JIS Z 4337:2011 据置形β線用物品表面汚染モニタ | ページ 2

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6.2 検出チャネル

  検出チャネルは,次による。
a) 検出器は,汚染しにくい構造か,汚染除去又は交換が容易な構造でなければならない。
b) 検出チャネルは,表面汚染を測定するβ線検出器のほかに,γ線検出器を補助的に設置した構造であ
ってもよい。

6.3 信号処理部

  信号処理部は,次による。
a) 保守点検が容易なようにテストパルス信号発生装置を組み込み,指示値の確認及び警報動作試験がで
きる構造であることが望ましい。
b) 測定時間は,変えられるものとする。

6.4 表示部

  表示部は,次による。
a) モニタの指示は,計数率,計数値又は表面汚染密度とする。
b) 汚染を検知したモニタリングチャネルを表示しなければならない。また,モニタが動作又は故障状態
であることを表示しなければならない。
c) 任意の検出チャネルの指示を表示できるものとする。また,検出チャネルごとの警報設定値,下限警
報設定値,バックグラウンドの異常及び高電圧の異常を表示できるものとする。

6.5 警報装置

  警報装置は,次による。
a) 汚染を検知した場合には,警報(表示及び音)を発しなければならない。
b) モニタの故障を検知した場合には,警報(表示及び/又は音)を発しなければならない。
なお,汚染と故障との警報は,区別できなければならない。
c) 警報レベルは,少なくともバックグラウンドレベルから,表面放出率200 s−1に対応する計数率又はこ
れに相当する数値を含む範囲で設定できなければならない。

6.6 電源部

  電源は,定格電圧100 V又は200 V,定格周波数50 Hz又は60 Hzの交流電源とする。

7 試験

7.1 試験条件

7.1.1  共通試験条件
7.2の各試験方法における基準条件を,表1に示す。特に,製造業者が定める場合を除き,この規格にお
ける試験は,表1に示す標準試験条件で行う。標準試験条件で行えない場合は,温度,気圧及び湿度を明
示し,基準条件での機器効率及びバックグラウンド計数率に補正しなければならない。

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表1−共通試験条件
基準条件 標準試験条件
項目
(製造業者の指定がないとき) (製造業者の指定がないとき)
予熱時間 分 30 30
環境温度 ℃ 20 1822 b)
相対湿度 % 65 5575 b)
気圧 kPa 101.3 86106 b)
電源電圧a) 正規電源電圧 正規電源電圧±1 %
電源周波数a) 正規電源周波数 正規電源周波数±1 %
電源波形a) 正弦波 正弦波からのひずみ5 %未満
空気カーマ率 空気カーマ率
γ線バックグラウンド μGy・h−1
0.2未満 0.25未満
外部電磁波 無視できるレベル 影響の認められるレベル未満
外部磁気誘導 無視できるレベル 地球磁場の2倍未満
モニタの設定 正規動作状態に設定 正規動作状態に設定
放射性物質による汚染 無視できるレベル モニタで検出できる最小のレベル未満
注a) 商用電源の場合に適用する。
b) 試験時点での実際の値を明示する。これらの値は,温暖な気候に適用可能である。標準試験条件より暑い
又は寒い気候時には,試験時の実際の値を明示しなければならない。海抜の高いところでは,気圧は,70 kPa
まで許される。
7.1.2 線源
β線源として36Cl又は204Tl,γ線源として137Csを用いる。ただし,β線源についてはJIS Z 4334に規定
するこれら以外の核種の標準線源を用いてもよい。その場合は,得られた機器効率を補正することが望ま
しい。
なお,7.2.4によるエネルギー特性試験は,この限りではない。

7.2 試験方法

7.2.1  一般
試験方法一般は,次による。
a) 全ての試験は,30分間の予熱時間が経過した後に実施する。
b) 試験条件のうちある項目を変化させて試験する場合,その項目以外の条件は,表1に示す範囲内にな
ければならない。
7.2.2 機器効率の線源位置特性試験
機器効率の線源位置特性試験は,全ての検出チャネルに対し50 mm以下の間隔の格子点に直径25 mm
以下の線源(36Cl又は204Tl)を検出器に密着し,検出面の縁から25 mm隔たった各点にできるだけ均等な
位置に順次置いて,各試験点における機器効率を求め,最小値と最大値との比を算出する。ただし,検出
器の構造が同一で,幾何学的に見て分布が等しくなると推定される検出チャネル群にグループ分けし,そ
の中から代表的な検出チャネルをそれぞれ一つ選んで試験してもよい(図1参照)。
7.2.3 最小検出表面放出率試験
最小検出表面放出率試験は,形式検査及び受渡検査に応じて,次による。
なお,測定物品の表面放出率に対応する放射性表面汚染の測定方法を,附属書Aに示す。
a) 形式検査 形式検査は,次による。
1) 平均機器効率試験 全てのモニタリングチャネルに対して,1.1) 又は1.2) の方法で平均機器効率

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(εa)を求める。また,一つのモニタリングチャネルに対して複数個の検出チャネルを用いている
場合には,それらの平均機器効率の平均値を使用する。
なお,β線入射窓面積が1 000 cm2を超える検出器,又はこの検出器を組み合わせたモニタリング
チャネルから構成される大形のモニタは,β線標準線源として面積が100 cm2以上の線源を用いても
よい。その場合は,線源を検出面の縁から25 mm隔たった範囲を覆うように,できるだけ均等かつ
線源の有効面が極力重ならないように置いて試験を行う。
1.1) 固定形モニタ 試験時の線源と検出器との距離が汚染測定時と同じ距離になるようにし,検出面
と並行な面に50 mm以下の間隔で直径25 mm以下の線源(36Cl又は204Tl)を検出面の縁から25 mm
を除く各点にできるだけ均等な位置に順次置いて,各試験点における機器効率を求める。各モニ
タリングチャネル内の全測定点の機器効率の平均値を算出し,平均機器効率(εa)とする(図1参
照)。
1.2) 移動形モニタ 試験時の線源と検出器との距離が汚染測定時と同じ距離になるようにし,測定物
品の移動方向に対して直角の検出面と並行なラインに50 mm以下の間隔で直径25 mm以下の線源
を検出面の縁から25 mm隔たった各点にできるだけ均等な位置に順次置いて,測定時と同じ速度
で各試験点における機器効率を求める。各モニタリングチャネル内の全測定点の機器効率の平均
値を算出し,平均機器効率(εa)とする(図2参照)。
単位 mm
図1−機器効率の線源位置特性試験及び最小検出表面放出率試験の
平均機器効率試験(固定形モニタの場合)で線源を置く格子点

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単位 mm
図2−最小検出表面放出率試験の平均機器効率試験で線源を流す位置
(移動形モニタで測定物品が移動する場合)
2) 代表点の機器効率試験 全ての検出チャネルに対してβ線標準線源を,測定を代表する位置に設定
し,機器効率(ε1)を求める。用いる線源の核種,形状及び線源位置は,製造業者が指定する。
注記 例えば,線源形状は,10 cm×10 cm又は10 cm×15 cmの面線源がある。線源位置は,検
出器中心で保護格子に密着,保護格子から5 cm又は10 cmなどがある。
3) バックグラウンドの測定及び最小検出表面放出率の計算 モニタの種類に応じて,各モニタリング
チャネルについて次の試験を行い,最小検出表面放出率を計算する。
なお,最大基準バックグラウンドを設定する場合は,137Cs又は60Coγ線源を用い各検出器中心か
ら少なくとも3 m以上離して照射を行う。照射方向は,指定がない場合は,モニタの横からとし,
指定がある場合には指定方向からとする。線量率は,使用者と製造業者との取決めがない場合は0.25
μGy・h−1程度とし,取決めがある場合には指定値とする。
3.1) バックグラウンド補償形 最大基準バックグラウンドの環境下で,10分間以上バックグラウンド
に対応する計数率を測定し,各モニタリングチャネルの最大基準バックグラウンドに対応する計
数率を求め,最小検出表面放出率(M1)を式(1)によって算出する。
5.0
.005B2 B2 /T)
(3B2 / t
M1 (1)
a
ここに, M1 : 最小検出表面放出率(s−1)
B2 : 最大基準バックグラウンドに対応する計数率(s−1)
T : 物品測定時に設定される測定時間(s)
t : システムで設定されるバックグラウンド測定時間(s)
εa : 平均機器効率

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注記 移動形モニタの場合のTの値は,繰返し計数を行う時間とする。ただし,移動方向の検
出有効寸法を移動する時間より繰返し計数時間が長い場合は,検出有効寸法を移動する
時間とする。
3.2) バックグラウンド無補償形 環境バックグラウンド及び最大基準バックグラウンドの環境下でそ
れぞれ10分間以上自然計数率を測定し,各モニタリングチャネルの環境バックグラウンドに対応
する計数率及び最大基準バックグラウンドに対応する計数率を求め,最小検出表面放出率(M1)
を式(2)によって算出する。
5.0
B2−B1+(3B2 / T)
M1 (2)
a
ここに, B1 : 環境バックグラウンドに対応する計数率(s−1)
B2 : 最大基準バックグラウンドに対応する計数率(s−1)
T : 物品測定時に設定される測定時間(s)
εa : 平均機器効率
注記 移動形モニタの場合のTの値は,繰返し計数を行う時間とする。ただし,移動方向の検
出有効寸法を移動する時間より繰返し計数時間が長い場合は,検出有効寸法を移動する
時間とする。
b) 受渡検査 受渡検査は,全ての検出チャネルに対して代表点の機器効率(ε2)を求め,形式検査時に
求めた最小検出表面放出率(M1)及び代表点の機器効率(ε1)を使用して,式(3)によって受渡試験時
の最小表面放出率(M2)を算出する。ただし,線源及びその配置は,形式検査時の代表点の機器効率
(ε1)を測定したときと同じ条件とする。
1
M2 1 (3)
2
ここに, M1 : 形式検査時の最小検出表面放出率(s−1)
ε1 : 形式検査時の代表点の機器効率
ε2 : 受渡検査時の代表点の機器効率
7.2.4 エネルギー特性試験
最大エネルギーが0.2 MeV未満,0.2 MeV以上0.5 MeV未満及び0.5 MeV以上の少なくとも3種のβ線
放出核種を用いて,7.2.3 a) 1) によって平均機器効率を求める。この試験に適した線源の例を,表2に示
す。
表2−エネルギー特性試験に用いる主なβ線源の例
核種 半減期d) 最大エネルギー(keV)d)
14C
5 730年 156
147Pm a)
2.62年 225
60Co b)
5.27年 310
36Cl
3.00×105年 710
204Tl
3.78年 763
90Sr+90Y c)
28.5年 2 274
106Ru+106Rh
1.01年 3 540
147Pmに対する146Pmの混入が,試験に影響を及ぼさないよう注意する。
注a)
b) 60Coを用いる場合は,γ線の影響に注意する。
c) 90Sr+90Yに130 mg・cm−2厚のフィルターをかけることによって,90Yからの高エネル
ギーβ線だけを利用してもよい。
d) 半減期及び最大エネルギーは,JIS Z 4334による。

――――― [JIS Z 4337 pdf 10] ―――――

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