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JIS Z 3118:2022 規格概要
この規格 Z3118は、アーク溶接による鋼溶接部の拡散性水素を,ガスクロマトグラフ法又は高温連続抽出法によって測定し,拡散性水素量として定量する方法について規定。
JISZ3118 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z3118
- 規格名称
- 鋼溶接部の拡散性水素量測定方法
- 規格名称英語訳
- Determination of diffusible hydrogen content in steel weld metal
- 制定年月日
- 1986年10月1日
- 最新改正日
- 2022年3月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 3690:2018(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 25.160.40
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1986-10-01 制定日, 1992-06-01 改正日, 1997-02-20 確認日, 2002-02-20 確認日, 2007-04-20 改正日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認日, 2022-03-22 改正
- ページ
- JIS Z 3118:2022 PDF [26]
Z 3118 : 2022
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1 適用範囲・・・・[1]
- 2 引用規格・・・・[1]
- 3 用語及び定義・・・・[2]
- 4 原理・・・・[2]
- 5 拡散性水素量の測定方法・・・・[2]
- 5.1 測定方法の概要・・・・[2]
- 5.2 試験板及びエンドタブの準備・・・・[3]
- 5.3 溶接材料の準備・・・・[4]
- 5.4 水素測定試験片の作製・・・・[5]
- 5.5 拡散性水素量の測定・・・・[7]
- 6 拡散性水素量の算出・・・・[9]
- 6.1 一般・・・・[9]
- 6.2 溶着金属の質量当たりの拡散性水素量の算出・・・・[9]
- 6.3 溶接金属の質量当たりの拡散性水素量の算出・・・・[10]
- 6.4 拡散性水素量測定値の丸め方・・・・[10]
- 7 報告・・・・[10]
- 附属書JA(規定)ガスクロマトグラフの構成及び測定条件・・・・[12]
- 附属書JB(参考)拡散性水素量測定データシートの例・・・・[13]
- 附属書JC(参考)拡散性水素量による鋼溶接部の予熱温度の推定・・・・[16]
- 附属書JD(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[19]
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS Z 3118 pdf 1] ―――――
Z 3118 : 2022
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本溶接協会(JWES)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格
を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格
である。これによって,JIS Z 3118:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(pdf 一覧ページ番号 2)
――――― [JIS Z 3118 pdf 2] ―――――
日本産業規格 JIS
Z 3118 : 2022
鋼溶接部の拡散性水素量測定方法
Determination of diffusible hydrogen content in steel weld metal
序文
この規格は,2018年に第4版として発行されたISO 3690を基とし,技術的内容を変更して作成した日
本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JDに示す。
1 適用範囲
この規格は,アーク溶接による鋼溶接部の拡散性水素を,ガスクロマトグラフ法又は高温連続抽出法に
よって測定し,拡散性水素量として定量する方法について規定する。
なお,この規格で対象とする溶接方法は,被覆アーク溶接,サブマージアーク溶接,溶極式ガスシール
ドアーク溶接(以下,ガスシールドアーク溶接という。)及びセルフシールドアーク溶接である。
注記1 拡散性水素量は,溶接部の低温割れを防止するための予熱温度の算定をする際に用いる要素,
又は溶接材料がもつ特性の一つとして用いられている。
なお,予熱温度の算定は,6.2で算出された溶着金属の質量当たりの拡散性水素量を附属書
JCに示す関係式によって換算して行われている。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3690:2018,Welding and allied processes−Determination of hydrogen content in arc weld metal
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材
JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則
JIS Z 3001-7 溶接用語−第7部 : アーク溶接
JIS Z 3200 溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装
JIS Z 3253 溶接及び熱切断用シールドガス
注記 対応国際規格 : ISO 14175,Welding consumables−Gases and gas mixtures for fusion welding and
allied processes
――――― [JIS Z 3118 pdf 3] ―――――
2
Z 3118 : 2022
JIS Z 8401 数値の丸め方
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001-7によるほか,次による。
3.1
拡散性水素
溶接部の結晶格子内を自由に移動する水素。
3.2
拡散性水素量
水素測定試験片を常温(25 ℃±5 ℃)に維持した際に,放出される拡散性水素の量。
3.3
ガスクロマトグラフ法
水素測定試験片を,45 ℃±3 ℃において少なくとも72時間保持,又は150 ℃±3 ℃において少なくとも
6時間保持して容器に拡散性水素を抽出·捕集した後,ガスクロマトグラフを用いて測定し,拡散性水素
量として定量する方法。
3.4
高温連続抽出法
水素測定試験片を160 ℃400 ℃の温度に加熱し,放出された拡散性水素を連続的に抽出·測定し,拡
散性水素量を定量する方法。
3.5
試験板
脱水素処理を施した所定の鋼板を機械加工した,試験に使用する母材。
3.6
水素測定試験片
拡散性水素量を測定するために,試験板とエンドタブとを溶接した試験材から,両端のタブを機械的に
除いたもの。
4 原理
拡散性水素は,常温では抽出に長時間を必要とするが,水素測定試験片の温度を上げることによって短
時間に抽出することができる。ガスクロマトグラフ法では,専用の容器に拡散性水素を抽出·捕集して測
定し,高温連続抽出法では,放出された拡散性水素を連続的に抽出·測定する。
拡散性水素量は,熱伝導度検出器(TCD)によって得られた水素のピーク面積を同一測定条件で得られ
た校正用水素のピーク面積と比較することによって求められる。
5 拡散性水素量の測定方法
5.1 測定方法の概要
拡散性水素量測定方法の概要を,図1に示す。
――――― [JIS Z 3118 pdf 4] ―――――
3
Z 3118 : 2022
拡散性水素量測定方法のフロー 附属書
試験板及びエンドタブの
溶接材料の準備(5.3)
準備(5.2)
水素測定試験片の作製(5.4)
拡散性水素量の測定(5.5) ガスクロマトグラフの
構成及び測定条件
(附属書JA)
ガスクロマトグラフ法(5.5.2) 高温連続抽出法(5.5.3)
拡散性水素量の算出(箇条6) 拡散性水素量測定データ
·溶着金属の質量当たりの拡散性水素量の算出(6.2) シートの例
·溶接金属の質量当たりの拡散性水素量の算出(6.3) (附属書JB)
報告(箇条7)
図1−拡散性水素量測定方法の概要
5.2 試験板及びエンドタブの準備
試験板及びエンドタブの準備は,次による。
a) 試験板及びエンドタブは,JIS G 3106に規定するSM400A,SM400B若しくはSM400Cの鋼板,又は
化学組成が炭素0.18 %(質量分率)以下で硫黄0.02 %(質量分率)以下の低炭素鋼板を用いて作製す
る。
b) 試験板及びエンドタブは,大気中400 ℃650 ℃の温度に少なくとも1時間保持し,水素除去を行っ
た後,大気中で冷却する。
c) 試験板及びエンドタブの全面は,表面研削及び洗浄を行う。
d) 試験板のNo.を刻印する。
e) 試験板及びエンドタブの寸法及び寸法公差は,表1による。
f) 試験板の質量を量る。ひょう(秤)量は,0.01 gの桁まで読み取る。
――――― [JIS Z 3118 pdf 5] ―――――
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JIS Z 3118:2022の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3690:2018(MOD)
JIS Z 3118:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.40 : 溶接継手及び溶接部分
JIS Z 3118:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3106:2015
- 溶接構造用圧延鋼材
- JISG3106:2020
- 溶接構造用圧延鋼材
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISZ3001-7:2018
- 溶接用語―第7部:アーク溶接
- JISZ3200:2005
- 溶接材料―寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装
- JISZ3253:2011
- 溶接及び熱切断用シールドガス
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方