JIS B 1056:2019 締結用部品―プリベリングトルク形鋼製ナット―機能特性 | ページ 4

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B 1056 : 2019
表8−試験用ボルトの強度区分
強度区分
供試ナット 試験用ボルト
04 ≧ 8.8
5 ≧ 8.8
05 ≧10.9
6 ≧ 8.8
8 ≧ 8.8
10 ≧10.9
12 12.9
9.3.4 試験手順
9.3.4.1 初回試験
この試験は,9.3.2に規定した適切な試験装置によって自動で行うか,トルクレンチ及びロードセルとい
った適切な手動機器(9.3.2参照)を使って手動で行う。
疑義が生じた場合は,自動による方法を適用する。
締付け特性の試験条件は,JIS B 1084による。
図1に従って,供試ナットの着座後に,ねじ先がナットのプリベリングトルク発生部から突き出るよう
に,試験用ボルトを締付け力測定装置に取り付ける。
プリベリングトルク発生部がボルトと接触するまで,試験するナットをボルトに手で締め付ける。試験
前に試験用ボルトの端がナットを貫通してはならない。締め付けられたねじ長さは,図1に従って,35
ピッチでなければならない。
試験開始点は,試験用ボルト及び供試ナットをセットし,プリベリングトルクが発生し始める点(図2
に示す点1)とする。点1から試験締付け力がF80に達するまで,連続的かつ等速に回転する。F80の値は
表1表7による。締付け力がF75のときのトルクT75を記録し,総合摩擦係数の評価に用いる。
F75における正確な評価を行うために,F80の値は,試験装置の停止信号として用いる。
着座点(図2に示す点3)が決まり,点1と点3との間で,ねじ込みプリベリングトルクの最大値TFv,max
(図2に示す点2)を求める。その値は,表1表7で規定する1回目のねじ込みプリベリングトルクの
上限の値を超えてはならない。
次に,供試ナットの締付け力がゼロになる(図2に示す点4)まで戻しトルクを加える。ナットが更に
360°ねじ戻す間に生じる,最大のねじ戻しプリベリングトルクTFd,max(図2に示す点5)を求める。その
値は,表1表7で規定する1回目のねじ戻しトルク下限の値に等しいか又は大きくなければならない。
図2に示す点6は,図2に示す点4の角度位置から360°差し引いた角度に当たる。
その後,最初の角度位置(図2に示す点1)まで,供試ナットを戻して外す。
ナットを緩める間,試験締付け力がF80から点1まで,連続的かつ等速に回転する。
供試ナットを完全に外した後,供試ナット及び試験用ボルトのねじに損傷があってはならない。疑義が
生じた場合には,試験用ボルトをJIS B 0251に規定するねじリングゲージで判定する。

――――― [JIS B 1056 pdf 16] ―――――

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点1 ねじ込みプリベリングトルクが発生し始める,TFvの測定開始点
点2 ねじ込みプリベリングトルク
点3 着座点,TFvの測定終了点
点4 試験用座面板又は座金から離れ始める,TFdの測定開始点
点5 ねじ戻しプリベリングトルク
点6 TFdの測定終了点
F 締付け力
T トルク
θ 回転角
図2−トルク−締付け力−回転角曲線
9.3.4.2 5回目のねじ戻し試験
5回目のねじ戻しの値を求める場合は,点1と点3との間だけで,9.3.4.1の手順を更に4回繰り返す。
5回目のねじ戻しの際,ナットが360°回転する間に発生する最大のねじ戻しプリベリングトルクを図2
に従って測定する。このトルクは,表1表7による5回目のねじ戻しプリベリングトルクの下限の値に
等しいか又は大きくなければならない。
供試ナット又は試験用ボルトのねじに損傷があってはならない。疑義が生じた場合には,試験用ボルト
をJIS B 0251に規定するねじリングゲージで判定する。
9.3.5 試験報告書
試験報告書の内容は,JIS B 1084による。この規格に規定する試験の結果は,試験報告書に含めなけれ
ばならない。

――――― [JIS B 1056 pdf 17] ―――――

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ねじ込みプリベリングトルクTFv及びねじ戻しプリベリングトルクTFd(必要な場合,非金属インサート
付きプリベリングトルク形ナットの温度特性試験結果も)を試験報告書に含めなければならない。

――――― [JIS B 1056 pdf 18] ―――――

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附属書A
(参考)
非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットの温度特性試験
非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットは,使用温度限界付近の−50 ℃及び120 ℃で使用
すると,プリベリングトルク性能が低下するおそれがあるため,適切な非金属材料の選択が必要になる。
この附属書は,非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットの温度特性試験について記載する。
試験は,必要に応じて受渡当事者間で協定して行う。
この試験の結果と,実使用状況でのナットの性能とは直接関係はない。
実際の使用状況を考慮した試験手順を受渡当事者間で協定することを強く推奨する[JIS B 1084の箇条
9(特定の条件での試験)参照]。
環境温度(10 ℃35 ℃)において,締付け軸力を発生させないで,35ピッチの完全ねじ山が供試ナ
ット上面から突き出るまで,供試ナットを試験用ボルトにねじ込む。
特別な協定がない限り,その組付け体を120 ℃の場所に置き,1時間後,組付け体をその場所から取り
出して自然に環境温度まで冷やす。
その後,特別な協定がない限り,組付け体を−50 ℃の場所に置き,1時間後,組付け体をその場所から
取り出して自然に環境温度に戻す。
9.3.4.1に規定する試験手順に従って,環境温度で組付け体を用いて,点4と点6との間でねじ戻しプリ
ベリングトルクを測定する。測定した最大ねじ戻しプリベリングトルクは,表1表7に規定する値と等
しいか又は大きくなければならない。

――――― [JIS B 1056 pdf 19] ―――――

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附属書B
(参考)
総合摩擦係数μtotの求め方
締付けは,はめ合わすボルト又はナットの保証荷重試験力の80 %である試験締付け力まで行う。総合摩
擦係数μtotを求めるための締付け力は,保証荷重試験力の65 %75 %の範囲とする。
総合摩擦係数μtotは,保証荷重試験力の65 %75 %の範囲で算出した摩擦係数を平均する。
FP ボルト又はナットの保証荷重試験力
F65 FPの65 %で,総合摩擦係数を求めるための締付け力の下限値
F75 FPの75 %で,総合摩擦係数を求めるための締付け力の上限値
F80 FPの80 %で,試験締付け力(締付け停止の締付け力)
T65 F65におけるトルクで,総合摩擦係数を求めるためのトルク
T75 F75におけるトルクで,総合摩擦係数を求めるためのトルク
図B.1−総合摩擦係数μtotの求め方

――――― [JIS B 1056 pdf 20] ―――――

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JIS B 1056:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2320:2015(MOD)

JIS B 1056:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 1056:2019の関連規格と引用規格一覧