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− 読取りの順番を考慮する。
− 同じ情況自覚を確実に複数のオペレータがもつことができるように,関連する表示は,どのオペレー
タからも見ることができ,かつ,異なる解釈を引き起こさないような位置に置く。
− 異なる機能をもつ表示には,明確に異なる外見をもたせる。
− 類似した表示の置き方は,同じにそろえる。
− 表示を配置する面を,視線に対してできるだけ直角となるように置く。
− 視差,反射,まぶしさ,鏡面反射,濃い陰などを最小限にとどめる。
JA.1.3.3 操作機器の位置選定指針
操作機器の位置選定では,行う作業の優先順位を考慮することが望ましい。
そのほかに考慮する必要のある事項は,次による。
− 重要かつ頻繁に操作する操作機器を,領域A'(最適操作領域)に置く。
− 操作機器を操作する順番を考慮する(一般に,上から下へ,左から右への流れとなるように。)。
− 異なる機能をもつ操作機器には,異なる外見をもたせる。
− 同じ機能をもつ類似した操作機器の置き方は,同じにそろえる。
JA.2 表示及び操作機器の配置
JA.2.1 表示及び操作機器群内の配置−グループ化
表示及び操作機器の配置には,秩序,単純さ,明瞭さ,一様さなどを向上させるようなグループ化の配
慮が必要である。
配置の仕方は,システムとの対話に従事するオペレータの知覚,判断及び推論能力の面で認知的負担を
最小限にするよう試みることが望ましい。
このことの実現の仕方の例としては,次による。
− 縦・横両方向にグループ化する。規則的な配置は,秩序を与え,オペレータが表示及び操作機器の位
置を探すのを助ける。不規則な配置は,使用しにくいが,特定の表示及び操作機器を強調する働きを
もつ(図JA.3)。
a) 規則的な配置 b) 不規則的な配置
図JA.3−グループ化
− 四分円を用いて作業の状況,種類を表す。例えば,“切り”状態を,時計の針の9時の向き,“正常”
状態を,時計の針の12時の向き,及び“最大”状態を,時計の針の3時の向きで表す(図JA.4)。
a) 切り b) 正常 c) 最大
図JA.4−四分円を用いた明瞭さの向上
ある操作機器とある表示とが連携して用いられるときには,操作する時点のオペレータの手が表示にか
――――― [JIS Z 8907 pdf 41] ―――――
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からないような位置に,操作機器を置かなければならない。
− 右手で操作する操作機器は,関連する表示の下又は右に置かなければならない。
− 左手で操作する操作機器は,関連する表示の下又は左に置かなければならない。
JA.2.2 方向についての整合性の確保
“オペレータが操作機器を操作するときに抱く予想と,システム又は表示の挙動との間の整合性を確保
する”とは,表示及び操作機器,それらを用いたやり取り,並びにシステムの挙動を設計するときに,オ
ペレータの期待をもたらすもの(例えば,文化的慣習,経験,訓練など)について,種々の操作情況のも
とで考慮することをいう。このことは,システムの挙動と表示及び操作機器の挙動との間に,できる限り
大きな相互関係をもたせることを意味する。
表示及び操作機器の配置設計には,オペレータの実際の必要性を考慮に入れながら,オペレータの認知
的負担の軽減と,効率,安全性,及び信頼性の向上とを,次の諸観点から,図ることが望ましい。
− 動作の所要時間及び正確さ。
− 危険な情況を検出及び判別する上での所要時間及び正確さ。
− 反応時間又は意思決定時間。
− 学習の容易さ。
− 危険な情況における,誤りの増加の低減。
− 以前の操作の状態への素早い復元。
− 環境条件の影響。
表示及び操作機器の設計指針は,次の事項を考慮する。
− 訓練を受けなくても,身についている通常の操作活動を採用する。
− 普遍的な及び特定の文化内でのポピュレーションステレオタイプを利用する。
− 動き及び方向の点で明白な関係が把握できるように,表示及び操作機器をオペレータの正面に置く。
− 相反する効果又は目的をもつ複数の操作機器を,特定の働きをもつように一つに統合する。
例 一つの操作機器の操作で,冷気のバルブを開き,暖気のバルブを閉じて,冷却効果をもたらす。
JA.2.3 操作機器とその取付位置とについての指針
操作機器の操作方向とその効果との関係は,次による。
− 操作機器の動き及び動きの結果取る位置は,対応する表示上に表れる応答と類似していなければなら
ない。
− 直線操作の操作機器の,右方へ,前方へ,又は上方への動きは,“入り”又は“増加”を,左方へ,後
方へ,又は下方への動きは,“切り”又は“減少”を,意味することが望ましい(図JA.5)。
− 回転操作の操作機器の動き及びその操作機器と関連する表示の動きは,共に,時計回りは“増加”を,
反時計回りは“減少”を意味することが望ましい(図JA.5)。
――――― [JIS Z 8907 pdf 42] ―――――
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図JA.5−操作機器の動きと表示の動きとの間のステレオタイプ
JA.2.4 回転操作の操作機器の向きに関する指針
回転操作の操作機器には,開始位置からどれくらい回しているかを,目で見て,又は手で触れて分かる
ような指示部分を付けなければならない。
JA.2.5 直線操作の操作機器の向きに関する指針
“入り・切り”を直線操作で切り替える操作機器の操作方向は,操作機器の取付面のオペレータに対す
る相対位置に応じて,次による。
− 取付位置が垂直の場合,“入り”又は“増加”には,上方への操作方向を,“切り”又は“減少”には,
下方への操作方向をそれぞれ対応させなければならない(図JA.6)。
− 取付位置が水平の場合,“入り”又は“増加”には,前方(オペレータから離れる方向)への操作方向
を,“切り”又は“減少”には,後方(オペレータに近づく方向)への操作方向をそれぞれ対応させな
ければならない(図JA.6)。
− オペレータの頭高よりも高い位置に,二つの設置区画を傾斜させて置く場合には,低い方の設置区画
の傾きは30°以下とし,高い方の設置区画の傾きは60°以上として,確実に二つの設置区画の区別を
付けられるようにすることが望ましい。操作機器を設置する傾斜面を頭高より高い位置に一つだけ配
置する場合には,45°以下の傾斜角度でもよい。
− 設置区画が垂直から60°以上傾斜している場合,操作機器の操作方向の違いで,混乱を生じるおそれ
があるので,上方へ,又は下方へ動かして操作する操作機器ではなく,右方へ,又は左方へ動かして
操作する操作機器を用いることが望ましい。
− 鈍角で接する幾つかの面からなる一つながりの取付け面(例えば,各面がオペレータを中心とした円
周状に配置されているような)では,全ての操作機器の操作方向を同一にそろ(揃)えなければなら
ない。統一の基準となる面は中央の面とする。
――――― [JIS Z 8907 pdf 43] ―――――
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図JA.6−直線操作の操作機器の操作方向
JA.2.6 表示の動きが回転運動,操作機器が回転操作の場合
表示の動きが回転運動,操作機器が回転操作の場合の,操作機器については,次による。
− 尺度が固定していて指針が移動する表示では,操作機器の時計回りの操作は,指針の時計回りの移動
を,反時計回りの操作は,指針の反時計回りの移動を引き起こすものでなければならない[図JA.7 a)]。
− 指針が固定していて,尺度が移動する表示では,操作機器の動きと表示の動きとの間の一般的な標準
は規定されていない(できれば,この種の表示の利用は避けることが望ましい。)。
− 表示が円形の尺度の一部の円周だけを表示する場合,回転操作の操作機器は,円弧の内側又は表示の
下側に置かなければならない[図JA.7 b)及びc)]。
a) b) c)
図JA.7−表示の動きが回転運動,操作機器が回転操作
JA.2.7 表示の動きが直線運動,操作機器が回転操作の場合
表示の動きが直線運動で,操作機器が回転操作の場合の,操作機器については次による。
− 回転操作の操作機器と直線運動の表示とが同じ設置区画上にある場合,操作機器の表示に近い部分が
動く方向は,表示の指針の動く方向と同方向でなければならない(図JA.8)。
− 操作機器の動きとそれに対する表示の反応の動きとの間の不調和を避けるために,回転操作の操作機
器は,表示の指針が水平方向に移動する場合には,表示の上側に,表示の指針が垂直方向に移動する
場合には,表示の左側に置いてはならない。
− 時計回りの操作機器の動きは,表示の指針を上方又は右方へ動かすものでなければならない(図JA.8)。
――――― [JIS Z 8907 pdf 44] ―――――
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図JA.8−表示の動きが直線運動,操作機器が回転操作
JA.2.8 表示の動きが回転運動,操作機器が直線操作の場合
表示が,操作機器の動きを直接に反映する場合には,次による。
− 表示の指針の移動範囲が180°以上の場合には,回転操作の操作機器を用いるのがよい。
− 表示の指針の移動範囲が180°以下の場合,又は操作機器の動きが指針の動きと並行していて,指針
と操作機器とが同じ方向に動く場合には,直線操作の操作機器を用いるのがよい[図JA.9 a)及びb)]。
a) b)
図JA.9−直線操作の操作機器
JA.3 複数の表示及び操作機器の順次配置
JA.3.1 順次配置の原則
グループ内の表示又は操作機器を原則に従って順番を付けて並べることは,次のことに役立つ。
− ある特定の順番で,操作機器を適切に操作する(操作順序に外れると安全に関わる場合には,特に重
要となる。)。
− ある順番で,表示を読む。
横方向に並んだ表示又は操作機器には,左から右へと,縦方向に並んだ表示又は操作機器には,上から
下へと,それぞれ順番を付けることが望ましい。縦と横との両方向に配列した表示又は操作機器には,先
ず横方向(列)に順番を付け,次に縦方向(行)に順番を付けることが望ましい(図JA.10)。
――――― [JIS Z 8907 pdf 45] ―――――
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JIS Z 8907:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 1503:2008(MOD)
JIS Z 8907:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.080 : 図記号 > 01.080.01 : 図記号一般
JIS Z 8907:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8501:2007
- 人間工学―作業システム設計の原則
- JISZ8520:2008
- 人間工学―人とシステムとのインタラクション―対話の原則
- JISZ8530:2019
- 人間工学―インタラクティブシステムの人間中心設計
- JISZ8530:2021
- 人間工学―人とシステムとのインタラクション―インタラクティブシステムの人間中心設計