JIS Z 2351:2011 超音波探傷器の電気的性能測定方法 | ページ 4

14
Z 2351 : 2011
ある。
TGmax=TGEmax−TGSmax−T1c
4) 最小ゲート遅延 最小ゲート遅延の測定の手順は,次による。
4.1) ゲート遅延を最小にして,警報レベルは雑音で警報しないレベルで,かつ,可能な限り低いレベ
ルに設定する。必要な場合は,測定範囲などの設定も変更する。
4.2) 信号高さが50 %になるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整する。
4.3) 信号をゲートの左側に位置するようにパルスジェネレータの遅延量を調整する。
4.4) 信号の遅延量を大きくしていき,信号がゲートに捉えられ警報したときの遅延量をオシロスコー
プで測定する。この遅延量にT1c(試験周波数の1周期時間)を加えた値を最小ゲート遅延TGD1min
として記録する。
5) 最大ゲート遅延 最大ゲート遅延の測定の手順は,次による。
5.1) ゲート遅延を最大にして,警報レベルは雑音で警報しないレベルで,かつ,可能な限り低いレベ
ルに設定する。必要な場合は,測定範囲などの設定も変更する。
5.2) 信号高さが50 %になるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整する。
5.3) 信号がゲートの左側に出た位置から遅延量を大きくしていき,信号がゲートに捉えられ警報する
ときの遅延量をオシロスコープで測定する。この遅延量にT1c(試験周波数の1周期時間)を加え
た値を最大ゲート遅延TGD1maxとして記録する。
5.4.2 ゲートの分解能
ゲートの分解能の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。超音波探傷器の探傷法スイッチは“二探触子
法”とする。バースト波信号発生器の設定は,周波数を試験周波数とし,波数は1波の設定とする。
2) 測定の手順は,次による。
2.1) 超音波探傷器の表示器の時間軸上で中心付近に信号が現れるように,パルスジェネレータの遅延
量を調整する。信号高さは100 %になるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整
する。
2.2) ゲートの起点を超音波探傷器の時間軸目盛で,測定範囲の1/5目盛(フルスケールの20 %)に,
ゲート終点を超音波探傷器の時間軸目盛で,測定範囲の4/5目盛(フルスケールの80 %)になる
ように調整する。警報レベルは,可能な限り低いレベルに設定する。
2.3) パルスジェネレータの遅延量を調整して,信号がゲートの左側に外れた位置から右側に移動させ,
警報動作が始まる点に調整して,バースト波の遅延時間をオシロスコープで測定する。この時間
をTGres1とする。
2.4) 次に,パルスジェネレータの遅延量を調整して,信号を左側に移動させ,警報しなくなる点に調
整して,バースト波の遅延時間をオシロスコープで測定する。この時間をTGres2とする。
2.5) 次の計算を行い,分解能TGresを求めて記録する。
TGres=TGres1−TGres2
5.4.3 警報レベルの動作範囲
警報レベルの動作範囲の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。

――――― [JIS Z 2351 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
Z 2351 : 2011
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。
2) 測定の手順は,次による。
2.1) 超音波探傷器の表示器の時間軸上で中心付近に信号が現れるように,パルスジェネレータの遅延
量を調整する。信号高さは0100 %まで変化できるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減
衰器を調整する。
2.2) ゲートの起点及びゲート幅を調整してバースト波信号発生器の信号がゲート内になるように調整
する。
2.3) 警報レベルを設定可能な最小レベルに設定する。
2.4) 超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整して,信号高さを小さくしてから少しずつ大きく
し,警報動作が始まるときの信号の高さを,超音波探傷器の縦軸目盛のフルスケールを100 %と
したときの百分率(%)で読み取り,記録する。
2.5) 警報レベルを設定可能な最大レベルに設定する。
2.6) 超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整して,信号の高さを小さくしてから少しずつ大き
くし,警報動作が始まるときの信号の高さを,超音波探傷器の縦軸目盛のフルスケールを100 %
としたときの百分率(%)で読み取り,記録する。
5.4.4 警報レベルヒステリシス
警報レベルヒステリシスの測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。
2) 測定の手順は,次による。
2.1) 超音波探傷器の表示器の時間軸上で中心付近に信号が現れるように,パルスジェネレータの遅延
量を調整する。信号高さは50 %になるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整す
る。
2.2) ゲートの起点,ゲート幅を調整して,バースト波信号発生器の信号がゲート内になるように調整
する。
2.3) 警報レベルを調整して,警報しなくなる位置から警報する位置に調整する。
2.4) 超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整して,信号を減少させて警報動作がしなくなる信
号高さを超音波探傷器の縦軸目盛から読み取る。
2.5) 超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整して,信号を増加させて再び警報動作する信号高
さを超音波探傷器の縦軸目盛から読み取る。
2.6) 2.4)と2.5)との信号高さの差が警報ヒステリシス量である。この量を超音波探傷器の縦軸目盛のフ
ルスケールを100 %としたときの百分率(%)で求め,記録する。
5.4.5 警報レベルの均一性
警報レベルの均一性を測定する方法は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)による。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。
2) 測定の手順は,次による。

――――― [JIS Z 2351 pdf 17] ―――――

16
Z 2351 : 2011
2.1) 超音波探傷器の表示器の時間軸上で中心付近に信号が現れるように,パルスジェネレータの遅延
量を調整する。信号高さは50 %になるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整す
る。
2.2) ゲートの起点を最小にし,ゲート幅を最大にしてバースト波信号発生器の信号がゲート内になる
ように調整する。
2.3) 信号がゲート内の左付近になるように,パルスジェネレータの遅延量を調整する。
2.4) 減衰器を調整して,入力信号レベルを警報するレベルから0.2 dBだけ小さくして警報動作が作動
するように設定する。
2.5) パルスジェネレータの遅延量を調整して,ゲート内で信号の位置を動かして,この警報動作が持
続するか調べる。
2.6) 警報動作がしなくなった場合に,その位置で減衰器を調整して,警報動作がされるまでの減衰器
の調整量(変化量)(dB)を求め,記録する。
2.7) 減衰器を調整して,入力信号レベルを警報するレベルから減衰器を0.2 dBだけ大きくして警報動
作が停止するように設定する。
2.8) パルスジェネレータの遅延量を調整して,ゲート内で信号の位置を動かして,警報動作停止が持
続するかどうかを調べる。
2.9) 警報動作がした場合に,その位置で減衰器を調整して,警報動作がされなくなるまでの減衰器の
調整量(変化量)(dB)を求め,記録する。
5.4.6 アナログ出力直線性
アナログ出力機能のある超音波探傷器については,次の方法で性能を測定する。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)の器材及び直流電圧計とする。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7とし,直流電圧計でアナログ出力電圧を測定できるよ
うにする。
2) 測定の手順は,次による。
2.1) 超音波探傷器の表示器の時間軸上で中心付近に信号が現れるように,パルスジェネレータの遅延
量を調整する。信号高さは0100 %まで変化できるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減
衰器を調整する。
2.2) ゲートの起点及びゲート幅を調整してバースト波がゲート内になるように調整する。
2.3) 警報レベルを5 %に調整する。
2.4) 超音波探傷器のゲイン調整器又は減衰器を調整して,信号高さを10 %,20 %,40 %,60 %,80 %
及び100 %とし,それぞれのアナログ出力電圧を測定し,記録する。
5.4.7 独立ゲートの増幅直線性
独立ゲートを装備した超音波探傷器については,5.2.5に従って増幅直線性を測定する。

6 安定性

6.1 温度に対する安定性

  温度に対する安定性の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)の器材及び次の器材による。
1) 恒温槽 超音波探傷器を収納でき,温度を0 ℃から40 ℃まで変化させることができる恒温槽。

――――― [JIS Z 2351 pdf 18] ―――――

                                                                                             17
Z 2351 : 2011
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。
2) 恒温槽の設定温度を20 ℃にして2時間以上置き,超音波探傷器の表示器の時間軸上で中心に信号
が現れるように,パルスジェネレータの遅延量を調整する。信号高さは50 %になるように,超音波
探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整する。
3) 恒温槽の設定温度を40 ℃に設定し,40 ℃になってから2時間置く。2時間後に信号高さ及び時間
軸位置を読み取る。
4) 恒温槽の設定温度を0 ℃に設定し,0 ℃になってから2時間置く。2時間後に信号高さ及び時間軸
位置を読み取る。
5) 20 ℃のときの信号高さ及び時間軸位置を基準として,0 ℃と40 ℃とにおける信号高さ及び時間軸
位置のそれぞれの変動量を,表示器上の縦軸及び横軸のフルスケールを100 %としたときの百分率
(%)で求め,記録する。

6.2 電源電圧に対する安定性

6.2.1  商用電源動作
商用電源動作に対する安定性の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)の器材及び次の器材による。
1) 交流可変電源
2) 交流電圧計
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 商用電源から交流可変電源を経由して,超音波探傷器に電源を供給する。交流電圧計で超音波探傷
器への供給電圧を測定できるようにする。超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7による。
2) 交流可変電源の電圧を定格電圧になるように調整する。超音波探傷器の表示器の時間軸上で中心に
信号が現れるように,パルスジェネレータの遅延量を調整する。信号高さは50 %になるように,超
音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整する。
3) 交流可変電源の電圧を定格電圧+10 %の電圧になるように調整する。このときの表示器上の信号高
さ及び時間軸目盛の位置を読み取る。
4) 交流可変電源の電圧を定格電圧−10 %の電圧になるように調整する。このときの表示器上の信号高
さ及び時間軸目盛の位置を読み取る。
5) 定格電圧における信号高さ及び時間軸位置を基準として,定格電圧±10 %における信号高さ及び時
間軸位置の変動量を,表示器上の縦軸及び横軸のフルスケールを100 %としたときの百分率(%)
で求め,記録する。
6.2.2 電池動作
6.2.2.1 動作時間
動作時間の測定は,次による。
a) 使用器材 使用器材は,5.2.1 a)の器材及び次の器材による。
1) 直流電圧計 直流電圧計は,電池の電圧を測定できるもの。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 超音波探傷器に十分に充電された電池を装着する。超音波探傷器と各使用器材との接続は,図7に
よる。超音波探傷器の表示器の時間軸上で中心に信号が現れるように,パルスジェネレータの遅延
量を調整する。信号高さは50 %になるように,超音波探傷器のゲイン調整器及び減衰器を調整する。

――――― [JIS Z 2351 pdf 19] ―――――

18
Z 2351 : 2011
2) 超音波探傷器の表示器の明るさ調整を最大にして,送信繰返し周波数などの測定条件を記録する。
3) 超音波探傷器の電源スイッチを入れて,15分以内の間隔で,信号高さ及び信号の時間軸位置を測定
し,記録する。
4) 信号高さか又は信号の時間軸位置のいずれかが10 %変動するか若しくは超音波探傷器が自動的に
電源オフするまでの時間を測定し,分単位で記録する。
5) 測定データの記録は,放電初期及び予想放電終了時間近くだけで行ってもよい。
6) 放電終了した時点で電池を取り外し,電池の残存電圧を速やかに測定し,記録する。
6.2.2.2 充電時間
充電時間の測定は,次による。
a) 使用器材
1) 直流電圧計 直流電圧計は,電池の電圧を測定できるもの。
2) 充電器 充電器は,超音波探傷器の専用のもの。
b) 測定方法 測定方法は,次による。
1) 6.2.2.1で放電した電池を充電器に接続して,充電できる状態にする。
2) 充電器の電源スイッチを入れて充電を開始する。
3) 予想充電完了時間に近くなったら,5分以内の間隔で電池の電圧を測定する。
4) 横軸を時間に,縦軸を電池電圧としてグラフに表す。
5) 充電器の充電完了が指示されるか,又は電池の電圧が最大値になるまでの時間を分単位で測定し,
測定終了時の電池電圧とともに記録する。

7 記録

  性能測定の記録は,測定方法,装置,探傷器の調度など,後に再現測定するための十分かつ必要な情報
を全て含む。次の項目を参考に,必要な項目を記録する。
a) 測定日時
b) 測定者氏名
c) 測定器材 測定器材は,次による。
1) 測定に使用した計測器の形式及び製造番号
2) 被測定器材
2.1) 超音波探傷器の形式及び製造番号
2.2) 同軸ケーブルの種類及び長さ
d) 測定条件 測定条件は,次による。
1) 試験周波数
2) 超音波探傷器の各つまみの調度
3) 信号位置及び高さの読取り方法
4) その他参考となる事項
e) 測定結果 測定結果は,次による。
1) 出力インピーダンスの測定(5.1.1) 送信部の性能の出力インピーダンスの記録は,表2による。

――――― [JIS Z 2351 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS Z 2351:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 12710:2002(MOD)

JIS Z 2351:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2351:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ2300:2009
非破壊試験用語
JISZ2300:2020
非破壊試験用語
JISZ8103:2019
計測用語