JIS Z 2351:2011 超音波探傷器の電気的性能測定方法 | ページ 3

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しない最大の値になるように調整する。
7) バースト波信号発生器を再び接続して,バースト波信号発生器と減衰器とを調整して,信号高さが
超音波探傷器の表示器上で80 %の高さになるように調整する。
8) このときの超音波探傷器の入力信号レベルをオシロスコープで測定し,この値を感度として記録す
る。
9) 入力信号レベルが小さすぎて,正確に読み取れない場合は,バースト波信号発生器の出力信号レベ
ルを測定し,減衰器の減衰量で補正して超音波探傷器の入力信号レベルを求め,感度として記録す
る。
5.2.3 ゲイン調整器
ゲイン調整器の性能測定は,ゲイン調整器が調整ステップの異なる複数の調整器から構成されている場
合は5.2.3.1の方法に,ゲイン調整器が単一の調整器で構成されている場合は5.2.3.2の方法による。
5.2.3.1 個別ゲイン調整器測定法
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。超音波探傷器の探傷法スイッチは“二探触子
法”とする。
2) バースト波信号は,周波数を受信中心周波数(又は試験周波数)とし,波数は510波とする。
3) 測定は,各ゲイン調整器ごとに次の手順で行う。
3.1) 超音波探傷器のゲインを超音波探傷器の表示器上の雑音が表示器目盛の3.3 %以下で,かつ,最大
になるように設定し,減衰器とバースト波信号発生器の出力を調整して,超音波探傷器の表示器
上で信号高さが50 %の高さになるようにする。このときの超音波探傷器のゲインと減衰器の値を
読み取り,それぞれ初期値とする。
3.2) 超音波探傷器のゲイン調整器の最小ステップに応じて,表1に示す測定ステップを選択する。
3.3) 3.2)で選択した測定ステップで超音波探傷器のゲインを減少させる。
3.4) 減衰器を調整して,超音波探傷器の表示器上で信号高さが50 %になったときのゲイン調整器の値
と減衰器の値を記録する。
3.5) 3.3)及び3.4)を繰り返し,ゲイン調整器の調整範囲にわたって測定する。
3.6) ゲイン調整器の値及び減衰器の値を表にする。
3.7) 表からゲイン調整器の調整値(初期値からの変化量)と減衰器の調整値(初期値からの変化量)
との差を読み取り,記録する。さらに,それらの最大差を記録する。
表1−ゲイン調整器の最小ステップと測定ステップとの関係
単位 dB
ゲイン調整器の最小ステップ 測定ステップ
0.5以下 1
1.0 2
2.0 4
6.0以上 各ステップごと
5.2.3.2 全範囲測定法
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。

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1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。超音波探傷器の探傷法スイッチは“二探触子
法”とする。
2) バースト波信号は,周波数を受信中心周波数(又は試験周波数)とし,波形は1サイクルの正弦波
又は方形波とする。
3) 測定は,次の手順で行う。
3.1) 受信部のゲインを最小値に設定し,減衰器及びバースト波信号発生器の出力を調整して,超音波
探傷器の表示器上で信号高さが50 %の高さになるように調整する。このときの超音波探傷器のゲ
イン調整器及び減衰器の値を読み取り,それぞれ初期値とする。
3.2) ゲインを6 dBのステップで増加させる。
3.3) 減衰器を調整して,超音波探傷器の表示器上で信号高さが50 %になったときの減衰器の値を記録
する。
3.4) 3.2)及び3.3)を繰り返し,全範囲にわたって測定する。
3.5) ゲイン調整器の値と減衰器の値との関係をグラフ又は表にする。
3.6) グラフ又は表からゲイン調整器の調整値(初期値からの変化量)と減衰器の調整値(初期値から
の変化量)との差を読み取り,記録する。さらに,それらの最大差を記録する。
5.2.4 入力インピーダンス
超音波探傷器の入力インピーダンスの測定は,次による。
a) 使用器材
1) 校正されたインピーダンスメータ又はLCRメータ
b) 測定方法
1) 超音波探傷器の探傷法スイッチを“二探触子法”とし,受信入力端子にインピーダンスメータ又は
LCRメータを図9のように接続する。このとき,計器付属の測定用端子があるものは,それを用い
る。
受信入力端子 インピーダンスメータ
超音波探傷器
又は
LCRメータ
図9−入力インピーダンスの測定のための使用器材の接続
2) 入力抵抗を測定し,記録する。
5.2.5 増幅直線性
増幅直線性は,次のいずれかの方法で測定する。
5.2.5.1 測定方法A
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。超音波探傷器の探傷法スイッチは“二探触子
法”とする。
2) バースト波信号発生器の設定は,周波数を受信中心周波数(又は試験周波数)とし,波数は510
波とする。
3) 測定は,次の手順で行う。
3.1) バースト波信号発生器の出力をVP-P=100 mVに設定する。また,減衰器の値は0 dBに設定する。

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3.2) 超音波探傷器のゲイン調整器を調整して,信号高さが100 %になるように調整する。
3.3) 2 dBずつ28 dBまで減衰器の減衰量を増し,各減衰量における信号高さを表示器目盛の百分率(%)
で読み取り,理論値との差を誤差(%)とする。
3.4) 減衰器の値を30 dBにして,そのときに表示器でバースト波の存在が確認できるか調べる。確認
できない場合は“消失”と記録する。
3.5) 超音波探傷器の入力レベルをVP-P=10 mVにするために,減衰器の値を20 dBにする。
3.6) 超音波探傷器のゲイン調整器を調整して,信号高さが100 %になるように調整する。
3.7) 20 dBから2 dBずつ48 dBまで減衰器の減衰量を増し,各減衰量における信号高さを表示器目盛
の百分率(%)で読み取り,理論値との差を誤差(%)とする。
3.8) 減衰器の値を50 dBにして,そのときに表示器でバースト波の存在が確認できるか調べる。確認
できない場合は“消失”と記録する。
4) 増幅直線性の正の最大誤差及び負の最大誤差を記録する。
5) 帯域フィルタを備えている超音波探傷器においては,各周波数範囲ごとに記録する。
5.2.5.2 測定方法B
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と使用器材との接続は,図7による。また,その準備は,5.2.1 b)の2.1)及び2.2)と同
じとする。
2) 測定は,次の手順で行う。
2.1) 超音波探傷器のゲインを,ゲイン調整器の調整範囲の25 %の値に設定する。
2.2) バースト波信号発生器の出力レベル及び減衰器を調整して,超音波探傷器の表示器上で信号高さ
を5 %100 %まで5 %ずつ変化させたときの入力信号レベルを測定する。入力信号レベルは,オ
シロスコープで直接測定するか,又はバースト波信号発生器の出力信号レベル及び減衰器の設定
値を用いて求める。
2.3) 表示器上の信号高さと入力信号レベルとの関係をグラフに表す。
2.4) グラフにおいて,原点と100 %のプロット点とを直線で結び,直線とプロットした表示器上の信
号高さの差の最大値(%)を読み取り,記録する。
2.5) 超音波探傷器のゲインを,ゲイン調整範囲の50 %及び75 %に設定して,2.2)2.4)の測定を行う。

5.3 時間軸部

5.3.1  時間軸直線性
時間軸直線性の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。超音波探傷器の探傷法スイッチは“二探触子
法”とする。バースト波信号の周波数は5 MHz,波数は1波とする。
2) 測定は,次の手順で行う。
2.1) バースト波信号発生器の出力レベル及び減衰器と超音波探傷器のゲインとを調整して,超音波探
傷器の表示器上のバースト波信号高さを縦軸目盛50 %以上の適切な高さに合わせる。
2.2) 超音波探傷器の測定範囲を125 mm又は250 mmに設定する。
2.3) 測定範囲の5/5目盛の位置に信号が現れるようにパルスジェネレータの遅延量を調整して,そのと

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きの遅延量を読み取る。
2.4) 0/5目盛の位置に信号が現れるようにパルスジェネレータの遅延量を調整して,そのときの遅延量
を読み取る。
2.5) 2.3)で読み取った5/5目盛の遅延量と2.4)で読み取った0/5目盛の遅延量との差の値から1/5,2/5,
3/5,4/5目盛の位置の理論上の遅延量を計算する。
2.6) パルスジェネレータによる遅延量を2.5)で計算した1/5,2/5,3/5,4/5目盛の理論上の遅延量に順
次設定して,信号位置と1/5,2/5,3/5,4/5目盛との誤差を横軸目盛のフルスケールを100 %とし
たときの百分率(%)で読み取り,表に表す。
2.7) 2.2)で設定した以外に必要な測定範囲がある場合には,その測定範囲に設定して,2.3)2.6)の測定
を行う。
3) 2.6)で読み取った誤差の最大値を記録する。
5.3.2 時間分解能
時間分解能の測定は,次による。
a) 使用器材 5.2.1 a)の器材にもう一系統のパルスジェネレータ及びバースト波信号発生器及び加算器
を追加する。加算器は,二つのバースト波信号発生器の出力を混合して,一つの信号として減衰器及
びオシロスコープに入力するためのものである。
b) 測定方法
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図10による。超音波探傷器の探傷法スイッチは“二探触子
法”とする。バースト波信号発生器(1)及び(2)は共に周波数を5 MHzとし,その波数を1波に
設定する。二つのバースト波信号発生器の出力信号レベルが同じになるように,バースト波信号発
生器の出力レベルを調整する。
2) 測定は,次の手順で行う。
2.1) 超音波探傷器のゲイン調整器又は減衰器を調整して,表示器上における信号高さを100 %とする。
2.2) 超音波探傷器による送信パルスから10 μs以上遅れた位置に,バースト波信号発生器(1)の出力
信号が現れるようにパルスジェネレータ(1)の遅延量を調整する。
2.3) バースト波信号発生器(2)の出力信号が,バースト波信号発生器(1)の出力信号の近くになる
ようにパルスジェネレータ(2)の遅延量を調整して,超音波探傷器の表示器上で二つのバースト
波の谷間の信号高さが,図11のように縦軸目盛の20 %となるようにする。
2.4) バースト波信号発生器(1)及び(2)のそれぞれのパルス開始点における時間間隔TRESをオシロ
スコープ上で読み取る。
超音波探傷器 保護回路 パルスジェネレータ(1) バースト波信号発生器(1)
終端抵抗 パルスジェネレータ(2) バースト波信号発生器(2)
減衰器 加算器
オシロスコープ
図10−2個のバースト波を用いて性能を測定するときの各使用器材の接続

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a) 超音波探傷器の図形 b) オシロスコープの観測波形
図11−分解能の測定における図形及び波形
3) 超音波探傷器で分解能に影響を与える調整要素,例えばフィルタ,検波,周波数帯域などの調整要
素がある場合は,その設定を記録する。
4) 受信周波数選択がある超音波探傷器については,それぞれの周波数について測定する。

5.4 ゲート回路

5.4.1  ゲート範囲
ゲート範囲の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。超音波探傷器の探傷法スイッチは“二探触子
法”とする。バースト波信号発生器の設定は,周波数を試験周波数とし,波数は1波の設定とする。
2) 最小ゲート幅 最小ゲート幅の測定の手順は,次による。
2.1) ゲート幅を最小にして,警報レベルは雑音で警報しないレベルで,かつ,可能な限り低いレベル
に設定する。
2.2) 信号高さが50 %になるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整する。
2.3) 信号がゲートの左に出た位置から,パルスジェネレータの遅延量を増加させ,信号がゲートに捉
えられ警報するようになるときの遅延量TGSminをオシロスコープで測定する。
2.4) 信号がゲートの右に出た位置から,パルスジェネレータの遅延量を減少させ,信号がゲートに捉
えられ警報するようになるときの遅延量TGEminをオシロスコープで測定する。
2.5) 次の計算を行い,最小ゲート幅を求めて記録する。ただし,T1cは試験周波数の1周期分の時間で
ある。
TGmin=TGEmin−TGSmin−T1c
3) 最大ゲート幅 最大ゲート幅の測定の手順は,次による。
3.1) ゲート幅を最大にして,警報レベルは雑音で警報しないレベルで,かつ,可能な限り低いレベル
に設定する。必要な場合は,測定範囲などの設定も変更する。
3.2) 信号高さが50 %になるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整する。
3.3) 信号がゲートの左に出た位置から,パルスジェネレータの遅延量を増加させ,信号がゲートに捉
えられ警報したときの遅延量TGSmaxをオシロスコープで測定する。
3.4) 信号がゲートの右に出た位置から,パルスジェネレータの遅延量を減少させ,信号がゲートに捉
えられ警報したときの遅延量TGEmaxをオシロスコープで測定する。
3.5) 次の計算を行い,最大ゲート幅を求めて記録する。ただし,T1cは試験周波数の1周期分の時間で

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JIS Z 2351:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 12710:2002(MOD)

JIS Z 2351:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2351:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ2300:2009
非破壊試験用語
JISZ2300:2020
非破壊試験用語
JISZ8103:2019
計測用語