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A 8922 : 2001 (ISO 10262 : 1998)
図2 落下試験物体がエネルギー要求事項を満足するための高さと質量
5.2 フロントガードの試験設備
5.2.1 図1に示すデーパ形状の先端をもつ鋼製標準ベンチ貫通試験物体。直径260mm以上の範囲が試験
時にフロントガードに接触しないよう,物体は十分な長さとする。
――――― [JIS A 8922 pdf 6] ―――――
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A 8922 : 2001 (ISO 10262 : 1998)
5.2.2 次の装置を用意する。
− フロントガードに物体を押し付ける手段。
− フロントガードに物体を押し付ける力を測定する手段。
− 押し付け試験時に試験物体又はフロントガードが (DLV) に侵入したかを確認する手段。
正しく置かれ,運転員保護ガードのいかなる部分もDLVへ侵入したことが分かる材質で作ったDLVと
するのがよい。侵入を示すためDLVの前面又は運転員保護ガードの内面にグリス又は代材を塗布する。
DLVは機械に運転席を固定するのと同じ場所に,SIP(5)(JIS A 8318及びJIS A 8910追補1附属書参照)
で位置決めしてしっかりと固定する。
注(5) IP : 座席基準点
− 物体をフロントガードに押し付ける力と同時に,たわみ量を測定する手段
5.3 動的試験
5.3.1 フロントガードは,ガードに等価のエネルギーを与える装置(図1参照)を用いて動的試験を行っ
てもよい。
5.3.2 運転席の土台は,動的試験の際に,運転席が不自然なエネルギー吸収をしないよう,土台剛性を相
対的に実機と同様とする。さらに,運転席下部の試験床は,負荷時に装置などがめり込まないような堅固
なものとする。
参考 この規格でいう運転席は,油圧ショベルの操作に必要な機器を配置し,運転員が座る位置を含
む空間又は囲い(キャブ)を指し,運転座席ではない。
6. 試験条件
6.1 測定精度 ガードのたわみの測定精度は,測定された最大たわみの±5%とする。
6.2 機械又は試験台の条件
6.2.1 評価される運転員保護ガードは,実際に機械が使用される場合と同じ状態で機械に取り付ける。必
ずしも完成機を使用する必要はないが,運転員保護ガードを装着する箇所は,完成機の構造物と同等とす
る。
6.2.2 運転員保護ガードを機械に取り付ける場合は,次を適用する。
a) ガードの試験に干渉しない位置であれば,試験の際に,通常のアタッチメントを機械に装着してもよ
い。
b) すべてのアタッチメントは,正規の走行姿勢におく。
c) 空気タイヤを含むすべての懸架装置は,運転時の状態とし,固さを可変しうる懸架装置は,一番固い
状態とする。
6.2.3 窓,通常取り外しのできるパネル,又は構造物でない取付品のような,すべての運転室の部品は,
運転員保護ガードの強度に寄与しないようにするため取り外す。
6.2.4 試験するガードは,製造業者の仕様を代表する製品とする。
――――― [JIS A 8922 pdf 7] ―――――
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A 8922 : 2001 (ISO 10262 : 1998)
7. 試験手順
7.1 通則 この手順は,トップガード及びフロントガードの最弱部範囲を,飛来物の貫通に関して評価
するための手順である。DLVの垂直及び水平の投影内において,窓や装置のための切欠き,カバー材質及
び板厚などの設計条件によって貫通抵抗の低い範囲がある場合は,落下又は静的試験の位置はそれに合わ
せて調節する。加うるに,もしトップガードやフロントガードの切欠きを,適切な保護を与える装置で埋
めることが意図されている場合,その装置又は同等品を取り付けて落下又は静的試験を行う。
7.2 トップガード試験
7.2.1 適切な落下試験物体(図1)を(その小端部を下にして)トップガードの上に7.2.2,7.2.3及び7.2.4
に規定する位置に据える。この目的は,落下位置が,DLV頂面の垂直投影内の少なくとも一部にかかるよ
うにするためである。もし(7.2.3の条件が)そうでなければ,二種の落下試験が必要となる。一方は(DLV
の)頂面の範囲内で主要上部構造部材からできる限り離れた位置に向けてであり,他方は,7.2.2,7.2.3(の
トップガードの支えのない最大面積の図心の至近)及び7.2.4に定義される位置に向けてである。また,
DLVの上方に異なった種類の材料,又は厚さの均一でない材料が用いられている場合は,それぞれの面に
ついて,順に落下試験を行わなければならない。これらの試験は,同一のトップガードに対して行っても
よい。
7.2.2 落下試験物体の小端部は,トップガードにおけるDLVの垂直投影内に完全に入っていなければな
らない。
7.2.3 落下試験物体は,7.2.2の要求事項に従って,DLVの頂部上の一点及びトップガードの(直下に)
支えのない(例えば,主要上部構造部材で直下を支えられない面積)最大面積の図心の至近に位置するよ
うにする。
7.2.4 DLVの垂直投影が,主要上部構造部材の垂直投影によって2又はそれ以上の区分に分割されると
き,7.2.2及び7.2.3の要求事項は,DLVの投影の最大の面積をもつ区分に適用される(図3参照)。
7.2.5 落下試験物体を7.2.2及び7.2.3に示す位置で,8.1で規定されている位置エネルギーに相当する高
さまで鉛直上方に引き上げる。落下試験物体が拘束されることなく,ガードの上に落下させる。
7.2.6 落下試験物体を自由落下させて,7.2.1から7.2.4に規定する位置及び/又は姿勢で,正確に打撃す
ることは難しいので,7.2.6.1から7.2.6.4に示す範囲の偏差は認められる。
7.2.6.1 レベルIのガードについては,落下試験物体の小端の最初の打撃は,半径100mmの円内に入れな
ければならない(この円の中心は,7.2.1から7.2.4に規定した落下試験物体の垂直中心線と一致するが,
主要上部水平部材の上であってはならない。)。
7.2.6.2 レベルIIのガードについては,落下試験物体の小端の最初の打撃は,半径200mmの円内に入れ
なければならない(この円の中心は,7.2.1から7.2.4に規定した落下試験物体の垂直中心線と一致するが,
主要上部水平部材の上であってはならない。)。
7.2.6.3 レベルIのガードについては,落下試験物体とガードとの最初の接触は,物体の球状端部でなけ
ればならない。レベルIIのガードについては,落下試験物体とガードとの最初の接触は,物体の小端部で
なければならない(図1参照)。
7.2.6.4 はね返りによるその後の打撃の位置又は姿勢については,何ら制限はない。
――――― [JIS A 8922 pdf 8] ―――――
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A 8922 : 2001 (ISO 10262 : 1998)
備考 面積I及び面積IIは,DLVのトップガードへの
垂直投影の分割された区分を示す。面積Iは面積
IIよりも大きい。
図3 トップガードの落下試験時衝突点
7.3 フロントガード試験
7.3.1 静的試験
7.3.1.1 適切なベンチ貫通試験物体を,フロントガードに対して7.3.1.2から7.3.1.4に規定する位置に据
える。
7.3.1.2 物体の小端をフロントガードに対するDLVの水平投影内に入れ,DLVの最先端に最も近く及び
フロントガードの(直接)支持されていない[主要構造部材から(直接)支持されていない]最大面積の
図心から最も近い位置に置く(図4参照)。
7.3.1.3 DLVの水平投影が,主要構造部材によって2又はそれ以上の区分に分割されるとき,7.3.1.1及び
7.3.1.2の要求事項は,DLVの投影に近接し最大の面積をもつ区分に適用される(図4参照)。
7.3.1.4 物体を7.3.1.2,7.3.1.3に示す位置においてフロントガード面に対して垂直に押し付ける。
7.3.1.5 変形の速度は,載荷が静的であると考えられる程度とする。
なお,着力点における変形速度が5mm/s以下の場合は,静的荷重とみなされる。
7.3.1.6 着力点における15mm以下の変位量ごとに,荷重とたわみ量を記録しなければならない。
7.3.1.7 この載荷は,フロントガードが8.2に定められたエネルギー要求値を満足するまで続けなければ
ならない(エネルギーの計算方法について,図5を参照)。ただし,エネルギーの計算に用いるたわみ量は,
力の作用方向に沿ったフロントガードのたわみ量とする。負荷物体の動線は,最初の接触点の半径50mm
の円内に保持しなければならない。
――――― [JIS A 8922 pdf 9] ―――――
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図4 試験対象位置
7.3.2 動的試験 フロントガードは,ガードに対して等価のエネルギーを与える装置によって動的試験を
行ってもよい。この方法による場合は,トップガードの試験に用いる落下試験体を使用できる(図4参照)。
所要エネルギーを得るための落下高さ及び質量を,7.2に述べる手順によって決定できる。落下試験の位置
は,7.3.1.1から7.3.1.3によって定める。
エネルギー計算 :
Δ1F1 F1+F2 FN−1+FN
U= + Δ2−Δ1 + +ΔN−ΔN−1
2 2 2
図5 荷重−たわみ曲線
8. 性能
8.1 トップガード試験 トップガードの保護能力は,キャブ又は保護構造が衝撃に耐え得るか否かで評
価する。次のいずれかのエネルギーレベルの落下試験物体の最初又はその後の打撃によって,保護構造の
いかなる部分もDLV(JIS A 8910 追補1 附属書参照)に侵入してはならない。
a) レベルI : 吸収エネルギー 1 365J ;
――――― [JIS A 8922 pdf 10] ―――――
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JIS A 8922:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10262:1998(IDT)
JIS A 8922:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.300 : 危険物に対する防護
JIS A 8922:2001の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA8318:2001
- 土工機械―座席基準点(SIP)
- JISA8403-1:1996
- 土工機械―油圧ショベル―第1部:用語及び仕様項目
- JISA8910:2012
- 土工機械―転倒時保護構造―台上試験及び性能要求事項
- JISB1180:2014
- 六角ボルト
- JISB1181:2014
- 六角ナット
- JISZ2202:1998
- 金属材料衝撃試験片
- JISZ2242:2018
- 金属材料のシャルピー衝撃試験方法