JIS Z 2356:2006 黒鉛素材の超音波自動探傷検査方法 | ページ 3

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単位 mm
図 5 試験体の探傷領域の断面図
図 6 探傷の時期及び内容
a) 底面エコー監視試験 超音波伝搬特性試験の最初に行う試験で,見かけの減衰が小さな部位と大きな
部位とを選別し,基準反射源となる平底穴加工位置を特定するため行う試験である(附属書2の2.参
照)。このとき,36点の底面エコーの伝搬時間から試験体の音速の平均値を求める。
b) 見かけの減衰補正率測定試験 超音波伝搬特性試験において平底穴加工後に行う試験で,基準感度を
補正するために底面エコー監視試験後に加工された平底穴のエコー高さを2軸首振り走査によって測
定する試験である(附属書2の3.参照)。このとき,複数の位置に加工された平底穴の最大エコー高さ
を2軸首振り走査によって測定し,その最大エコー高さの最小値を基準とし,その伝搬距離から見か
けの減衰補正率αを求める。
c) 超音波自動探傷試験 見かけの減衰補正率測定試験後に,加工された平底穴加工面を切削加工で除去

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し探傷を行う試験であり,一次探傷及び二次探傷の2段階からなる。一次探傷は,比較的大きな見か
けのビーム幅に相当する走査ピッチで,比較的高い探傷感度で行い,二次探傷すべき部位を特定する。
二次探傷は,一次探傷で特定された部位に対し,比較的小さな見かけのビーム幅に相当する走査ピッ
チで,ビーム端補正の分だけ低い探傷感度で行い,試験体の合否判定を行う。

10. 超音波自動探傷試験

10.1 試験準備

 作業日ごとに,次のa)   d)を設定する。
a) 基準感度調整 附属書1に示すRB-F形対比試験片に含まれる最大ビーム路程の検出対象きず相当の
平底穴を用いて,2軸首振り走査によるエコー高さが表示器目盛りの80 %となるように探傷器の基準
感度GTを設定する。その後,面走査を行う。面走査を行った結果のAスコープ及びCスコープ図形
を記録する。
b) 試験体の軸合わせ 試験体側面の表面エコーを用いて試験体回転軸位置の調整を行う。
c) ビーム軸合わせ 試験体各探傷面の表面エコーを用いてビーム軸合わせ及び入射点の設定を行う。
d) 水距離設定 試験体各探傷面の表面エコーを用いて水距離の設定を行う。

10.2 一次探傷

 一次探傷は,8.6で設定した一次探傷ビーム幅を基準とし,次によって探傷を行う。
a) データ収録点間隔の調整 8.7に基づき,入射面,探触子傾斜角,探触子旋回角又はオフセットごとに
設定する。
b) 監視範囲の調整 8.4.3に基づき,入射面,探触子傾斜角,探触子旋回角又はオフセットごとにエコー
収録ゲートを設定する。
c) 探傷感度の補正及び調整 探傷感度GRは,次の式(1)によって求める。
GR GT GP Gθ 2 Wmax GS GC (1)
ここに, GT : 10.1 a)によって検出対象きず相当の平底穴のエコー
高さが表示器目盛りの80 %となるように設定した
基準感度
ΔGp : 8.9 a)で評価した入射面補正
ΔGθ : 8.9 b)で評価した入射角補正
2αWmax : 8.9 c)で評価した減衰補正
ΔGs : 8.9 d)で評価したビーム端補正
ΔGc : 8.9 e)で評価したコーナ入射補正
各入射条件の探傷感度をこの補正式を用いてあらかじめ求め各々の入射条件に適用するが,操作の
単純化のため任意の範囲の探傷条件でその最大値を一律に適用してもよい。また,探傷感度の補正相
当量を10.2 d)の二次探傷実施判定基準のエコー高さを変えることで置き換えてもよい。
d) 二次探傷実施基準 検出対象きず相当の平底穴に相当する表示器目盛りの80 %以上のエコーを示す
反射源に対しては,10.3の二次探傷を実施する。

10.3 二次探傷

 一次探傷において二次探傷すべき部位が認められた場合には,その部位について二次探
傷を実施する。二次探傷は,8.6で求めた二次探傷ビーム幅を基準として探傷を行う。
a) データ収録点間隔の調整 8.7に基づき,入射面,探触子傾斜角,探触子旋回角又はオフセットごとに
設定する。
b) 監視範囲の調整 8.4.3に基づき,入射面,探触子傾斜角,探触子旋回角又はオフセットごとにエコー

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収録ゲートを設定する。
c) 探傷感度の補正及び調整 探傷感度GRは,式(1)を用いて求める。各入射条件の探傷感度をあらかじ
め求め各々の入射条件に適用するが,操作の単純化のため任意の範囲の探傷条件でその最大値を一律
に適用してもよい。また,探傷感度の補正相当量を11.の合否判定基準のエコー高さを変えることで置
き換えてもよい。

11. 合否判定基準

 検出対象きず相当の平底穴に相当する表示器目盛りの80 %以上のエコー高さを示す
反射源が存在する場合には,検出対象きずを含有するものとして,その試験体は不合格とする。

12. 記録

12.1 試験実施成績書

 試験実施成績書には,次の事項を記載する。
a) 規格番号
b) 試験年月日
c) 技術者名
d) 試験体識別番号
e) 試験体材質及び寸法
f) 超音波自動探傷器形式番号
g) 探触子形式番号
h) 合否判定結果

12.2 走査方法及びエコー収録ゲート

 各入射条件における次の事項を記録する。
a) 探傷面
b) 探触子傾斜角i1
c) 探触子旋回角i2(試験体上下面からの入射時)又はオフセットoff(試験体側面からの入射時)
d) エコー収録ゲート範囲

12.3 探傷条件

 探傷条件は,次の事項を記録する。
a) 対比試験片の識別番号又は形状
b) 対比試験片のAスコープ及びCスコープ図形
c) 試験体の平均音速
d) 各入射面における距離振幅補正データ
e) 感度補正量

12.4 探傷データ

 二次探傷を行った反射源について,次の事項を記録する。
a) 探傷面
b) 探触子傾斜角i1
c) 探触子旋回角i2(試験体上下面からの入射時)又はオフセットoff(試験体側面からの入射時)
d) 入射点位置
e) ビーム路程
f) エコー高さ

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附属書1(規定)黒鉛素材の超音波特性測定用対比試験片及び測定方法
序文 この附属書は,黒鉛素材の超音波特性測定用対比試験片及び測定方法について規定する。
1. 対比試験片 対比試験片は,次による。
a) B-F形試験片 RB-F形試験片は,平面である試験体上下面からの垂直入射における距離振幅補償,
基準感度設定及び見かけのビーム幅測定用の試験片である。形状は,附属書1図1に示す直方体で,
その寸法,並びに反射源及びそのビーム路程を附属書1表1に示す。ただし,このうちで必要ビーム
路程までの試験片を用意するものとする。なお,反射源は,各試験片に2個以上とし,そのうちの検
出強度の小さいものを使用する。
附属書1表 1 RB-F形試験片の寸法,並びに反射源及びそのビーム路程
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対比試験片名 寸法 反射源 : 検出対象きず相当の平底穴 ビーム路程
a b c L 個数
RB-F1 100以上 100以上 20以上 相当直径 10以上 2以上 10±5
RB-F2 100以上 100以上 40以上 相当直径 10以上 2以上 30±5
RB-F3 100以上 100以上 70以上 相当直径 10以上 2以上 60±5
RB-F4 100以上 100以上 110以上 相当直径 10以上 2以上 100±10
RB-F5 100以上 100以上 160以上 相当直径 10以上 2以上 150±10
RB-F6 100以上 100以上 230以上 相当直径 10以上 2以上 220±10
附属書1図 1 RB-F形試験片の形状及び寸法
b) B-G形試験片 RB-G形試験片は,曲面である試験体側面からの垂直入射における探傷感度の入射条
件補正及び見かけのビーム幅測定用の試験片である。形状は,附属書1図2に示す円柱で,直径は,
探傷試験体の直径と同じものを基本とする。その寸法,並びに反射源及びそのビーム路程を附属書1
表2に示す。なお,反射源は,2個以上とし,そのうちの検出強度の小さいものを使用する。

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附属書1表 2 RB-G形試験片の寸法,並びに反射源及びそのビーム路程
単位 mm
対比試験片名 寸法 反射源 : 検出対象きず相当の平底穴 ビーム路程
H L 個数
RB-G 探傷試験体と同一を 40以上 相当直径 10 2以上 † 10
基本とする
附属書1図 2 RB-G形試験片の形状及び寸法
c) B-H形試験片 RB-H形試験片は,曲面である試験体側面からの斜め入射における探傷感度の入射角
補正測定及び全方位探傷確認用の試験片である。形状は,附属書1図3に示す円柱で,直径は,探傷
試験体の直径と同じものを基本とする。寸法,並びに反射源及び反射源と外周の距離を附属書1表3
に示す。
附属書1表 3 RB-H形試験片の寸法,並びに反射源及び反射源と外周の距離
単位 mm
対比試験片名 寸法 反射源 : 穴
H No. L 個数 外周からの距離
e
RB-H1 探傷試験体と 50以上 1 2 40 1 2.5
同一を基本と
する 2 2 40 1 7.5
3 2 40 1 72.5±10
4 2 40 1 一
RB-H2 探傷試験体と 50以上 1 2 40 1 12.5
同一を基本と
する 2 2 40 1 22.5±5
3 2 40 1 37.5±5
4 2 40 1 一

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