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C 0450 : 2004 (IEC 61175 : 1993)
図 7 アナログ信号を記号化した信号名の例−非電気的な量の測定回路
図 8 アナログ信号を記号化した信号名の例−電気的な量の測定回路
5.2.3 2値論理信号 二つの状態だけをもつ信号で,その信号に対する二つの重ならない範囲の物理量で
表す。これらの二つの範囲は,レベルと呼ぶ。
2値論理信号に対する基本信号名は,ステートメントの略称又は真若しくは偽(又は,1若しくは0)を
評価できる表現とすることが望ましい。例えば,名称ALARMは“ALARMがアクティブである”という
ステートメントの略称である。
ステートメント又は基本信号名で表す表現を評価して得られる真の値は,“信号状態”(信号の論理状
態)と呼ぶ。
備考 JIS C 0617-12で用いる用語“外部論理状態”は“信号状態”とは同一でないが類似している。
直接論理極性表示を用いた回路図上の2値論理信号は“外部論理状態”の表現ではないが,名
前をもったすべて2値論理信号は,“信号状態”で表す。
基本信号名によって表現するステートメントの真の値は,信号1−状態に対応する。基本信号によって
表されるステートメントの偽の値は,信号0−状態に対応する。例えば,信号名ALARMは,1−状態が
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“ALARMがアクティブ”が真であることを意味し,信号が0−状態であれば偽であることを意味する。
表1のNo.1及びNo.2を参照。
5.2.3.1 否定信号 NORUN(非運転)のような,本来的な否定を具体的に表す否定信号の名前は理解し
にくい。対応するステートメントの“no runがアクティブ”が真又は偽かどうかを決めるためには,ある
種の考え方を切り換える必要がある。可能ならば,このような名称は本来,真にする方がよい。例えば,
STOP又はIDLEをNORUNの代わりに用いることができる。
しかし,場合によっては,ある条件が真でないときも,その動作が行われることがあるため,否定を表
現する望ましい方法は次による。
− 否定を表現している名称の上部に否定バーを置く。例えば,RUNの場合はこの方法が好ましい。しか
し,信号名をコンピュータ処理するときは実用的でないことが多い。このような応用の一つとして次
のような文章の表記を推奨する。
− 論理否定の数学的な表記をその名称の適当な部分の前に置いてもよい。例えば,RUNと表現する。テ
ィルデ(~)は,論理否定記号をもたないコンピュータシステムの文字セットの一部として置き換えても
よい。
− 名称の適切な部分に“-N”を続ける。例えば,RUN-N
− 文書中又は作成要領で説明した別の表記を使用する。
RUNは“runがアクティブでない”に対応している。基本信号名が否定の表示を含んでいることに注目
する。RUNは,信号状態が1−状態では“runがアクティブでない”が真であり,信号状態が0−状態では
偽であることを意味する。さらに,これは,“runがアクティブである”は信号RUNが0−状態にあるとき
真であり,RUNが1−状態にあるとき偽であることを示している。表1のNo.3及びNo.4を参照。
表 1 状態及び信号名(簡単な論理規約)
否定シンボルの有無によって
信号状態
No. 入力(又は出力) システム状態 定義した関係
(真の値)
外部論理状態 内部論理状態
ALARM alarm 真(true)=1 1 1
1
no alarm 偽(false)=0 0 0
ALARM alarm 真(true)=1 1 0
2
no alarm 偽(false)=0 0 1
ALARM alarm 偽(false)=0 0 0
3
no alarm 真(true)=1 1 1
ALARM alarm 偽(false)=0 0 1
4
no alarm 真(true)=1 1 0
備考1. 真の信号状態は,常に外部論理状態の1に対応する。
2. 偽の信号状態は,常に外部論理状態の0に対応する。
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一連の表記法で,信号名のどの部分を否定しているか混乱するおそれがあれば,否定表示とその名称の
部分とを括弧でくくってもよい。否定の範囲は次のとおりである。
a) 接頭辞の否定表示では,次のいずれかが最初に現れるまで,否定はその表記の右側文字列に適用する。
1) 右片括弧
2) 1対の括弧の中で囲まれていないスラッシュ
3) 文字列の終わり
例
堀 堀 である。
(
堀Xと等価である。
( 堀 堀 である。
堀
Xと等価である。
堀一
X 一
と等価である。
X/Y)はX/Yと等価である。
X/Y)/Z)は
X/Yと等価である。
/Z
b) 添字による否定は,否定は次に掲げる項目の中で,最も近い手前の文字にさかのぼって表示する左側
の文字列に適用する。
1) 左片括弧
2) 1対の括弧で囲まれていないスラッシュ
3) 文字列の始まり
例
XY-NはXYと等価である。
X(Y-N)は Xと等価である。
Y
X-N(Y-N)はXYと等価である。
X(Y-N)-Nは Xと等価である。
Y
X/Y-Nは X/と等価である。
Y
(X/Y)-NはX/Yと等価である。
(X/(Y/Z)-N)-Nは X/ Y/Z と等価である。
5.2.3.2 複数機能の信号 ある信号は複数の機能をもち,各々の機能を分離した名称で最適に記述する。
代替の名称又は表現は,基本信号名内に含むことができ,また,内容によって分離することもできる。例
えば,信号の1−状態がカウント,シフト,及びカウントとシフトとの両方を可能にする場合,信号は
CNTEN/SFTENと命名する(図9参照)。
図 9 複数機能信号の信号名の事例
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すべての代替名称が同時に適用されるとは限らない(図10参照)。
図 10 異なったモードに適用した信号名の一部
カウンタが “up” モード(これは,M1が1−状態を立てることを意味する。)であるとき,CT=15に対
応するMAXを適用する。カウンタが “down” モード(これは,M2が1−状態を立てることを意味する。),
であるとき,CT=0に対応するMINを適用する。
信号名は,本来矛盾を含んではならない。信号ON及びOFFが補完的な場合,すなわち,OFFが偽であ
ればONは常に真で,ONが偽であればOFFは常に真である場合は,名称ON/OFFは常に真であることを
包含しているため,意味がなくなる。
すべての部分の信号状態を一貫させたものにするために,否定表示を使用する場合がある。例えば,ON/
OFFがともに真である(又は偽である)場合がある。すなわち,“ONがアクティブである”が真である場
合,“OFFはアクティブでない”もまた真であり,“OFFがアクティブである”が偽という意味である。
スラッシュの使い方の一つは,本来,反対の状態でない代替の結果を分離することである。例えば,1
−状態の信号が回路のカウントを可能にし,0−状態はカウンタをシフトする場合は,CNTEN/SFTENが正
しい名称である。
5.2.3.3 バス信号及び他のグループ化信号 バス又は他のグループ化信号内のビット及びバイトのラベ
ル付けには,バス又はグループ名に数を表す接尾辞を付ける必要がある。内部に固有の重み付けをした信
号を含むバス又はグループでは,数値の接尾辞は信号の実際の重みを表す必要があり,そのすべては10
進数又は2のべき乗の指数として一貫して表現する。
数値の接尾辞は<>括弧(6)でくくって表される。例えば,中間レジスタの32本の線はIRBUS<1>から
IRBUS<2147483648>,又はIRBUS<00>からIRBUS<31>と命名することができる。BCD中間レジスタの7
本の線は,IRBUS<1>,IRBUS<2>,IRBUS<4>,IRBUS<8>,IRBUS<10>,IRBUS<20>,IRBUS<40>と命
名しなければならない。
注(6) より少ない(<)及びより大きい(>)という記号で構成する。
バス内の個別の信号でなく,バス全体の接続を表している場合は次のように命名することができる。
IRBUS<0 : 31>又はIRBUS<0...31>は,IRBUS<0>,IRBUS<1>,...,IRBUS<31>と等価である。
IRBUS<1,2,4,8,10,20,40>は,IRBUS<1>,IRBUS<2>,...,IRBUS<40>と等価である。
他のいかなる取決めを使っても意味が明白にならない場合は,図表の上又は補助の文書で説明しなけれ
ばならない。関連した文書セット全体では同じ取決めを使わなければならない。
図表上の幾つかの個別の連結を一つの線で示す際に,個別の信号を指定する場合は,例えば,ON,OFF
のように指定はカンマで区切る必要がある。
同じ品目指定がリスト内の連続した信号の指定に使用される場合,同じ品目指定が適用される信号の名
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称を括弧でくくりグループ化することができる。
例 =A1 ; (ABC,ABD,ABE)は=A1 ; ABC,=A1 ; ABD,=A1 ; ABEと等価である。
5.2.3.4 演算及び論理表現 プラス記号(+)は代数的な足し算 (plus) を意味し,マイナス記号(−)は
代数的な引き算 (minus) を意味する。例えば,AR+1は “address register plus 1” のニモニックである。
信号名に論理的な表現を使用する場合は,次の規則による。
代数的な足し算との混乱が生じない場合に限り,プラス記号(+)がOR機能を意味するように使っても
よい。文脈から明確に区別できない場合には,用語OR,PLUSの一つ又は両方を適宜代替使用することが
できる。
論理的AND機能は中点(・),アステリスク(*),又は,混乱しない場合は,並置によって表される。
例えば,ENABLEは “ENABLE A ANDed with BLOCK E” のニモニックであり,PQは “P ANDed with Q” を
意味する場合がある(5.2参照)。
表現を明確にするために括弧を使用することができる。例えば,(ENA) LEは “ENABLE A ANDed with
BLOCK E” のニモニックを示すもう一つの方法である。
5.2.3.5 クロック信号 クロック信号名では,周期(又は周波数)若しくは位相といった重要な特性を含
めることがしばしば有用となる。例えば,基本的なクロック周期が25nsである場合,ニモニックはCLK25N
である。この基本的なクロックから得られるものは,CLK50N,CLK100Nなどと表現することが望まし
い。
5.3 信号バージョン識別子
一つの基本信号は,増幅,レベルシフト又は導電性素子を通過することに
よって,システムの中で複数回現れる場合がある。このような場合,基本信号は基本信号名によって識別
され,派生信号は,バージョン識別子によって識別される。
識別子は,コロン ( : ) 及び適切なアルファベット又は数字を組み合わせたものにしてよい。例えば,図
3で信号STOP1は2個の増幅器を駆動する。この増幅器の出力は,STOP1 : 1及びSTOP1 : 2と命名されて
いる。
2値論理信号(5.2.3参照)が複数回反転する場合は,反転又は非反転バージョンを区別するバージョン
識別子を使用することが望ましい(例として,図3参照)。
5.4 信号レベル表示
信号レベル表示は,直接論理極性表示システムだけで使用する。
単一の論理極性(正論理又は負論理)を使用している回路図では,信号の外部論理状態とこれに対応す
る内部論理レベルとの関係は固定化される。例えば,正論理極性を有効とするときは,1−状態にある信号
(信号名の真の状態)は常にH−レベルと一致する。負論理極性を有効とするときは,1−状態にある信号
は常にL−レベルと一致する。
信号レベル表示として他の方式を使用し意味が明りょう(瞭)でない場合は,図表又は文書で説明しな
ければならない。同じ方式は,関連する文書全体で統一しなければならない。
直接論理極性表示の回路図においては,論理記号は外部論理状態でなく,ただ論理レベルだけを意味し
ている。したがって,各論理信号名に,どちらの論理レベルが1−状態(真の状態)であるかを含むこと
が望ましい。このためには,信号名の後に論理レベルの表示(例えば,H又はL)を付加するのがよい。
この論理レベル表示は,括弧でくくるか,又は1文字分のアンダバー若しくはスペースを前に置く。
例 ALARM (H) は,信号の論理レベルがhighのときに“ALARMがアクティブである”は真で,論
理レベルがlowのときは,偽であることを意味する。
ALARM (H) は,信号の論理レベルがhighのときに“ALARMがアクティブではない”は真で,
論理レベルがlowのときは,偽であることを意味する。これはさらに,信号の論理レベルがlow
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JIS C 0450:2004の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61175:1993(IDT)
JIS C 0450:2004の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 0450:2004の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0445:1999
- 文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
- JISC0452-1:2004
- 電気及び関連分野―工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品―構造化原理及び参照指定―第1部:基本原則
- JISC0617-12:2011
- 電気用図記号―第12部:二値論理素子
- JISC1082-1:1999
- 電気技術文書―第1部:一般要求事項
- JISC1082-2:1999
- 電気技術文書―第2部:機能図
- JISC1082-3:1999
- 電気技術文書―第3部:接続図,表及びリスト
- JISC1082-4:1999
- 電気技術文書―第4部:配置及び据付け文書
- JISZ8202-5:2000
- 量及び単位―第5部:電気及び磁気
- JISZ8204:1983
- 計装用記号