JIS B 7730:2017 ロックウェル硬さ試験―基準片の校正 | ページ 3

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B 7730 : 2017
附属書B
(参考)
硬さ基準片の硬さ平均値の不確かさ
B.1 一般
測定の不確かさ解析は,測定値間の食い違いを知り,誤差の原因を明らかにする上で有益な手段である。
使用者からの指示がない限りは,この附属書は,不確かさの推定に関する指針であって,ここから得られ
る値は参考情報に過ぎない。
基準片の校正条件に関してこの規格で示している規定は,長い年月を重ねて開発され,見直されてきた
ものである。
基準片が満たさなければならない個々の許容差を決める際には,測定装置の使用に伴う不確かさはこの
許容差に含まれているため,例えば,測定の不確かさによって許容差を小さくするなど,この不確かさに
対して更に許容差を設けることは適切ではない。
このことは基準片の製造及び校正に関わる全ての測定だけでなく,校正用試験機の検証を行う際のあら
ゆる測定についても当てはまることである。個々のケースについては,単純にこの規格への適合を評価す
るのに用いる個々の測定装置を使用して得られた測定値を適用する。
しかしながら,測定の不確かさによって許容範囲を小さくすることが適切であるような場合には,受渡
当事者間による協定が必要である。
注記 硬さスケールの定義及び標準供給に必要な計量的連鎖は,JIS Z 2245の図I.1(校正の連鎖)を
参照する。
B.2 直接検証−試験機の校正の不確かさ
B.2.1 試験力の校正
JIS B 7726の附属書B(試験機の校正結果の不確かさ)を参照する。
B.2.2 押込み深さ測定装置の校正
JIS B 7726の附属書Bを参照する。
B.2.3 圧子の検証
JIS B 7726の附属書Bを参照する。
B.2.4 試験動作時間の検証
JIS B 7726の附属書Bを参照する。
B.3 間接検証−校正用試験機の校正の不確かさ
注記1 この附属書では,添え字“CRM-P(一次認証標準物質)”は,“一次硬さ基準片”をいう。
注記2 一次硬さ基準片を用いた間接検証によって,校正用試験機の総合的な性能を評価する。校正
用試験機の再現性及び校正用試験機の硬さ測定値の真の値からのかたよりが評価される。校
正用試験機の間接検証では,校正用試験機で測った一次硬さ標準片の平均硬さと,対応する
一次硬さ基準片の証明書の値との間の差,又はかたよりbHCMを計算し,報告する。間接検証
によって,かたよりが規定の最大許容範囲内にあるかどうかを確かめる。一次硬さ標準片の
真の平均硬さに対する校正用試験機のかたよりの不確かさを計算する手順を次に示す。

――――― [JIS B 7730 pdf 11] ―――――

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B 7730 : 2017
校正用試験機のかたより測定の不確かさは,式(B.1)を使った間接検証結果から計算する。
2 2 2
uHCM uCRM P-uHCRMP- ums (B.1)
ここに, uCRM-P : 校正証明書による一次硬さ基準片の認証値の校正の不確か
さによる測定の不確かさへの寄与(k=1)。
uHCRM-P : 校正用試験機の測定の再現性の欠如及び一次硬さ基準片を
測定した際の硬さ測定値の平均値の標準偏差として計算さ
れる一次硬さ基準片の硬さの不均一性による測定の不確か
さへの寄与。
ums : 校正用試験機の分解能による測定の不確かさへの寄与。
例 校正用試験機のロックウェルCスケール(45 HRC)の間接検証の例を示す。
既知の間接検証パラメータとして,次の値を用いる。
一次硬さ基準片(CRM-P) : HCRM-P=45.40 HRC
CRM-Pの値の拡張不確かさ : UCRM-P=0.24 HRC
校正用試験機の分解能 : δms=0.01 HRC
一次硬さ基準片(CRM-P)の5回のHRCの測定結果を表B.1に示す。
既知の間接検証パラメータ及び表B.1から,式(B.2)式(B.5)によって次のとおり計算する。
bHCM H HCRM -P (B.2)
UCRMP-
uCRMP- (B.3)
2
t sHCRMP-
uHCRMP- (B.4)
n
δms
ums (B.5)
2 3
ここに, sHCRM-P : 間接検証による測定の標準偏差
表B.1−間接検証の結果
点数 硬さ測定値 H
(HRC)
1 45.65
2 45.52
3 45.51
4 45.58
5 45.61
平均値 H 45.57
標準偏差 sHCRM-P 0.059
測定の標準不確かさ uHCRM-P 0.030
bHCM H HCRM -P( 45.5745.40) RC 0.17 HRC
CRM P-
uCRMP- .012 HRC
2
n=5の場合,t=1.14

――――― [JIS B 7730 pdf 12] ―――――

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B 7730 : 2017
t sHCRMP- .114 .0059
uHCRMP- 0.030 HRC
n 5
ms
ums 0.003 HRC
2 3
かたよりの不確かさバジェットを表B.2に示す。
表B.2−かたよりの不確かさバジェット
量 推定値 測定の 分布 感度 測定の標準不 不確かさの
標準不確かさ 係数 確かさの記号 寄与
Xi xi u(xi) ci ui(H)
認証値CRM-P 45.40 HRC 0.12 HRC 正規 1.0 uCRM-P 0.120 HRC
校正用試験機による測定 45.40 HRC 0.030 HRC 正規 1.0 uHCRM-P 0.030 HRC
校正用試験機の分解能 0 HRC 0.003 HRC く(矩)形 1.0 ums 0.003 HRC
かたよりの合成標準不確かさ uHCM 0.124 HRC
かたよりの拡張不確かさ UHCM (k=2) 0.247 HRC
B.4 硬さ基準片の値の不確かさ
B.4.1 一般
校正された硬さ基準片の拡張不確かさUCRMは,式(B.6)によって計算する。
2 2 2
UCRM k uHCRM ums uHCM (B.6)
校正用試験機を用いて行った測定が,かたよりbHCMに関して補正されていない場合,校正された硬さ基
準片の認証値 HCRM 及びその不確かさは,式(B.7)によって求める。
HCRM (UCRM bHCM ) (B.7)
校正用試験機を用いて行った測定が,かたよりbHCMに関して補正されている場合,校正された硬さ基準
片の認証値 HCRM 及びその不確かさは,式(B.8)によって求める。
(HCRM bHCM ) CRM (B.8)
ここに, uHCRM : 校正用試験機の測定の繰返し性の不足及び校正される一次
基準片の不均一性による測定の不確かさへの寄与。
ums : 校正用試験機の分解能による測定の不確かさへの寄与。
uHCM : 校正用試験機によって発生したかたより(bHCM)測定の標準
不確かさの,測定の不確かさへの寄与[この値は式(B.1)で定
義した間接検証の結果として報告されている。]。
bHCM : 校正用試験機で測定した一次硬さ基準片の平均硬さと対応
する一次硬さ基準片と認証値との間のかたより。
例 硬さ基準片の値の校正の例を示す。
既知の間接検証パラメータとして,次の値を用いる。
校正用試験機のかたより(45 HRC) : bHCM=0.17 HRC
かたよりの合成標準不確かさ(45 HRC) : uHCM=0.124 HRC
校正用試験機の分解能 : δms=0.01 HRC

――――― [JIS B 7730 pdf 13] ―――――

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B 7730 : 2017
硬さ基準片の5回のHRCの測定結果を表B.3に示す。
既知の間接検証パラメータ及び表B.3から,式(B.9)及び式(B.10)によって次のとおり計算する。
t sHCRM
uHCRM (B.9)
n
δms
ums (B.10)
2 3
表B.3−硬さ基準片の校正結果
点数 硬さ測定値 H
HRC
1 43.22
2 43.30
3 43.23
4 43.37
5 43.40
平均値 H 43.30
標準偏差 sHCRM 0.081
t sHCRM .114 .0081
uHCRM 0.041 HRC
n 5
1
ums δms .0003 HRC
2 3
B.4.2 硬さ基準片の不確かさバジェット
測定の不確かさバジェットを表B.4,硬さ基準片の認証値の不確かさを表B.5に示す。
表B.4−測定の不確かさバジェット
量 推定値 分布 測定の標準 感度 測定の標準 不確かさの
不確かさ 係数 不確かさの記号 寄与
校正用試験機の測定 43.30 HRC 正規 0.041 HRC 1.0 uCRM 0.041 HRC
校正用試験機の分解 0 HRC く(矩)形 0.003 HRC 1.0 ums 0.003 HRC
校正用試験機のバイアス 0.17 HRC 正規 0.124 HRC 1.0 uHCM 0.124 HRC
校正された硬さ基準片の値の合成標準不確かさ,uHCRM 0.131 HRC
校正された硬さ基準片の値の拡張不確かさ,UCRM (k=2) 0.261 HRC
表B.5−硬さ基準片の認証値の不確かさ
硬さ基準片の 測定の 校正用試験機 硬さ基準片の値
認証値 拡張不確かさ のかたより の拡張不確かさ
HCRM(Uncorr ) 43.30 HRC 0.26 HRC 0.17 HRC 0.43 HRC
未補正 HCRM UCRM bHCM
HCRM(Corr) 43.10 HRC 0.26 HRC 0.17 HRC 0.26 HRC
補正後 HCRM bHCM UCRM

――――― [JIS B 7730 pdf 14] ―――――

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B 7730 : 2017
附属書C
(規定)
基準ダイヤモンド圧子の条件
C.1 一般
基準ダイヤモンド圧子は,5.3のa) f)及び次の条件による。
C.2 基準ダイヤモンド圧子の検証方法
基準ダイヤモンド圧子は,国家標準ダイヤモンド圧子との比較試験によって性能を検証しなければなら
ない。基準ダイヤモンド圧子を認証するスケールに応じて,表2表5のいずれかに示す硬さレベルで硬
さ基準片の試験を行う。試験は,JIS Z 2245によって行う。
C.3 許容範囲
各基準片について検証する基準ダイヤモンド圧子による5点測定の硬さ値の平均と,国家標準圧子によ
る5点測定の硬さ値との平均の差は,±0.4 HRでなければならない。基準ダイヤモンド圧子によるくぼみ
と国家標準ダイヤモンド圧子によるくぼみとは,隣接していることが望ましい。

――――― [JIS B 7730 pdf 15] ―――――

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JIS B 7730:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6508-3:2015(MOD)

JIS B 7730:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7730:2017の関連規格と引用規格一覧