JIS Z 2254:2008 薄板金属材料の塑性ひずみ比試験方法 | ページ 2

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後の試験片の幅及び標点間の長さを測定することによって塑性ひずみ比を計算する。圧延方向に対する試
験片の方向及びr値を測定する所定の塑性ひずみは,材料規格又は表2による。通常,塑性ひずみの値は,
最大試験力時の塑性ひずみより小さくする。

7 試験装置

  使用する引張試験機は,JIS Z 2241の6.(試験機)による。
標点距離及び試験片幅を測定するための計測器の精度は,±0.01 mm以下まで測定できるものとする。
注記1 ISO 10113では,試験片幅を測定するための計測器の精度は,±0.005 mm以下まで測定でき
るものとしている。
標点距離及びその変位量測定に伸び計を用いる場合は,その使用範囲においてJIS B 7741の等級1級又
はそれ以上の性能をもつものとする。
注記2 長い標点距離及び大きな伸びに適用する場合には,伸び計の等級1級の最大相対誤差は,±
0.01 mmを超えることがある。
試験片のつかみ方法は,JIS Z 2241による。

8 試験片

  試験片は,JIS Z 2201の規定によるほか,次による。
a) 試験片の採り方は,それぞれの材料規格の規定による。特に規定のない場合は,受渡当事者間の協定
による。
b) 試験片形状は,それぞれの材料規格による。特に規定のない場合は,通常,JIS Z 2201の5号,13A
号又は13B号試験片のいずれかとする。
c) 試験片平行部の幅の寸法変化(最大値と最小値との差)は,標点間において,平均幅の0.1 %以内と
する。
d) 試験片の厚さは,特に規定のない場合は,材料の元の厚さのままとする。
e) 試験片の表面は,試験結果に影響を及ぼすようなきずがあってはならない。

9 試験

  試験は,次による。
a) 試験温度は,1035 ℃の範囲内とし,特に温度管理が必要な場合は,23±5 ℃とする。ただし,材料
規格に規定がある場合は,それによる。
b) 試験片に試験力を付加する前に,試験片の幅を,両標点及び標点間中央を含む少なくとも3か所以上
を等間隔で測定し,その平均値を試験片の幅とする。
c) ただし,自動測定機で標点距離及び幅を測定する場合は,箇条7に規定する装置で,少なくとも1点
以上測定し,標点距離及び試験片の幅としてよい。
d) 塑性変形範囲では,試験片平行部のひずみ速度は,0.008 s−1以下とする。ただし,材料規格に試験速
度の規定がある場合は,それによる。
e) 試験機のつかみ装置に試験片を装着し,d)で規定するひずみ速度の範囲に保持し,所定の変形を行う。
1) 材料規格に規定する塑性ひずみに達するまで変形させる。
2) 材料規格に規定する塑性ひずみの値での試験片の幅を測定をする。
f) 通常,試験力を除荷した後,試験前の測定に適用したと同じ精度で,標点距離及び試験片の幅を測定

――――― [JIS Z 2254 pdf 6] ―――――

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する。
g) 自動測定機を使用する場合の長さと幅の測定は,所定の塑性ひずみが付加された状態で箇条7に規定
する精度の計測器を用いて,試験力を加えた状態のまま行ってもよい。
h) 塑性ひずみを付加した後の試験片に反りなどが生じ,正確な幅の測定ができない場合は試験を無効と
する(図1参照)。
i) 不均一な変形をする材料の場合には,手動でr値を測定することはできない。しかし,伸びに対する
試験片の幅の連続的な変化を測定したデータを箇条10のb)で規定する方法を用いて処理することに
よって,再現性のあるr値の測定が可能となる。
j) 表面に被覆(例えば,亜鉛めっき,有機被覆など)を行った材料の場合には,得られるr値は,被覆
のない状態の原板の値と異なることがある。
k) 標点距離及び付加する塑性ひずみ量は,それぞれの材料規格による。ただし,受渡当事者間に協定が
ある場合は,それによる。特に規定がない場合は,表2による。
なお,いかなる材料においても,付加する塑性ひずみ量は,それぞれの材料の最大試験力時の塑性
ひずみAg以下とする。
表2−標点距離及びひずみ量
標点距離 ひずみ量
試験片形状
mm %
5号 20,25,50 1020
13A号 50,80 1020
13B号 20,25,50 1020
試験片形状5号又は13B号の標点距離は20 mm又は25 mmとすることが望まし
い。ただし,試験片形状5号又は13B号において,標点距離50 mmを使用する場合,
試験片幅測定は均一なひずみ分布範囲内で行うこととし,このとき得られる塑性ひ
ずみ比と標点距離20 mm又は25 mmとしたときに得られる塑性ひずみ比との差が
0.1を超えないものとする。
この表に示す塑性ひずみ量範囲下限においても,最大試験力時の塑性ひずみAgを
超える材料については,別途受渡当事者間の協定によって塑性ひずみ量を定める。

――――― [JIS Z 2254 pdf 7] ―――――

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a 所定の塑性ひずみを加えた後の試験片の厚さ
b 所定の塑性ひずみを加えた後の試験片幅
d 幅方向の反り
図1−試験片断面の横方向反りの概略図

10 試験値の算出

  試験値の算出は,次による。
a) 塑性ひずみ比,平均塑性ひずみ比及び面内異方性は,式(2),式(3)及び式(4)を用いて求める。式(3)及
び式(4)以外の式を使用する場合には,試験報告書に記載しなければならない。
b) 均一に変形する材料の場合は,所定の塑性ひずみ量で測定する方法(single point data method)を用いて
よい。より良好な再現性を得るためには,塑性ひずみ範囲で測定することが好ましい。
不均一な変形をする材料の場合には,よい再現性を得るために,次の方法を用いる(図2参照)。
試験片の長さ方向の真ひずみは,式(5)を用いて計算する。
Lln Lo+ L F
= − (5)
Lo So mE
試験片の幅方向の真ひずみは,式(6)を用いて計算する。

――――― [JIS Z 2254 pdf 8] ―――――

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bo v F
bo− b+
bln So mE
= (6)
bo
注記 v : ポアソン比(例えば,鋼 : 0.30,アルミニウム : 0.33)
試験中の塑性ひずみは,式(7)を用いて計算する。
ΔL F
e= − 100 (%) (7)
Lo So E
m
自動測定機を使用する場合には,式(5)及び式(7)のLoは,Leに置き換えるとよい。
注記 厳密な物理的観点からは,試験片の長さ方向の真ひずみ(攀 試験片の幅方向の真ひずみ( 攀 戀
及び塑性ひずみ(e)の計算には,式(5),式(6)及び式(7)の試験片の原断面積(So)の代わりに式(8)
によって求められる試験片の真断面積(S)を用いるべきである。しかし,実用上は,So及びS
によって得られる値に差はない。それゆえ式(5),式(6)及び式(7)には,原断面積Soを用いる
ことが好ましい。
So Lo
S= (8)
Lo+ΔL

X 試験片長さ方向の真ひずみ,

Y 試験片幅方向の真ひずみ, 戀
1 下限 : 例えば,8 %塑性ひずみ
2 上限 : 例えば,12 %塑性ひずみ
3 試験開始点
4 試験開始点を通る,下限及び上限間の直線回帰
攀 拿mr×攀
mr=−0.398 33
r8−12=0.662
図2−試験片の幅方向と長さ方向との真ひずみの関係の例

――――― [JIS Z 2254 pdf 9] ―――――

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長さ方向の真ひずみに対する幅方向の真ひずみの回帰直線は,原点を通り,所定の塑性ひずみ範囲
内で,測定値に合致するものでなければならない。回帰直線の傾きmrは,[−r/(1+r) ]に等しい。r値
は,式(9)を用いて計算する。
mr
r=− (9)
1m
+ r
c) 塑性ひずみ比は,JIS Z 8401の規則Aによって小数点以下第1位に丸める。
注記 ISO 10113では,0.05単位に丸めて報告することとしている。
d) 同一試験片で,自動測定機で行った試験と手動で行った試験の結果に差異がある場合は,この差異の
原因を評価しなければならない。
注記 自動及び手動で測定したr値の差異は,不均一な変形によることが原因の場合がある。

11 報告

  試験報告書が必要な場合には,報告する事項は,次のうちから受渡当時者間の協定によって選択する。
a) この規格に従って試験したことの記述
b) 試験片の識別
c) 試験方法(手動又は自動)
d) 使用した試験片の形状及び標点距離
e) 試験片の圧延方向に対する角度
f) 測定した塑性ひずみ又は塑性ひずみ範囲
例 r45/8−12 : 圧延方向に対する試験片の角度45°/ 塑性ひずみ範囲812 %間の直線回帰
r45/10 : 圧延方向に対する試験片の角度45°/ 10 %の塑性ひずみ量(single data point method)
g) 試験結果
h) ,r及び 爰 算に用いた式[式(3)及び(4)と異なる場合]

――――― [JIS Z 2254 pdf 10] ―――――

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  • ISO 10113:2006(MOD)

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