この規格ページの目次
34
Z 8907 : 2012
表D.1−設計チェックリスト(続き)
要求事項又は推奨事項 適用可能か 適合か 注釈
4.5.4.9 抽象的な量の表記方向[4.5.2 c)の場合のイン
タフェース]
この規格は,本来空間的方向性及び運動方向を扱
うが,この細分箇条では,操作の方向との関連にお
いて,論理的又は抽象的な量の表示の方向について
の推奨事項を規定する。
a) 加法的な量
加法的な量の,その量の大小に応じた配置の
仕方は次による。
1) 水平方向に並べるときは,量の少ないものか
ら左から右へと並べることが望ましい。
2) 垂直方向に並べるときは,量の少ないものか
ら下から上へと並べることが望ましい。
3) 回転方向に並べるときは,量の少ないものか
ら時計回りに並べることが望ましい。
b) 順次的な量
順次的な量の,その順位に応じた配置の仕方
は次による。
1) 水平方向に並べるときは,順位の高いものか
ら左から右へと並べることが望ましい。
2) 垂直方向に並べるときは,順位の高いものか
ら上から下へと並べることが望ましい。
3) 回転方向に並べるときは,順位の高いものか
ら時計回りに並べることが望ましい。
c) 値の動的な表示
情報を動的(固定した値ではなく)に表示す
る場合,加法的な量の場合には,値を増加させ
るためには操作機器は,“上”(例えば,上向き
矢印)を示し,減少させるためには,“下”(例
えば,下向き矢印)を示すことが,順次的な量
の場合には,順位を上げるためには操作機器は,
“上”を示し,順位を下げるためには,“下”を
示すことが望ましい。
d) 階層構造(木構造)
樹形に表現する階層構造は,最上位の階層を,
木の頂点に置くことが,及びより下位の階層を
上位の階層の下に置くことが望ましい。
同じ階層中の各要素間に,順序関係が成り立
つ場合には,それら要素の配置の仕方は,順次
的な量の水平方向の配置の仕方についての推奨
事項b)に沿うことが望ましい。
――――― [JIS Z 8907 pdf 36] ―――――
35
Z 8907 : 2012
表D.1−設計チェックリスト(続き)
要求事項又は推奨事項 適用可能か 適合か 注釈
e) 時間
時間を表示する(仮想オブジェクト空間内で)
ときには,生起の早遅という優先順位をもつ順
次的な量として,この細分箇条の推奨事項b)に
記載した原則に従って,時間を表示するのがよ
い。時系列の図及び工程図(process chart)では,
時間を水平軸に沿って取り,前に生じた事象を
後に生じた事象の左方に配置するのが,一般に
望ましい。
4.5.4.10 操作の方向と表示対象の運動方向との関係
表示対象の運動方向及び関連する操作の方向の間
の関係は,表2に示すものが望ましい。
4.6 複合操作系の設計推奨事項
両手及び/又は両足を使って行う複合操作系及び
対象物の運動方向に関する要求事項及び推奨事項
は,次による。
a) 操作要素及び対象の動きとの関係
1) 個々の多方向操作機器の操作方向は,対象物
の運動方向に対して対応していることが望ま
しい。
2) 対象物の総合的な運動方向が,複合操作系を
操作するときのユーザオペレータのメンタル
モデルに対して整合することが望ましい。
3) 作業遂行の過程全体にわたって関係の一貫性
を維持しなければならない。
b) 姿勢及び筋負担
1) ユーザオペレータの基本作業姿勢は,複合操
作系によって不自然に変化しないことが望ま
しい。
2) 筋肉を効率的に使用すること,及び特定の上
下肢筋を集中して使用せずに,全体的筋負担
を妥当な範囲に収めることが望ましい。
c) 技能及び経験の効果
1) 他の類似した操作方式の機器においても,獲
得した技能及び経験がい(活)かせるような
適切な配慮をすることが望ましい。
2) 方向の設計には,他の関連機器の操作方式を
考慮しながら進めることが望ましい。
――――― [JIS Z 8907 pdf 37] ―――――
36
Z 8907 : 2012
附属書JA
(規定)
表示及び操作機器の配置
この附属書は,対応国際規格が引用しているISO 9355-4の案であったISO/DIS 9355-4の一部を元に作
成した。
なお,対応国際規格では,ISO 9355-4を引用して規定しているが,ISO 9355-4はDIS段階で廃止され,
現時点では未発行である。そのため,この規格では,廃案となったISO/DIS 9355-4の一部を元に作成した
附属書として規定する。
JA.1 表示及び操作機器の位置選定
JA.1.1 視野及び操作域
視野及び操作域は,作業の優先順位に対する適切さのそれぞれ異なる3種の領域に分類される。分類は
次の3種である,表示領域A(操作領域A') : 推奨,表示領域B(操作領域B') : 許容,表示領域C(操作
領域C') : 不適。
注記 図JA.1は,座位又は立位での活動の場合に当てはまる。
操作の頻度,重要さ,求められる正確さと順序,並びに作業者の姿勢及び身体寸法を考慮して,表示及
び操作機器を置く適切な領域を決めることが望ましい。その後に,作業の優先順位,情報の流れ及び空間
の制約を考慮しながら,表示及び操作機器を設置する面を,決めた領域内に配置することが望ましい。
領域A(A')は,次に適している。
− 人員及び装置の安全性の点から最重要な読取り又は操作。
− 迅速かつ正確な読取り又は操作。
− システムの操業に重要な指示器(表示)又は操作機器。
− 頻繁な及び長時間の観測又は操作。
領域B(B')は,時折り観察又は操作すればよい,それほど重要ではない表示又は操作機器に適してい
る。
領域C(C')は,校正又は調節のような優先順位の又は重要度の低い,まれにしか使用しない表示又は
操作機器に適している。
――――― [JIS Z 8907 pdf 38] ―――――
37
Z 8907 : 2012
図JA.1−表示領域A,B,C及び操作領域A',B',C'の位置
図JA.2−視野(水平)の位置
JA.1.2 視野及び操作域内の領域決定
JA.1.2.1 視野内の領域(座位の場合)
図JA.1は,表示領域A,B,及びCを示している。図中の角度を用いて表示の位置を算出する場合には,
作業者の目の高さを考慮することが望ましい。ビデオ画面などの表示を快適に見るためのオペレータの目
と画面との間の典型的な距離は,400700 mmである。
視直線の中心は,視点を通る水平線から15°下とする。
視野の極端な周辺では,色の判別を求めないように配慮することが重要である。図JA.1及び図JA.2に,
色弁別の限界を示す。
注記 姿勢を変えると視野(又は操作域)も移動するので,着座での前かがみ,直立及び後にもたれ
る姿勢の区別をすることが必要である。
JA.1.2.2 操作域内の領域(座位の場合)
視野の領域A,B及びCは,図JA.1にA',B'及びC'として示す操作域内の領域と一部重なっている。
多用する又は重要な操作機器の場合には,操作域はオペレータから手の届きやすいこと,すなわち,体の
――――― [JIS Z 8907 pdf 39] ―――――
38
Z 8907 : 2012
前面から450 mm以上離れていないことが望ましい,
操作機器全てを,操作領域A'内に収めきれない場合でも,可能な限りそれに近づけなくてはならない。
操作機器の操作に求められる肩,肘及び手首の角度を考慮することは重要である。
JA.1.2.3 視野及び操作域内の領域(立位の場合)
立位のオペレータは,一般に,どの方向にも自由に向くことができるし,場所を移ることができるので,
立位の場合には,視野及び操作域内の領域を,座位の場合ほど厳密に定義する必要はない。
立位の場合の視野及び操作域内の領域の決め方は,次による。
− 視野及び操作域内の領域を指定する基礎として,50パーセンタイル値を用いる。
− 視野内の推奨領域の高さは,水平基準面(床面)から1 3701 680 mmの間である。
− オペレータが自由に位置を変えることができるので,ほとんどの場合,水平方向の寸法は考慮する必
要はない。一群の操作機器を同時に素早く操作する必要がある場合,それらの操作機器は水平方向に,
760 mm以上離れていないことが望ましい。
− 操作域内の推奨領域の高さは,水平基準面から1 0401 370 mmの間である。
− 水平基準面からの高さが,1 830 mmを超える領域は,適切ではない(領域C')。
− 水平基準面からの高さが,920 mm未満の領域は,適切ではない(領域C')。
JA.1.2.4 視野及び操作域内の領域(立位姿勢と座位姿勢との両方を用いる場合)
座位姿勢と立位姿勢との両方で,同じ目の高さが得られるように,座面高を調節できるいすを用いる,
高さが変えられる足台を用いるなどの配慮が特に必要である。表示を配置する面の傾きの推奨値は,60°
70°である。
JA.1.3 優先順位及び制約に応じた操作卓及び設置面への表示及び操作機器の位置選定
JA.1.3.1 表示及び操作機器の設置面への搭載に関する指針
JA.1.3.1.1 表示及び操作機器の優先順位に応じた位置選定
表示及び操作機器を,その優先順位に応じて操作卓及び設置面へ置くときは,次による。
− 最重要の表示及び操作機器は,表示領域A又は操作領域A'に置く。
− 二次的な表示及び操作機器は,必要となった場合に扱いやすい表示領域B又は操作領域B'に置く。
− 重要度の低い(例えば,調整若しくは校正に用いられる,又は一連の操作系列から外れて用いられる。)
表示及び操作機器は,表示領域C又は操作領域C'に置く。
JA.1.3.1.2 二人のオペレータの同時使用
二人のオペレータが何らかの表示及び操作機器を同時に用いる場合には,次による。
− 表示及び操作機器が両方のオペレータにとって主要なものである場合,表示及び操作機器をそれぞれ
のオペレータに別々に用意することが望ましい,又は表示を両者のいずれからもはっきりと見える位
置に置くことが望ましい。
− 両方のオペレータで食い違いが生じないように,いずれのオペレータの操作が優先するのかの順位を
付けることが望ましい。
− 二次的な表示及び操作機器は,それを多用するオペレータの近くに置くことが望ましい。
JA.1.3.2 表示の位置選定指針
表示の位置選定では,行う作業の優先順位を考慮することが望ましい。
そのほかに考慮する必要のある事項は,次による。
− 表示はその重要さに応じて適切な領域に置く,例えば,重要かつ頻繁に読む表示を,領域A(最適視
野)に置く。
――――― [JIS Z 8907 pdf 40] ―――――
次のページ PDF 41
JIS Z 8907:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 1503:2008(MOD)
JIS Z 8907:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.080 : 図記号 > 01.080.01 : 図記号一般
JIS Z 8907:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8501:2007
- 人間工学―作業システム設計の原則
- JISZ8520:2008
- 人間工学―人とシステムとのインタラクション―対話の原則
- JISZ8530:2019
- 人間工学―インタラクティブシステムの人間中心設計
- JISZ8530:2021
- 人間工学―人とシステムとのインタラクション―インタラクティブシステムの人間中心設計