JIS A 6916:2021 建築用下地調整塗材 | ページ 2

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6 原料及び製造

6.1 原料

6.1.1 結合材
a) セメント セメントは,ポルトランドセメント,白色セメント(ホワイトセメント),高炉セメント,
フライアッシュセメント,アルミナセメント,及び超速硬セメントとする。また,セメントの補助材
料として,ドロマイトプラスター,消石灰,せっこうなどを用いてもよい。
b) セメント混和用ポリマーディスパージョン セメント混和用ポリマーディスパージョンは,アクリル
系,エチレン酢酸ビニル系,酢酸ビニル系,合成ゴム系など,又はこれらの混合系とする。
c) 合成樹脂エマルション 合成樹脂エマルションは,アクリル系,酢酸ビニル系などの合成樹脂エマル
ションとする。
d) 再乳化形粉末樹脂 再乳化形粉末樹脂は,合成樹脂エマルションを噴霧乾燥したもので,上水道水を
加えたとき再乳化するアクリル系,酢酸ビニル系などの合成樹脂とする。
e) その他の結合材 その他の結合材は,下地調整塗材に有害なものであってはならない。
注記 その他の結合材には,高炉スラグ微粉末,フライアッシュ,シリカフュームなどがある。
6.1.2 骨材
骨材は,耐久性があり,結合材と混合して使用した場合,硬化不良などの有害な影響を及ぼすものであ
ってはならない。
注記 骨材には,けい砂,寒水石,砂,パーライトなどの無機質骨材,スチレン,エチレン酢酸ビニル,
塩化ビニルなどの樹脂発泡体を粒状にした有機質骨材などがある。
6.1.3 無機質粉体
無機質粉体は,水溶物及びきょう雑物が少なく,結合材と混合して使用した場合,硬化不良などの品質
に有害な影響を及ぼすものであってはならない。
注記 無機質粉体には,炭酸カルシウム,クレー,タルク,マイカ,けい石粉などがある。
6.1.4 混和剤
混和剤を用いる場合は,下地調整塗材の品質に有害な影響を及ぼすものであってはならない。
注記 混和剤には,防水剤,増粘剤,分散剤,安定剤,消泡剤などがある。
6.1.5 繊維材料
繊維材料は,無機質又は有機質の材料で,結合材,骨材などと混合して使用した場合,硬化不良などの
有害な影響を及ぼすものであってはならない。

6.2 製造

  下地調整塗材は,製造工場において原料の調整及び調合を行い,金属製,合成樹脂製,紙製などの容器
に入れ,封かんして出荷する。主材と混和液などとを別々に包装する場合は,セットされた同一銘柄のも
のとし,容器詰めする単位は,製造業者が指定する使用時の混合割合に合致する量とする。

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7 試験

7.1 試験の種類

  試験の種類は,表3による。
表3−試験の種類
試験の種類 適用試験箇条
低温安定性試験 7.6
軟度変化試験 7.7
耐ひび割れ性試験 7.8
初期乾燥によるひび割れ抵抗性試験 7.9
耐衝撃性試験 7.10
曲げ強さ試験 7.11
圧縮強さ試験 7.12
付着強さ試験 7.13
吸水試験 7.14
透水試験 7.15
長さ変化試験 7.16
仕上材が複層仕上塗材の場合の耐久性試験 7.17
仕上材がセラミックタイルの場合の耐久性試験 7.18

7.2 試験室及び養生室の状態

  試験室の状態は,温度(20±5)℃,湿度(65±20)%とする。養生室は,一般養生室及び湿空養生室と
し,一般養生室の状態は,セメント系下地調整塗材においては温度(20±2)℃,湿度(65±10)%,合成
樹脂エマルション系下地調整塗材においては温度(23±2)℃,湿度(50±5)%とし,湿空養生室の状態
は,いずれの下地調整材においても,温度(20±2)℃,湿度80 %以上とする。

7.3 試験用基板

  試験用基板(以下,基板という。)は,次による。
a) 耐ひび割れ性試験用基板 基板は,JIS A 5371の附属書B(舗装·境界ブロック類)の規定に適合す
る300 mm×300 mm×60 mmの普通平板とし,表面の汚れ,付着物などをワイヤブラシ,布などで除
去し,7日間一般養生室に静置したものとする。
b) 初期乾燥によるひび割れ抵抗性試験用基板 基板は,JIS A 5430に規定する厚さ6 mmのフレキシブ
ル板又はその相当品を300 mm×150 mmに切断したものとする。
なお,使用するフレキシブル板に付着物がある場合は,取り除いておく。
c) 付着強さ試験用,吸水試験用及び耐久性試験用基板 基板は,JIS R 5201の11.5(供試体の作り方)
に規定する方法によって調製したモルタルを,内のり寸法70 mm×70 mm×20 mmの金属製型枠を用
いて成形し,湿空養生室で24時間養生した後,脱型し,その後(20±2)℃の水中で6日間養生し,
更に7日間以上一般養生室に静置した後,JIS R 6252に規定する研磨紙P180を用いて成形時の下面
を十分に研磨したものとする。

7.4 試料の調製

  下地調整塗材の試験に用いる試験体作製用の試料の調製は,次による。

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a) 製造業者が定める使用方法によって,必要量の試料を練り上げるのに必要な主材,混和液及び標準加
水量の上水道水をそれぞれ別の容器に入れて,一般養生室に24時間静置する。
b) 下地調整塗材C-1及び下地調整塗材C-2の試料は,a)の処置を行った後,金属製容器に混和液(セメ
ント混和用ポリマーディスパージョンなど)及び上水道水を入れ,製造業者の指定する電動かくはん
(攪拌)機を使用して練り混ぜながら30秒の間に主材を投入し,更に3分間練り混ぜたものとする。
c) 下地調整塗材Eの試料は,包装容器のまま試験室に24時間静置した後,製造業者の指定する電動か
くはん(攪拌)機を使用してその容器内で十分に練り混ぜて均質にした後,取り出したものとする。
d) 下地調整塗材CM-1及び下地調整塗材CM-2の試料は,a)の処置を行った後,b)の手順によって練り混
ぜたものとする。ただし,練混ぜはJIS R 5201の9.2.3(機械練り用練混ぜ機)に規定する練混ぜ用機
械器具を使用する。
注記 電動かくはん(攪拌)機には,ブレード径が5 cm15 cm,回転数が毎分500回転毎分2 000
回転(500 rpm2 000 rpm)の卓上かくはん(攪拌)機,ハンドミキサーなどがある。

7.5 試験体の数

  試験体の数は,3個とする。ただし,圧縮強さ試験(7.12)の試験体の数は,曲げ強さ試験後の両折片6
個とする。

7.6 低温安定性試験

7.6.1 試験体
試験体は,7.4によって調製した試料を容積1 L1.2 Lで直径100 mm120 mm程度の金属製の容器に,
一杯になるように入れて密閉したものとする。
7.6.2 試験の手順
試験の手順は,試験体を(−5±2)℃に保った恒温器に18時間入れた後,容器を取り出して一般養生室
に6時間静置する。この操作を3回繰り返した後,一般養生室に18時間静置後,容器の上面を開き,試験
体を静かにかき混ぜながら塊の有無,組成物の分離及び凝集の有無を目視によって調べる。
なお,恒温器の中では,試験体に風が直接当たらないようにする。

7.7 軟度変化試験

7.7.1 試験体
試験体は,7.4によって調製した試料とする。
なお,一度試験に供した試料は,再試験に用いてはならない。
7.7.2 試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 7.4によって調製した後,直ちに試験体をほぼ2等分して,一方の試験体によって初期フロー値測定を
行い,他の試験体は練混ぜに用いた金属製容器に入れたままの状態で一般養生室に可使時間静置した
後,フロー値測定を行う。
b) 初期フロー値測定は,JIS R 5201の12.2(フロー値の測定)に規定する方法によって行う。ただし,

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測定回数は1回とし,その結果を初期フロー値F0とする。
c) 可使時間静置後のフロー値は,一般養生室に可使時間静置した試験体を取り出し,7.4に規定する練混
ぜ用機械器具で30秒間練り直した後,b)に示す方法によってフロー値を測定して,可使時間静置後の
フロー値Ftとする。
d) 軟度変化率は,次の式(1)によって算出する。
F0 Ft
F 100 (1)
F0
ここで, F : 軟度変化率(%)
F0 : 初期フロー値(mm)
Ft : 可使時間静置後のフロー値(mm)
e) 軟度変化試験の結果は,a) d)の操作を3個の試験体についてそれぞれ行い,3個の軟度変化率の平均
値をJIS Z 8401の規則B(四捨五入)によって数値を整数に丸めて示す。

7.8 耐ひび割れ性試験

7.8.1 試験体
試験体は,7.3 a)に示す基板の表面に,7.4によって調製した試料を製造業者が定める使用方法によって
塗り付け,上面を平たんに仕上げたものとする。
なお,セメント系の下地調整塗材においては,吸水調整を目的として製造業者が製品の包装,容器,添
付する印刷物などに使用方法を定めている場合は,水湿し又は合成樹脂エマルションを塗り付けることが
できる。
7.8.2 試験の手順
試験の手順は,試験体を一般養生室に静置し,材齢7日経過後に表面のひび割れの有無を目視によって
調べる。

7.9 初期乾燥によるひび割れ抵抗性試験

7.9.1 試験体
試験体3個には,7.3 b)に示す基板の表面に,7.4によって調製した試料を製造業者が定める使用方法に
よって塗り付けるものとする。
7.9.2 試験の手順
試験の手順は,7.9.1で作製した試験体を,直ちに風速(3±0.3)m/s,温度(23±2)℃,湿度(50±5)%
に調整した風洞内に入れ,試験体の仕上面を上にして気流に平行になるように置き,6時間後に試験体を
取り出し,表面のひび割れの発生の有無を目視によって調べる。

7.10 耐衝撃性試験

7.10.1 試験体
試験体は,7.8の耐ひび割れ性試験が終了した試験体で材齢7日のものを用いる。ただし,下地調整塗材
Eの試験体は,7.9の初期乾燥によるひび割れ抵抗性試験が終了した材齢7日のものを用いる。

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7.10.2 試験の手順
試験の手順は,JIS A 1408の5.2(衝撃試験)に規定する表3試験体の支持方法が砂上全面支持を用い
て,水平に保持した試験体の表面に,表4に示す球形おもりを表4で規定された高さから落下させ,表面
のひび割れ及び基板とのがれの有無を目視によって調べる。
なお,この試験は,1個の試験体につき5 cm以上離れた3か所で行う。
表4−球形おもりの種類及び落下高さ
試験体の種類 おもりの種類a) おもりの落下高さ
(cm)
下地調整塗材C-1 W2-500 30
下地調整塗材E
下地調整塗材CM-1
下地調整塗材C-2 W2-1000 50
下地調整塗材CM-2
注a) IS A 1408:2017の表5による。

7.11 曲げ強さ試験

7.11.1 試験体
試験体は,7.4によって調製した試料をJIS R 5201の10.2(試験用機械器具)に規定する型枠(40 mm×
40 mm×160 mm)にJIS R 5201の11.5.3(成形)又はJIS A 1171の7.2.4(供試体の成形及び養生)の方法
によって詰め,所定の寸法に成形し,湿空養生室に材齢48時間静置し,脱型した後一般養生室に材齢28
日まで静置したものとする。
7.11.2 試験の手順
試験の手順は,JIS R 5201の11.6(測定)及び11.7(計算)に規定する方法によって行い,その平均値
をJIS Z 8401の規則B(四捨五入)によって小数点以下1桁の値に丸めて示す。

7.12 圧縮強さ試験

7.12.1 試験体
試験体は,7.11の曲げ強さ試験後の両折片を用いる。
7.12.2 試験の手順
試験の手順は,JIS R 5201の11.6(測定)及び11.7(計算)に規定する方法で行い,その平均値をJIS Z
8401の規則B(四捨五入)によって小数点以下1桁の値に丸めて示す。

7.13 付着強さ試験

7.13.1 試験体
試験体は,7.3 c)に規定する基板の研磨した面に,7.4によって調製した試料を製造業者が定める使用方
法によって塗り付け,上面を平たんに仕上げ,表5に示す養生を行ったものとする。
なお,セメント系の下地調整塗材においては,吸水調整を目的として製造業者が製品の包装,容器,添

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