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ーカの数に依存して,検査結果が大幅に影響を受けることがある。また,ベストフィットによるつなぎ合
わせを行う場合には,検査用標準器などの表面におけるオーバラップ領域の大小,フィルタ又はベストフ
ィット拘束条件の設定などによって検査結果が大幅に影響を受けることがある。製造業者は座標測定機の
性能が仕様を満足するために必要な操作条件を操作手順書及びデータシートに明確に記載する。
JC.3.2 つなぎ合わせによるプロービング誤差の検査
つなぎ合わせによってプロービング誤差を評価する場合には,6.2による。つなぎ合わせを行う場合の評
価手順は,プロービング形状誤差(25点又は95 %,並進又は回転)又はプロービングサイズ誤差(25点
又は100 %,並進又は回転)と同一のものになる。
注記 プロービング形状誤差(25点又は95 %,静止)及びプロービングサイズ誤差(25点又は100 %,
静止)をつなぎ合わせによって実施することはできない。
JC.3.3 つなぎ合わせによる長さ測定誤差の検査
つなぎ合わせによって長さ測定誤差を評価する場合には,6.3による。
注記 つなぎ合わせによって長さ測定誤差を評価すると,非接触プロービングシステムの姿勢を測定
面に対して調整することができる。これによって検査用標準器の表面においてより広い測定範
囲を包含した検査を実施できる。
つなぎ合わせによって球間距離測定誤差(附属書JD参照)を評価する場合には,附属書JDによる。
長さ測定誤差の検査及び球間距離測定誤差の検査において,検査用標準器の球間距離LPが,検査用の長
さを通過する測定線に沿った座標測定機の最大移動可能範囲の66 %に満たない場合,検査用標準器の移動
によるつなぎ合わせを行い,測定線に沿った座標測定機の最大移動可能範囲の66 %以上となる領域内で数
回に分けて測定を行うことを考慮する。また,この場合には,数回に分けた全ての測定結果について,該
当する区間における誤差の和として長さ測定誤差又は球間距離測定誤差の算出を行うことを推奨する。
1回の移動量が検査に使用するボールバーの球間距離よりも長い場合,それぞれの配置場所において算
出される長さ測定誤差は本来の誤差よりも小さくなることがあり,誤差の過小評価となることがある。一
方,1回の移動量が検査に使用するボールバーの球間距離と等しい場合,本来必要な球間距離をもつボー
ルバーを参照した検査結果と同一となる。
JC.3.4 つなぎ合わせによる平面形状測定誤差の検査
つなぎ合わせによって平面形状測定誤差を評価する場合には,6.4による。
6.4.2に規定の検査用標準平面を準備することが困難な場合には,つなぎ合わせによる検査を考慮する。
ただし,検査用標準器の移動によるつなぎ合わせによって平面形状測定誤差を評価すると,平面形状測
定誤差を過小評価するおそれがある。そのため可能な限り,十分な寸法の検査用標準平面を参照して評価
を行うことを推奨する。
十分な寸法の検査用標準平面を準備することができない場合には,製造業者と使用者の合意によって検
査用標準平面の移動によるつなぎ合わせによって平面形状測定誤差を評価してもよい。
つなぎ合わせの手順としては,検査用標準平面を姿勢変化なく移動させ,各辺の長さが6.4.2に規定する
寸法以上となる領域内で数回に分けて測定を行うことを推奨する。この場合には,平面形状測定誤差は数
回に分けて行った測定結果の最大値である。
――――― [JIS B 7440-8 pdf 61] ―――――
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附属書JD
(参考)
球間距離測定誤差の検査
JD.1 一般
6.3に規定する長さ測定誤差の検査を行うためには,五つの検査長さについての測定を行う必要がある。
光学式距離センサ付き座標測定機の中には,五つの検査長さの測定を通常の手順で行うことが困難なこと
がある。この附属書は,1種類の検査長さについて測定を行う長さ測定誤差の検査として球間距離測定誤
差について記載する。
球間距離測定誤差ES.JISの測定は,測定機の検査測定範囲で行う。
JD.2 用語及び定義
この附属書で用いる用語及び定義は,次による。
JD.2.1
球間距離測定誤差,ES.JIS(error of sphere-spacing measurement)
非接触座標測定機において,球間距離測定用標準器の二つの球の中心間距離の測定値とその校正値との
差。
JD.2.2
最大許容球間距離測定誤差,ES.JIS,MPE(maximum permissible error of sphere-spacing measurement)
最大許容誤差として仕様によって許容されるES.JISの最大値。
JD.3 検査用標準器
球間距離測定誤差を決定するために,セラミックス製又は鋼製の検査用標準器を用いる(図JD.1を参照)。
その他の適切な材質の検査用標準器を用いてもよい。異なる材質は反射率,光学的しみこみ(内部散乱),
色,散乱特性などにおいて異なる特性を示し,球間距離測定誤差の値及び検査に当たって検証しようとす
る値が変化する可能性があるため,検査に使用する材質は,記載することが望ましい。プロービングされ
る部分の表面粗さは,最大許容球間距離測定誤差に対して無視できる程度に小さくするべきである。ここ
で,製造業者が球間距離の検査用標準器の材質と表面性状を指定しない場合,これらは自由に選択しても
よい。
球間距離の検査用標準器として利用可能な標準器については附属書Bを参照。
検査用標準器の長さは校正され,合否判定を行う場合にはJIS B 0641-1に従う不確かさを考慮する。
それぞれの検査位置における最も長い検査用標準器の長さは検査用標準器を通過する測定線に沿った座
標測定機の最大移動可能範囲の66 %以上であることが望ましい。
――――― [JIS B 7440-8 pdf 62] ―――――
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DP : 検査用標準器の球直径
LP : 検査用標準器の球間距離
図JD.1−球面による検査用標準器
JD.4 評価方法
JD.4.1 つなぎ合わせをしない場合
球間距離測定誤差ES.JISの評価は,全測定領域又は非直交形座標測定機の場合には附属書JCに記載の検
査測定範囲において,球面による検査用標準器を七つの位置及び姿勢で測定して行う。図JD.2に示す球面
による検査用標準器の配置及び姿勢を推奨する(図JD.2参照)。球面による検査用標準器のそれぞれの球
表面で座標値を取得し評価する点数の合計は25点以上であるが,最大点数は制限しない。
使用する球面による検査用標準器の球間距離LPが使用する測定機の各辺における測定可能な最大長さ
の66 %に満たない場合は,球面による検査用標準器を姿勢変化なく移動させ,各辺の長さの66 %以上と
なる領域内で数回に分けて測定を行う(図JD.3参照)。このとき,1回の距離は,使用する球面による検
査用標準器の球間距離LPを超えないように設定する。
注記 図中では4-2及び4-4における球面による検査
注記 測定領域の縦方向(1),横方向(2)及び奥行き方
向(3)に配置する。次に,測定領域の平面境界にお 用標準器の配置を奥行き方向にずらして表示し
ける前(4),後(5)及び横(6)のそれぞれ一つ ているが,実際には同一直線上に配置する。
の空間対角に配置する。さらに,測定領域の一つの空
間対角[例えば,B-H(7)]に配置する。
図JD.2−球面による検査用標準器の配置及び姿勢 図JD.3−球面による検査用標準器の長さが測定
可能最大長さの66 %以下の場合の測定例
――――― [JIS B 7440-8 pdf 63] ―――――
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JD.4.2 つなぎ合わせをする場合
附属書JCに基づき検査を実施することを推奨する。
球面による検査用標準器を一つの位置に設置し,二つ以上の異なる位置に光学式距離センサなどを移動
させて測定し,球間距離測定誤差ES.JISを算出する。
使用する球面による検査用標準器の球間距離LPが検査用標準器を通過する測定線に沿った座標測定機
の最大移動可能範囲の66 %に満たない場合は,球面による検査用標準器を姿勢変化なく移動させ,測定線
に沿った座標測定機の最大移動可能範囲の66 %以上となる領域内で数回に分けて測定を行う(図JD.3参
照)。このとき,1回の距離が,使用する球面による検査用標準器の球間距離LPを超えないように設定す
る。
JD.5 検査結果の求め方
球間距離測定誤差ES.JISを決定するために,最小二乗球への当てはめを行う。それぞれの球の中心位置を
最小二乗球から決定し,球間距離Lmeasを測定した球の中心間距離として算出する。算出した測定値Lmeas
と校正値Lcalとの差(Lmeas−Lcal)を計算し,光学式距離センサ付き座標測定機の球間距離測定誤差ES.JIS
とする。
使用した球面による検査用標準器の球間距離LPが測定領域の各辺における測定可能な最大長さの66 %
に満たない場合は,その辺に対しての球間距離測定誤差ES.JISは数回に分けたそれぞれの測定誤差の和であ
る。
JD.6 仕様との適合
JD.6.1 受入検査
JD.6.1.1 受入れ基準
光学式距離センサ付き座標測定機の長さ測定誤差を球間距離測定誤差に代えて検査するとき,座標測定
機の性能は7.1.1の受入れ基準を満たすこと,ただし,長さ測定誤差の受入基準に代えて次の条件を満た
すことで検証される。
− JIS B 0641-1及びISO/TS 23165に従う測定の不確かさを考慮に入れて,球間距離測定誤差ES.JISの値
は,製造業者が指定する最大許容球間距離測定誤差ES.JIS,MPEの範囲に入っている。
JD.6.1.2 再測定
七つの位置及び姿勢において実施した測定の中で,一つの位置だけ許容値を超える場合には,その位置
でもう一度3回の再測定を行う。その測定結果が3回とも全て指定された最大許容球間距離測定誤差ES.JIS,
MPEを超えなければ,非接触座標測定機の性能は検証されたことになる。
JD.6.2 定期検査
光学式距離センサを備えた座標測定機の性能は,ES.JISが使用者の定めた最大許容誤差ES.JIS,MPE以下であ
れば,検証されたことになる。
参考文献
ISO 8015,Geometrical product specifications (GPS)−Fundamentals−Concepts, principles and rules
ISO/TR 14638,Geometrical product specification (GPS)−Masterplan
TS Z 0032 国際計量計測用語−基本及び一般概念並びに関連用語(VIM)
――――― [JIS B 7440-8 pdf 64] ―――――
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B7
7
附属書JE
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(参考)
0-
8 : 2
JISと対応国際規格との対比表
015
ISO 10360-8:2013,Geometrical product specifications (GPS)−Acceptance and
JIS B 7440-8:2015 製品の幾何特性仕様(GPS)−座標測定システム(CMS)の受
入検査及び定期検査−第8部 : 光学式距離センサ付き座標測定機 reverification tests for coordinate measuring systems (CMS)−Part 8: CMMs with
optical distance sensors
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 直交形座標測定機 1 直交形座標測定機に適用 追加 ISO 10360-8は非直交形座標測2006年当時,ISO/TC213/WG10
囲 に適用する。非直交 する。当事者間の合意に は非直交形座標測定機の規格化
定機の検査を規定していない。
形座標測定機に適 よって非直交形座標測定 JIS B 7440-8は附属書JA及び が時期尚早とした経緯がある。
用する場合には附 機に適用することができ 附属書JB(いずれも参考)に 2013年現在,非直交形座標測定機
属書JA及びJBを参 る。 の規格化に向けて日本から再度
よって,産業界での非直交形座
照する。 標測定機への適用を可能とす の提案準備と合意形成を図って
る。 いる。非直交形座標測定機の規格
化を待ってJIS B 7440-8をISO
10360-8にIDTとする。
つなぎ合わせによ つなぎ合わせによる検査 追加 ISO 10360-8はつなぎ合わせに特に非直交形座標測定機ではつ
る検査に適用する について規定していな よる検査を規定していない。 なぎ合わせが多用されており,非
場合には,附属書JC い。 JIS B 7440-8は附属書JC(参 直交形座標測定機の規格化には
を参照する。 つなぎ合わせの規定が必須であ
考)によって,産業界でのつな
ぎ合わせによる検査への適用 る。非直交形座標測定機の規格化
を可能とする。 を待ってJIS B 7440-8をISO
10360-8にIDTとする。
球間距離測定誤差 球間距離測定誤差による 追加 ISO 10360-8は球間距離測定誤非直交形座標測定機の規格化を
による検査に適用 検査について規定してい 差による検査を規定していな 待ってJIS B 7440-8をISO
する場合には,附属 ない。 い。JIS B 7440-8は附属書JD 10360-8にIDTとする。
書JDを参照する。 (参考)によって,産業界での
球間距離測定誤差による検査
への適用を可能とする。
――――― [JIS B 7440-8 pdf 65] ―――――
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JIS B 7440-8:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10360-8:2013(MOD)
JIS B 7440-8:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.040 : 線及び角度の測定 > 17.040.30 : 測定機器
JIS B 7440-8:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0641-1:2020
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―製品及び測定装置の測定による検査―第1部:仕様に対する合否判定基準
- JISB7440-1:2003
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査―第1部:用語
- JISB7440-2:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査―第2部:長さ測定
- JISB7440-5:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査―第5部:シングル及びマルチスタイラス測定