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a) 受音室の容積は,50 m3以上とする。
b) 受音室の寸法比は,低周波数帯域における固有周波数ができるだけ一様に分布するように設定する。
c) 音圧レベルの空間的変動が大きい場合は,卓越した強い定在波が存在することを示している。このよ
うな場合には,拡散板などを設置することが望ましい。
d) 通常の試験条件として,極端に長い又は短い残響時間とすべきでない。低周波数域における残響時間
が2秒以上又は1秒以下となっている場合には,低周波数域における残響時間 (T) が式(3)を満たすよ
うに室内等価吸音面積を調整する。
1 T (2V / 503/2)
(pdf 一覧ページ番号 )
ここに, V : 受音室の容積 (m3)
5.4 コンクリート製標準床
コンクリート製標準床は,次による。
a) 試料を施工するコンクリート製標準床は,平面形状が長方形で,厚さ120210 mmの鉄筋コンクリー
ト平板とする。ただし,附属書JCで規定する試験装置は,附属書JCによる。
b) 受音室側から見たコンクリート製標準床の表面積は,1020 m2程度とし,両辺とも,長さは2.3 m以
上とする。
注記 長辺・短辺方向の固有振動数は,できるだけ離れるようにする。
c) コンクリート製標準床は,1回のコンクリート打設で密実に作製する。打設するコンクリートは,設
計基準強度1836 N/mm2の普通コンクリートとする。
d) コンクリート製標準床は,たわみ,ねじれ,ひび割れなどが生じにくいような平板とし,場所による
厚さの変化が小さいものとする。
e) コンクリート製標準床の上部表面は平たん(200 mmの水平距離に対して±1 mm以内)で,標準軽量
衝撃源による衝撃が加わっても破損が生じないように,必要に応じて表面を強化する。
6 試験試料
6.1 一般
試料となる床仕上げ構造をカテゴリーIからカテゴリーIIIに分類する。これによって,標準軽量衝撃源
より若干大きい試料での試験が可能か,又はコンクリート製標準床全面に施工して試験を行う必要がある
かを決定する。
6.2 試料の分類
試料の分類は,次による。
a) カテゴリーI (small specimens) 平面的に異方性がなく,均質な材料で,標準軽量衝撃源による衝撃
時の変形が衝撃点及びそのごく周辺だけであり,附属書JAに示すように,標準軽量衝撃源より若干
大きい程度の小寸法試料で試験が十分可能な試料。
例 マット,カーペット(部分敷き),コルク,プラスチック,ゴムなど
b) カテゴリーII (large specimens) 比較的曲げ剛性の高い材料をもつ複層の床仕上げ構造であり,標準
軽量衝撃源の衝撃に対して,仕上げ材の変形の平面的広がりが無視できない試料。
例 浮き床構造,根太床構造,乾式二重床構造,発泡プラスチック系床構造,直張り木質フローリ
ング,畳など
c) カテゴリーIII (stretched materials) 床面全面を覆い張力を用いて仕上げるような柔軟な床仕上げ構造
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の試料。
例 張力を用いて施工するじゅうたんなど
なお,カテゴリーが不明な試料は,カテゴリーIIとして扱うこととする。
6.3 試験試料の施工
試験試料の施工は,次による。
a) 試料は,その標準的施工仕様に準じて,コンクリート製標準床全面に施工する。カテゴリーIIに属す
る試料の試験を行う場合は,附属書JCによる試験を行うこととし,附属書JCの規定に従って試料を
施工する。ただし,カテゴリーIに属する試料又はカテゴリーI以外の試料でも全面に施工した場合
と同等な試験結果が得られると判断できる試料を附属書JAの規定に従って試験を行う場合は,附属
書JAに示される寸法の小試料を用いてもよい。
b) コンクリート製標準床の上面に接着剤を用いて施工する試料の場合には,実際の現場における施工方
法に準拠した施工を行う。接着剤の使用量,使用方法,養生期間などについては報告書に明記する。
ただし,コンクリート上面を保護するために,JIS Z 1528に規定する3種で,厚さ0.2 mm未満の両面
粘着テープを接着剤の下部に併用してもよい。
c) 接着剤を用いて施工する試料のうちJIS Z 1528に規定する3種で,厚さ0.2 mm未満の両面粘着テー
プを用いて施工しても,試験結果が同様となることが明らかであると認められるものについては,接
着剤を用いずに,上記の両面粘着テープを用いて施工してもよい。
d) 湿式浮き床構造は,浮き床層の通常の養生期間が経過するまでは試験を行ってはならない。
7 試験方法
7.1 試験条件
試験条件は,次による。
a) 標準軽量衝撃源による床衝撃音レベルの測定は,コンクリート製標準床の素面状態と試料施工状態と
の2条件について行う。
b) 素面状態,試料施工状態とも,積載荷重がない状態で行う。ただし,カテゴリーIIの試料については,
試料施工状態において,試料上に1 m2当たり2025 kgの質量を付加して測定することが望ましい。
この場合,付加質量材は1 m2当たり一つ以上設置するようにする。
7.2 音源室空間の温度及び湿度の測定
温度及び湿度によって音響性能が変化するような材料をもつ試料を測定する場合には,音響測定に先立
ち,試料中央の表面の温度,音源室空間の空気温度及び湿度を測定する。
なお,試料中央の表面温度は,1825 ℃であることが望ましい。
7.3 標準軽量衝撃源の設置位置の設定
標準軽量衝撃源の設置位置の設定は,次による。
a) 素面状態,試料施工状態とも,4点以上1) で,かつ,平均的な床衝撃音レベルを求めることができる
だけの点数を,標準軽量衝撃源の設置位置として設定する。ただし,カテゴリーIIの試料の場合は,
附属書JCによる。
注1) 5点以上とすることが望ましい。
b) カテゴリーIの試料を附属書JAに従って測定する場合を除き,素面状態の測定における標準軽量衝
撃源の設置位置の点数は,試料施工状態と同数とする。また,設置位置も試料施工状態のときと,同
位置とすることが望ましい。
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c) 標準軽量衝撃源の各ハンマは,試料の端部から10 cm以上,かつ,コンクリート製標準床の端部から
50 cm以上離すようにする。
注記 標準軽量衝撃源のハンマを結ぶ線は,図1に示すようにコンクリート製標準床の周囲の辺に
対して約45° の方向とすることが望ましい。
図1−標準軽量衝撃源の設置位置(参考)
7.4 床衝撃音の発生
素面状態及び試料施工状態で,定めた設置位置に標準軽量衝撃源を順次設置し,受音室に床衝撃音を発
生させる。
なお,試料施工状態において時間依存性のある試料については,床衝撃音レベルが安定してから,受音
室の音圧レベルの測定を開始する。
7.5 受音室の平均音圧レベルの測定
7.5.1に示す固定マイクロホン法又は7.5.2に示す移動マイクロホン法によって,受音室内の平均音圧レ
ベルを測定する。
なお,測定点は素面状態,試料施工状態とも同じ位置となるようにする。
7.5.1 固定マイクロホン法
a) マイクロホンの設置方法
受音室内において,コンクリート製標準床から下方に1.0 m以上離れ,かつ,受音室内の各面や拡散体
から70 cm以上離れた空間内に,互いに70 cm以上離れた4点以上の音圧レベルの測定点を,空間的に均
等に分布させるように設定する。
b) 平均化時間
各マイクロホン位置における音圧レベルの平均化時間は,7.6に示す測定周波数帯域において,中心
周波数が400 Hz以下の周波数帯域では6秒以上,500 Hz以上の周波数帯域では4秒以上とし,その
間の等価音圧レベルを測定する。
注記 等価音圧レベルとは,各周波数帯域ごとの音圧レベルの平均化時間にわたるエネルギー平均
レベルで,サウンドレベルメータの積分平均機能を利用することによって自動的に測定する
ことができる。
7.5.2 移動マイクロホン法
a) マイクロホンの設置方法
受音室内で,1 m以上の回転半径をもつマイクロホン移動装置を用いて測定を行う。その場合,室
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表面,拡散体などから70 cm以上離れた空間内でマイクロホンを等速度で連続的に回転させる。また,
その回転面は,床面,天井面及び各壁面に対して10° 以上の角度となるようにする。回転周期は15
秒以上とする。
b) 平均化時間
マイクロホン移動装置の回転周期以上,かつ,30秒以上とし,回転周期の整数倍とする。この方法
による場合,必ず積分平均機能を備えたサウンドレベルメータを用いて平均化時間における等価音圧
レベルを測定する。
7.6 測定周波数範囲
a) 測定は,通常,オクターブバンド又は1/3オクターブバンドの次の中心周波数について行う。
1) オクターブバンドの場合 : 125 Hz,250 Hz,500 Hz,1 000 Hz及び2 000 Hz
2) 1/3オクターブバンドの場合 : 100 Hz,125 Hz,160 Hz,200 Hz,250 Hz,315 Hz,400 Hz,500 Hz,
630 Hz,800 Hz,1 000 Hz,1 250 Hz,1 600 Hz,2 000 Hz,2 500 Hz
及び3 150 Hz
b) 低周波数領域の床衝撃音レベル低減量が必要な場合には,次に示す中心周波数を追加して測定しても
よい。
なお,これらの周波数範囲について測定を行う場合の注意事項を附属書JDに示す。
1) オクターブバンドの場合 : 63 Hz
2) 1/3オクターブバンドの場合 : 50 Hz,63 Hz及び80 Hz
c) 高周波数領域の床衝撃音レベル低減量が必要な場合には,次の中心周波数を追加して測定してもよい。
1) オクターブバンドの場合 : 4 000 Hz
2) 1/3オクターブバンドの場合 : 4 000 Hz及び5 000 Hz
注記 対応国際規格では,1/3オクターブバンドについて,中心周波数4 000 Hz及び5 000 Hzの
測定も規定しているが,実際に測定を実施するに当たり,これらの周波数バンドの試料施
工状態の測定はS/N比が確保できない場合が多いことを勘案して,特にこれらの周波数バ
ンドのデータが必要な場合に測定を行えばよいこととした。
7.7 残響時間の測定及び等価吸音面積の算出
7.7.1 残響時間の測定
a) 受音室内の1点に音源スピーカを設置し,室内に均等な分布となるように3点以上の測定点を設ける。
すべての測定点は,音源スピーカ,壁などの室の境界面から1 m以上離す。
b) IS A 1409に規定するノイズ断続法(interrupted noise method),又はインパルス応答積分法(integrated
impulse response method)によって,オクターブバンドごと又は1/3オクターブバンドごとに残響減衰曲
線を求める。測定周波数帯域ごとの測定回数は,ノイズ断続法による場合には各測定点において3回
以上とする。
c) 測定された残響減衰曲線の傾きから残響時間を読み取る。そのとき,残響減衰曲線の初期レベルに対
して−5 dBから少なくとも−25 dBまでの減衰に最小2乗法による直線回帰などの手法を適用して残
響時間を求める。
注記 7.5.2の要件を満足する場合,回転周期を30秒以上とした移動マイクロホンを用いてもよい。
ただし,その場合の測定はノイズ断続法によるものとし,回転周期と音の発生の周期とを考
慮して受音箇所が均等に分布するようにする。
7.7.2 等価吸音面積の算出
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受音室の等価吸音面積は,測定した残響時間の平均値を用いて,式(4)によって算出する。
.016V
A (4)
T
ここに, A : 等価吸音面積 (m2)
V : 受音室の容積 (m3)
T : 受音室の残響時間 (s)
7.8 暗騒音の影響の補正
受音室における測定結果に対して,室外からの騒音,受音システムにおける電気的ノイズなどが影響し
ていないことを確認するために,暗騒音のレベルを測定する。
暗騒音のレベルが,床衝撃音レベル(暗騒音が加わったレベル)に対して,少なくとも6 dB以上(15 dB
以上が望ましい)低くなるようにする。この差が15 dB未満で6 dB以上の場合には,暗騒音の影響を除去
した床衝撃音レベルを式(5)によって求める。また,その差が6 dBよりも小さい場合には,暗騒音の影響
を含む床衝撃音レベルの測定値に対する補正値は−1.3 dBとし,床衝撃音レベル低減量の値は参考値とし
て記録する。
L 10Lb /10
10 log10 10Lsb / 10 (5)
ここに, L : 補正された床衝撃音のレベル (dB)
Lsb : 暗騒音の影響を含む音圧レベルの測定値 (dB)
Lb : 暗騒音の音圧レベル (dB)
注記 受音システムの電気的ノイズの影響を調べるためには,マイクロホンをダミーマイクロホンに
置き換える方法を取る。
7.9 標準軽量衝撃源に対する床衝撃音レベル低減量の算出
7.9.1 標準軽量衝撃源による床衝撃音レベルの算出
a) 固定マイクロホン法による場合
コンクリート製標準床が素面状態及び試料施工状態の両方について,標準軽量衝撃源の設置位置ご
とに,すべての測定点において測定された音圧レベルのエネルギー平均値 (Lk) を式(6)によって測定
周波数帯域ごとに計算する。
m
1 L / 10
Lk 10 log10 10 j (6)
mj1
ここに, Lj : j番目の固定測定点における音圧レベルの測定値 (dB)
m : 固定測定点の数
式(6)で求められた標準軽量衝撃源の設置位置ごとの室内平均音圧レベルを算術平均し,各周波数帯
域における床衝撃音レベル (Li) とする。
b) 移動マイクロホン法による場合
マイクロホンを移動することによって測定された標準軽量衝撃源の設置位置ごとの室内平均音圧レ
ベルの算術平均値を計算し,各周波数帯域における床衝撃音レベル (Li) とする。
7.9.2 規準化床衝撃音レベルの算出
試験床が,素面状態及び試料施工状態の両方において,測定周波数帯域ごとに,7.7.2によって求められ
た受音室の等価吸音面積 (A) と,7.9.1によって求められた床衝撃音レベル (Li) とから,式(1)によって規
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JIS A 1440-1:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 140-8:1997(MOD)
JIS A 1440-1:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.120 : 建築物内外の保護 > 91.120.20 : 建築物における音響.音響絶縁
JIS A 1440-1:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1409:1998
- 残響室法吸音率の測定方法
- JISA1418-1:2000
- 建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法―第1部:標準軽量衝撃源による方法
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1514:2002
- オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器
- JISZ1528:2009
- 両面粘着テープ
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方