JIS Z 8405:2008 試験所間比較による技能試験のための統計的方法 | ページ 14

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Z 8405 : 2008 (ISO 13528 : 2005)
r2s2
S (B.2)
σr1を測定の繰返し回数の選択のためのガイドライン,式(2)中のr 湎 わりに使用する。
c) 次の式によって を計算して,試料間標準偏差を技能試験のための標準偏差に使用する。
=12 sS2 (B.3)
ここに, 1 : 試料の不均質性に許容度を含まない技能試験の標準偏差で
ある。
B.3 均質性試験に使用する式
均質性試験からのデータを次のように表す。
xt,k
ここに, t : 試料を表す(t = 1 , 2 ..., g)
k : 試験部分を表す(k = 1, 2)
試料平均を次の式によって定義する。
xt,.=(xt,1+xt,2)/2 (B.4)
さらに試験部分間範囲を,次の式によって定義する。
wt = xt1, − 2,tx
(B.5)
一般平均を計算する。
x.,. xt/g
,. (B.6)
試料平均の標準偏差を次の式によって計算する。
sx (xt,.x.,. ) 2
(g )1 (B.7)
さらに,試料内標準偏差を次の式によって計算する。
sw wt2 2(g) (B.8)
ここで,総和は試料全体を対象とする(t = 1,2,...,g)。
最後に,試料間標準偏差を次の式によって計算する。
sS sx2 sw2 (B.9)
注記 範囲を使用する代わりに,試験部分間標準偏差として次の標準偏差を用いてもよい。
st=wt/2
B.4 安定性試験の手順
a) 均質性試験と同一の試験所を使って安定性試験を行う。同一の測定方法を使用し,同一の試験物質特
性を測定する。
b) 均質性試験と安定性試験との間に,技能試験の参加者が試験した試料が受ける時間の遅延と同様の時

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間の遅延を許容する。
c) 試料の数量gをランダムに選択する。ここでg≧ 3である。
d) 均質性試験と同一の手法を使用し,二つの試験部分を各試料から用意する。
e) 2 gの試験部分をランダムな順序によって取り出し,それぞれから測定結果yt,kを採取し,併行精度条
件下での全測定を実施する。
f) 安定性試験から得た測定値の一般平均 yを計算する。
.,.
B.5 安定性試験の評価基準
均質性試験から得た測定値の一般平均を,安定性試験から得た結果の一般平均と比較する。この試料が
十分安定と考えられるのは,次の式が成立する場合である。
x−
.,.
(B.10)
y.,. ≦ 3.0
この基準が満たされない場合,試料作成及び保管手順を検査し,改善の可能性を確認する。
B.6 例 きなこ中の銅 (g/g)
きなこ(大豆粉)を試験物質として使用する技能試験スキームでは,精度実験結果を用いて技能評価の
標準偏差を = 1.1 g/gに設定した。式(B.1)に基づくと,試料間標準偏差は次の値より小さくなければな
らない。
0.3 × 1.1 = 0.330 g/g
均質性試験の場合,技能試験スキームに用意したきなこ試料から12をランダムに選択し,各試料から,二
つの試験部分の銅含有量を定量した。このデータを表B.1に示す。試料平均と試験部分間の範囲も併せて
示す。
B.3中の式を用いて,次の値を計算する。
一般平均 x.,. = 10.02 g/g
試料平均の標準偏差 sx = 0.340 g/g
試料内標準偏差 sW = 0.246 g/g
試料間標準偏差 sS = 0.292 g/g
この値は0.330 g/gより小さいため,試料は技能試験スキームに使用可能な均質性を備えていると結論
できる。
安定性試験のため,3試料を同一の試験所が1か月後に試験し,結果として平均値 y= 10.78 g/gを得
.,.
た。差分 y−
.,. x=0.76
.,. g/g は,0.3 = 0.33 g/gより大きいため,試料の安定性は十分でない。

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表B.1−きなこの銅に対する均質性試験の測定結果 (g/g)
試料番号 試験部分 試験部分 試料平均 試験部分間の範囲
t 1 2 xt,. wt
1 10.5 10.4 10.45 0.1
2 9.6 9.5 9.55 0.1
3 10.4 9.9 10.15 0.5
4 9.5 9.9 9.70 0.4
5 10.0 9.7 9.85 0.3
6 9.6 10.1 9.85 0.5
7 9.8 10.4 10.10 0.6
8 9.8 10.2 10.00 0.4
9 10.8 10.7 10.75 0.1
10 10.2 10.0 10.10 0.2
11 9.8 9.5 9.65 0.3
12 10.2 10.0 10.10 0.2

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附属書C
(規定)
ロバストな解析

序文

  この附属書は,ロバストな方法について規定する。
C.1 ロバストな解析 : アルゴリズムA
このアルゴリズムによって,アルゴリズムを適用する対象データの平均及び標準偏差のロバストな推定
値を得る。
注記1 この附属書中のアルゴリズムA及びアルゴリズムSは,JIS Z 8402-5から引用している。
注記2 ロバスト性は推測アルゴリズムの特性であり,アルゴリズムの結果としての推定値の特性で
はない。したがって,このようなアルゴリズムによって計算される平均及び標準偏差を“ロ
バスト”と称するのは厳密には正しくない。ただし,用語が過度に複雑になるのを避けるた
め,この規格では,“ロバストな平均”及び“ロバストな標準偏差”を用いるものとし,それ
ぞれ,ロバストなアルゴリズムを用いて計算される母集団平均の推定値又は母集団標準偏差
の推定値を意味する。
p個のデータを,昇順に並べ替え,次のように表す。
x1, x2,...,xi,...,xp
このデータのロバスト平均及びロバスト標準偏差をx*及びs*によって示す。
x*及びs*の初期値を次のように計算する。
x* = xiの中央値 (i= 1, 2, ···, p) (C.1)
s* = 1.483 x |xi x*|の中央値 (i= 1, 2, ···, p) (C.2)
x*及びs*の値を次のように更新する。
δ= 1.5s* (C.3)
それぞれのxi(i = 1, 2, ..., p)について,次の計算を行う。
x , xi x の場合
xi x , xi x の場合 (C.4)
xi, それ以外
x* 及び s*の新しい値を次の式から計算する。
* *
x xi p (C.5)
s* .1134 (xi* x* ) 2 (p )1 (C.6)
ここで,総和はすべてのiについて行う。
ロバストな推定値x*及びs*は繰返し計算によって求める。すなわち,x*及びs*の値を変更しながらこの
プロセスが収束するまで何回か更新する。ロバストな標準偏差及びロバストな平均中の等価な数字の第三
有効数字が,ある繰返しと次の繰返しとの間で変化しない場合に収束したものとみなす。この方法は,コ

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ンピュータ上でプログラムするための簡単な方法である。
C.2 アルゴリズムS
このアルゴリズムは標準偏差 (又は範囲)に適用し,標準偏差又は適用対象の範囲のロバストなプール値
を発生する。
p個のデータを昇順に並べ替え,次のように表す。
w1,w2,...,wi,...,wp
(これは範囲又は標準偏差である)
ロバストなプール値をw*,各wiに対応する自由度をνによって表す(wiが範囲である場合,ν=1である。
wiが試験結果の標準偏差である場合,ν=n−1となる)。アルゴリズムに必要な値ξ及びηを表C.1から取
り出す。
w*の初期値を次のように計算する。
w*= wiの中央値 (i= 1,2, ···, p) (C.7)
w*の値を次のように更新する。次の式を計算する。
= × w* (C.8)
それぞれのwi(i = 1,2,...,p)に対し,次の計算を行う。
, wi の場合
wi (C.9)
wi, それ以外
w*の新しい値を次の式によって計算する。
w* (wi* ) 2p (C.10)
ロバストな推定値w*は繰返し計算によって求める。すなわち,値w*を何回か更新し,このプロセスが
収束するまで更新し続ける。ある繰返しから次の繰返しを行ったとき,ロバストな範囲の第3有効数字に
変化がない場合に収束したものとみなす。この方法はコンピュータ上でプログラムするための簡単な方法
である。
表C.1−ロバストな解析に必要な係数: アルゴリズムS
自由度 限界係数 調整係数
ν η ξ
1 1.645 1.097
2 1.517 1.054
3 1.444 1.039
4 1.395 1.032
5 1.359 1.027
6 1.332 1.024
7 1.310 1.021
8 1.292 1.019
9 1.277 1.018
10 1.264 1.017
注記 ξ及びηの値はJIS Z 8402-5:2002の附属書Bから得る。

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JIS Z 8405:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 13528:2005(IDT)

JIS Z 8405:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8405:2008の関連規格と引用規格一覧