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B 7440-6 : 2004 (ISO 10360-6 : 2001)
は負の数の平方根を採ろうとすること。)。
7. 単位 表1で規定する単位を使わなければならない。
表 1 単位
基準データセット 基準パラメータ値
点の座標値 mm −
位置パラメータ − mm
サイズパラメータ − mm
角度パラメータ − rad
姿勢パラメータ − (無次元)
変換被検パラメータ値と対応する基準パラメータ値との差及び不確かさを提示するために,マイクロメートル及びマ
イクロラジアンを,検査成績書で使うことができる。
注a 姿勢パラメータを方向余弦によって表現する。
8. 数値の不確かさ 情報の入出力及び計算上の数値の表現に使われるけた数の有限性によって生じる数
値の不確かさを見積もるのは,検査機関の責任である。この数値の不確かさは,検査成績書(11.参照)で
報告される不確かさの記述に含まれなければならない。
備考1. 情報の入出力には,ソフトウェア供給者によって提出される被検パラメータ値と同様に,検
査機関がコントロールする基準データセットの点の座標値及び基準パラメータ値がある。
2. 計算機上の表現は,変換規則を適用する場合及びq値を計算する場合[9.3 d)参照]には,基準
ソフトウェアの場合には,基準データセットから基準パラメータ値を計算する場合に生じる
数値の不確かさに影響を与え(図2参照),データ生成の場合には,基準パラメータ値から基
準データセットを計算する場合に生じる数値の不確かさに影響を与える(図3参照)。
3. 数値の不確かさは,最小二乗当てはめ形体が基準データセットによっていかにうまく定義さ
れるか,又は当てはめ問題の数値条件(基準パラメータ値に対する基準データセットの座標値
の感度係数)にも依存する。この条件は,形体の種類並びに基準データセットの点の数及び位
置によって影響を受ける。
4. 解析的な評価が簡単でない場合は,シミュレーションによって数値の不確かさを見積もるこ
とができる。
基準対が生成される方法によって,基準データセット又は基準パラメータ値の一方の適切な不確かさが
決定されているならば,検査機関は他方を正確なものとみなしてもよい。
9. 検査方法の適用
9.1 原理 検査方法の原理は,変換被検パラメータ値を基準パラメータ値(図1参照)と比較することであ
る。被検パラメータ値を得るために被検ソフトウェアを基準データセットに適用し,これらの被検パラメ
ータ値に変換規則を適用することによって,変換被検パラメータ値を得る。それぞれの基準データセット
と対応する基準パラメータ値は,検査目的の基準対とみなされる。
備考 検査機関は,例えば,図2又は図3に示すように基準ソフトウェア又はデータ生成ソフトウェ
アを使って基準対を供給する。
それぞれの検査(例えば,完全な形体又は形体の一部分を計算するために)又は大小のノイズ若しくは
形状偏差に対応して,異なるソフトウェアを使われる場合がある。したがって,表2にまとめるように4
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種類の検査が用意されている。簡略検査は対応する標準検査の一部であり,厳格な応用のために設計され
ていないソフトウェアのために用いる。ソフトウェア供給者は,被検ソフトウェアが受ける検査を選んで
もよい。選ばれた検査は,検査成績書に記載しなければならない。
備考 二次元及び三次元の直線及び平面に関しては,形体の一部分を定義することができないので,
形体の一部分に対する簡略検査,形体の一部分に対する標準検査は,これらの形体には適用し
ない。
個々の検査が,それぞれの形体及びそれぞれの検査種類に関して実行されなければならない(表2参照)。
基準データセット
被検ソフトウェア
被検パラメータ値
基準パラメータ値 変換被検パラメータ値
比較
図 1 検査方法の原理
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基準データセット
基準ソフトウェア
基準パラメータ値
図 2 基準対を作るために基準ソフトウェアを使う
基準パラメータ値
データ生成ソフトウェア
基準データセット
図 3 基準対を作るためにデータ生成ソフトウェアを使う
表 2 検査の種類
簡略検査 標準検査
形体の全体 形体の全体に簡略検査 形体の全体に標準検査
形体の一部分 形体の一部分に簡略検査b 形体の一部分に標準検査b
注b 二次元及び三次元の直線及び平面には利用できない。
9.2 比較の基準 それぞれの形体の基準データセットを対応する形体に適用する被検ソフトウェアに関
して,変換被検パラメータ値を基準パラメータ値と比較する基準は,次に定義するパラメータ値のクラス
(位置,姿勢,サイズ又は角度)のパフォーマンス値pである。
a) 位置パラメータ 変換被検パラメータ値と基準パラメータ値とによって定義された位置(x0,y0)又は(x0,
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y0,z0)(表3参照)の間のユークリッド距離。
b) 姿勢パラメータ 変換被検パラメータ値と基準パラメータ値とによって定義された単位ベクトル(a,
b)又は(a,b,c)(表3参照)の間の正の角度。
大変小さな角度になる場合があるので,pを評価する場合には,重大な数値誤差を生じないように,
特別に注意しなければならない。vとwが二つの単位ベクトルであるとすると,数値的に安定な式は,
次による。
v w
p 2 arcsin
2
c) サイズパラメータ 変換被検パラメータ値の集合及び基準パラメータ値の集合の中の対応するサイズ
1,rr又は2r(表3参照)の正の差。二つのサイズパラメータ1r及び2rがある輪環の場合には,
パラメータ
二つの正の差の大きい方をとる。
d) 角度パラメータ 変換被検パラメータ値と基準パラメータ値の集合の中で角度パラメータ 表3参
照)の正の差。
パフォーマンス値の大きさは,変換被検パラメータ値がどれくらいうまく対応する基準パラメータ値と
比較することができるかという測度である。値が小さいほど,合致度がよい。
9.3 手順 検査機関は,それぞれの形体及びそれぞれの検査種類に関して,次のステップを踏まなけれ
ばならない。
a) 被検パラメータ値を得るために,その形体に関する基準データセットに被検ソフトウェアを適用する
ようにソフトウェア供給者に指示する。もしも,ソフトウェア供給者がソフトウェアのコピーを提供
したならば,このステップを検査機関が実行してもよい。
b) 検査が実行でき,検査結果が有効である測定空間を記述するようにソフトウェア供給者に要求する。
c) 被検ソフトウェアがパラメータ値を作り出す形体の基準データセットに関して,
1) 被検パラメータ表現が基準パラメータ表現と異なっているならば,変換規則を被検パラメータ値に
適用して変換被検パラメータ値を作らなければならない。さもなければ,被検パラメータ値を変換
被検パラメータ値とみなさなければならない。
2) 形体にとって適切なパラメータ値のクラス(位置,姿勢,サイズ又は角度)に関して,9.2に規定し
たとおり,パフォーマンス値pを定義する。
3) 対象となる形体が,二次元の円,球又は円すいでないならば,変換被検パラメータ値の集合の中で
姿勢パラメータの符号を変えた後,姿勢パラメータに関するパフォーマンス値を再度計算する。こ
れらのパラメータに関して,ステップ2)を繰り返す。そして,よい方の結果を選ぶ。
備考1. 直線又は軸の姿勢パラメータの符号がすべて変えられたならば,結果として得られるパラメ
ータは,同じ直線又は軸(しかし,反対の方向を指している。)となる。したがって,もしも
姿勢パラメータがあるならば,検査は姿勢に対応する変換被検パラメータ値によって定義す
るベクトルと対応する基準パラメータ値とを比較すること,又はすべての符号を変えた被検
パラメータ値によって定義するベクトルと対応する基準パラメータ値とを比較することが必
要である。
2. 円すいの軸の姿勢を定義する単位ベクトルは,その頂点の方向を指しているので,円すいは
軸の方向が反転できない唯一の形体である(表3参照)。
d) 形体のパラメータ値のそれぞれのクラス(位置,姿勢,サイズ又は角度)に関して,ステップc) 2)で
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定義したパフォーマンス値pの最大値として,全体としての値qを定義する。
e) 形体のパラメータのそれぞれのクラス(位置,姿勢,サイズ又は角度)に関して,次の形式で検査成績
書に検査結果の記録を記載する。
1) 対応する値qとその数値的な不確かさ。
2) 被検ソフトウェアが基準データセットに関して被検パラメータ値を作ることに失敗した場合,“n
個のデータセットで失敗”(nは失敗した基準データセットの数)と失敗しなかった被検パラメータ
値から導出された対応する値qとその数値的な不確かさ。
10. 仕様との適合 “失敗”がなく,JIS B 0641-1に従う数値の不確かさを考慮して,どのq値も対応す
る最大許容誤差MPEqより大きくないならば,被検ソフトウェアの性能は,検証されたと考える。検査機
関が仕様との適合を数値的に評価した場合には,この評価結果は検査成績書の一部となる。
11. 検査成績書 検査機関が発行する検査成績書は,次の事項を含んでいなければならない。
a) 名称(例えば,検査成績書)
b) ソフトウェア供給者の名前及び住所並びに検査を実施した場所及び被検ソフトウェアを基準データセ
ットに適用した場所
c) シリアル番号のような検査成績書の個別の識別子並びにそれぞれのページ及び全ページ数の識別
d) 申請者の名前及び住所
e) 被検ソフトウェアのリリース番号
f) ハードウェアの識別子
g) 検査の依頼日,検査の実施に合意した日及び検査実施日
h) この規格に従って検査を実施する効果の説明
i) 基準データセットのリリース番号
j) 検査成績書が有効である測定空間のサイズ
k) 検査されたそれぞれの形体及びそれぞれの検査種類に関して,
1) 形体の種類(例えば,円筒)
2) 検査の種類(例えば,形体の全体に標準検査)
3) 対応する不確かさの記述を含んだ検査結果(9.3参照)
4) (検査機関が仕様との適合を評価した場合だけ)指定されたMPEqと適合するという記述
5) パラメータ値の初期値を決めるために基準データセットの中の特定の点の集合を被検ソフトウェア
が使用したか否かの確認
l) 発行日,検査成績書の内容に責任をとることができる者の署名及び肩書き,又はそれと同等に保証さ
れた識別
m) 結果は,検査したソフトウェア及び基準データセットに関してだけ有効であるという記述
n) 検査成績書は,完全に複写する場合を除いて,検査機関の文書による承認なしには,その一部だけを
複製してはならないという記述
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JIS B 7440-6:2004の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10360-6:2001(IDT)
JIS B 7440-6:2004の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.040 : 線及び角度の測定 > 17.040.30 : 測定機器
JIS B 7440-6:2004の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
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