JIS B 8356-8:2002 油圧用フィルタ性能評価方法―第8部:フィルタエレメントのろ過性能試験(マルチパステスト法) | ページ 3

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2. 4分の1又は2分の1は,フィルタ試験手順(10.3.4参照)で要求される総油量と試験流量との
比である。
8.1.3 ISO 12103-A3テストダストを用い,表2に示す入口側汚染濃度の各試験条件(1,2,又は3)で試
験装置を汚染させる。
8.1.4 自動粒子計数器の各センサ流量が,表1に示す許容値でセンサの校正時の流量と等しいことを確認
する。
8.1.5 1時間試験装置内の試験流体を循環した状態で,試験フィルタ入口側の試料採取口において60分
間の連続オンライン自動粒子計数を実施する。
妥当性確認中,センサ流量は常に一定に保ち続け,流れを妨げてはならない。
8.1.6 表2に示す累積粒径について,オンライン粒子計数を1分以下の計数間隔で60分間実施し,その
結果を記録する。
8.1.7 次に示す結果のとき,妥当性確認に合格とする。
a) 対象粒径において,各計測間隔での計数結果が,すべての粒子計数結果の平均から15 %を超えてい
ない。
b) 1 ml当たりの累積粒子計数結果の平均が,表3の許容値を満足する。
8.1.8 JIS B 9935に従って,オンライン粒子計数装置の妥当性を確認する。希釈装置を使用する場合,希
釈装置も含めて妥当性を確認する。
表 3 1 ml中の累積粒子数の許容値
粒径 試験条件1 試験条件2 試験条件3
(3 mg/l) (10 mg/l) (15 mg/l)
μm (c) 最小 最大 最小 最大 最小 最大
1 104 000 128 000 348 000 426 000 522 000 639 000
2 26 100 31 900 86 900 106 000 130 000 159 000
3 10 800 13 200 36 000 44 000 54 000 66 000
4 5 870 7 190 19 600 24 000 29 400 35 900
5 3 590 4 390 12 000 14 600 17 900 22 000
6 2 300 2 830 7 690 9 420 11 500 14 100
7 1 510 1 860 5 050 6 190 7 570 9 290
8 1 010 1 250 3 380 4 160 5 080 6 230
10 489 609 1 630 2 030 2 460 3 030
12 265 335 888 1 110 1 340 1 660
14 160 205 536 681 810 1 020
20 46 64 155 211 237 312
25 16 27 56 86 87 126
30 6 12 21 40 34 58
40 1.1 4.5 4.4 14.2 7.9 20
50 0.15 2.4 1.0 7.6 2.4 11
8.2 コンタミナント投入装置の妥当性確認
8.2.1 コンタミナント投入装置の妥当性確認は,最大汚染濃度,最大コンタミナント投入装置油量及び最
小投入流量の条件ににおいて,使用可能な油量をすべて投入しきるまで実施する。
8.2.2 要求にあった総油量及びテストダスト量を備えた,コンタミナント投入装置を準備する。
備考 コンタミナント投入装置の準備手順は,妥当性確認の一部である。

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この手順を変更するときには,装置を再妥当性も再確認する。
8.2.3 テストダストを加え,15分間以上循環する。
8.2.4 コンタミナント投入装置から投入を開始し,装置の外へ流した油を採取し,投入流量を測定する。
8.2.5 設定投入流量の±5 %以内に投入流量を維持する。
8.2.6 妥当性確認開始後30分,60分,90分,及び120分のとき。又は投入装置の容量によって等間隔で
少なくとも4回,投入量を測定し,試料を採取する。
8.2.7 JIS B 9931に従って,8.2.5で得られた試料の質量汚染濃度分析を実施する。
8.2.8 妥当性確認時の最後に,コンタミナント投入装置の油量を測定する。この値が最小妥当性確認油量
VVとなる。
8.2.9 各試料の質量汚染濃度が8.2.1で定めた値の±10 %以内であり,しかも各試料の質量汚染濃度が平
均の±5 %以内であるとき,妥当性確認試験に合格とする。
8.2.10 各採取時のコンタミナント投入流量が8.2.1で定めた値の±5 %以内であり,しかも各採取時の流
量が平均の±5 %以内であるとき,妥当性確認試験に合格とする。
8.2.11 コンタミナント投入装置の残油量(8.2.8)に平均投入流量(8.2.9)と総投入時間との積を加えた値が,
コンタミナント投入装置内の初期油量(8.2.2)の±10 %以内であるとき妥当性確認試験に合格とする。

9. 試験開始前に要求される情報のまとめ

 この試験を適用する前に,試験フィルタについての次の情報
が必要である。
a) 組立完全性試験における試験圧力(JIS B 8356-2)
b) 試験流量
c) 最終エレメント差圧
d) 試験フィルタのろ過比予測値
e) 試験フィルタの見かけの集じん量予測値Me

10. 事前準備

10.1 試験フィルタ

10.1.1 試験エレメントが試験液をバイパスしないことを確認する。
10.1.2 試験エレメントは,JIS B 8356-2に従って組立完全性試験を行う。
備考1. 組立完全性試験は,6.6で推奨された試験液を使用する。
2. スピンオン構造のようにエレメントが簡単に外れない場合,組立完全性試験はマルチパステ
スト試験後にエレメントを外して行う。ただし,その値が低かったり,ファーストバブルポ
イントが許容できない値であっても,必ずしも試験開始時の値となる必要はない。
3. エレメントが規定の試験圧力に満たない場合は,試験を続行することはできない。
4. 試験エレメントをハウジングに装着する前に,適宜,試験液を蒸発させるようにする。

10.2 コンタミナント投入装置

10.2.1 次の式で計算された予測試験時間(t')が1時間から3時間に収まるように,フィルタ入口側の目標
汚染濃度(Gb')を表2から選択する。
1 000 Me
't ·····································································(1)
Gb' q
ここに,'t : 予測試験時間(min)

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Me : フィルタエレメントの見かけの集じん量(投入量)(g)
Gb' : フィルタ入口側の目標汚染濃度(mg/l)
q : 試験流量(l/min)
備考1. フィルタ製造業者から,試験フィルタの見かけの集じん量が提示されない場合は,1本目の
エレメントで集じん量を推定し,2本目のエレメントで試験してもよい。
2. 予測試験時間が1時間未満又は3時間を超えても,試験条件1,2又は3が維持されていれば
よい。
10.2.2 次の式によって,予測試験時間(t')及び目標投入油流量に合致した投入装置の必要最小油量を求め
る。
Vmin=(1.2×t'×qi')+Vv····························································(2)
ここに,Vmin : 投入装置内の必要最小油量(l)
t' : 予測試験時間(min)
qi' : 目標投入油流量(l/min)
Vv : 妥当性確認のできた投入装置の最小油量(l)
備考1. 上記の計算で求めた油量は試験を通じて適切な循環が得られるよう,汚染液を試験エレメン
トに十分な量を流し,更に20 %上乗せした量を確保するものである。
2. 投入油流量は通常0.25 l/minの値が用いられる。これはフィルタ試験装置から排出されるフ
ィルタ出口側廃棄試験流量が,著しくテスト結果に影響を及ぼさないようになっている。
フィルタ入口側の汚染濃度が維持されれば,投入油流量を変更してもよい。
投入油流量は,8.2.5 で使用した値と同等か,又はそれを超えることが望ましい。
10.2.3 投入装置の目標汚染濃度を,次の式によって求める。
Gb' q
Gi' ········································································(3)
qi'
ここに,Gi' : 投入油の目標汚染濃度(mg/l)
Gb' : フィルタ入口側の目標汚染濃度(mg/l)
q : 試験流量(l/min)
qi' : 目標投入油流量(l/min)
10.2.4 投入装置(試験温度で測定)の初期計測油量(Vii)を,10.2.2で選んだ値に合わせ,図2に示す報告書
に記録する。
10.2.5 次の式によって,投入に必要なテストダスト質量(M)を計算する。
Gi' Vii
M ········································································(4)
1 000
ここに,M : 投入に必要なテストダストの質量(g)
Gi' : 投入油の目標汚染濃度(mg/l)
Vii : 投入装置内の初期計測油量(l)
10.2.6 投入装置に ISO 12103-A3コンタミナントを追加する前に,汚染濃度が表2に示された値より小さ
いことを確認する。
10.2.7 投入装置の妥当性確認(8.2)に用いられたのと同じ手順を使い,投入装置に当該量の液(Vii)とISO
12103-3Aテストダスト(M)(10.2.5)を入れる準備をする。

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10.2.8 温度が安定したところで,投入油流量を10.2.2で選んだ値の±5 %以内になるように調節し,これ
を試験中維持する。
10.2.8.1 準備中は,投入装置のサンプリング油を直接投入装置タンクに戻す。
10.3 フィルタ試験装置
10.3.1 フィルタ試験装置にフィルタハウジング試験(エレメントなし)を装着し,エア抜きを行う。
10.3.2 試験液のレストコンダクティビィティを確認し,1 000 pS/mから 10 000 pS/mの範囲に維持する
のがよい。(ASTM D 4308 : 95参照)帯電防止剤を加えることによって,この範囲に維持できる。
注意 帯電防止剤を加えると,試験結果に影響を与えるおそれがある。
10.3.3 試験液を動粘度が 15 mm2/s±1.0 mm2/sに維持できるような試験温度と定格流量でフィルタ試験
装置内を循環させ,JIS B 8356-7に従ってフィルタハウジングの圧力降下及び温度を記録する。
10.3.4 フィルタ試験装置(クリーンアップフィルタ回路を除く。)の全油量を,数値上フィルタを通過する
1分間当たり試験液量(最低5 l)の4分の1(25 %)から半分(50 %)の範囲になるよう調節する。
備考1. フィルタ試験装置の試験油量は,試験油量が60 l/min又はそれ以下においては,1分間当た
りの試験油量の2分の1(50 %),60 l/minを超える場合は1分間当たり試験油量の4分の
1(25 %)と等しくなるのがよい。
2. 繰返し試験で同じ結果を得るために,フィルタ試験装置の試験油量は一定に維持されなけれ
ばならない。容量対流量の比が1 : 4から1 : 2という規定は,装置のタンクを小さくできる
とともに,必要となる試験液の量を最小限に抑え,タンク内の混合を最大限にすることがで
きる。
10.3.5 試験液の汚染濃度を,表2の規定より低く抑える。
10.3.6 オンライン自動粒子計数器を立ち上げる。
10.3.6.1 フィルタ入口側及びフィルタ出口側のサンプリング流量を,使用したサンプリング手順に合った
初期上流値に調節し,出口側流量を投入量の±5 %以内に調節する。
試験期間を通じて,両方のサンプリング点からの流量を中断させないように維持する。
10.3.6.2 必要があれば,試験終了時に粒子計数器の流量と濃度が装置の要求事項に適合するように,オン
ライン自動粒子計測器の入口側及び出口側の希釈流量を調節する。
備考 入口側及び出口側のセンサ流量は8.1.4及び表1に規定された値,及び限度内に設定し,維持す
るのがよい。
10.3.6.3 希釈又は,ろ過していない入口側のサンプリング油は,直接試験タンクに戻す。
備考1. オンライン自動粒子計数器のために入口側サンプル油を希釈又はろ過している場合は,その
希釈又はろ過された油は,フィルタ試験装置の外に捕集するのがよい。
2. 入口側のサンプリング油を希釈又はろ過している場合は,廃棄する出口側サンプリング流量
を,装置の外に捕集された入口側サンプリング流量に相当する値だけ減少させるのがよい。
これは,初期装置容量の±5 %以内に保つよう規定されている,装置容量を一定に維持す
るうえで有効である。
10.3.7 粒子計数器の感度を,選定した値(表2)に調節する。
11. フィルタ性能試験
11.1 試験フィルタエレメントをハウジングに装着し,指定された試験条件(試験流量及び10.3.3で定めら
れた15 mm2/s±1.0 mm2/sとなる油温)で試験流体を流す。試験装置内の試験流体の量を確認する。

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11.2 初期アッセンブリ差圧を測定し記録する。
初期アッセンブリ差圧から10.3.3で測定したハウジング差圧を減じ,初期エレメント差圧を計算し記録
する。
11.3 最終エレメント差圧にハウジング差圧を加え,最終アッセンブリ差圧を計算する。
11.4 試験エレメントの入口側からのオンライン計数によって,初期の装置の清浄度を測定し記録する。
11.5 この入口側の清浄度が表2を満足するとき,フィルタ試験装置のクリーンアップフィルタをバイパ
スさせる。
11.6 コンタミナント投入装置から試料を採取する。
その試料に“コンタミナント投入装置の初期質量汚染分析試料”とラベルをはり付ける。
11.7 コンタミナント投入装置からの投入流量を測定し確認する。
備考 投入流量が許容値を常に満足することを確認するため,試験終了まで投入流量を連続的に測定
することが要求される。
11.8 フィルタ試験を,次に示すように開始する。
11.8.1 コンタミナント投入装置からの流れを,フィルタ試験装置の油タンクへ導く。
11.8.2 タイマを始動する。
11.8.3 フィルタ試験装置内の油量を一定(±5 %)に維持するために,試験フィルタ出口側の試料をフィル
タ試験装置外へ流す。
11.9 試験フィルタの入口側及び出口側の試料について,アッセンブリ差圧が11.3で計算した最終差圧に
達するまで,1分以下の計数間隔でオンライン粒子計数を実施し記録する。
備考1. 試験フィルタの入口側及び出口側のセンサ流量は表1に示す許容値を満足し,10.3.6.2で選択
した流量とする。
2. センサ流量は表1に示す許容値で,試験終了までモニタし記録する。
3. ISO 11171に従って共存誤差の発生限界値を超えて,自動粒子計数器を使用しないように気
を付ける。共存誤差の発生限界値を超えることが予想されるときには,オンライン希釈装置
を使用する。
4. 各粒子計数結果において,センサを通過する試験油の正確な量を計算するために,センサ流
量と希釈比を制御し記録するのがよい。
5. 統計上有効な粒子計数結果とするために,計数する油量は10 ml以上であるのがよい。
11.10 試験終了まで,各粒子計数の開始時のアッセンブリ差圧を記録する。
備考 この目的のためには,差圧変換器を用いて,連続的に差圧を測定するのがよい。
11.11 アッセンブリ差圧が最終アッセンブリ差圧の80 %に達したとき,試験フィルタの入口側から質量
汚染濃度測定用試料を採取する。
11.12 次の手順で最終アッセンブリ差圧に達したとき,試験を終了する。
11.12.1 最終試験時間を記録する。
11.12.2 コンタミナント投入装置からの投入油を,フィルタ試験装置外へ流す。
11.12.3 試験フィルタへの流れを停止する。
11.13 フィルタ試験装置内の最終油量Vtfを,測定し記録する。
11.14 コンタミナント投入装置内の最終油量Vifを,測定し記録する。
11.15 コンタミナント投入装置からの,最終質量汚染濃度測定用試料を採取する。
11.16 エレメントの外観を検査し,異常の有無を確認する。

――――― [JIS B 8356-8 pdf 15] ―――――

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