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A 8920 : 2009 (ISO 3449 : 2005)
例 227 kg×9.807 m/s2×5.22 m≒11 600 J
b) レベルIIエネルギー要求曲線
図1−落下試験物体がエネルギー要求事項を満足するための高さ及び質量(続き)
5 台上試験
5.1 試験設備
5.1.1 試験重錘で,衝撃を与える面は試験時に自身の変形を防止する性状のものとし,次による。
− レベルI試験に対して,図2 a) に示す中実の鋼製又は鋳鉄製の円筒で,典型的には質量45 kgで直径
200 mm250 mmの球状の接触面をもつもの。
− レベルII試験に対して,図2 b) に示す中実の鋼製又は鋳鉄製の円筒で,典型的には質量227 kgのも
の。
――――― [JIS A 8920 pdf 6] ―――――
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A 8920 : 2009 (ISO 3449 : 2005)
単位 mm 単位 mm
a) レベルI : 質量45 kg b) レベルII : 質量227 kg
記号
d1 204 mm l1≒102 mm
d2 255 mm260 mm l2≒109 mm
d3 203 mm204 mm l3≒584 mm
注記1 実寸は例として示す。
注記2 箇条4のa) 及びb) に示すエネルギーを与える持ち上げ高さに見合う試験重錘の質量によって,規定の寸法
は変更してもよい。試験重錘の寸法は,質量及び要求するエネルギーを与える持ち上げ高さ(図1によって
決定)に関係する。
注a) つり上げアイボルト用ねじ穴をあけてもよい。
図2−試験重錘の例
5.1.2 次の手段を与える試験設備とする。
a) 試験重錘を所要高さまで持ち上げる。
b) 重錘を拘束なしに落下させる。
c) 試験で,FOPSがたわみ限界領域(以下,DLVという。)内へ侵入するかを判定する。
c) の判定手段は,5.1.3又は5.1.4のどちらでもよい。
5.1.3 直立に置き,FOPSのいかなる部分でもDLVへ侵入したことが分かる材質で作ったDLVとする。
FOPSカバーの下面にグリス又は他の適切な物質を塗布して侵入が分かるようにしてもよい。
DLV及びその位置は,JIS A 8910の附属書1(土工機械−保護構造の室内評価試験−たわみ限界領域の
仕様)による。DLVは,機械の運転席と同じ位置にしっかり取り付け,試験期間中動いてはならない。
5.1.4 DLVに対するFOPSの想定されるたわみを測定するための,動的な測定の正確さ±5 %の適切な動
的計測システムとする。
5.2 試験条件
――――― [JIS A 8920 pdf 7] ―――――
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A 8920 : 2009 (ISO 3449 : 2005)
5.2.1 試験台
評価するFOPSは,実際に機械に使用する場合と同じ状態で機械フレームに取り付けなければならない。
必ずしも実機全体を使用する必要はないが,FOPSをとう(搭)載する箇所は,実機と同等とし,試験
台の垂直方向の剛性は,5.2.2に規定する実機よりも小であってはならない。
5.2.2 FOPSの機械への装着
FOPSを機械に装着する場合には,次による。
− 製造業者の規定する作業装置は,取り付けられていてもよい。
− すべての土工装置は,正規の走行姿勢に置く。
− 空気タイヤを含むすべての懸架装置は,運転時の状態とし,可変懸架装置は,最も硬い状態とする。
− 窓,通常取外しのできるパネル,又は構造物以外の取付け部品のような,すべての運転室の部品は,
それらがFOPSの強度に寄与しないようにするため取り外す。
5.3 試験手順
5.3.1 FOPS
試験の手順は次によって,記述の順序で行う。
a) 試験重錘を,レベルIIではその小端部を下向きにして,FOPSの衝撃試験位置の上方に置く。衝撃試
験位置は,DLV頂部平面の垂直投影を含むか又は一部にかかるようにしなければならず,それについ
て次の3種の場合及び図3に規定する。FOPSの主要構造部材は,FOPSの変形に重大な影響があるの
で,次の各ケースで,考慮に入れる必要がある。
1) OPSの上部主要水平部材が,FOPSの上面部におけるDLVの投影範囲内に入らないとき,落下試
験重錘の衝撃位置を,DLV頂部平面に対して最大の変形を生じ,FOPSの図心にできる限り近くな
るようにする[図3 a) 参照]。
2) OPSの上部主要水平部材が,DLVの垂直投影内にあり,DLVの上方表面全部を覆う材料及び厚さ
が均一のとき,落下試験重錘の衝撃位置を,DLV頂部平面若しくはその一部に向かって又は接線方
向に対して(構造による)最大の変形を生じ,FOPSの図心にできる限り近く,上部主要水平部材
から離れた範囲とする[図3 b) 参照]。
3) LV上方に異なった種類の材料,又は厚さの均一でない材料を使用している場合は,それぞれの面
を衝撃試験の対象としなければならない。落下試験重錘の衝撃位置を,DLV頂部平面若しくはその
一部に向かって又は接線方向に対して(構造による)最大の変形を生じ,FOPSの図心にできる限
り近く,上部主要水平部材から離れた範囲とする。
なお,FOPSの上部覆いに切欠きがあって,これを適切に保護する装置で埋めるようになってい
るときは,その装置は,試験中は切欠きを埋める位置とする[図3 c) 参照]。
b) 試験重錘を,a) に示す位置で,箇条4のa) 又はb) で規定している試験対象のFOPSの形式に応じた
エネルギーに相当する高さまで鉛直上方に引き上げる。
c) 試験重錘を拘束されることなくFOPSの上に落下するように解放する。
試験重錘を自由落下させてa) による正確な位置・姿勢で打撃するのは難しいので,次の偏差の限
界を設ける。
− レベルIIのFOPSについては,試験重錘小端部の最初の打撃は,半径200 mmの円内に入らなけれ
ばならない。この円の中心は,a) に規定した試験重錘の垂直中心円と一致する。
− レベルIのFOPSについては,試験球の打撃は,半径100 mmの円内に入らなければならない。こ
の円の中心は,a) に規定した試験重錘の垂直中心円と一致する。
――――― [JIS A 8920 pdf 8] ―――――
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A 8920 : 2009 (ISO 3449 : 2005)
− レベルIIのFOPSについては,試験重錘とFOPSとの最初の接触は,小端部・それに隣接する曲線
部だけでなければならない(図2参照)。
はね返りによるその後の打撃の位置又は姿勢については,何ら制限はない。
5.3.2 一体形FOPS/ROPS
一体形FOPS/ROPSで,同一の構造物をFOPS及びROPSの両方の評価に使用する場合,5.3.1によるFOPS
試験をROPS試験(JIS A 8910参照)に先だって実施しなければならない。この場合,くぼみの修正又は
FOPSの上部覆いの交換を行ってもよい。
注記 主要構造部材で囲われるFOPSの図心が,範囲ABCD内にある場合。
a) ケース1
注記 FOPSの面積ABCは面積DEFGよりも小さく,DLVの垂直投影面積がABCで決まる部分より
も大きい場合。
b) ケース2
図3−試験の衝撃位置
――――― [JIS A 8920 pdf 9] ―――――
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A 8920 : 2009 (ISO 3449 : 2005)
注記 衝撃位置の一つはFOPSの面積ABCD内,もう一つは面積EFGH内にある場合。
c) ケース3
記号
X FOPSの図心
L 衝撃位置
図3−試験の衝撃位置(続き)
6 性能要求事項
6.1 FOPS
FOPSの保護能力は,キャブ又は保護構造が箇条5に規定する試験の衝撃に耐えるか否かで判断する。
FOPSはDLVの垂直投影を完全に覆っていなければならない。試験重錘による最初の打撃又ははね返りの
打撃で保護構造のいかなる部分もDLVに侵入してはならない。試験重錘がFOPSに侵入した場合には,
FOPSは試験に不合格とみなす。
6.2 一体形FOPS/ROPS
ROPS及びFOPSを兼用している構造物の場合,FOPSはJIS A 8910に規定しているROPSの性能要求事
項も適宜同時に満たさなければならない。
一体形FOPS/ROPSのFOPSは,6.1によらなければならない。
6.3 材料基準
6.3.1 材料要求事項
衝撃要求事項に加えて,FOPSがぜい(脆)性破壊に対して十分な抵抗をもつことを保証するために,
材料要求事項を設ける。この要求事項は,必ずしも使用状況に対応したものではない。材料要求事項は,
FOPSのすべての構造部材が6.3.2及び6.3.3に規定する機械的要求事項に合致する材料で構成されている
場合は,通常の試験設備の温度で,試験重錘の打撃を与えることによって確認できる。代替法として,す
べての構造部材を−18 ℃又はそれ以下として,試験重錘の打撃を与えることによって確認できる。厚さが
2.5 mm 以下で,最大炭素含有量が0.20 %の鋼材は,シャルピー要求事項を満足するものとみなす。
6.3.2 ボルト及びナット
構造に使用するボルトは,JIS B 1051に規定する強度区分8.8,9.8若しくは10.9又はこれらと同等以上
の性能をもつものとし,構造に使用するナットは,JIS B 1052に規定する強度区分8若しくは10又はこれ
らと同等以上の性能をもつものとする。
――――― [JIS A 8920 pdf 10] ―――――
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JIS A 8920:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3449:2005(IDT)
JIS A 8920:2009の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 8920:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA8308:2003
- 土工機械―基本機種―用語
- JISA8910:2012
- 土工機械―転倒時保護構造―台上試験及び性能要求事項
- JISB1051:2014
- 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質―強度区分を規定したボルト,小ねじ及び植込みボルト―並目ねじ及び細目ねじ
- JISB1052:1998
- 鋼製ナットの機械的性質
- JISZ2242:2018
- 金属材料のシャルピー衝撃試験方法