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Z 3902-1984
(3) 原子吸光光度計を用いて,この溶液を空気−アセチレンフレーム中に噴霧して波長328.1nm又は
338.3nmにおける吸光度を測定する。
13.3.5 計算 13.3.6で作成した検量線から銀量を求め,試料中の銀含有率を,次の式によって算出する。
圀
銀% 100
ここに, A : 試料溶液中の銀検出量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
13.3.6 検量線の作成 銅0.05g,亜鉛0.04g及びニッケル0.01gをはかり取り,これを1組として数組をは
かり取り,それぞれをビーカー (200ml) に入れ,8.3.4(1)の時計皿で覆い,以降の手順に従って操作した後,
標準銀溶液05.0ml(銀として01.25mg)を段階的に加える。以下,8.3.4(2)及び13.3.4(3)の手順に従っ
て操作し,試料と並行して測定した吸光度と銀量との関係線を作成して検量線とする。
14. りん定量方法
14.1 方法の区分 りんの定量方法は,りんバナドモリブデン酸吸光光度法による。
14.2 りんバナドモリブデン酸吸光光度法
14.2.1 要旨 試料を混酸で分解し,これに過酸化水素水を加えて煮沸した後,バナジン酸アンモニウムと
モリブデン酸アンモニウムを加えて呈色させ,吸光度を測定する。
14.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸 (1+1)
(2) 混酸 硝酸320mlと塩酸120mlとに水500mlを加えてよく混和し,冷却後水で1lに薄める。
(3) 過酸化水素水 (1+9)
(4) バナジン酸アンモニウム溶液 バナジン酸アンモニウム2.5gを温水約500mlに溶解し,これに硝酸 (1
+1) 20mlを加え,冷却後水で1lに薄める。
(5) モリブデン酸アンモニウム溶液 モリブデン酸アンモニウム(4水和物)100gを約50℃の温水600ml
に溶解した後水で1lとし,使用の都度ろ過して用いる。
(6) 標準りん溶液 (150 最一 剤としたデシケーター中に1夜間放置した,りん酸二水素カ
リウム0.6591gをはかり取り,水約200mlを加えて溶解し,硝酸 (1+5) 10mlを加え,1 000mlのメス
フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
14.2.3 試料はかり取り量 試料は,0.5gをはかり取る。
14.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆い,混酸20mlを加えて静かに分解す
る。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,引き続き加熱蒸発してシロップ状とし,放冷後硝
酸 (1+1) 20mlを加え,加熱して可溶性塩類を溶解した後,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,硝酸 (1
+200) で十分に洗浄する。
(2) ろ液に過酸化水素水 (1+9) 35mlを加え,35分間静かに煮沸し,バナジン酸アンモニウム溶液10ml
を加えてよく振り混ぜ,12分間煮沸した後常温まで冷却する。
(3) この溶液を100mlのメスフラスコに移し入れ,モリブデン酸アンモニウム溶液10mlを加え,水で標
線まで薄め,よく振り混ぜて呈色させる。
(4) 約5分間放置した後,溶液の一部を光度計の吸収セルに取り,波長430470nmの吸光度を測定する。
――――― [JIS Z 3902 pdf 21] ―――――
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Z 3902-1984
14.2.5 計算 14.2.6で作成した検量線からりん量を求め,試料中のりん含有率を,次の式によって算出す
る。
圀
りん % 100
ここに, A : 試料溶液中のりん検出量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
14.2.6 検量線の作成 銅(99.95%以上)0.25gずつをはかり取って数個のビーカー (200ml) に移し入れ,
混酸20mlを加えて分解し,その各々に標準りん溶液010.0ml(りんとして01.5mg)を段階的に加え,
13.2.4(1)のシロップ状に蒸発(ただし,ろ過操作は省略する。)以降の手順に従って操作し,得た吸光度と
りん量との関係線を作成し,検量線とする。
15. けい素定量方法
15.1 方法の区分 けい素の定量方法は,次のいずれかによる。
(1) 二酸化けい素重量法
(2) モリブデン黄抽出吸光光度法
(3) 原子吸光法
15.2 二酸化けい素重量法
15.2.1 要旨 試料を硝酸で分解した後,過塩素酸を加えて加熱蒸発し白煙を発生させ,放冷後,温水で可
溶性塩類を溶解し,二酸化けい素をこし分け,強熱して恒量とする。これにふっ化水素酸を加えて二酸化
けい素を揮散させ,その減量をはかる。
15.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸
(2) 硝酸 (1+1)
(3) 過塩素酸
(4) ふっ化水素酸
(5) 臭化水素酸 (1+1)
(6) 硫酸 (1+5)
15.2.3 試料はかり取り量 試料は,5gをはかり取る。
15.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってビーカー (500ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 50mlを加え,静かに
加熱して分解した後,煮沸して酸化窒素を追い出す。
(2) これに過塩素酸35mlを加え,加熱蒸発して過塩素酸の白煙が発生し始めてから約10分間加熱し,濃
厚な白煙を発生させる。放冷後,温水約150mlを加え,加熱して可溶性塩類を溶解し,直ちにろ紙(5
種B)でこし分け,温水で十分に洗浄する(25)。
(3) 沈殿は,ろ紙とともに白金るつぼに入れ,乾燥後加熱してろ紙を灰化した後,約1 100℃で約30分間
強熱し,デシケーター中で放冷後,その質量をはかり,更に強熱を繰り返して恒量とする。
(4) これにふっ化水素酸約2mlと硫酸 (1+5) 数滴を加え,注意して加熱して乾固した後強熱し,放冷後
減量をはかる。再びふっ化水素酸の処理を繰り返し,もし減量のあるときは,更にこの処理を減量の
なくなるまで繰り返して行い,全減量を二酸化けい素 (SiO2) とする。
15.2.5 計算 試料中のけい素含有率を,次の式によって算出する。
――――― [JIS Z 3902 pdf 22] ―――――
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Z 3902-1984
w1 w2 .0467 4
けい素 % 100
W
ここに, w1 : ふっ化水素酸処理前の質量 (g)
w2 : ふっ化水素酸処理後の質量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
注(25) 試料にすずを含有し,その分解が完全でない場合は,沈殿をろ紙とともに元のビーカーに入れ,
硝酸30mlと過塩素酸20mlを加えて加熱分解し,引き続いて蒸発を行う。もし溶液が黒色を呈し
たときは,硝酸数滴を滴加して透明溶液とし,濃厚な白煙が発生するまで加熱蒸発する。
放冷後,臭化水素酸 (1+1) 30mlを数回に分けて加え,加熱蒸発し,濃厚な白煙を約10分間
発生させて,すずを揮散させる。
放冷後,温水約150mlを加え,加熱して可溶性塩類を溶解し,直ちにろ紙(5種B)でこし
分け,温水で十分に洗浄する。
15.3 モリブデン黄抽出吸光光度法
15.3.1 要旨 試料を硝酸とふっ化水素酸で分解し,ほう酸を加えた後pHを調節し,モリブデン酸アンモ
ニウムを加えて,けい素などを呈色させる。溶液に酒石酸を加え,硫酸を加えて酸濃度を調節した後,イ
ソアミルアルコールを用いてけいモリブデン酸を抽出し,硫酸で洗浄後吸光度を測定する。
15.3.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸 (1+2)
(2) ふっ化水素酸 (1+9)
(3) 硫酸 (1+3,1+10)
(4) ほう酸溶液 水1lにほう酸60gを加え,飽和溶液を作る。
(5) アンモニア水 (1+2)
(6) モリブデン酸アンモニウム溶液 モリブデン酸アンモニウム(4水和物)10gを水に溶解して100ml
とする。
(7) 酒石酸溶液 (10w/v%)
(8) イソアミルアルコール
(9) 混合溶媒(クロロホルム3,1−ブタノール1)
(10) 標準けい素溶液 (10 最椀一 ‰ 堰 歟 し,デシケーター中で放冷した二酸
(99.9%以上)0.535gを白金るつぼ(30番)にはかり取り,炭酸ナトリウム(無水)2.5gを混和して
融解する。放冷後,温水100mlを入れたポリエチレンビーカー (200ml) 中に浸して融成物を溶解した
後,500mlのメスフラスコに移し入れ,水で標線まで薄め,ポリエチレン容器に保存して原液
(500 最椀一 ‰ 罵 の都度,必要量だけ水で正しく50倍に薄め,標準けい素溶液とする。
15.3.3 試料はかり取り量 試料は,1gをはかり取る。
15.3.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってポリエチレンビーカー (200ml) に移し入れ,ポリエチレン時計皿で覆い,硝酸 (1
+2) 20mlを加えて分解後,ふっ化水素酸 (1+9) 3mlを加え,約70℃の温水中に入れ,ときどき振り
混ぜながら約15分間放置する。
(2) ほう酸溶液25mlを加えてよくかき混ぜた後,500mlのメスフラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
この溶液50mlを分取し,アンモニア水 (1+2) と硝酸 (1+2) を用いてpHを1.01.2に調節する。
(3) この溶液にモリブデン酸アンモニウム溶液10mlを加えて約10分間放置し,けいモリブデン酸などを
――――― [JIS Z 3902 pdf 23] ―――――
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Z 3902-1984
完全に呈色させる(26)。
(4) 溶液を分液漏斗 (200ml) に入れ,酒石酸溶液10mlと硫酸 (1+3) 40mlを加えて振り混ぜた後(27),イ
ソアミルアルコール40mlを加えて約1分間激しく振り混ぜ,けいモリブデン酸を抽出する。静置後,
下層の溶液を捨て,アルコール層に硫酸 (1+10) 40mlを加えてよく振り混ぜて洗浄し,洗液を捨てる。
(5) 溶媒層の一部を乾燥ろ紙を用いて光度計の吸収セルにろ過し,波長400nm付近の吸光度を測定する。
15.3.5 計算 15.3.6で作成した検量線からけい素量を求め,試料中のけい素含有率を,次の式によって算
出する。
A
けい素 % 100
1
W
10
ここに, A : 試料溶液中のけい素検出量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
15.3.6 検量線の作成 標準けい素溶液025.0ml(けい素として0250 柿 を段階的に数個のポリエチレ
ンビーカー (200ml) に取り,水で約50mlとして,硝酸 (1+2) とアンモニア水 (1+2) を用いてpHを1.0
1.2に調節する。分液漏斗 (200ml) に移し入れ,以下,15.3.4(3)(5)の手順に従って操作し,得た吸光
度とけい素量との関係線を作成して検量線とする。
注(26) 試料にりんを含む場合は溶液の硝酸濃度を約1Nとし,分液漏斗に移し入れ,混合溶媒50mlを
加えて約1分間激しく振り混ぜる。静置後下層の溶媒を捨て,再び混合溶媒30mlを加えて抽出
を行い,溶媒層にりんモリブデン酸の黄色が認められなくなるまで抽出操作を繰り返す。
(27) この際硫酸濃度は35Nとする。
15.4 原子吸光法
15.4.1 要旨 試料を硝酸とふっ化水素酸との混酸で分解し,ほう酸を加えた後,定容とし,原子吸光光度
計を用いて吸光度を測定する。
15.4.2 試薬 試薬は,次による。
(1) ほう酸溶液 (5w/v%)
(2) 混酸 硝酸 (2+1) 1lにふっ化水素酸25mlを混和する。
(3) 銅[7.3.2(3)による。]
(4) 亜鉛[7.3.2(4)による。]
(5) ニッケル[10.3.2(4)による。]
(6) 標準けい素溶液 (500 最椀一 10)の原液を用いる。
15.4.3 試料はかり取り量 試料は,1gをはかり取る。
15.4.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 8.4.4(1)の手順に従って操作する。
(2) 8.4.4(2)の手順に従って操作する。
(3) 原子吸光光度計を用いて,この溶液を酸化二窒素−アセチレンフレーム中に噴霧して波長251.6nmに
おける吸光度を測定する。
15.4.5 計算 15.4.6で作成した検量線からけい素量を求め,試料中のけい素含有率を,次の式によって算
出する。
圀
けい素 % 100
――――― [JIS Z 3902 pdf 24] ―――――
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Z 3902-1984
ここに, A : 試料溶液中のけい素検出量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
15.4.6 検量線の作成 試料に含有する銅,亜鉛及びニッケルを試料含有率とほぼ同率で全量が1gとなる
ようにはかり取り,これを1組として数組をはかり取り,それぞれをポリエチレンビーカー (100ml) に入
れ,8.4.4(1) の手順に従って操作した後,標準けい素溶液06.0ml(けい素として03.0mg)を段階的に
加える。以下,8.4.4(2)及び15.4.4(3)の手順に従って操作し,試料と並行して測定した吸光度とけい素量と
の関係線を作成して検量線とする。
備考 15.4.4(1)の操作を,すず定量方法の7.3原子吸光法の備考に準じて操作し,けい素を定量しても
よい。
付図1 電解用ビーカー 付図2 白金電極A
――――― [JIS Z 3902 pdf 25] ―――――
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JIS Z 3902:1984の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.50 : ろう付け及びはんだ付け
JIS Z 3902:1984の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH0301:1997
- 非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則
- JISH0321:1973
- 非鉄金属材料の検査通則
- JISH2102:2011
- アルミニウム地金
- JISH2104:1997
- ニッケル地金
- JISH2105:1955
- 鉛地金
- JISH2107:2015
- 亜鉛地金
- JISH2108:1996
- すず地金
- JISH2121:1961
- 電気銅地金
- JISH2141:1964
- 銀地金
- JISH4502:1990
- 電子管陰極用ニッケル板及び条
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8701:1994
- 鉛(試薬)
- JISZ3262:1998
- 銅及び銅合金ろう
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方