JIS C 1400-2:2020 風力発電システム―第2部:小形風車 | ページ 24

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C 1400-2 : 2020 (IEC 61400-2 : 2013)
附属書M
(参考)
消費者ラベル
M.1 一般事項
この附属書では,消費者ラベル(以下,ラベルという。)について説明する。この附属書に従ってラベル
を提示する場合,この附属書全体を順守する。
ラベルは,SWTモデルごとに提示することが望ましい。ラベルが一つ以上の個別の風車(同一モデルだ
が製造番号は異なるもの)に対して関連するJIS又はIEC規格に従って実施した試験に基づく場合,その
ラベルは,同一基本設計の複数の風車に用いてもよい。
ラベルは,出荷用コンテナ又はこん(梱)包材,風車本体,運転マニュアル,保守マニュアル,風車モ
デルに関連する販売用パンフレットなどに表示してもよい。ウェブサイトに詳細情報を示し,ラベルの正
当性の保証に用いてもよい。
M.2 管理機関
M.2.1 一般事項
ラベルを発行する機関を,ラベル発行機関という。これは,ラベルの発行元がどこであるかを問わず,
ラベルに表示される結果が他のラベルに表示される結果と比較できるようにすることを意図している。そ
のため,ラベル発行機関は,常に客観的に行動する必要がある。
M.2.2 試験要約報告書
ラベル発行機関は,試験要約報告書を発行する。試験要約報告書には,最低限,次の内容を盛り込む。
これは,完全な測定報告書を発行することによって実現できる。
1) ラベル発行機関名,試験要約報告書の発行日,及び現在の改訂番号を記載した固有の試験要約報告書
2) 試験を行った風車の写真
3) 製造業者が11.2.2に従って提出した仕様書
4) 製造業者の名称及び連絡先
5) 試験機関が確認した風車の構成。少なくとも,次の内容を含める。
a) 型式名及び製造番号
b) 支持構造物
c) ハブ高さ
d) 主要コンポーネントの概要
e) ロータ直径(m)(該当する場合)
f) 受風面積(m2)
g) ブレードの枚数
h) アップウィンドロータ又はダウンウィンドロータ(該当する場合)
i) VAWT,HAWT又はその他
j) 回転方向
k) カットイン風速(m/s)

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C 1400-2 : 2020 (IEC 61400-2 : 2013)
l) カットアウト風速(m/s)(観測した場合)
m) 耐久性試験中に観測した3秒間ガストの最大値(m/s)
n) 電力形式
o) 耐久性試験中に観測した大気温度範囲(℃)
6) 出力曲線及び年間発電電力量(フォーマットの例は,附属書G参照)
7) 風速8 m/sでの音響パワーレベルの測定値及び表示音響パワーレベル,並びに騒音ばく(曝)露マッ
プ(JIS C 1400-11による。)
8) 13.4.4による耐久性試験結果及び風車試験クラス
9) 測定報告書の参照情報。少なくとも,作成機関,発行日及び固有の報告書番号を含める。
10) IS Q 17025及び試験要件の定義に用いた関連規格(JIS C 1400-12-1など)の要求事項をどのように
満たしているかについての簡単な説明。少なくとも認定試験機関が関わっているかどうかを記載する。
M.2.3 ラベルの発行
ラベル発行機関がこの附属書に示すラベルに関する要求事項を満たしていると判断した場合,M.4に従
って,ウェブサイトのURL上に,試験要約報告書及びラベルのコピーを発行する場合がある。ただし,こ
れを行う場合,ラベル発行機関は製造業者から書面による同意を得る必要がある。
M.2.4 小形風車の仕様変更
附属書Aに記載したように,仕様変更した小形風車が登場する場合がある。この場合,ラベル及びそれ
に関連する全ての文書には,どの風車を仕様変更したものかを明確に示す必要がある。
M.3 ラベルに関する試験
M.3.1 一般事項
ラベルには,JIS Q 17025の要求事項を満たす測定報告書に記載する,次の3種類の試験の結果を要約す
る。
− 13.4に規定する耐久性試験
− JIS C 1400-12-1に規定する出力性能試験
− JIS C 1400-11に規定する騒音試験
箇条2に規定する規格を用いる。ラベルに関する全ての試験は,同一の試験機関が同じサイトで1基の
風車(すなわち,製造番号は一つ)を用いて実施することが望ましい。ただし,試験要約報告書に明確に
記載(異なる製造番号を用いるなど,状況を詳細に記載)する場合に限り,この原則から逸脱してもよい。
また,複数の風車を用いる場合は,これらの風車が本質的に同一であることを保証する必要がある。例え
ば,最大出力を発電するために構成した翼一式で出力性能を試験し,騒音を最小限に抑えるために設計し
た別の翼一式で騒音試験を行うことは認めない。
M.3.2 耐久性試験
ラベルには,“風車試験クラス”として,13.4の耐久性試験に合格したSWTクラスを表示する。
M.3.3 出力曲線及び基準年間発電電力量
出力曲線は,JIS C 1400-12-1の附属書Hに従って測定する。対応する基準年間発電電力量は,ラベルに
“基準年間発電電力量”として表示する。
M.3.4 騒音試験
騒音試験は,JIS C 1400-11に従って実施する。ラベルには,ハブ高さにおける風速8.0 m/sでの見かけ

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の音響パワーレベルを用いる。1回以上の試験からハブ高さにおける風速8.0 m/sで測定した音響パワーレ
ベルを,IEC 61400-14に従って表示音響パワーレベル(ラベルには“表示音響パワーレベル”と表示する。)
に変換する。この値は,IEC 61400-14では,表示見かけ音響パワーレベルと呼び,風車の個体差による騒
音のばらつき及び測定における不確かさを説明するものである。ラベルは,騒音特性を考慮しない。
SWT型式の中には,試験を実施する上で暗騒音レベルが非常に低い試験サイトを必要とする場合がある。
M.4 ラベルのレイアウト
ラベルは,図M.1のサンプルに示すフォーマットの中に情報を表示する。
ラベルのグレー部分の情報は,該当する風車の測定による関連情報と差し替えるか,又はウェブサイト
のURLに差し替える。
千の位は,コンマなどで区切らない。ラベルの数値は,表示音響パワーレベルは四捨五入して小数点第
1位まで表し,他の値は小数点以下を四捨五入した値で表す[例えば,88.54 dB(A)は88.5 dB(A)と表
示し,8 567.53 kWh/yrは8 568 kWh/yrと表示する。]。
ラベルの発行日は,試験要約報告書の発行日とし,YYYY-MM-DD形式で表す。
このラベルは,ラベル上に記載したウェブサイトのURLから,消費者がラベルのコピーとそれに対応す
る試験要約報告書とを閲覧することができる場合に限り,有効であるとみなす。
なお,図M.1のサンプルのURL例(www.ieawind.org)を,特定のラベルに関連したURLと差し替える。
ラベルは,他の言語に翻訳してもよい。二か国語版の例を,図M.2に示す。
M.5 参考文献
[M.1] Consumer Label For Small Wind Turbines: Recommended Practices For Wind Turbine Testing And
Evaluation,IEA Wind (task 27); 2011-03-04 (edition1)

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C 1400-2 : 2020 (IEC 61400-2 : 2013)
図M.1−英語版ラベルのサンプル

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C 1400-2 : 2020 (IEC 61400-2 : 2013)
図M.2−二か国語(英語/フランス語)ラベルのサンプル

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JIS C 1400-2:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61400-2:2013(IDT)

JIS C 1400-2:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 1400-2:2020の関連規格と引用規格一覧