9
Z 2254 : 2008
附属書JA
(規定)
固有振動法
JA.1 適用範囲
この附属書は,ステンレス鋼を除く薄鋼板又は鋼帯の固有振動法による塑性ひずみ比試験方法について
規定する。
JA.2 用語及び定義
この附属書で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0202によるほか,次による。
JA.2.1
平均ヤング率(E)
試験片を板面の圧延方向に対し平行,45゜及び90°の各方向から採取して測定したヤング率を用いて,
式 (JA.1) によって求めた加重平均値。
E0 2E45 E90
E (JA.1)
4
ここに, E0 : 試験片を板面の圧延方向に対し平行に採取し測定したヤン
グ率 (MPa)
E45 : 試験片を板面の圧延方向に対し45゜方向に採取し測定した
ヤング率 (MPa)
E90 : 試験片を板面の圧延方向に対し90゜方向に採取し測定した
ヤング率 (MPa)
注記 1 MPa=1 N/mm2
JA.3 試験の原理
磁わい(歪)振動方式の共振法などによって平均ヤング率を求め,これと引張試験によって求める平均
塑性ひずみ比との相関が強いことを利用して,統計的解析によって得られている回帰式から間接的に平均
塑性ひずみ比を求める。
注記 磁わい振動方式の共振法による場合は,試験の対象は,強磁性体の材料とする。
JA.4 試験装置
試験装置は,通常,図JA.1のように構成され,励振コイルで試験片に高周波振動を加えて,検出コイル
で共振周波数を検出できるものとする。
――――― [JIS Z 2254 pdf 11] ―――――
10
Z 2254 : 2008
図JA.1−固有振動法による共振周波数測定装置の構成例
JA.5 試験片
試験片は,次による。
a) 試験片の採り方は,それぞれの材料規格の規定による。特に規定のない場合は,受渡当事者間の協定
による。
b) 試験片は,それぞれの測定器で定められた試験片を用いる。ただし,寸法の許容差は,±0.025 mmと
する。
JA.6 試験
試験は,次による。
a) 試験温度 試験温度は,1035 ℃の範囲内とし,特に温度管理が必要な場合は,23±5 ℃とする。
b) 試験片長さの測定 試験片長さを0.025 mmの精度で測定する。ただし,試験片の加工精度が寸法の
許容差±0.025 mm内に十分管理されている場合は,呼び長さを用いてもよい。
c) 試験片の共振周波数の測定 板面の圧延方向に対して平行,45゜及び90゜各方向から採取した試験片
の共振周波数をJA.4の試験装置を用いて整数位まで測定する。
d) 平均塑性ひずみ比の算出 平均塑性ひずみ比の計算手順は,次による。
1) 板面の圧延方向に対して平行,45゜及び90゜各々の方向から採取した試験片のヤング率を,式
(JA.2) によって求める。
E=4 (JA.2)
ここに, E : ヤング率 (MPa)
かさ密度 (7.87 g/cm3)
l : 試験片の長さ (mm)
f : 共振周波数 (Hz)
注記 1 MPa=1 N/mm2
2) 平均ヤング率は,式(JA.1)を用いて計算し,有効数字4けたに丸める。数値の丸め方は,JIS Z 8401
の規則Aによる。
3) 平均塑性ひずみ比は,平均ヤング率を用いて式(JA.3)によって計算し,小数点以下第1位に丸める。
数値の丸め方は,JIS Z 8401の規則Aによる。
101.44
r= −0.564 (JA.3)
(1450. E10 6−38.83) 2
4) 固有振動法によって得られた試験値に疑義が生じた場合は,引張試験による試験方法を標準試験方
法とする。
――――― [JIS Z 2254 pdf 12] ―――――
11
Z 2254 : 2008
JA.7 塑性ひずみ比による平均塑性ひずみ比の校正及び補正
引張試験による平均塑性ひずみ比を用いて校正曲線を作成し,固有振動法による平均塑性ひずみ比を補
正する。ただし,両者の差が0.1以内の場合は,補正しなくてもよい。
――――― [JIS Z 2254 pdf 13] ―――――
Z2
2
附属書JB
25
(参考)
4 : 2
JISと対応する国際規格との対比表
0 08
JIS Z 2254:2008 薄板金属材料の塑性ひずみ比試験方法 ISO 10113:2006,Metallic materials−Sheet and strip−Determination of plastic
strain ratio
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと(V) JISと国際規格との技
国際 の評価及びその内容 術的差異の理由及び今後
規格 の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び名称 番号 の評価
1 適用範囲 1 一致
2 引用規格 2
3 用語及び 塑性ひずみ比 3 一致
定義 平均塑性ひずみ比
面内異方性
4 記号 規格内で使用する記号とそ 4 一致
の定義を規定
5 試験方法 平均塑性ひずみ比の測定方 − − 追加 ISO規格には,固有振動法の規定はISOへの提案を検討する。
の種類及び 法として固有振動法の適用 ない。
選択 を可としている。
6 試験の原 引張試験による試験片の幅 5 材料規格による。 追加 ISOへの提案を検討する。
特に規定がない場合に使用する表を
理 と厚さの変化から塑性ひず 追加した。
み比を計算する。
7 試験装置 JIS Z 2241及びJIS B 7741 6 ISO 6892及びISO 9513の 変更 JISでは,多くの自動測定器では±ISOへの提案を継続する。
の規定に従うものを用いる。 規定に従うものを用いる。 0.01 mmの測定精度のものが利用さ
試験片幅の測定器の精度は 試験片幅の測定器の精度 れている実態を反映している。
±0.01 mm以下 は±0.005 mm以下
8 試験片 JIS Z 2201の規定に従うこ 7 ISO 6892の試験片の規定 追加 JISでは,具体的に使用する試験片
と及び具体的な試験片の形 に従う。 の形状を規定している。技術的な差
状を規定 異は,軽微である。
――――― [JIS Z 2254 pdf 14] ―――――
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと(V) JISと国際規格との技
国際 の評価及びその内容 術的差異の理由及び今後
規格 の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び名称 番号 の評価
9 試験 試験の手順を規定 8 試験の手順を規定 追加 ひずみ速度について,材料規格で規
定があれば,材料規格の規定を優先
することを規定。
また,試験片の箇条で追加した具体
的な試験片形状に対する標点距離及
びひずみ量の規定を追加。技術的な
差異は,軽微である。
10 試験値 試験結果から塑性ひずみ比, 9 試験結果から塑性ひずみ 変更 ISOへの提案を継続する。
報告の単位については,材料規格で
の算出 平均塑性ひずみ比及び面内 比,平均塑性ひずみ比及び の規定が,小数点第1位で示されて
異方性の求め方を規定。不均 面内異方性の求め方を規 いることから,JISでは混乱を避け
一な変形をする材料の場合 定。不均一な変形をする材 るため小数点第1位に丸めるものと
の計算法も合わせた規定。 料の場合の計算法も合わ した(ISOに意見提案したが,受け
報告の単位を小数点第1位 せた規定。報告の単位を 入れられなかったもの)。
に丸める。 0.05単位に丸める。
11 報告 報告項目の中から受渡当事 10 報告項目を規定 変更 JISでは,より合理的に報告できるISOへの提案を継続する。
者間で選択して報告する。 ように報告項目は,受渡当事者間で
選択可能としている。
附属書JA 追加 JIS固有の測定方法を追加している。 ISOへの提案を検討する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 10113:2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 技術的差異がない。
− 追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
Z2
− MOD 国際規格を修正している。
254 : 2
0 08
2
JIS Z 2254:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10113:2006(MOD)
JIS Z 2254:2008の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 2254:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7741:2019
- 一軸試験に使用する伸び計システムの校正方法
- JISG0202:2013
- 鉄鋼用語(試験)
- JISZ2201:1950
- 医療用遠心沈デン器
- JISZ2201:1998
- 金属材料引張試験片
- JISZ2241:2011
- 金属材料引張試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方