JIS Z 2351:2011 超音波探傷器の電気的性能測定方法 | ページ 2

4
Z 2351 : 2011
Tm : 測定された送信パルスの立上がり時間(ns)
TS : オシロスコープの周波数帯域BWによって定まる補正時間(ns)
であり,次の式で求める。
TS=350/BW
ここに, BW : 測定に使用したオシロスコープの周波数帯域(MHz)
a) 正方向の場合 b) 負方向の場合
図3−送信パルスの立上がり時間の測定
5.1.4 送信パルス幅
送信パルス幅の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.1.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と使用器材との接続は,図2による。
2) オシロスコープの画面に送信パルスを1個だけ表示する。
3) 図4に示すように,送信パルスの最大値から10 %となるパルス前縁部と後縁部との間の時間TWを
測定する。
4) 終端抵抗を外した場合も同様に測定する。
5) パルスエネルギーの調整がある超音波探傷器については,最大及び最小の状態にして測定する。
図4−送信パルス幅の測定
5.1.5 パルススクウェア率
送信パルスの波形が方形波の場合は,次の測定を行う。
a) 使用器材 使用器材は,5.1.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と使用器材との接続は,図2による。
2) オシロスコープの画面に送信パルスを1個だけ表示する。
3) 図5に示すように,送信パルスの最大値から20 %,80 %の位置におけるパルス幅のTW20及びTW80

――――― [JIS Z 2351 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
Z 2351 : 2011
を測定する。
4) パルススクウェア率SR(%)を次の式によって求める。
W80
SR 100(%)
W20
ここに, TW80 : 最大値の80 %レベルでのパルス幅(μs)
TW20 : 最大値の20 %レベルでのパルス幅(μs)
5) 送信周波数が複数に設定できる場合は,それぞれの周波数ごとに測定する。
図5−パルススクウェア率の測定
5.1.6 送信パルスの振幅
送信パルスの振幅の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.1.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と使用器材との接続は,図2による。
2) オシロスコープの画面に送信パルスを表示する。
3) 送信パルスのピーク値の電圧を測定する。
4) パルスエネルギーを調整できる機能によってパルスの振幅が変化する場合には,振幅が最大となる
条件及び最小となる条件での値を測定する。
5) 終端抵抗を外した状態で,3)及び4)の測定を行う。
5.1.7 送信パルスの周波数スペクトラム
送信パルスの周波数スペクトラムの測定は,次による。
a) 使用器材
1) 周波数解析装置 スペクトラムアナライザ又はFFT解析装置(FFT解析装置とは,コンピュータを
用いて信号の周波数成分を解析する装置)。
2) 減衰器 減衰器は,次の条件を満たすものとする。
2.1) 使用周波数範囲 DC100 MHz以上とする。
2.2) 減衰量の範囲 080 dB以上で,0.2 dB以下のステップで可変できるものとする。
2.3) インピーダンス 50 Ω
2.4) 確度 20 dB当たり±0.3 dB以下とする。
3) 終端抵抗 50 Ωの無誘導抵抗とする。
b) 測定方法
1) 超音波探傷器と使用器材との接続は,図6による。
2) 減衰器の設定を40 dB以上とする。周波数解析装置の入力電圧に制限がある場合は,その制限以内

――――― [JIS Z 2351 pdf 7] ―――――

6
Z 2351 : 2011
になるように減衰器の設定を行う。
3) 超音波探傷器の送信パルス幅が変化できる装置の場合は,パルス幅が最大の状態及び最小の状態で
の測定を行う。
超音波探傷器 終端抵抗 減衰器 周波数解析装置
図6−周波数スペクトラムの測定のための各使用器材の接続
4) ピーク周波数 最大振幅における周波数FTPを測定する。
5) 上限周波数 最大振幅の70.8 %(−3 dB)を示す高い周波数側の周波数FTUを測定する。
6) 下限周波数 最大振幅の70.8 %(−3 dB)を示す低い周波数側の周波数FTLを測定する。
7) 中心周波数 5)及び6)の上限周波数,下限周波数の値から,次の式で中心周波数FTCを求める。
FTU FTL
FTC
2
ここに, FTC : 中心周波数(MHz)
FTU : 上限周波数(MHz)
FTL : 下限周波数(MHz)

5.2 受信部の性能

5.2.1  周波数特性
周波数特性の測定は,次による。
a) 使用器材
1) パルスジェネレータ パルスジェネレータは,出力パルスを送信パルスの直後から3 μs以上任意に
遅延させることができる機器。
2) バースト波信号発生器 バースト波信号発生器は,パルスジェネレータのトリガ信号を受けて,任
意の周波数及び任意の波数のバースト波を発生させることができる機器。
3) オシロスコープ オシロスコープは,周波数帯域が100 MHz以上で,校正されている機器。
4) 減衰器 減衰器は,5.1.7 a) 2)による。
5) 終端抵抗 終端抵抗は,50 Ωの無誘導抵抗。
6) 保護回路 超音波探傷器の送信信号によって,パルスジェネレータの入力が破損することを防ぐた
めの回路。
b) 測定方法
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。
2) 測定は,次の手順で行う。
2.1) 超音波探傷器の探傷法スイッチを“二探触子法”とする。
2.2) 超音波探傷器への入力信号は,バースト波信号の波数を5波とし,その出力をピーク電圧(p-p)
=1 Vに設定した後,減衰器によって20 dB低下させたレベルとする。
2.3) リジェクションは,“0”又は“OFF”とする。

――――― [JIS Z 2351 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
Z 2351 : 2011
超音波探傷器 送信出力端子
保護回路 パルスジェネレータ
表示器
同期信号
受信入力端子
終端抵抗 減衰器 バースト波信号発生器
オシロスコープ
図7−バースト波信号を用いて性能測定を行うための各使用器材の接続
2.4) バースト波信号発生器の信号が,超音波探傷器の表示器目盛の80 %の高さとなるよう超音波探傷
器のゲインを調整する。
2.5) 信号高さが最大となるときの周波数FRPをピーク周波数として記録する。
2.6) 次に,バースト波信号の周波数を高い方と低い方とに変化させて,最大信号高さから3 dB低下し
たときの周波数を記録する。高い側の周波数をFRU,低い側の周波数をFRLとする。
3) 帯域幅ΔFRは,次の式によって求め記録する。
ΔFR=FRU−FRL
ここに, ΔFR : 帯域幅(MHz)
FRU : 最大信号高さから3 dB低下する高い側の周波数(MHz)
FRL : 最大信号高さから3 dB低下する低い側の周波数(MHz)
4) 中心周波数FRCは,次の式によって求め記録する。
FRU FRL
FRC
2
ここに, FRC : 帯域幅の中心周波数(MHz)
5) 受信周波数が選択できる超音波探傷器においては,それぞれの選択状態におけるピーク周波数,中
心周波数及び帯域幅を同様の方法で測定し記録する。
5.2.2 感度
5.2.2.1 一般
感度の測定は,次のいずれかの方法で測定する。
5.2.2.2 基準信号レベルと入力等価雑音レベルとから求める方法
基準信号レベルと入力等価雑音レベルとから求める感度の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。
2) 超音波探傷器の探傷法スイッチを“二探触子法”とすることによって,受信部を送信部から切り離
す。また,図7に示すように,超音波探傷器の高電圧送信パルスからパルスジェネレータを守るた
め,保護回路を使用する。パルスジェネレータを超音波探傷器に同期させ,送信パルスから遅れた
位置にバースト波信号を発生させる。バースト波信号発生器の出力は,減衰器と50 Ω終端抵抗とを
介して超音波探傷器の受信入力端に接続する。
3) 超音波探傷器のリジェクションは,“0”又は“OFF”とする。

――――― [JIS Z 2351 pdf 9] ―――――

8
Z 2351 : 2011
4) バースト波信号発生器の設定は,周波数を受信中心周波数(又は試験周波数)とし,波数は,510
波とする。
5) 測定の手順は,次による。
5.1) バースト波信号発生器の出力レベルを図8 a)のように,オシロスコープ上でVp-p=1Vに調整し,
減衰器の値を60 dBに設定する。
a) バースト波の出力 b) 超音波探傷器の雑音
図8−信号高さ
5.2) 超音波探傷器のゲイン調整器で表示器上のバースト波の信号高さが50 %となるように調整し,こ
の値A dBを読み取る。信号の高さの読取りは,バースト波頭部の平たんなところを用いる。
5.3) 減衰器と終端抵抗との接続を外し,終端抵抗だけが超音波探傷器の受信入力に接続された状態で,
ゲインを調整して,表示器上の雑音が50 %となるようにして,ゲイン調整器の値を読み取り,N dB
とする。
5.4) ゲイン調整器を最大にしても雑音が50 %にならない場合は,図8 b)のように雑音レベルの高さn %
と,そのゲイン調整器の値M dBとを読み取る。
6) 次の式によって,超音波探傷器の感度S dBを求め記録する。
6.1) 5.3)の場合は,次による。
S=N−A+60
6.2) 5.4)の場合は,次による。
S=20 log(50/n)+M−A+60
ここに, N : 超音波探傷器の雑音を50 %の高さにしたときのゲイン調整器
の値(dB)
A : バースト波信号を50 %の高さにしたときのゲイン調整器の値
(dB)
M : 超音波探傷器の雑音をn %の高さにしたときのゲイン調整器
の値(dB)
n : 超音波探傷器の雑音の高さ(%)
5.2.2.3 ゲート警報機能を使用する方法
ゲート警報機能を使用する感度の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。
2) バースト波の周波数を,超音波探傷器の試験周波数と同じにして,バースト波の波数を510波と
する。
3) 超音波探傷器のゲイン調整を,調整範囲の中間にする。
4) バースト波信号発生器と減衰器とを調整して,超音波探傷器の表示器上でバースト波の高さを20 %
に設定する。
5) 超音波探傷器のゲート警報機能を動作させて,警報レベルを20 %に設定する。
6) バースト波信号発生器を取り外し,超音波探傷器のゲインを調整して,ノイズによって警報が発生

――――― [JIS Z 2351 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Z 2351:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 12710:2002(MOD)

JIS Z 2351:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2351:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ2300:2009
非破壊試験用語
JISZ2300:2020
非破壊試験用語
JISZ8103:2019
計測用語