JIS Z 3060:2015 鋼溶接部の超音波探傷試験方法 | ページ 2

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曲率半径50 mm以上の長手継手溶接部の探傷に使用し,図D.4に示す形状・寸法の横穴対比試験片とする。
試験体との音速差は±2 %以内とする。
d) B-A6(円周継手溶接部用縦穴対比試験片)
RB-A6は,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,探傷方向と直交する方向に曲率をもち,
曲率半径50 mm以上の円周継手溶接部の探傷で,使用する最大のビーム路程が150 mm以下の場合に使用
し,図C.3に示す形状・寸法の縦穴対比試験片とする。試験体との音速差が±2 %以内とする。
e) B-SDH(横穴対比試験片)
RB-SDHは,JIS Z 2350の附属書1(対比試験片)に規定する横穴対比試験片とする。

6 超音波探傷装置

  探傷器及び探触子の機能及び性能は,附属書Aによる。

7 接触媒質

  探傷に使用する接触媒質は,次による。
なお,横波垂直探触子を使用する場合は,横波専用の接触媒質とする。
a) グリセリンペースト
b) 濃度75 %(体積分率75 %)以上のグリセリン水溶液
c) 水
d) オイル
e) 音響インピーダンスが明らかな液体

8 探傷の準備

8.1 探傷方法の選定

  溶接部の探傷は,指定のない限り,超音波ビームを溶接線方向に対して垂直に向けた一探触子斜角法と
し,直接接触法で行う。附属書Bに規定するタンデム探傷法又は垂直探傷法を適用する場合は,受渡当事
者間の協議によって決める。また,斜角探傷の斜め平行走査,溶接線上走査又はまたぎ走査を用いる探傷
法を適用する場合についても,受渡当事者間の協議によって決める。

8.2 対比試験片又は標準試験片の選定

8.2.1  斜角探傷における試験片の選定
探傷感度の調整には,RB-41A,RB-41B,RB-42,RB-43,RB-A6の対比試験片又はA2形系標準試験片
のいずれかをあらかじめ選定する。ただし,探傷面となる試験体の板厚が75 mm以上の場合,又はSTB
音速比の測定結果から屈折角の選定を表5の探傷屈折角とする場合は,RB-41A,RB-41B,RB-42又はRB-43
のいずれかを選定する。また,A2形系標準試験片を選定する場合は,使用する最大のビーム路程が150 mm
以下とする。
8.2.2 垂直探傷における試験片の選定
探傷感度の調整には,RB-41A又はRB-41Bを使用する。

8.3 探触子の選定

8.3.1  周波数
探触子の公称周波数は,2 MHz以上5 MHz以下とする。ただし,超音波の減衰の著しい試験体を探傷す
る場合には,周波数に依存する特性に留意した上で,2 MHzよりも低い公称周波数を使用することができ

――――― [JIS Z 3060 pdf 6] ―――――

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る。
なお,通常使用する公称周波数は,斜角探傷の場合,表1とし,垂直探傷の場合,表2とする。
表1−斜角探傷に通常使用する公称周波数
使用する最大のビーム路程 公称周波数
mm MHz
100以下 3.55
100を超え150以下 25
150を超え250以下 23.5
250を超える 2
表2−垂直探傷に通常使用する公称周波数
使用する最大のビーム路程 公称周波数
mm MHz
40以下 5
40を超え60以下 2又は5
60を超える 2
8.3.2 振動子の公称寸法
振動子の公称寸法は,次による。
a) 斜角探触子の振動子の公称寸法は,5 mm×5 mm以上20 mm×20 mm以下とする。通常使用する振動
子の公称寸法は,表3による。ただし,タンデム探傷に使用する探触子の振動子の公称寸法は,特に
規定しない。
b) 垂直探触子の振動子は円形とし,その公称寸法は,直径10 mm以上30 mm以下とする。通常使用す
る振動子の公称寸法は,表4による。
表3−斜角探触子に通常使用する振動子の公称寸法
公称周波数 振動子の公称寸法
MHz mm
22.5 14×14,20×20
34 10×10,14×14,20×20
4.55 5×5,10×10
表4−垂直探触子に通常使用する振動子の公称寸法
公称周波数 振動子の公称寸法(直径)
MHz mm
2 20,28
5 10
8.3.3 屈折角
探傷に使用する屈折角は,次による。
a) 斜角探傷に使用する探触子の公称屈折角は,40°,45°,60°,65°又は70°とする。ただし,公称
屈折角40°は附属書D及び附属書Eだけに適用する。

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b) 公称屈折角60°,65°又は70°の探触子を使用して探傷する場合は,8.4の測定結果から,探触子の
屈折角を表5に基づいて選定する。
c) 公称屈折角45°の探触子を用いて探傷する場合は,STB音速比にかかわらずSTB屈折角45±2°以内
とする。
d) 探傷に使用する探触子の屈折角がSTB音速比から,STB屈折角となる場合は,探傷屈折角に置き換え
てもよい。
e) 試験体の板厚が75 mmを超える場合で,STB音速比(V/VSTB)が0.995以上1.005以下の場合は,STB
屈折角69°71°の探触子を使用してもよい。
表5−STB音速比による屈折角の選定
試験体の板厚 STB音速比 探傷に適用する屈折角
mm
0.990未満 探傷屈折角63°以上72°以下
6以上25以下 0.990以上1.020以下 STB屈折角63°以上72°以下
1.020を超える 探傷屈折角63°以上72°以下
0.995未満 探傷屈折角58°以上72°以下
0.995以上1.015以下 STB屈折角58°以上72°以下
25を超え75以下
1.015を超え1.025以下 STB屈折角58°以上67°以下
1.025を超える 探傷屈折角58°以上72°以下
0.995未満 探傷屈折角58°以上67°以下
75を超える 0.995以上1.025以下 STB屈折角58°以上67°以下
1.025を超える 探傷屈折角58°以上67°以下
8.3.4 SN比
SN比は,使用する探傷器と組み合わせて,基準感度におけるH線のゲインの値(S dB)と,使用する
ビーム路程の範囲で,最大ノイズエコー高さがH線に到達するよう感度を高め,その場合のゲインの値
(N dB)を測定し,(S−N dB)が−22 dB以下でなければならない。
8.3.5 垂直探触子の不感帯
垂直探触子の不感帯は,使用する探傷感度で送信パルス又は表面エコーの立上がりの点から,その後,
縁の高さが最後に20 %となる点までの距離(mm)とし,標準試験片などで校正された時間軸で読み取る。
不感帯の値は,公称周波数が5 MHzでは8 mm以下,2 MHzでは15 mm以下とする。

8.4 STB音速比の測定

8.4.1  STB音速比の測定条件
STB音速比の測定条件は,次による。
a) 測定対象部位は,探傷箇所とする。
b) 探傷面の温度は,探傷時の温度と同程度の状態で行う。
c) 探傷箇所当たりの測定箇所は,1か所とするが,試験体の状況によってそれを追加することができる。
8.4.2 STB音速比の測定装置
STB音速比の測定装置は,次による。
a) TB音速比(V/VSTB)の測定には,板厚又はビーム路程を有効数字が3桁以上表示できる超音波装置
(横波垂直探触子が使用できる超音波厚さ計又は探傷器)及び試験体中に横波を垂直に伝搬させる横波
垂直探触子を使用する。

――――― [JIS Z 3060 pdf 8] ―――――

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b) 板厚の測定には,縦波探触子(縦波垂直探触子又は二振動子形縦波垂直探触子)を用いた,有効数字
が3桁以上表示できる超音波厚さ計又は寸法測定器を使用する。
c) 横波垂直探触子には,振動方向を表示する。
d) 横波垂直探触子による測定には,横波用の接触媒質を使用する。
8.4.3 試験片及び試験体
STB音速比の測定は,A1形標準試験片,A2形系標準試験片又はA3形系標準試験片のいずれかを使用
し,試験体の測定は,適用する試験体の探傷面で行う。
8.4.4 試験体の探傷方向の確認
STB音速比の測定を行う前に,探傷方向とL,C及びQ方向との関係を,圧延方向の板取り又は横波垂
直探触子と超音波厚さ計又は探傷器との組合せで,横波音速差を測定することによって確認する。
8.4.5 STB音速比の測定方法
8.4.5.1 超音波厚さ計による方法
超音波厚さ計による方法は,次による。
a) 縦波探触子を使用する超音波厚さ計又は寸法測定器によって測定した試験体及び標準試験片の板厚
を,それぞれtM(mm),tSM(mm)とする。
b) 超音波厚さ計に使用する横波垂直探触子の振動方向が,試験体の探傷方向と一致するようにして得ら
れた板厚及び標準試験片で得られた板厚をそれぞれtS(mm),tSTB(mm)とする。
c) これらの比を式(1)によって小数点以下3桁まで求め,これをSTB音速比(V/VSTB)とする。
V tM tSTB

(pdf 一覧ページ番号 )

                         VSTB  tSM  tS
8.4.5.2 探傷器による方法
探傷器による方法は,次による。
a) 縦波探触子を使用する超音波厚さ計又は寸法測定器によって測定した試験体及び標準試験片の板厚
を,それぞれtM(mm),tSM(mm)とする。
b) 探傷器に使用する横波垂直探触子の振動方向が,試験体の探傷方向と一致するようにして得られた第
1回底面エコーのビーム路程及び標準試験片で得られた第1回底面エコーのビーム路程を,それぞれ
WS(mm),WSTB(mm)とする。
c) これらの比を式(2)によって小数点以下3桁まで求め,これをSTB音速比(V/VSTB)とする。
V tM WSTB

(pdf 一覧ページ番号 )

                         VSTB  tSM  WS

8.5 探傷屈折角の測定

8.5.1  探傷屈折角の算出
探傷方向がL又はC方向の場合の探傷屈折角は,8.4.5で求めたSTB音速比を用いて8.5.2によって算出
するか,又は8.5.3若しくは8.5.4によって求める。L方向とC方向との横波音速の差異がない場合のQ方
向の探傷屈折角は,同様に8.4.5で求めたSTB音速比を用いて8.5.2によって算出するか,又は8.5.3若し
くは8.5.4によって求める。L方向とC方向との横波音速に差異がある場合のQ方向の探傷屈折角は,8.5.3
又は8.5.4によって求める。
8.5.2 STB音速比による方法
STB音速比による探傷屈折角(θ)は,使用する探触子のSTB屈折角(θSTB)及びSTB音速比(V/VSTB)
から式(3)によって算出し,0.1°の単位で丸める。

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1 V
θ sin sin θSTB

(pdf 一覧ページ番号 )

                                VSTB
8.5.3 V透過法による方法
探傷に使用する斜角探触子と同じ形式の探触子を用いて,試験体の探傷面上,図1に示すV透過法の配
置で,最大透過パルス高さが得られるように探触子位置を調整する。このときの入射点間距離(Y)及び
実測板厚(t)から式(4)によって探傷屈折角(θ)を算出し,0.1°単位で丸める。
Y
tan1 (4)
2t
図1−V透過法の配置
8.5.4 対比試験片による方法
探傷に使用する斜角探触子及び試験体と同等の音響特性の鋼材で製作されたRB-41Aを用いて,図2に
示すように標準穴からのエコー高さが最大になるように探触子位置を調整する。このときの標準穴と入射
点との間の距離(y)及び標準穴の深さ位置(d)から式(5)によって探傷屈折角(θ)を算出し,0.1°単位
で丸める。曲率がある試験体の探傷における探傷屈折角の算出は,それぞれ附属書C又は附属書Dによっ
て求める。
1 y
tan (5)
d
図2−RB-41Aによる探傷屈折角の測定

8.6 検出レベルの選定

  検出レベルは,探傷目的に従って,9.1.4によって作成されたエコー高さ区分線のM線を超えるものを
対象とするM検出レベル,又はL線を超えるものを対象とするL検出レベルのいずれかとする。

8.7 探傷の時期

  溶接後熱処理などの指定がある場合の探傷の時期は,最終熱処理後とする。また,低温割れの発生が見
込まれる材料については,溶接完了後,必要な時間が経過した後,探傷を実施する。

――――― [JIS Z 3060 pdf 10] ―――――

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