JIS B 8356-8:2002 油圧用フィルタ性能評価方法―第8部:フィルタエレメントのろ過性能試験(マルチパステスト法) | ページ 2

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B 8356-8 : 2002 (ISO 16889 : 1999)
1 : Graphic symbolsが,この規格と一致している。
JIS B 0142 油圧及び空気圧用語
備考 ISO 5598 : 1985,Fluid power systems and components―Vocabularyからの引用事項は,この規格
の該当事項と同じである。
JIS B 8356-2 油圧用フィルタ性能評価方法―第2部 : フィルタエレメントの組立完全性試験及びファ
ーストバブルポイントの測定
備考 ISO 2942 : 1994,Hydraulic fluid power―Filter elements―Verification of fabrication integrity and
determination of the first bubble pointが,この規格と一致している。
JIS B 8356-7 油圧用フィルタ性能評価方法―第7部 : フィルタの圧力降下特性試験
備考 ISO 3968 : 1981,Hydraulic fluid power―Filters―Evaluation of pressure drop versus flow
characteristicsが,この規格と一致している。
JIS B 9931 質量法による作動油汚染の測定方法
備考 ISO 4405 : 1991,Hydraulic fluid power―Fluid contamination―Determination of particulate
contamination by the gravimetric methodが,この規格と一致している。
JIS B 9935 油圧―液体用オンライン式自動粒子計数システム―校正方法及び妥当性確認方法
備考 ISO 11943 : 1999,Hydraulic fluid power―On-line automatic particle-counting systems for liquids―
Methods of calibration and validationが,この規格と一致している。
JIS B 9936 油圧―微粒子分析―運転中のシステム管路からの作動油試料採取方法
備考 ISO 4021 : 1992,Hydraulic fluid power―Particulate contamination anaylsis―Extraction of fluid
samples from lines of an operating systemが,この規格と一致している。
JIS B 9937 油圧―作動油試料容器―清浄度の品質及び管理方法
備考 ISO 3722 : 1976,Hydraulic fluid power―Fluid sample containers―Qualifying and controlling cleaning
methodsが,この規格と一致している。
ISO 11171 : 1999 Hydraulic fluid power―Calibration of automatic particle counters for liquids
ISO 12103-1 : 1997 Road vehicles―Test dust for filter evaluation―Part 1 : Arizona test dust
ASTM D 4308-95 Standard test method for electrical conductivity of liquid hydrocarbons by precision meter

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0142によるほか,次による。

3.1 投入したテストダスト質量

(contaminant mass injected) 最終試験差圧△pまでに試験回路に投入するテストダストの質量。
3.2 定められた試験条件における供試体の,入口と出口との圧力の差(図1
差圧 (differential pressure)
参照)。
3.2.1 初期アッセンブリ差圧 (clean assembly differential pressure) フィルタエレメントを含むフィルタ
のケースの,入口と出口との圧力の差(図1参照)。
3.2.2 アッセンブリの初期差圧△pから,ハウジ
初期エレメント差圧 (clean element differential pressure)
ングの差圧を減じたエレメントの差圧(図1参照)。
3.2.3 最終アッセンブリ差圧 (final assembly differential pressure) ハウジングの差圧とエレメント最終差
圧との合計で,試験終了時のアッセンブリの差圧(図1参照)。
3.2.4 ハウジング差圧 (housing differential pressure) エレメントを除いたフィルタケースの差圧(図1参
照)。

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3.2.5 最終エレメント差圧 (terminal element differential pressure) メーカによって定められた,フィルタ
エレメントの最大差圧(図1参照)。
3.3 直流電圧が電極間に印加後,初期電流測定時の導電
レストコンダクティビティ (rest conductivity)
率。
備考 イオン欠乏又は分極が発生していない状態で,電荷を蓄えていない流体の抵抗値の逆数。

3.4 真の集じん量

 (retained capacity) エレメントの最終差圧△pに達したときの,フィルタエレメント
によって捕そく(捉)されたテストダストの質量。
番号
1 : 最終アッセンブリ差圧
2 : 最終エレメント差圧
3 : 初期エレメント差圧
4 : ハウジング差圧
5 : 初期アッセンブリ差圧
図1 マルチパステストにおける差圧の定義

4. 記号

4.1 図記号

 使用される図記号は,JIS B 0125-1による。

――――― [JIS B 8356-8 pdf 7] ―――――

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B 8356-8 : 2002 (ISO 16889 : 1999)

4.2 数値記号

  参照番号       記号           単位                           内容又は説明
4.2.1 Aux, 個/ml フィルタ入口側で計測された粒径xm (c)以上の平均粒子数
4.2.2 Adx, 個/ml フィルタ出口側で計測された粒径xm (c)以上の平均粒子数
4.2.3* βx(C ) なし 粒径x m (c)におけるろ過比(ISO 11171校正)
4.2.4 βxt, なし 粒径x m (c)及び時間tにおけるろ過比
4.2.5* βx(C ) なし 粒径x m (c)における平均ろ過比(ISO 11171校正)
4.2.6 CR g 真の集じん量
4.2.7 Gb mg/l フィルタ入口側の平均汚染濃度
4.2.8 Gb' mg/l フィルタ入口側の目標汚染濃度
4.2.9 Gi mg/l 投入油の平均汚染濃度
4.2.10 Gi' mg/l 投入油の目標汚染濃度
4.2.11 G80 mg/l △p 80 %時における試験タンクの汚染濃度
4.2.12 M g 投入に必要なテストダストの質量
4.2.13 Me g フィルタエレメントの見かけの集じん量(投入量)
4.2.14 Ml g 投入したテストダストの質量
4.2.15 Mp g エレメント差圧△pまでに投入したテストダストの質量
4.2.16 n なし 定められた時間内での計測回数
4.2.17 Nu,x,i 個/ml i番目の計測時におけるフィルタ入口側のx以上の粒子数
4.2.18 Nd,x,i 個/ml i番目の計測時におけるフィルタ出口側のx以上の粒子数
4.2.19 Nu x,t, 個/ml 試験時間tまでのフィルタ入口側におけるx以上の平均粒子数
4.2.20 Nd x,t, 個/ml 試験時間tまでのフィルタ出口側におけるx以上の平均粒子数
4.2.21 p Pa,kPa,又はbar 圧力
4.2.22 △p Pa,kPa,又はbar 差圧
4.2.23 q l/min 試験流量
4.2.24 qd l/min フィルタ出口側の廃棄試験流量
4.2.25 qi l/min 平均投入油流量
4.2.26 qi' l/min 目標投入油流量
4.2.27 qu l/min フィルタ入口側の廃棄試験流量
4.2.28 t min 試験時間
4.2.29 t' min 予測試験時間
4.2.30 tf min 最終試験時間
4.2.31 tp min エレメント△pまでの試験時間
4.2.32 Vif l 投入装置内の最終計測油量
4.2.33 Vii l 投入装置内の初期計測油量
4.2.34 Vmin l 投入装置内の必要最小油量
4.2.35 Vtf l フィルタ試験装置内の最終計測油量
4.2.36 Vv l 妥当性確認のできた投入装置の最小油量
注* ろ過比βx(C)及び平均ろ過比 βx(C ) の(c)は,IS0 11171に従って校正した自動粒子計数器を用いて,JIS B
8356-8に基づきろ過性能を評価していることを示す。

5. 一般手順

5.1   6. 及び7. に従って,装置の運転を開始する。
5.2 8. に従って,装置の妥当性を確認する。
5.3 9.,10. 及び11. に従って,すべての試験を行う。

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5.4 12. に従って,試験データを分析する。
5.5 10.,11. 及び12. から得られたデータを,13. に従って提示する。

6. 試験装置

6.1 タイマ

6.2 自動粒子計数器

 ISO 11171に従って,校正する。

6.3 ISOミディアムテストダスト

(ISO 12103-A3) SO 12103-1に従って,ダスト量が200 g未満の場合,110 ℃150 ℃で1時間以上乾燥させる。試験装置に使用するには,ダストを試験油と混ぜ,3 000 W/m2
10 000 W/m2の出力密度で超音波分散をかけながら機械的にかくはんする。
備考 このダストは市販されている。
ISO 12103-A3テストダスト(ISO 12103-1に規定されている粉体)を入手する際は,社団法人
日本フルードパワー工業会に問い合わせる。

6.4 オンライン計数システム

(必要に応じて希釈装置) IS B 9935に従って,妥当性を確認する。

6.5 試料容器

 JIS B 9937に定められた方法で,容器内の6   μm (c)以上の粒子が1 ml当たり20個以下
になっている容器。

6.6 石油系試験流体

 附属書Aによる。
備考1. 国際的に入手可能でありフィルタ規格で広く用いられ,実績のある,十分に管理された油圧
作動油を使用することによって,結果の再現性が向上する。
2. この試験作動油に帯電防止剤を加えると,試験結果に影響を与える可能性がある。

6.7 フィルタ評価試験回路

 “フィルタ試験装置”及び“コンタミナント投入装置”からなる。
6.7.1 フィルタ試験装置の構成
a) 8.の要求事項を満たし,更に手順で要求される試験流量,圧力,油量に適応できる油タンク,ポンプ,
作動油調整装置,及び計測器とする。
b) 表2に規定する装置の初期汚染基準を満足できる,クリーンアップフィルタを設ける。
c) 想定される汚染濃度に影響されない構造である。
d) 予想される試験時間において,粒子の分布が変わらない構造である。
e) IS B 8356-7に準拠した圧力計測の接続口を設ける。
f) JIS B 9936に準拠した試験フィルタの,入口側及び出口側の作動油の採取装置を設ける。
備考 附属書Bに典型的な構造を示す。
6.7.2 コンタミナント投入装置の構成
a) 8.の要求事項を満たし,更に手順で要求される試験流量,圧力,油量に適応できる油タンク,ポンプ,
作動油調整装置及び計測器とする。
b) 想定される汚染濃度に影響されない構造である。
c) 予想される試験時間において,粒子の分布が変わらない構造である。
d) IS B 9936に準拠した試験フィルタの,入口側及び出口側の作動油の採取装置を設ける。
備考 附属書Bに典型的な構造を示す。

6.8 薄膜フィルタ及び関連試験装置

 JIS B 9931に準拠した質量法に適した装置。

7. 計測器の精度及び試験条件

7.1  装置の精度及び試験条件が,表1の範囲になるよう維持し活用する。

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7.2 実施される試験条件によって,表2の範囲になるよう試験パラメータを維持する。
表1 装置の精度及び試験条件の変動範囲
試験パラメータ SI単位 計測器の表示精度(±) 試験条件の許容変動範囲
(±)
導電率 pS/m 10 % ―
差圧 Pa,kPa,bar 5% ―
フィルタ入口側の基本汚染mg/l ― 10 %
濃度
流量
投入油流量 ml/min 2% 5%
試験流量 l/min 2% 5%
自動粒子計数器のセンサ流l/min 1.5 % 3 %(1)

動粘度(2) mm2/s 2% 1 mm2/s
質量 g 0.1 mg ―
温度 ℃ 1℃ 2 ℃(3)
時間 s 1s ―
油量
テストダスト装置 l 2% ―
フィルタ試験装置 l 2% 5%
注(1) センサ流量の変動は,センサ間で許容されている10 %に含む。
(2) 1 mm2/s=1cSt
(3) 粘度の許容値が保証できる温度範囲。
表2 試験条件値
試験条件 条件1 条件2 条件3
フィルタ試験装置の初期汚染濃度 測定された最少粒径が,表3に規定されている最小数の1 %未満
投入装置の初期汚染濃度 投入質量汚染濃度の1%未満
フィルタ入口側の 3±0.3 10±1.0 15±1.5
基本汚染濃度mg/l(4)
推奨測定粒径(5) 想定されるフィルタ性能のβ値が2から1 000の範囲となる5個以上の粒径を
選択する。一般的粒径 : (4,5,6,7,8,10,12,14,20,25,30) μm(c)
サンプリングと計測方法 オンライン自動粒子計数器
注(4) 二つのフィルタの試験結果を比較する場合は,フィルタ入口側の基本質量汚染濃度は同じほうがよい。
(5) 目の細かいフィルタでは,β値の低い(β=2,10···)粒径を求めることはできない。また,目の粗いフィル
タでは,β値の高い(β=···200,1 000)を求めることができない。

8. フィルタ性能試験回路の妥当性確認手順

    備考 ここに示す妥当性確認手順では,フィルタ性能試験回路が試験油中にテストダストを常に分散
し,粒径分布の変化を防止できることを示す。
8.1 フィルタ試験装置の妥当性確認
8.1.1 試験装置が使用される最小流量で妥当性確認を行う。このときにはフィルタのハウジングを取り外
し,配管を接続する。
8.1.2 フィルタ試験装置内の総油量(クリーンアップフィルタ回路内の油量を除く。)を調整する。
この総油量は,1分間当たり許容最小流量の4分の1(25 %)から2分の1(50 %)で,5 l以上とする。
備考1. 試験装置の妥当性確認は,60 l/min以下の場合には,許容最小流量の2分の1(50 %)で実
施し,60 l/minを超える場合には,4分の1(25 %)で実施するのがよい。

――――― [JIS B 8356-8 pdf 10] ―――――

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