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B 7755 : 2011 (ISO 14556 : 2000)
6 試験装置
6.1 試験機
JIS B 7722に従い,かつ,衝撃力−時間曲線又は衝撃力−変位曲線を求めるために計装化した振り子式
衝撃試験機を用いる。
計装化装置による全衝撃エネルギーWtと目盛盤に示される吸収エネルギーKVとを比較する。
注記1 計装化装置と目盛盤とから求めたエネルギーとは,同類ではあるが,異なった定義によるも
のであり,差が生じる可能性がある(参考文献[5]参照)。
注記2 両者の差が±5 Jを超える場合は,次の事項を調査することが望ましい。
a) 試験機の摩擦
b) 計測システムの校正
c) 使用したソフトウェア
6.2 計装化装置及び校正
6.2.1 測定値のトレーサビリティ
校正に使用する力計及び変位計は,国家標準又は国際標準に対してトレーサビリティがなければならな
い。
6.2.2 衝撃力の計測
衝撃力の計測は,衝撃刃に貼付した一対又は二対の電気抵抗線形ひずみゲージから構成する力検出器に
よって行う。適切な形態例を,附属書Aに示す。
フルブリッジ回路は,ハンマの両側に貼付した同応力状態にある一対又は二対の(アクティブ)ひずみ
ゲージ,及び必要な場合,補償(ダミー)ひずみゲージ又は代用抵抗によって構成する。補償ひずみゲー
ジは,衝撃及び振動の影響を受ける試験機部分に貼付してはならない。
注記1 電気抵抗線形ひずみゲージに代わるものとして,必要な性能をもつ他の力検出器を使用して
もよい。
衝撃力の計測システム(検出器,増幅器及び記録装置)は,3.5 獎 下の信号立上がり時間trに対応す
るため,少なくとも100 kHzの応答周波数をもたなければならない。
注記2 力計測系の動的評価は,最初の第一ピークの値を計測することによって単純化できる。経験
上,衝撃速度が5 m/s5.5 m/sである場合で,鉄鋼材料製Vノッチ試験片が8 kNより大きな
第一ピークを示す場合は,計測系の動的特性は満足していると考える。これは,(アクティブ)
ひずみゲージの中心が衝撃刃の打撃点から11 mm15 mmの距離にある場合に有効である。
衝撃力の計装化は,必要とする定格衝撃力範囲を計測できるようにすることが望ましい。計装化した衝
撃刃は,打撃方向以外の力に対する感度を最小になるように設計しなければならない。
注記3 Vノッチ試験片の場合,全ての鉄鋼材料に対して定格衝撃力は,経験上10 kN40 kN内にあ
る。
6.2.3 校正
記録及び計測システムの校正は,次の事項及び6.2.4の精度要求に従って静的に実施する。衝撃力の校正
は,ハンマに組み込まれた衝撃刃を用いて実施することが望ましい。
校正されたロードセルを備えた専用負荷フレームを介して,試験片の位置に専用の支持ブロックを使っ
て,衝撃刃に力を加える。この支持ブロックは高剛性であり,またその関連因子はシャルピーVノッチ試
験片に従っていなければならない。支持ブロックと衝撃刃との接触状態は,試験時の試験片と衝撃刃との
状態にほぼ等しく,また再現性のある結果が得られなければならない。
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注記1 2 mm衝撃刃の校正用支持ブロックの例を,附属書Bに示す。
記録装置(プリンタ,プロッタなど)を含む全計測システムを組み込んだ計装化衝撃刃の静的な直線性
及びヒステリシス誤差は,定格衝撃力範囲の50 %100 %,計測衝撃力の±2 %であり,また定格衝撃力範
囲の10 %50 %では,定格衝撃力の±1 %でなければならない(図1参照)。
注記2 計装化した衝撃刃単体では,精度は定格衝撃力の10 %100 %の範囲で計測力の±1 %である
ことが望ましい。
図1−計測力の許容誤差
6.2.4 変位の計測
変位は,通常,衝撃力の時間経過から求める(箇条9参照)。
変位は,光学法,誘導法又は容量法を使用して,アンビルと衝撃刃との相対変位として非接触で計測で
きる。変位計測システムの信号変換特性は,力との同期記録を行う必要があるため,力計測システムの信
号変換特性に対応している。
変位計測システムは,30 mm以上の定格値に対応して設計しなければならない。計測システムの線形性
誤差は,1 mm30 mmの範囲において計測値の±2 %とする。変位計測システムの動的校正は,試験片な
しに振り子を切り離すことによって行うことができ,このときの衝撃刃の速度は,式(1)によって求める。
0
v 2gnh (1)
振り子が最下限位置を通過する時に記録される速度信号は,速度v0に一致することが望ましい。
01 mm間の変位は,時間の計測及び衝撃刃の衝撃速度から求めることが望ましい。この場合,次の単
純化した関係式を使用してもよい。
s v0 t t0 (2)
この近似の不確かさは,それに対応する部分衝撃エネルギーが衝撃刃の有効位置エネルギーの4 %未満
である場合,2 %未満である。
6.2.5 記録装置
動的信号の記録は,X−Yプリンタ又はプロッタに試験結果の出力ができるデジタルストレージ記録計
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によって行うのがよい。6.2.3及び6.2.4で必要とした精度を満たすため,デジタル計測及び記録システム
には少なくともサンプリング速度250 kHz(4 μs)の8ビット・アナログ−デジタル変換器が必要であるが,
できれば12ビットのものが望ましい。十分な記録を行うには,測定時間長さ8 ms以上の各信号について,
2 000データ点の記憶容量が必要である。8 ms未満の信号に対しては,その記憶容量を比例的に減少させ
てもよい。
衝撃力−変位曲線から十分精密な特性値を求めるには,少なくとも高さ100 mm,幅100 mmの曲線が必
要である。
6.2.6 校正間隔
計装化装置の校正は,12か月を超えない間隔で,又は振り子式衝撃試験機若しくは計装化装置を分解,
移動,修理又は調整したときに実施することが望ましい。衝撃刃を取り替えた場合,校正の必要がないこ
とを証明できれば実施しなくてもよい。
7 試験片
試験片は,Vノッチシャルピー衝撃試験片であり,JIS Z 2242による。
8 試験手順
試験は,JIS Z 2242に従って,Vノッチ試験片によるシャルピー振り子式衝撃試験を実施し,衝撃力−
変位曲線を求め,変形及び破壊経過の特徴的段階について評価を行う。
9 試験結果の評価方法
9.1 一般
変位を直接計測できない場合は,衝撃力−変位曲線は次のように求める。衝撃刃で計測した衝撃力−時
間関係は,加速度特性に比例する。剛体と仮定した衝撃刃の質量m,初期衝撃速度v0及び試験片の変形開
始時間t0後の経過時間tが分かっている場合には,試験片の曲げ変位s(t) は,2重数値積分によって求め
る。
1t t
vt v0 Ft (3)
m 0
t t
st vt (4)
0
9.2 衝撃力-変位曲線の評価
評価及び報告を簡単にするため,異なったタイプの特徴的衝撃力−変位曲線を図2に示す。これらは衝
撃エネルギー曲線として模式的に分類したものである。
− タイプA及びタイプB ぜい性形
− タイプC,タイプD及びタイプE 遷移形
− タイプF 延性形
タイプAの衝撃力−変位曲線では,不安定き裂だけが起こっている。タイプB,タイプC,タイプD及
びタイプEでは,種々量の安定及び不安定き裂進展が起こり得る。タイプF曲線では,安定き裂進展だけ
が起こっている。
衝撃力−変位曲線のタイプを図2に示す模式図と比較して決定する。衝撃力−変位曲線から求められる
明確な降伏衝撃力Fgyに関しては,更に評価を行う。
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なお,タイプA及びタイプBの衝撃力−変位曲線の場合は,Fgyを評価できない。
計装化した衝撃刃と試験片間の衝撃力との相互作用によって生じる振動が衝撃力−変位信号に重畳する。
一般に,振動を平滑化した曲線は,図3に示すように,再現性のある特性値を与える。
9.3 衝撃力の特性値の決定
降伏衝撃力Fgyは,衝撃力−変位曲線の第二ピークの急激な上昇部分とノッチ下領域の降伏の開始以降
の衝撃力−変位曲線の振動を平滑化した曲線との交点での衝撃力として求める(図2のタイプCタイプ
Fの衝撃力−変位曲線)。
最大衝撃力Fmは,振動を平滑化した曲線の最大値として求める。
き裂発生時衝撃力Fiuは,振動を平滑化した曲線と衝撃力−変位曲線の急激な低下部分との交点での衝
撃力として求める。急激な低下が記録された最大の衝撃力と一致するときは,Fiu=Fmである(図2のタイ
プC又はタイプDの衝撃力−変位曲線)。
き裂進展停止時衝撃力Faは,衝撃力−変位曲線の急激な低下とそれに続く衝撃力−変位曲線の残存部分
の振動を平滑化した曲線との交点での衝撃力として求められる(図2のタイプD及びタイプEの衝撃力−
変位曲線)。不安定き裂が停止しないときは,Fa=0である(図2のタイプCの衝撃力−変位曲線)。
9.4 変位の特性値の決定
3.2で定義する変位の特性値は,9.3で求める衝撃力の特性値と対応する値である(図2及び図3参照)。
注記1 降伏衝撃力時変位sgyについては,普通の計測装置を用いておおよその値を求めることができ
るだけである。そのため,sgyの値は一般に使用されない。
注記2 FiuとFaとの間の衝撃力−変位曲線は,急激に降下するため,一般にsiu saである。
全変位stは,試験片が試験中に完全に破壊し,また試験片の破壊までの衝撃力−変位曲線が有効である
ときにだけ求められる。この場合,衝撃力−変位曲線の振動を平滑化した曲線は,F=0に漸近する。全変
位stは,振動を平滑化した曲線のF=0.02 Fmでの変位として求めることができる。
9.5 衝撃エネルギーの特性値の決定
最大衝撃力時エネルギーWmは,s=0からs=smまでの衝撃力−変位曲線下の面積を求めることによって
決定する。
き裂発生時エネルギーWiuは,s=0からs=siuまでの衝撃力−変位曲線下の面積を求めることによって決
定する。
き裂停止時エネルギーWaは,s=0からs=saまでの衝撃力−変位曲線下の面積を求めることによって決
定する。
注記 FiuとFaとの間の衝撃力−変位曲線は,急激に降下するため,一般にWiu Waである。
全衝撃エネルギーWtは,s=0からs=stまでの衝撃力−変位曲線下の面積を求めることによって決定す
る。
――――― [JIS B 7755 pdf 9] ―――――
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B 7755 : 2011 (ISO 14556 : 2000)
1 : タイプ,2 : 模式図,3 : 実際の記録
図2−特徴的な衝撃力−変位曲線並びに衝撃力及び変位の特性値の決定
――――― [JIS B 7755 pdf 10] ―――――
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JIS B 7755:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14556:2000(IDT)
JIS B 7755:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 7755:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7722:2018
- 金属材料のシャルピー衝撃試験―試験機の検証
- JISZ2242:2018
- 金属材料のシャルピー衝撃試験方法