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附属書A
(規定)
重錘形圧力天びんの試験方法
A.1 試験環境及び装置
A.1.1 試験環境
試験は,空調された試験室で行い,次の条件を満たしていなければならない。
a) 周囲温度 : 18 ℃25 ℃,相対湿度 : 30 %80 %
b) 試験中の機器周囲の温度変化 : 1時間当たり1 ℃以内
c) 試験中の機器周囲の風速 : 1 m/s以内
A.1.2 試験装置
試験装置は,次による。
a) 参照標準器 試験する圧力範囲において,A.4.2 a) に従った精度等級のものでなければならない。
b) 質量用天びん,及び標準分銅又は質量が既知の重錘 5.10に従い,重錘形圧力天びんのピストン,重
錘皿及び重錘の質量を調整又は測定するために十分なものでなければならない。
c) 補助機器 温度計,ピストンの高さ位置計,水準器,温湿度計,大気圧計,真空計,真空ポンプ,ベ
ルジャーなど。
d) 圧力媒体 試験に使用する圧力媒体は,重錘形圧力天びんの製造業者が指定した媒体又は同等の媒体
とする。
A.2 試験準備
試験準備は,次による。
a) 重錘形圧力天びんは,製造業者の仕様に基づいて設置しなければならない。
b) 重錘形圧力天びんは,試験室に試験開始の少なくとも6時間前に設置する。
c) 重錘形圧力天びんを水平に設置する。特に,ピストン軸の鉛直度には注意を払う。
d) 設置に当たっては,ピストン・シリンダが清浄であることを確認する。
e) 重錘形圧力天びんが,箇条6に規定する技術上の要求事項のうち,試験を必要としない要件について
満足しているか確認する。
A.3 試験方法
A.3.1 計量上の要求事項の試験
A.3.1.1 ピストン自由回転時間の測定
a) ピストン自由回転時間は,次の条件で測定する。
なお,モータ駆動による回転装置付きの重錘形圧力天びんの場合は,モータを停止させ,切り離し
た状態で測定しなければならない。
1) 測定は,測定範囲の上限の20 %の圧力で行う。
2) 初期の回転速度は,製造業者の規定する値を超えないようにする。ただし,規定されていない場合
は,毎秒2回転を超えないようにする。
3) ピストン・シリンダの温度は,標準状態の温度(以下,標準温度という。),又は製造業者の指定す
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る温度範囲とする。ピストン・シリンダの温度の測定の拡張不確かさは,0.5 ℃を超えないように
する。
注記 5.2の標準状態を参照。
4) 測定は,通常ピストンの使用範囲で行う。
5) 測定は,回転方向を変えて各々で1回以上,計2回以上行う。
b) 測定中,ピストン・シリンダの温度が標準温度より2 ℃以上異なる場合,ピストン自由回転時間は,
次の式(A.1)によって求める。ただし,この式は,ピストン・シリンダが同一の材料で製造されている
場合に有効である。
r
瓰 (A.1)
r
ここに, τr : 標準温度におけるピストン自由回転時間
τ : 測定温度におけるピストン自由回転時間
ηr : 標準温度における圧力媒体の動粘度
η : 測定温度における圧力媒体の動粘度
c) ピストン自由回転時間は,製造業者の仕様又は表3のピストン自由回転時間を満足しなければならな
い。
A.3.1.2 ピストン降下速度の測定
a) ピストン降下速度は,次の条件で測定する。
1) 測定は,測定範囲の上限で行う。
2) ピストン・シリンダの温度は,標準温度又は製造業者の指定する温度範囲とする。
3) 測定は,ピストン・シリンダのできるだけ近くで他の配管系を遮断して行う。
4) ピストン降下速度の測定は,温度が安定した後,通常ピストンの使用範囲で行う。
5) 測定は,3回繰り返し行い,測定結果は,3回の測定値の平均値とする。
b) ピストン・シリンダの温度が標準温度より1 ℃以上異なる場合,ピストン降下速度は,次の式(A.2)
によって求める。
Vr V (A.2)
r
ここに, Vr : 標準温度におけるピストン降下速度
V : 測定温度におけるピストン降下速度
ηr : 標準温度における圧力媒体の動粘度
η : 測定温度における圧力媒体の動粘度
c) ピストン降下速度の測定値の相対拡張不確かさは,5 %を超えてはならない。
d) ピストン降下速度は,製造業者の仕様又は表4のピストン降下速度を満足しなければならない。
A.3.1.3 重錘質量の測定
a) ピストン,重錘皿及び重錘の質量は,質量用天びん,及び標準分銅又は質量が既知の重錘を用いて測
定する。ゲージ圧力の発生に使用する場合は,質量は協定質量で表されることが多い。協定質量とは,
20 ℃の温度で1.2 kg/m3の密度の空気中において,被測定物と釣り合う密度が8 000 kg/m3の標準分銅
の質量である。絶対圧力の発生に使用する場合は,実際の密度を考慮した質量で表す。
b) 重錘質量に測定値を使用する場合,不確かさを評価しなければならない。
A.3.1.4 重錘形圧力天びんの動作感度の測定
a) 測定は,主測定範囲の下限で,参照標準器との比較試験で行う。
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b) 被試験器に微小な分銅を負荷し,ピストン降下速度の変化又は圧力の変化を観測する。変化があると
認められた分銅質量から,動作感度を算出する。
c) 被試験器の動作感度は,主測定範囲の下限において,表2の発生圧力の最大許容誤差の10 %に等しい
圧力を超えてはならない。
A.3.2 技術上の要求事項の試験
A.3.2.1 ピストンの高さ位置
ピストンの高さ位置をカセトメータ,水準器と長さ計との組合せ,レーザートランジットなどで測定し,
ピストンの高さ位置の検出値と比較する。
A.3.2.2 水準調整機能
試験は,必要な精度を満たす参照水準器などを用いて次のとおり行う。
a) 測定は,基本的には重錘を負荷する前に行うが,必要に応じて重錘負荷時にも行う。
b) 重錘形圧力天びん附属の水準器を用いて水準調整する。
c) ピストンを使用位置まで浮上させる。
d) 参照水準器などを,ピストンの上面又はこの目的に作成されたジグに載せる。
e) 参照水準器などの識別能力は,1.5 mrad以内とする。
f) 参照水準器などを載せたままピストンをゆっくり回転させるか又は水準器を直交する2方向に載せ,
鉛直度が6.6の水準調整の精度等級に応じた値を満足していなければならない。
A.3.2.3 ピストンと重錘皿との相互位置
この測定は,重錘皿がピストンに固定されている場合に行い,重錘を負荷する前に行わなければならな
い。ピストン軸を鉛直に設置した後,必要な精度を満たす水準器を重錘皿に直交する2方向に載せ,水準
器の異なる方向での指示が,6.7のピストンと重錘皿との相互位置の条件を満足していなければならない。
A.4 比較試験による有効断面積の決定
A.4.1 比較試験方法
a) 被試験器となる重錘形圧力天びんの有効断面積は,A.4.2に規定された要件の下で,参照標準器との比
較試験で求める。参照標準器として,一般的には重錘形圧力天びんを用いるが,その他の圧力標準器
を用いることも可能である。
注記 デジタル圧力計を参照標準器として使用する場合は,JIS B 7547参照。
b) 参照標準器に重錘形圧力天びんを使用する場合,比較試験においては,試験圧力ごとに参照標準器及
び被試験器の双方に,その圧力に相当する重錘を負荷して,発生圧力を比較する。圧力が平衡するよ
うに,通常参照標準器に微小な分銅を負荷する。表2の発生圧力の最大許容誤差の10 %の圧力に相当
する微小な分銅の加除に対して,その変化が明らかに確認できなければならない。
なお,試験圧力ごとの比較試験を行う前に,被試験器の測定範囲以下の圧力で,参照標準器と被試
験器との圧力が平衡するように予備的に調整する方法もある。この方法では,予備平衡後,上記と同
様に試験圧力ごとに通常参照標準器に微小な分銅を負荷して双方を平衡させる。試験圧力を発生させ
た重錘から予備平衡時に負荷した微小な分銅の質量を差し引いた質量を有効断面積の算出に採用する。
c) 参照標準器にその他の圧力標準器を使用する場合,比較試験においては,試験圧力ごとに,被試験器
にその圧力に相当する重錘を負荷して,参照標準器の表示する圧力値を読み取る。
A.4.2 試験要件
a) 参照標準器は,次のとおりとする。
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1) 参照標準器に重錘形圧力天びんを使用する場合
1.1) 精度等級0.01級及び0.02級の重錘形圧力天びんを試験するとき
参照標準器を含んだ試験全体の合成標準不確かさが,試験圧力の値に対して,それぞれ0.004 %
及び0.008 %より小さいことが望ましい。
1.2) 精度等級0.05級,0.1級及び0.2級の重錘形圧力天びんを試験するとき
参照標準器の精度等級は,被試験器より少なくとも2等級高いものでなくてはならない。
2) 参照標準器にその他の圧力標準器を使用する場合
参照標準器を含んだ試験全体の合成標準不確かさは,重錘形圧力天びんの精度等級の2/5より小
さいことが望ましい。
注記 5.5の精度等級を参照。
b) 比較試験は,基本的には測定範囲の上限まで段階的に加圧し,次に段階的に減圧して行う。重錘形圧
力天びんの測定範囲全体にわたる試験圧力の値及び分割数は,表A.1による。
表A.1−試験圧力の値及び分割数
精度等級 分割数 試験圧力値[測定範囲の上限に対する割合(%)]
0.01級,0.02級 10 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
0.05級,0.1級,0.2級 6 10 20 40 60 80 100
注記 精度等級0.01級及び0.02級の重錘形圧力天びんの試験は,測定範囲の上限を除
いて,互いに隣接していない最大3点までの試験圧力を省略することができる。
また,主測定範囲の下限が表A.1の値より大きい場合は,その圧力での試験は行
わない。
c) 比較試験中,参照標準器及び被試験器の圧力基準高さの関係は,これによって生じる拡張不確かさが,
表2の発生圧力の最大許容誤差の10 %を超えないことが保証できる十分な精度で決定しなければなら
ない。
d) 比較試験中,各試験圧力におけるピストンの回転速度は,ピストンが使用位置で規定を満たす動作感
度を保てる回転速度でなければならない。
A.4.3 有効断面積の決定
A.4.3.1 各試験圧力における有効断面積の算出
重錘形圧力天びんの有効断面積の値は,参照標準器との比較試験で得られた個々の測定値の平均値に基
づき,次の式(A.3)によって求める。
b b
mg1 1 mig1 1 C
i
A pi, tr (A.3)
p,ti1[ (t tr ) ]
ここに,pt, iは,i番目の圧力平衡状態のときに被試験器の圧力基準高さに印加されている圧力で,この
ときの参照標準器の発生圧力ps, iを用いて次の式(A.4)のように求めることができる。
p,tip,si f bg1H p0 (A.4)
ps,iは,参照標準器に重錘形圧力天びんを使用する場合には,次の式(A.5)によって求める。
b b
msg1 1 m,sig1 1 Cs
s ,si
p,si ps 0 (A.5)
p ) [1
As ,0(tr )(1
s i s(tstr ) ]
――――― [JIS B 7610 pdf 19] ―――――
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A.4.3.2 有効断面積の決定
有効断面積は,式(A.3)で求めた各試験圧力における有効断面積の値A(pi, tr) に圧力依存性が認められな
い場合はa),線形の圧力依存性が認められる場合はb) によって求める。
a) 圧力依存性を考慮しない場合
1) 有効断面積A(p, tr) は,式(A.3)で求めた各試験圧力における有効断面積の値A(pi, tr) の平均値として,
次の式(A.6)によって求める。
n
Ai
i 1
A pr,
t (A.6)
n
ここに, Ai=A (pi, tr)
n : 試験圧力点の数
2) 式(A.6)で規定される有効断面積A (p, tr) の標準不確かさは,試験に用いた参照標準器の発生圧力の
2A
標準不確かさと次の式(A.7)で求められる分散 銀⌒ 地
n
2
Ai A
2 i 1
A (A.7)
n 1
ここに, A=A (p, tr)
b) 圧力依存性を線形と仮定する場合
1) 有効断面積A(p, tr) は,ピストン・シリンダの圧力ゼロにおける有効断面積A(0, tr) 及び圧力変形係
数λを用いて,次の式(A.8)によって求める。
A p,tr A ,0tr1 (A.8)
A(0, tr) 及びλは,式(A.3) で求めた有効断面積Aiの試験圧力piに対する依存性を線形回帰し,次
の式(A.9)及び式(A.10)によって求める。
n n n n
2
Ai pi pi Aipi
r,0 i1 i1 i1 i1
A t 2 (A.9)
n n
2
n pi pi
i1 i1
n n n
n Ai pi Ai pi
i1 i1 i1
n n n n (A.10)
2
Ai pi pi Aipi
i1 i1 i1 i1
2) 式(A.8)で規定される有効断面積 A(p, tr) の標準不確かさは,試験に用いた参照標準器の発生圧力の
標準不確かさと線形回帰から得られる分散を考慮して求める。
A.5 重錘質量の目標値の計算
重錘形圧力天びんの個々の重錘に対して,実際に必要とする質量の目標値は,A.4.3.2の有効断面積の決
定によって求めた有効断面積を基に,次の場合に応じて計算によって求めることができる。
a) ピストン,重錘皿及び重錘の質量が協定質量の場合,(i−1)番目からi番目への試験圧力の変更に必要
な重錘質量値Δmiは,次の式(A.11)及び式(A.12)によって求める。ここに,mは,ピストン及び重錘皿
――――― [JIS B 7610 pdf 20] ―――――
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JIS B 7610:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- OIML R110:1994(MOD)
JIS B 7610:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.060 : 体積,質量,密度,粘度の測定
JIS B 7610:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8103:2019
- 計測用語