JIS B 8433-1:2015 ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第1部:ロボット | ページ 2

                                                                                              3
B 8433-1 : 2015 (ISO 10218-1 : 2011)
Part 1: General principles for design(IDT)
JIS B 9960-1 機械類の安全性−機械の電気装置−第1部 : 一般要求事項
注記 対応国際規格 : IEC 60204-1,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 1:
General requirements(MOD)
JIS B 9961:2008 機械類の安全性−安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能
安全
注記 対応国際規格 : IEC 62061:2005,Safety of machinery−Functional safety of safety-related electrical,
electronic and programmable electronic control systems(IDT)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 9700によるほか,次による。
3.1
作動制御器(actuating control)
制御装置内の機械的機構。
例 接点を開くロッド。
3.2
自動モード(automatic mode)
設定したタスクプログラムに従ってロボット制御システムが作動する運転モード。
(JIS B 0134:1998の5681参照)
3.3
自動運転(automatic operation)
ロボットがタスクプログラムを実行している状態。
注記 JIS B 0134:1998の5670を採用。
3.4
協働運転(collaborative operation)
特別の目的で設計したロボットが,定義した作業空間内で人間と直接協働して動く状態。
3.5
協働作業空間(collaborative workspace)
生産作業中にロボット及び人間が,同時に作業を遂行できる安全防護空間内の作業空間。
3.6
駆動用動力(drive power)
ロボットアクチュエータ用の単一の又は複数のエネルギー源。
3.7
エンドエフェクタ(end-effector)
ロボットがタスクを行えるように特別に設計されたメカニカルインタフェースに取り付けられる装置。
(JIS B 0134:1998の3120参照)
例 把持部,ナット締め具,溶接ガン,スプレーガン。
3.8
エネルギー源(energy source)
電気的,機械的,液圧,空気圧,化学的,熱的,位置エネルギー,運動エネルギー,又はその他の動力

――――― [JIS B 8433-1 pdf 6] ―――――

4
B 8433-1 : 2015 (ISO 10218-1 : 2011)
源。
3.9
危険な動作(hazardous motion)
人間に肉体的危害又は健康被害を引き起こす可能性のある動作。
3.10
産業用ロボット(industrial robot)
産業オートメーション用途に用いるため,位置が固定又は移動し,3軸以上がプログラム可能で,自動
制御され,再プログラム可能な多用途マニピュレータ。
注記1 産業用ロボットは,次を含む。
− マニピュレータ(アクチュエータを含む)。
− 教示ペンダントを含む制御装置,及び通信インタフェース(ハードウェア及びソフトウェ
ア)。
注記2 ロボットコントローラによって制御されるあらゆる追加軸を含む。
注記3 この規格の目的では,次の装置を産業用ロボットとみなす。
− ハンドガイドロボット。
− 移動ロボットのマニピュレータ部分。
− 協働ロボット。
3.11
産業用ロボットシステム(industrial robot system)
システムは,次を含む。
− 産業用ロボット
− エンドエフェクタ
− ロボットがタスクを行うために必要なあらゆる機械類,設備,装置,外部の付加軸又はセンサ。
3.12
制限装置(limiting device)
ロボットの全ての動作を停止又は停止させるための最大空間を制限する手段。
3.13
局所制御(local control)
個々の機械の制御パネル又はペンダントだけによってシステム及びシステムの一部が操作されている状
態。
3.14
手動モード(manual mode)
オペレータによる直接制御を許可する制御状態。
注記1 教示点を設定する教示モードと呼ぶこともある。
注記2 JIS B 0134:1998の5682を修正。
3.15
ペンダント(pendant)
教示ペンダント(teach pendant)
ロボットにプログラムを教示,又はロボットを動作させることのできる制御システムに接続される手持
ちのユニット。

――――― [JIS B 8433-1 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
B 8433-1 : 2015 (ISO 10218-1 : 2011)
(JIS B 0134:1998の5710参照)
3.16
プログラム(programme)
3.16.1
制御プログラム(control programme)
ロボットシステムの能力,動作及び応答を規定する固有のプログラム(inherent set of instruction)。
注記1 制御プログラムは固定であり,通常,ロボットの使用者は変更しない。
(JIS B 0134:1998の5120参照)
3.16.2
タスクプログラム(task programme)
ロボットシステムの所期のタスクを規定する(define)動作及び補助機能のプログラム。
注記1 通常,このプログラムは使用者が作成する。
注記2 アプリケーションとは作業の一般領域であり,タスクとはアプリケーションの中のある限定
された作業のことである。
(JIS B 0134:1998の5110参照)
3.16.3
プログラム検証(programme verification)
ロボットの経路及びプロセス性能を確認するためのタスクプログラムの実行。
注記 検証は,タスクプログラム実行中にツールの中心点によって描かれた経路全体又は経路の一部
分を含む。プログラムは,一つの命令又は複数の連続した命令でも実行することができる。検
証は,新しい用途及び既存の用途の詳細な調整・編集に用いる。
3.17
保護停止(protective stop)
安全防護目的で動作を中断し,再起動を容易にするためにプログラム論理を保持する停止方法。
3.18
ロボットアクチュエータ(robot actuator)
電気エネルギー,液圧エネルギー又は空気圧エネルギーを動作に変換する動力機構。
3.19
安全適合(safety-rated)
指定された安全関連の性能とともに,規定された安全機能をもつことによって特徴付けられている状態。
3.19.1
安全適合監視速度(safety-rated monitored speed)
ロボットフランジに関連する点(例えば,TCP)の直交速度,1軸又は複数の軸の速度のいずれかが規
定された制限値を超えた場合に,保護停止となる安全適合の機能。
3.19.2
安全適合低減速度(safety-rated reduced speed)
ロボット速度を250 mm/s以下に制限する安全適合監視速度。
注記1 安全適合低減速度制限は,低減制御機能に設定する必要はない。
注記2 安全適合監視速度と安全適合低減速度との違いは,安全適合監視速度制限が250 mm/sを超え
ない速度に設定できるかどうかである。

――――― [JIS B 8433-1 pdf 8] ―――――

6
B 8433-1 : 2015 (ISO 10218-1 : 2011)
3.19.3
安全適合ソフト軸/空間制限(safety-rated soft axis and space limiting)
安全適合ソフト制限(safety-rated soft limit)
規定された十分な安全適合性能をもつソフトウェア又はファームウェアを基にしたシステムによって,
ロボットの動作範囲に設置された制限。
注記 安全適合ソフト制限は,停止開始点であってもよいし,制限を超えて動作しないことを確実に
することでもよい。
3.19.4
安全適合出力(safety-rated output)
規定された十分な安全適合性能をもつ出力信号。
3.19.5
安全適合区域の出力(safety-rated zone output)
安全適合ソフト制限に関連するロボット位置の状態を示す安全適合の出力。
注記 例えば,ロボット位置は区域内でも区域外でもよい。
3.19.6
安全適合監視停止(safety-rated monitored stop)
駆動源が切断されない状態でロボットが停止している状況で,ロボットが動作しないことを確実にする,
規定された十分な安全性能をもつ監視システム。
3.20
同時動作(simultaneous motion)
単一制御ステーションの制御下における2台以上のロボットの同時動作。これは,協調動作又は共通の
数学的関連をもつ同期の場合がある。
注記1 単一制御ステーションの例には,教示ペンダントがある。
注記2 協調は,マスタスレーブ方式として実行することが可能である。
3.21
単一制御点(single point of control)
ロボット動作の始動が一つの制御源からだけ可能で,かつ,他の制御源から優先して始動しないように
ロボットを運転できること。
3.22
特異点(singularity)
直角座標系における経路速度を維持しようとすると,ジョイント空間におけるジョイント速度が数学的
には無限大となる点。この点では運動学から導出されるヤコビ行列のランクがフルランクより小さくなる。
注記 実際の作業では,直角座標空間で定義され特異点の近くを通る運動は,高い軸速度を発生する
ことがある。この高速度は,オペレータにとっては予想できないことがある。
3.23
低減速度制御(reduced speed control)
低速制御(slow speed control)
速度が250 mm/s以下に制限された場合のロボット動作制御のモード。
注記 低減速度は,危険な動作からの回避又はロボットの停止のいずれかのために十分な時間を人に
与えることを意図している。

――――― [JIS B 8433-1 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
B 8433-1 : 2015 (ISO 10218-1 : 2011)
3.24
空間(space)
三次元の容積。
3.24.1
最大空間(maximum space)
製造業者が定めたロボット可動部が届く空間に,エンドエフェクタ及びワークが届く空間を加えた空間。
(JIS B 0134:1998の4420参照)
3.24.2
制限空間(restricted space)
最大空間の一部であり,超えてはならない限度を設定する制限装置によって制限する空間。
3.24.3
安全防護空間(safeguarded space)
周囲の安全防護で定義された空間。
3.25
教示(teach)
教示プログラミング(teach programming)
次のいずれかによって行われるプログラミング。
a) ロボットのエンドエフェクタを手動で導く。
b) 機械的なシミュレーション装置を手動で導く。
c) 教示ペンダントを使ってロボットに所望の動作をさせる。
3.26
ツールセンタポイント(tool center point,TCP)
メカニカルインタフェース座標系において,与えられたアプリケーションのために定義された点。
(JIS B 0134:1998の4200参照)
3.27
使用者(user)
ロボットを使用し,ロボットの運転に関連する要員に対して責任をもつ者。

4 危険源同定及びリスクアセスメント

  附属書Aは,ロボットにあり得る危険源リストを示す。危険源分析では,発生する可能性のあるあらゆ
る危険源の同定を行わなければならない。
リスクアセスメントは,同定したそれらの危険源について行わなければならない。このリスクアセスメ
ントでは,次の事項を全て考慮しなければならない。
a) 教示,保全,設定及び掃除を含むロボットの所期の運転
b) 予期しない起動
c) 全方向からの要員の接近
d) 合理的に予見可能なロボットの誤使用
e) 制御システムの故障の影響
f) 必要な場合は,特定のロボット用途に関連した危険源
リスクは,最初は設計又は代替によって,次に,安全防護及び他の付加方策によって除去又は低減しな

――――― [JIS B 8433-1 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS B 8433-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10218-1:2011(IDT)

JIS B 8433-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8433-1:2015の関連規格と引用規格一覧