JIS Z 1626:1987 国際大形コンテナの取扱い

JIS Z 1626:1987 規格概要

この規格 Z1626は、国際規格に従って製作され,試験された国際大形コンテナの取扱い方法について規定。

JISZ1626 規格全文情報

規格番号
JIS Z1626 
規格名称
国際大形コンテナの取扱い
規格名称英語訳
Handling and securing of freight containers for international trade
制定年月日
1987年3月15日
最新改正日
2015年10月26日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO/DIS 3874:1985(NEQ)
国際規格分類

ICS

55.180.10
主務大臣
経済産業,国土交通
JISハンドブック
物流 2019
改訂:履歴
1987-03-15 制定日, 1993-03-15 確認日, 2000-08-25 確認日, 2006-02-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-26 確認
ページ
JIS Z 1626:1987 PDF [26]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 1626-1987

国際大形コンテナの取扱い

Handling and Securing of Freight Containers for International Trade

1. 適用範囲 この規格は,国際規格に従って製作され,試験された国際大形コンテナ(以下,コンテナ
という。)の取扱い方法について規定する。
備考1. コンテナの取扱い方法は本規格で定めるほか,国内規則,国際規則に合致するよう,これら
関係法令に注意しなければならない。
2. この規格の実際の運用に当たっては,車両,鉄道,道路及び道路交通に関する国内法令など
によって,コンテナに積載できる質量及び積載車両の型式によっては高さの制限の規制を受
けるので注意しなければならない。
3. 旧国際規格によって製作されたコンテナは,この規格で規定する取扱い方法に対する強度を
保持していない場合があるので,特別な注意が必要である。
4. コンテナの種類は,JIS Z 1614(国際大形コンテナの外のり寸法及び最大総重量)によるほ
か,ISOで規定している流通の多い次のコンテナについても参考として記載した。
外のり寸法 mm 最大総質量
種類 高さ (H) 幅 (W) 長さ (L) (R)
寸法 許容差 寸法 許容差 寸法 許容差 kg
0
1A 2 438 0
−5 12 192 30 480
−10
1 AX <2 438 − 0
2 438
0 −5
1 CC 2 591 0
−5 6 058 20 320
−6
1 CX <2 438 −
引用規格 :
JIS Z 1613 国際大形コンテナの用語
JIS Z 1614 国際大形コンテナの外のり寸法及び最大総重量
JIS Z 1615 国際大形コンテナのコード,識別及び表示方法
JIS Z 1617 国際大形コンテナ用上部つり上げ金具及び緊締金具
JIS Z 1618 国際大形一般貨物コンテナ
対応国際規格 :
ISO/DIS 3874 Series 1 freight containers−Handling and securing
関連規格 : JIS Z 1616 国際大形コンテナのすみ金具
JIS Z 1619 国際大形冷凍コンテナ
JIS Z 1622 国際大形フラットラックコンテナ
JIS Z 1624 国際大形タンクコンテナ

――――― [JIS Z 1626 pdf 1] ―――――

2
Z 1626-1987
JIS Z 1625 国際大形プラットホームコンテナ
ISO 1496/6b 国際大形折りたたみ式開放形コンテナ
ISO 1496/6c 国際大形上けた固定式開放形コンテナ
ISO 2308 Hooks for lifting freight containers of up to 30 tonnes capacity−Basic requirements
ISO 2329 Fork lift trucks−Fork arms−Dimensions
2. 用語の意味 この規格で用いる用語の意味は,JIS Z 1613(国際大形コンテナの用語)によるほか,
表1による。
表1
用語 意味 対応英語(参考)
空コンテナ 積荷のない状態のコンテナ(自重の状態) empty container
loaded container
実入りコンテナ 質量の大小を問わず積荷した状態のコンテナ
重心の偏心 eccentricity of
コンテナの幾何学的中心と実際の重心(空又は
実入りコンテナ)との距離。 centre of gravity
移動重心 mobile centre of
液体,粉粒体,つり下げ荷物などを積載したコ
ンテナを取り扱うとき移動する重心。 gravity
ラッキング racking
コンテナ端部枠若しくは側部枠に,静的又は動
的な横方向の力が加わったときに生じる当該枠
の変形(図1参照)。
トップリング toppling
船のローリング,風などによる横方向の力によ
ってコンテナの底面の端を支点として転倒する
状態(図1参照)。
図1
3. 一般要件
3.1 コンテナ及びその取扱い機器は,十分に保守管理されていなければならない。

――――― [JIS Z 1626 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
Z 1626-1987
3.2 ドアなどの閉鎖装置,可動又は折りたたみ部品及び着脱装置は,確実に固定されていなければなら
ない。
3.3 コンテナの取扱いに携わる作業者は,正しい取扱い方法,特に安全事項についての教育を受けた者
等でなければならない。
3.4 コンテナの取扱い及び緊締・固縛に携わる作業者は,コンテナが空なのか実入りなのかを知らされ
ていなければならない。
確認できない場合は,実入りコンテナとして取り扱わなければならない。
3.5 コンテナ内の積荷は,設計荷重を超える荷重がコンテナにかからないようにしなければならない。
通常行われている方法によって積込み又は収納され,必要な箇所の固縛が行われていることが必要である。
3.6 積荷のための荷役用機器は,コンテナ設計荷重以上の力を,コンテナの床や壁などにかけるもので
あってはならない。
3.7 積荷固定装置,積付け資材などを含めたすべての収納質量は,最大積載質量を超えてはならない。
3.8 以下の配慮をするため,積荷の重心ができるだけ中央に,かつ,低くなるように積付けを行わなけ
ればならない。
(1) コンテナの過度の傾斜防止のため。
(2) コンテナ又はその取扱い機器への過度の力を与えないため。
(3) コンテナ輸送機器の許容軸重超過防止のため。
(4) コンテナ輸送機器の走行安定性確保のため。
(5) 過度の集中荷重の防止のため。
なお,図2に示すように,コンテナ長手方向の50%の部分に,全収納質量の60%までの不均等な収納は,
本項の要件を満たすと考えてよい。
図2 側面図
3.9 積荷の固定に当たっては,コンテナ取扱い中及び輸送中に遭遇する動的な力による積荷の損傷を防
止するよう配慮しなければならない。
4. コンテナの取扱い
4.1 コンテナを取り扱う機器は,使用荷重に対し十分な能力をもっていること。また,機器がコンテナ
に対し安全に作動できる状態であることを確かめなければならない。
また,コンテナが固定されていないことを確かめなければならない。
4.2 コンテナのフォークポケット,隅金具などに障害物がないことを確認し,つり上げ作業の安全性を
確認しなければならない。

――――― [JIS Z 1626 pdf 3] ―――――

4
Z 1626-1987
4.3 スリング方式による一点つり上げ又はしぼりつりの場合,重心の偏心によるコンテナの傾きがない
ことを特に注意しなければならない。
4.4 移動重心又は重心の偏心がある場合,つり上げ時に注意する必要がある。
タンクコンテナ,バルクコンテナ,液体用バッグ積載のコンテナ,貨物つり下げ装置付コンテナ,冷凍
コンテナ等は,特に注意しなければならない。
4.5 5.1から5.9に示す指定つり上げ方法以外の取扱いをする場合は荷役機器の性能とその使用方法につ
いて,コンテナの規格を考慮し,検討してから取り扱わなければならない。
5. つり上げ方法
5.1 つり上げ方式 つり上げ方式は,表2種類による。
表2
つり上げ種類 図 対応英語(参考)
スプレッダ方式上部つり上げ top lift spreader
(5.2)
スリング方式上部つり上げ top lift sling
(5.3)
スリング方式下部つり上げ bottom lift sling
(5.4)
側部つり上げ side lift-method 1
方式1 (5.5)
側部つり上げ side lift-method 2
方式2 (5.6)

――――― [JIS Z 1626 pdf 4] ―――――

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Z 1626-1987
つり上げ種類 図 対応英語(参考)
側部つり上げ side lift-method 3
方式3 (5.7)
端部つり上げ end lift-method 1
方式1 (5.8)
端部つり上げ end lift-method 2
方式2 (5.9)
フォークリフト方式 forklift
(5.10)
備考 5.2から5.10に示す各つり上げの可否は,コンテナの種類,形式ごとにその指定が
あり,各コンテナに発生する応力及び運用の安全性を考慮のうえ決められたもので
ある。

――――― [JIS Z 1626 pdf 5] ―――――

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