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B 8356-8 : 2002 (ISO 16889 : 1999)
備考 試験前,設置及び試験手順について認定したとしても,試験結果を評価するときに満足できる
試験が実施できたことを確認するほうがよい。
12. 計算
12.1 最終試験時間(11.12.1)の(10,20,30......100)%に相当する10点の試験時間を定め,図2に示す報告
書に記録する。
12.2 各試験時間に対応するアッセンブリ差圧は,その時間の前後に最も近い差圧の測定値を直線でつな
いで求める。100 %の点は最終アッセンブリ差圧を用いる。
12.3 各々のアッセンブリ差圧からハウジング差圧を引き,それぞれの試験時間に対応するエレメント差
圧を計算し,図2に示す報告書に記録する。
12.4 試験(11.9)で得られた粒子計数値を測定油量で除し,各粒径ごとに1 ml当たりの累積粒子計数値を
計算する。希釈を行った場合は補正する。
12.5 次の式に従って,10点の試験時間(t)における各々の粒子径(x)の,フィルタ入口及び出口側の平均
粒子数を計算する。
n
Nu x,i,
i1
Nu x,t, ·······························································(5)
n
n
Nd x,i,
i1
Nd x,t, ·······························································(6)
n
: i番目の計測時におけるフィルタ入口側のx以上の粒子数
ここに,Nu,x,i
(個/ml)
Nd,x,i : i番目の計測時におけるフィルタ出口側のx以上の粒子数
(個/ml)
: 試験時間tまでのフィルタ入口側におけるx以上の平均粒
Nu x,t,
子数(個/ml)
: 試験時間tまでのフィルタ出口側におけるx以上の平均粒
Nd x,t,
子数(個/ml)
n : 定められた試験時間内での計測回数
12.5.1 初めの1分,2分及び3分の三つの粒子計測値は削除する。
備考 試験開始直後,粒子計測値が安定する前に取られた値を排除する。
12.5.2 最初の試験時間(10 %)については,上式によって12.4で得られた10 %の試験時間までの,すべ
ての粒子計数結果(上記によって削除された最初の三つを除く。)から,フィルタ入口及び出口側の平均値
を計算する。
この平均粒子数を,図2に示す報告書に記録する。
備考 試験時間の合計が 30分に満たない場合は,10 %の試験時間に対するデータが得られないこと
もある。その場合は空欄としてもよい。
12.5.3 2番目の試験時間(20 %)については,上式によって12.4で得られた最初の試験時間から,2番目
の試験時間までのすべての粒子計数結果から,フィルタ入口及び出口側の平均値を計算する。この平均粒
子数を,図2に示す報告書に記録する。
――――― [JIS B 8356-8 pdf 16] ―――――
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12.5.4 3番目から10番目までの試験時間(30 %100 %)については,それぞれの試験時間の間で計数さ
れた粒子計数結果を使って,12.5.3の手順を繰り返す。この平均粒子数を,図2に示す報告書に記録する。
12.6 10点の試験時間に対応するろ過比(βx,t)は,それぞれの試験時間における各粒子径(x)の,フィルタ
入口側平均粒子数をフィルタ出口側平均粒子数で除して求める(下記の式を参照)。
有効けた数3けた(例 : 1.75;20.1;300)までを,図2に記載された報告書に記録する。
Nu x,t,
βxt, ········································································(7)
Nd x,t,
μm (c)及び時間tにおけるろ過比
ここに,βx,t : 粒径x
: 試験時間tまでのフィルタ入口側におけるx以上の平均粒
Nu x,t,
子数(個/ml)
: 試験時間tまでのフィルタ出口側におけるx以上の平均粒
Nd x,t,
子数(個/ml)
平均ろ過比(β値)は,粒子計数結果の平均値を求め,その平均値から計算しなければならない。
いかなる場合もβ値を平均してはならない。
12.7 フィルタ入口側及び出口側の平均粒子数は,12.6で得られた10点の試験時間に対応する平均粒子数
を平均して求める。(下記の式を参照)図2に示す報告書に記録する。
Au x, Nu x,t, ··································································(8)
t 10
Ad x, Nd x,t, ··································································(9)
t 10
ここに, Aux, : フィルタ入口側で計測された粒径xμm (c)以上の平均粒子
数(個/ml)
Adx, : フィルタ出口側で計測された粒径x μm (c)以上の平均粒子
数(個/ml)
: 試験時間tまでのフィルタ入口側におけるx以上の平均粒子
Nu x,t,
数(個/ml)
: 試験時間tまでのフィルタ出口側におけるx以上の平均粒子
Nd x,t,
数(個/ml)
t : 10,20,30......10点の試験時間の間隔を示す。
μm (c)におけるフィルタ入口側平均粒子数をフィ
12.8 平均ろ過比 βx C は次に示す式によって,各粒径x
ルタ出口側平均粒子数で除して求める。有効けた数3けたまでを,図2に示す報告書に記録する。
C Au x,
βx ··································································(10)
Ad x,
ここに, βx C : 粒径x μm (c)における平均ろ過比
Aux, : フィルタ入口側で計測された粒径x μm (c)以上の平均粒
子数(個/ml)
Adx, : フィルタ出口側で計測された粒径x μm (c)以上の平均粒
子数(個/ml)
備考 ろ過比 βx C の(c)はISO 11171に従って校正した粒子計数器によって,JIS B 8356-8に基づいて
ろ過性能を評価していることを示す。平均ろ過比(β値)は粒子計数結果の平均値を求め,その
――――― [JIS B 8356-8 pdf 17] ―――――
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平均値から計算しなければならない。いかなる場合もβ値を平均してはならない。
12.9 コンタミナント投入装置から採取された二つの試料について汚染濃度測定を行う(11.6及び11.15に
よる。)。値は0.1 mg/lまで報告する(JIS B 9931参照)。
12.9.1 コンタミナント投入装置から採取された,二つの試料の平均汚染濃度(Gi)を計算する。
12.9.2 各々のコンタミナント投入装置の汚染濃度が,この平均値の±5 %以内であれば試験は容認される。
備考 平均汚染濃度(Gi)が10.2.3で選択した値(Gi' )から5 %以上ずれている場合は,汚染濃度測定を
繰り返す。再確認した結果が5 %以上違っていたならば,コンタミナント投入装置の妥当性確
認を繰り返すのがよい(8.2)。
12.10 △p が80 %のときのフィルタ入口側試料(11.11による。)に対して,汚染濃度測定を3回行い,こ
れらの平均を装置の最終汚染濃度として記録する。値は0.1 mg/lまで報告する。
備考 最終試料は試験終了と重複することが多いため,△pが80 %のときに採取する。
12.11 平均投入油流量(qi)は,次の式によって,投入装置内の初期計測油量から最終計測油量を引いた値
を,最終試験時間で除して求める。
Vii Vif
qi ··································································(11)
tf
ここに,qi : 平均投入油流量(l/min)
Vii : 投入装置内の初期計測油量(l)
Vif : 投入装置内の最終計測油量(l)
tf : 最終試験時間(min)
この値が10.2.2で選択された値の±5 %であれば,試験は容認される。
12.12 フィルタ入口側の平均汚染濃度(Gb)を次の式によって計算し記録する。
Gi qi
Gb ··································································(12)
q
ここに,Gb : フィルタ入口側の目標汚染濃度(mg/l)
Gi : 投入油の平均汚染濃度(mg/l)
qi : 平均投入油流量(l/min)
q : 試験流量(l/min)
この値が表2に規定されたフィルタ入口側の基本汚染濃度と等しい場合,試験は容認される。
13. 結果の表記
13.1 この規格に従って評価されたフィルタエレメントについて,少なくとも次に示す情報を報告する。
図2に示す報告書式に含まれるすべての結果及び計算結果を表記する。ここに示す報告書式を使うのがよ
い。
13.2 最終エレメント差圧に達するまでの最終試験時間(tf),投入油の平均汚染濃度(Gi),及び平均投入油
量(qi)を使用し,次の式によってフィルタエレメントに投入したテストダストISO 12103-A3の質量(Ml)
を計算する。
Gi qi tf
Ml ·······························································(13)
1000
ISO 12103-A3テストダスト捕そく量を次の式によって計算し,有効数字2けたまで四捨五入で報告する。
――――― [JIS B 8356-8 pdf 18] ―――――
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G80 Vf qd tf G80 Gb qu tf G80 Gb /2
CR Ml ···(14)
1 000 1 000 1 000
ここに, Ml : 投入したテストダストの質量(g)
Gi : 投入油の平均汚染濃度(mg/l)
qi : 平均投入油流量(l/min)
tf : 最終試験時間(min)
CR : 真の集じん量(g)
G80 : △p 80 %時における試験タンクの汚染濃度(mg/l)
qd : フィルタ出口側破棄試験流量(l/min)
Gb : フィルタ入口側の平均汚染濃度(mg/l)
qu : フィルタ入口側破棄試験流量(l/min)
備考1. 式(14)は,ISO 12103-A3テストダスト投入質量から備考2の(3)項を減じている。
2. テストダスト投入質量から減じた三つの項は,次による。
(1) 試験終了時にフィルタ試験装置内に残留していたコンタミナントの質量。
(2) 試験フィルタの出口側採取口から試験装置外に排出されたコンタミナントの質量の推測
値[(G80−Gb)項は試験フィルタ出口側の質量汚染濃度推測最小値]。
(3) 試験フィルタ入口側採取流量(qu)に伴い試験装置外へ排出されたコンタミナントの質量
の推測値[0.5(G80+Gb)項は平均質量汚染濃度の推測値である]。
試験フィルタ入口側の採取油が試験装置外に排出されず再循環する場合,式(14)の右辺第
3項を除いて計算する。
13.3 12.9及び12.10で得られた質量汚染濃度の値を報告する。
13.4 図2に示す報告書式で計算し記録する。エレメント差圧と式(15)で示すISO 12103-A3テストダスト
投入量との関係を図に描く(付図C.2)。
Gi qi tp
Mp ····························································(15)
1 000
ここに, Mp : エレメント差圧△pまでに投入したテストダストの質量(g)
Gi : 投入油の平均汚染濃度(mg/l)
qi : 平均投入油流量(l/min)
tp : エレメント差圧△pまでの試験時間(min)
13.5 平均ベータ値と粒径の関係を片対数グラフ用紙に描く。β=100 000を最大値として対数軸にベータ
値をとる。付図C.3の例を参考にする。
備考 βx(C)が無限大(試験フィルタ出口側で粒子数がゼロ)のとき,βx(C)=10 000として図に描くの
がよい。
13.6 片対数グラフ上のβ値と粒径の2点とを結ぶ直線から,内挿法によって平均ろ過比の2,10,75,100,
200,1 000となる粒径を,付図2に示す報告書式に従って計算し記録する。外挿法は使わない。
備考1. 上述の各β値について内挿法で粒径を求められない場合,“計数可能な最小粒径以下”又は
“計測可能な最大粒径以上”のどちらか適切な表記を選択しフィルタの性能を表す。
2. 定められたろ過比βx(C)のときの粒径x μm (c)を13.5で描く2点(ろ過比と粒径がそれぞれ
βx1,βx2 とx1とx2について)から内挿法で計算する場合,式(16)を用いる。
――――― [JIS B 8356-8 pdf 19] ―――――
16
B 8356-8 : 2002 (ISO 16889 : 1999)
x1 x2 log βx C / βx1
Mp x1 ····································(16)
log βx1 / βx2
ここに,Mp : エレメント差圧△pまでに投入したテストダストの質量(g)
3. β値が100 000以上のとき,式(16)に100 000を代入する。
13.7 片対数グラフ上に粒径ごとの,平均β値と試験時間%とを描く。このときβ値を対数軸にとる。付
図C.4の例を参照。
13.8 両対数グラフ上に粒径ごとの,平均β値とエレメント差圧とを描く。このときβ値を縦軸にとる。
付図C.5の例を参照。
13.9 試験に伴うすべての物理量の記録を,利用できるようにする。
14. 規格適合表示
この規格に適合していることを,試験報告書,カタログ及び販売資料に,次を使用す
る。“フィルタエレメントのろ過性能試験(マルチパステスト法)は,JIS B 8356-8に適合する。”
――――― [JIS B 8356-8 pdf 20] ―――――
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JIS B 8356-8:2002の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16889:1999(IDT)
JIS B 8356-8:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.100 : 流体動力システム > 23.100.60 : ろ過器,シール及び流体の汚れ
JIS B 8356-8:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0125-1:2020
- 油圧・空気圧システム及び機器―図記号及び回路図―第1部:図記号
- JISB0142:2011
- 油圧・空気圧システム及び機器―用語
- JISB8356-2:2000
- 油圧用フィルタ性能評価方法―第2部:フィルタエレメントの組立完全性試験及びファーストバブルポイントの測定
- JISB8356-7:2006
- 油圧用フィルタ性能評価方法―第7部:差圧―流量特性試験
- JISB9931:2000
- 質量法による作動油汚染の測定方法
- JISB9935:2001
- 油圧―液体用オンライン式自動粒子計数システム―校正方法及び妥当性確認方法
- JISB9936:2001
- 油圧―微粒子分析―運転中のシステム管路からの作動油試料採取方法
- JISB9937:2001
- 油圧―作動油試料容器―清浄度の品質及び管理方法