう。感光体の損傷,過度のトナー漏れ,構造上の故障などがその例と
なる。プリンタの不具合とは,“正常なプリント動作を妨げるような,使用者が処理することが不可能なエ
ラーが発生すること”をいう。プリンタのレーザービーム不良がその一例である。
5.2.2 トナーカートリッジ不良
トナーカートリッジ不良が発生した場合には,印刷された最終ページ及び不具合理由を試験報告書に記
録する。不良カートリッジを新品カートリッジと交換し,測定を続行する。この測定においては,“短寿命”
というだけでは不良カートリッジとして扱う理由にはならない。印刷可能枚数の計算には,不良カートリ
ッジのデータは使用しない。試験を有効とみなすには,少なくとも9個のトナーカートリッジを寿命(3.5
参照)に達するまで使用しなければならない。
5.2.3 プリンタ不良
プリンタ不良が発生した場合には,そのプリンタを修理するか又は別のプリンタに交換し,トナーカー
トリッジを別の新品カートリッジと交換して測定を続行する。試験報告書には,交換前のトナーカートリ
ッジで印刷した最終ページを記録し,試験報告書に,“プリンタ不良のため,トナーカートリッジを交換”
と記載する。また,プリンタの不具合内容を記録し,代替プリンタの製造番号を試験報告書に記録する。
測定を有効とみなすには,少なくとも9個のトナーカートリッジを3.5で定義している“寿命”に達する
まで使用しなければならない。プリンタに不良が発生する前に得た測定データは,寿命に影響しないこと
が確認できない限り採用してはならない。寿命に影響しないと判断した場合には,その根拠を試験報告書
に記載する。
測定に使用するプリンタが,トナー補給式又はトナーボトル式のトナーカートリッジのときは,測定を
再開する前に,修理したプリンタ又は置き換えたプリンタでトナーカートリッジ1個分を4.8で示した寿

――――― [JIS X 6931 pdf 11] ―――――

           10
X 6931 : 2021 (ISO/IEC 19752 : 2017)
命又は疑似的な寿命(寿命判定ポイント)まで印刷する。この1個目の予備カートリッジを使い切ったと
きの印刷枚数は記録しない。また,この印刷はどのような環境下で行ってもよい。

6 印刷可能枚数の決定及び表記方法

6.1 印刷可能枚数公表値の決定

  平均及び標準偏差は,測定結果から求める(例えば,n=9)。
n
xi
サンプル平均 : X
n
i 1
n xX
i
サンプル標準偏差 : s
i 1 (n 1)
(s2は不偏分散)
信頼区間は次に示す下限及び上限推定値を算出し,この二つの値の範囲(両側信頼区間)として求める
ことが可能である。信頼水準90 %で,トナーカートリッジの平均印刷可能枚数(平均寿命)は,この両側
信頼区間の値の範囲内であるといえる。
s
下限推定値 Xt- ,n-1
n
s
上限推定値 Xt+ ,n-1
n
ここで, nはサンプル数である。この試験の場合,nは9以上とする。
xiは3.6で規定する個別印刷可能枚数である。
tα, n-1は“t分布表”から,自由度(df又は“ν”)n−1(この例ではn
−1=9−1=8)及び両側危険率(α)の0.1(信頼水準90 %の場合)
を用いて決定する。これによって,信頼水準90 %での両側信頼区間
を得る。自由度8及び信頼水準90 %でのt値は,tα,n−1=1.860とな
る。これは上記の計算例だけで使用することが可能である。異なる
サンプル数又は異なる信頼水準で算出する場合は,tα,n−1も異なる。
トナーカートリッジの“印刷可能枚数公表値”は,“個別印刷可能枚数”の測定結果に基づき,上記の式
で求めた,信頼水準90 %の下限推定値以下となるよう決定する。

6.2 試験報告書

  試験報告様式の例を,附属書Dに示す。顧客などの要請に応じて,試験報告書を提示できるようにして
おかなければならない。

6.3 印刷可能枚数の公表方法

  トナーカートリッジの印刷可能枚数を使用説明書及び販売促進資料,又は包装材に表記する場合,少な
くとも次の情報を盛り込まなければならない。
− この規格に基づいて決定した印刷可能枚数表記であることの記載
− トナーカートリッジの印刷可能枚数公表値
カートリッジを複数の異なるプリントシステムで使用可能である場合は,次のいずれかを報告しなけれ

――――― [JIS X 6931 pdf 12] ―――――

                                                                                            11
X 6931 : 2021 (ISO/IEC 19752 : 2017)
ばならない。
− 試験を行ったプリンタとインクカートリッジとの組合せ
− 試験を行った全てのプリンタとの組合せ中の印刷可能枚数公表値の最小値
− 試験を行った全てのプリンタとの組合せ中の印刷可能枚数公表値の範囲
以上に示した3項目は,実際に測定を行った結果でなければならない
例 トナーカートリッジの印刷可能枚数 : 標準テストページで平均5 000ページ
JIS X 6931(ISO/IEC 19752)に基づく印刷可能枚数公表値

――――― [JIS X 6931 pdf 13] ―――――

           12
X 6931 : 2021 (ISO/IEC 19752 : 2017)
附属書A
(参考)
かすれの例
“かすれ”の例を図A.1に示す。
100ページ目の
印字見本
3 mm以上のかすれ
注記 この“かすれ”の例は,あくまでも“かすれ”の現象を例示することだけを目的としている。
そのため,この例で用いた標準テストページは,4.7に記したISOのウェブサイトに掲載され
ている最新版とは異なる可能性がある。
図A.1−“かすれ”の例

――――― [JIS X 6931 pdf 14] ―――――

                                                                                            13
X 6931 : 2021 (ISO/IEC 19752 : 2017)
附属書B
(参考)
寿命判定フローチャート
寿命判定フローチャートを図B.1に示す。
プリンタ(3台以上)を
設置する
トナー補給式?
はい
下準備として,1トナー
いいえ カートリッジ分の印刷を行う
F
プリンタにトナーカートリッジ取付け 再現可能な
(取付手順書参照) 寿命判定ポイントを選択するa)
例5
E
測定のための印刷開始 測定のための印刷開始
印刷枚数カウント開始 印刷可能枚数カウント開始
印刷継続 印刷継続
(かすれを比較するため (かすれを比較するため
100枚目の印刷見本保管) 100枚目の印刷見本保管)
G
いいえ 再現可能な寿命
判定ポイント?
はい
1個目のトナー
カートリッジ?
はい
いいえ
前回寿命判定ポイントから
今回寿命判定ポイントまで
の印刷枚数記録
測定開始時点の寿命判定
測定完了?
ポイントとして印刷枚数記録b)
はい
いいえ
終了
他のトナーカートリッジの
測定を繰り返す
E
注a) 再現可能な寿命判定ポイントとは,例えば“トナーなし”,“トナー少量”を発した時点,“かすれ”を発
生した時点のポイントのことである。
注b) 測定中に印刷したページで“かすれ”のあるものは,最終的な印刷枚数から差し引く。
図B.1−寿命判定フローチャート

――――― [JIS X 6931 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS X 6931:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 19752:2017(IDT)

JIS X 6931:2021の国際規格 ICS 分類一覧