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合,室内照明条件が重要である,
− 2. の引用規格及び技術報告に従って,使用する撮影用フィルムを取り扱い,現像処理し,そしてフィ
ルム観察をする,
− 試験機器の性能は定期的に確認し,X線装置に何らかの重大な変動があると疑われるときは,特に確
認を行う。
備考 適切な国家規格がある場合,測定器は国家規格に従うことが望ましい。
不変性試験を開始する前,撮影用フィルム,フィルム現像処理及びフィルム観察条件の不変性を確認す
る。
4.2 基礎値の確立
新しいX線装置を使用し始めるとき,若しくはX線装置の構成品,附属品又は試験
機器を変更するとき,これらが試験結果に変動を生じさせる場合は,性能が満足することを確認する受入
試験の直後に,最初の不変性試験をやり直さなければならない。最初の不変性試験の目的は,試験のパラ
メータの新しい基礎値を確立することである。
4.3 不変性試験の頻度
不変性試験は,この規格の個々の箇条で示した頻度で行う。それに加えて次の
場合にも繰り返す。
− 誤動作が疑われるとき,
− X線装置の試験の対象になる性能パラメータに影響すると考えられる保守を行った直後,
− 試験の結果が基準から外れた場合。
基礎値の記録は,新たな基礎値が設定される不変性試験が実施されるまで保存しなければならない。
不変性試験の結果は,少なくとも2年間保存しなければならない。
4.4 装置,機器及び試験条件の同一性
試験するX線装置,及び試験に使用するすべての試験機器は,
明確に同一性を識別できなければならない。
X線装置の交換可能な構成品には,次のものがある。
− 付加フィルタ,
− 陽極の材料,
− 照射野限定器,
− 圧迫板,患者支持器又はX線ビーム内の他の減弱材料,
− 散乱線除去グリッド,
− 撮影用フィルムの形名及び乳剤番号,
− フィルム現像機,
使用する試験機器には,次のものがある。
− 増感紙付撮影用カセッテ,
− 試験器具,
− 感光計,
− 濃度計,
− 圧力計,
設定の変動には,次のものがある。
− 焦点受像器間距離,
− 自動制御系の濃度設定及び検出器の位置,
− X線条件,
− 幾何学的な拡大の位置,
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− 該当する場合,公称焦点寸法,
以上の事柄は,表示又は記録されなければならない。これは最初の不変性試験で用いられる試験機器及
び器具並びにこれらの配置が乳房用X線装置の試験に用いるようにするためである。
備考1. 試験の多くは最初の不変性試験と同じ撮影用カセッテを用いて行うべきである。以後,この
カセッテを“試験カセッテ”という。この試験カセッテを試験専用として臨床で用いるカセ
ッテと区別して保管する方がよい。最初は装置の変化を提示するための安定した道具である
が,次第にカセッテ自体の劣化による変化を含め,システム全体の変化を提示することにな
る。
2. 試験に用いる撮影用フィルムが臨床で用いる乳房撮影用フィルムと同じ形名であることが重
要である。
試験器具のX線像は試験カセッテ,同じ増感紙とフィルムの形名で撮られなければならない。撮影用フ
ィルムは既定条件で現像処理され,JIS Z 4752-2-1で規定された試験でフィルムの乳剤番号間の変化につ
いての適切な許容を行わなければならない。
フィルム又は現像条件を変えた場合は,再設定の不変性試験を行わなければならない。
試験器具はこの規格の5. の性能試験のぞれぞれで規定する。実際,幾つかの試験,例えば5.15.4の試
験を,個々の試験器具の特性を組合せ構成した試験器具を用いて同時に行うことがある。試験器具の詳細
は,附属書Fによる。
5. 性能試験
5.1 X線装置-画像性能
*5.1.1 画像濃度
5.1.1.1 概要 標準試験器具は標準条件でX線照射され,画像の正味濃度は,X線像の規定の位置で測定
される。X線像はマニュアル及び自動露出制御の両方で撮影される。評価は,X線出力,線質,X線ビー
ム内の減弱及び受像システムの感度の変化とともに自動露出制御性能の変化を見つけ出すことである。
5.1.1.2 試験機器
− 試験カセッテ,
− 濃度計(測定範囲03.5,精度±0.02以内),
− マニュアル制御の試験では患者を想定した標準厚40 mmの減弱ファントム,
− 自動露出制御試験では,厚さが異なる3タイプの減弱ファントム(20 mm,40 mm,60 mmが望まし
い。)。
5.1.1.3 試験手順 X線装置の交換できるすべての部品及び幾何学的配置は最初の不変性試験と同じであ
ることを確認する。撮影用カセッテホルダに試験カセッテを装着し,最初の不変性試験と同じ位置に減弱
ファントムを配置する。減弱ファントムを乳房保持台の胸壁端に合わせ,かつ横手方向の中心合わせをす
る。
a) マニュアル制御の試験 最初の不変性試験と同じX線装置のX線条件にマニュアル設定し,X線照射
する。
最初の不変性試験では,正味濃度が1.01.6となるX線条件に調整すること。
次回の試験のためにX線条件を記録する。
b) 自動露出制御試験 自動露出制御の検出器が最初の不変性試験と同じ位置で,試験用具で完全に覆わ
れ,管電圧,濃度調整及び他の関係する設定は最初の不変性試験と同じであることを確認する。少な
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くとも3種類の異なった厚さの減弱ファントムでX線像撮影する。この場合,“標準”厚40 mmを含
め,20 mm以下の厚さステップとする。
可能ならば,各々のX線照射後に,照射時間又は管電流時間積,陽極の種類及び付加フィルタの種
類を記録する。
4.4で規定された手順に従って露光フィルムを現像する。最初の不変性試験で定めたX線像上の点
で正味濃度を測定する。濃度測定点は胸壁から2030 mmで,フィルム左右中心線上が望ましい。
この測定領域のために減弱ファントムにファイバ・ワッシャを取り付けてもよい。
5.1.1.4 データの評価 X線像の正味濃度の測定値を設定した基礎値と比較する。フィルム乳剤番号又は
現像条件の変化を補正した後に,この比較をする。自動露出制御で得られた減弱ファントム厚が異なった
X線像の補正された濃度と最初の不変性試験で得られたX線像の濃度を比較する。
備考 照射時間又は管電流時間積データがある場合は,自動露出制御で記録された照射時間又は管電
流時間積を最初の不変性試験で得られた値と比較する。
5.1.1.5 適用される基準 フィルム濃度許容限界は基礎値の±0.20以内が望ましい。
備考 フィルム乳剤の感度変化及びフィルム現像機による濃度変化が含まれないならば,基礎値に対
する±0.20の変動は許容できるものである。これがよく認識されているといっても,やはり乳
房検診事業で共通した許容制限は±0.15とするのがよい。
自動露出制御の試験ごとの正味濃度変化は,減弱ファントムのすべての厚さに関して同じ傾向及び密接
な相関関係がある。異なった厚さに関するそれぞれの基礎値の範囲は標準厚さの基礎値の±0.20以上であ
ってもよい。
測定した濃度が個々の基礎値の±0.20以内であるが,あるものは基礎値より大きく,他は小さい場合は,
さらに調査する必要がある。
備考 照射時間又は管電流時間積に関する不変性試験が40 mm厚の減弱ファントムを用いて行われ
ている場合は,これらの因子の許容限界は通常,基礎値の±20 %以内とする。
5.1.1.6 取るべき処置 システムが基準を満たさない場合,附属書Cで規定された指針に従う。
5.1.1.7 不変性試験の頻度 不変性試験は少なくとも3か月ごとに実施されなければならない。X線源装
置,高電圧発生装置又は自動露出制御の信頼性について疑いがある場合は,不変性試験の繰返し頻度を上
げる。
備考 特に乳房検診のようにX線装置の使用が多い場合,標準厚の減弱ファントム及び臨床使用モー
ド(マニュアル又は自動露出制御)だけを用いた簡単な試験を少なくとも1週間に1回行い,
フィルム現像機がその場にない場合は,毎日行う。
5.1.2 アーチファクト
5.1.2.1 概要 この試験の目的は,画像システムにおける画像の診断の品質を低下させるおそれのある画
像システムにおけるアーチファクトを見つけ出すことである。アーチファクトが起こる要因として,例え
ば不整合,中心ずれ,機械的な損傷,誤作動などによる散乱線除去グリッドの故障,乳房支持台,圧迫板
又は付加フィルタによるX線ビームの減弱の不均一などである。
5.1.2.2 試験機器
− シャウカステン,
− 拡大率510の拡大鏡。
5.1.2.3 試験手順 5.1.1で得たX線像と最初の不変性試験で得られたものと一緒に調べる。シャウカス
テンを用いてX線像を観察する。
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a) 通常の観察距離
b) 拡大鏡の使用
5.1.2.4 データの評価
a) 初期の不変性試験と今回の試験で得たX線像の光学濃度変化を比較する。最初の不変性試験にないパ
ターン,汚れ,点及び他の現象の発生についてX線像を調べる。
b) 運動グリッドが使用されている場合,X線像を調べ,グリッドのしま目の有無を記録する。
5.1.2.5 適用される基準 X線像の目視による濃度の均一性の悪化,前回にないパタ−ンの発生又はグリ
ッドのしま目が著しく見える場合は,さらに追求することが必要である。
備考 グリッドのしま目は,通常臨床使用範囲内で目に見えてはならない。この試験のように,減弱
ファントム厚が20 mm以上の厚さである場合,グリッドのしま目は見えてはならない。
5.1.2.6 取るべき処置 システムが基準を満たさない場合,附属書Cで規定された指針に従う。
5.1.2.7 不変性試験の頻度 この試験は,5.1.1.7と同じ頻度で実施されなければならない。
5.1.3 高コントラスト解像度
5.1.3.1 概要 この試験は,均一な減弱ファントムと一緒に高コントラスト試験器具(その1)のX線像
を収集することによって,X線装置の空間解像度の安定性を確認する。
備考1. この試験の目的は,臨床を模擬する状態で空間解像度の安定性を調べることである。焦点の
選択がある場合は,大焦点(密着撮影用)は乳房支持台の上に試験器具を置いて行い,小焦
点は拡大撮影台の上に置いて行う。
2. 高コントラスト試験器具(その1)(付図2及び附属書Fを参照)は,代替品である高コント
ラスト試験器具(その2)[X線不透過性物質の周期的なパターンを備えた金網の配列(付図
3及び附属書Fを参照)]を用いてもよい。適用するデータの評価と基準は,金網の画像で描
出の低下を見つけることに注目する。
5.1.3.2 試験機器 必要な試験機器は,次とする。
− 試験カセッテ,
− 拡大率510の拡大鏡,
− 標準厚 (40 mm) の減弱ファントム,
− X線不透過性物質の周期的なパターンを備えた高コントラスト試験器具(その1)(高コントラスト試
験器具の詳細な記述は附属書Fによる。)。
5.1.3.3 試験手順 運動グリッドを臨床で通常使用している場合,不変性試験はX線ビームの中に運動グ
リッドを置いた状態で行う。静止グリッドを用いたときの試験結果が5.1.3.5の規定を満足しない場合は,
静止グリッドを除いて,不変性試験を繰り返す。
備考1. 試験結果から散乱線除去グリッドに問題があると考えられる場合は,散乱線除去グリッドの
状態を示す別の画像収集を行うことが望ましい。
2. 損傷を防ぐため,道具を必要とする運動グリッドの取外しはしない。
撮影用カセッテホルダの中に試験カセッテを装てん(填)する。最初の不変性試験と同じ焦点受像器間
距離と同じタイプのフィルムを用いる。
乳房支持台の上に減弱ファントムを置く。この場合の配置精度は最初の不変性試験に対して±1 mm以
内とする。減弱ファントムの上面に高コントラスト試験器具(その1)を置く。この場合の配置は最初の
不変性試験に対して位置精度±1 mm以内で,同じ方向とする。高コントラスト試験器具とフィルムの距
離は,最初の不変性試験に対して±2 mm以内とする。
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最初の不変性試験で用いたX線条件で照射する。4.4で示した手順に従って露光フィルムを現像する。
備考1. フィルム濃度が高コントラスト解像度の評価に影響を与えるため,正味濃度が1.21.6の中
にあることが望ましい。
2. 現在の臨床状態に従って,この試験を行う。
− フィルム装てんから照射までの時間は,臨床使用状態と同じとする。解像度が悪い場合は,空気
抜きに必要なフィルム装てんから照射までの時間を少なくとも15 minとり再試験を行い,結果を
比較する
− カセッテの装てん,露光,取外しの方法は,臨床状態と同じとする
すべての焦点サイズと陽極材質について,この試験を繰返す。
5.1.3.4 データの評価 拡大鏡を用いてX線画像を調べ,X線管軸に平行な方向及び直角な方向における
識別できる最大空間周波数を記録する。これらはこの試験条件での限界周波数である。毎回,最初の不変
性試験で得られたX線像とそれぞれのフィルムの比較を行い,識別できる基準の不変性を確認する。擬解
像(エリアシング)が起こる場合があるので注意する。これは,最初に対象物の周波数が増加するととも
に画像の変調が減少し,そしてより高い周波数の画像でテストチャートの解像が再現する。限界周波数は
最初にテストチャートの解像が消失した点である。
5.1.3.5 適用される基準 最初の不変性試験で得た限界周波数と比較して,今回得られた周波数は1ラン
ク以上低下してはならない。
5.1.3.6 取るべき処置 システムが規定を満たさない場合,附属書Cで規定された指針に従う。
5.1.3.7 不変性試験の頻度 この試験は製造業者が提供した取扱説明書に従って実施されなければなら
ない。試験頻度に関する情報がない場合は,不変性試験は6か月以内の周期で実施されなければならない。
5.2 X線ビーム-幾何学的特性
備考 乳房用X線装置は,X線装置が明らかに損傷を受けたり改造されたりしない限り,ビームの幾
何学的特性がほとんど変化しない構造である。幾何学的特性を変化させる可能性のある復元,
構成品の交換又はサービス作業が行われた場合は,受入試験で確認することが望ましい。異常
が疑われたり,幾何学的特性に影響を与えるようなX線装置の保守を行った直後は,次の点に
ついて確認しなければならない。
− 交換可能な照射野絞りは,照射野サイズと使用可能な焦点受像器間距離についての永久的な表示
がなされている,
− 照射野絞りは,所定の位置に収まる,
− 光照射野は,乳房を照らすのに十分な照度がある,
− 光照射野と受像面とは,一致する,
− 焦点受像器間距離が可変のX線装置においては,焦点受像器間距離が明示され,かつ,調整用ロ
ックが確実である。
5.2.1 概要 この試験は,被検者の胸壁側における照射野の幾何学的配置の変化を明らかにするためのも
のである。
5.2.2 試験機器 次の試験器具を用いて,幾何学的配置の不変性を試験する。
− 胸壁側に鉄球が配置された高コントラスト試験器具(その2)
附属書Fの高コントラスト試験器具(その2)を参照。
5.2.3 試験手順 試験手順は,5.1.3の高コントラスト解像度と同様とする。同じX線像を用いてもよい。
5.2.4 データの評価 X線像で描出される鉄球の数で評価する。
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JIS Z 4752-2-10:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61223-2-10:1999(MOD)
JIS Z 4752-2-10:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 4752-2-10:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ4005:2012
- 医用放射線機器―定義した用語
- JISZ4752-1:2001
- 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第1部:総則
- JISZ4752-2-1:2005
- 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第2-1部:不変性試験―フィルム現像機
- JISZ4752-2-2:2001
- 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第2-2部:不変性試験―撮影用カセッテ及びフィルムチェンジャにおけるフィルム・増感紙の密着及び相対感度
- JISZ4752-2-3:2005
- 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第2-3部:不変性試験―暗室安全光条件
- JISZ4752-2-5:2001
- 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第2-5部:不変性試験―画像表示装置
- JISZ4905:2005
- 写真―医用撮影用カセッテ・増感紙・フィルム―寸法及び仕様