JIS C 1508:2000 騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法

JIS C 1508:2000 規格概要

この規格 C1508は、騒音計のランダム入射感度レベルを求めるための自由音場測定による校正方法及び拡散音場感度レベルを求めるための拡散音場測定による校正方法について規定。

JISC1508 規格全文情報

規格番号
JIS C1508 
規格名称
騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法
規格名称英語訳
Electroacoustics -- Random incidence and diffuse field calibration of sound level meters
制定年月日
2000年4月20日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 61183:1994(IDT)
国際規格分類

ICS

17.140.50
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
電気計測 2021, 環境測定 I-1 2021, 環境測定 I-2 2021, 環境測定 II 2021
改訂:履歴
2000-04-20 制定日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS C 1508:2000 PDF [16]
C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準
原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大
臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,こ
のような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出
願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 1508には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 自由音場測定による校正方法の例
附属書B(参考) 拡散音場測定による校正方法の例

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS C 1508 pdf 1] ―――――

                                                                    C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)

pdf 目次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  2.1 日本工業規格(日本産業規格)・・・・[1]
  •  2.2 国際規格・・・・[2]
  •  3. 定義・・・・[2]
  •  3.1・・・・[2]
  •  3.2 基準方向 (reference direction)・・・・[2]
  •  3.3 ランダム入射音場 (random incidence sound field)・・・・[2]
  •  3.4 拡散音場 (diffuse sound field)・・・・[2]
  •  3.5 ランダム入射感度レベル (random-incidence sensitivity level)・・・・[2]
  •  3.6 拡散音場感度レベル (diffuse-field sensitivity level)・・・・[2]
  •  3.7 自由音場感度レベル (free-field sensitivity level)・・・・[2]
  •  3.8 音圧感度レベル (pressure sensitivity level)・・・・[3]
  •  4. 自由音場測定による校正方法・・・・[3]
  •  5. 拡散音場測定による校正方法・・・・[5]
  •  附属書A(参考) 自由音場測定による校正方法の例・・・・[7]
  •  A.1 校正手順の原理・・・・[7]
  •  A.2 測定系の構成・・・・[9]
  •  A.3 自由音場感度レベルGFの測定・・・・[10]
  •  A.4 指向係数の測定及び計算・・・・[10]
  •  A.5 ランダム入射感度レベルGRIの計算・・・・[11]
  •  A.6 ランダム入射感度レベルGRIの表示・・・・[11]
  •  附属書B(参考) 拡散音場測定による校正方法の例・・・・[12]
  •  B.1 測定系の構成・・・・[12]
  •  B.2 4.及び附属書Aの手順に従い校正した基準騒音計で測定した音圧レベルとの比較による拡散音場感度レベルGDの測定・・・・[12]
  •  B.3 自由音場感度レベルGF,ref及び指向係数 最攀 知の自由音場校正された基準騒音計で測定した音圧レベルとの比較による拡散音場感度レベルGDの測定・・・・[12]
  •  B.4 音圧感度レベルGP,ref及び拡散音場感度レベルと音圧感度レベルとの差 知の音圧校正された基準騒音計で測定した音圧レベルとの比較による拡散音場感度レベルGDの測定・・・・[13]
  •  B.5 表B.1に与える値を求めるために用いた測定方法・・・・[14]

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS C 1508 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 1508 : 2000
(IEC 61183 : 1994)

騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法

Electroacoustics−Random incidence and diffuse field calibration of sound level meters

序文

 この規格は,1994年に第1版として発行されたIEC 61183, Electroacoustics−Random-incidence and
diffusefield calibration of sound level metersを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成
した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1. 適用範囲

1.1   この規格は,騒音計のランダム入射感度レベルを求めるための自由音場測定による校正方法及び拡
散音場感度レベルを求めるための拡散音場測定による校正方法について規定する。
1.2 この規格では,拡散音場感度レベルとランダム入射感度レベルを同等のものとして扱う。使用でき
る設備に応じて,どちらの校正方法を用いてもよい。
1.3 この規格に従い校正された結果は,音場に置かれた騒音計の構成に依存する。
参考 この規格で求める感度レベルは,音場に置かれる機器の寸法や幾何学的形状によって大きく変
わる可能性がある。例えば,マイクロホンの着脱が可能な騒音計などでは,実際の使用時と同
じ構成にして音場に置く。
1.4 この規格でいう騒音計は,騒音計を含めたすべての音響測定システムを意味する。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

2.1 日本工業規格(日本産業規格)

    JIS C 1502 普通騒音計
JIS C 1505 精密騒音計
備考 IEC 60651 (Sound level meters) からの引用事項及びIEC 60804 (Integrating-averaging sound
level meters) からの引用事項は,これらJIS C 1502及びJIS C 1505の該当事項と同等で
ある。
JIS C 1514 オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ
備考 IEC 61260 (Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters)が,この規格と一致
している。
JIS Z 8106 音響用語(一般)

――――― [JIS C 1508 pdf 3] ―――――

2
C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)
備考 IEC 60050 (801) (International Electrotechnical−Chapter 801 : Acoustics and electroacoustics)
が,この規格と一致している。
JIS Z 8732 無響室又は半無響室における音響パワーレベル測定方法
備考 ISO 3745 (Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods
for anechoic and semi-anechoic rooms) が,この規格と同等である。
JIS Z 8734 残響室における音響パワーレベル測定方法
備考 ISO 3741 (Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods
for broad-band sources in reverberation rooms) が,この規格と一致している。

2.2 国際規格

    IEC 61094-1 Measurement microphones−Part 1 : Specifications for laboratory standard microphones
参考 この規格に対応する日本工業規格(日本産業規格)にはJIS C 5515(標準フンデンサマィクロホン)があるが,
この規格(JIS C 1508)で引用している部分については一致していないので,国際規格
を引用規格に掲げた。
ISO 266 Acoustics−Preferred frequencies for measurements
参考 この規格は,原国際規格発行の後1997年に改訂され,名称がAcoustics−Preferred frequencies
に変更されている。

3. 定義

3.1

   この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8106によるほか,次による。
3.2 騒音計の自由音場感度レベル及び指向特性を測定するための,製
基準方向 (reference direction)
造業者が指定した音の入射方向。
3.3 対象とする位置及び周波数(又は周波数帯域)
ランダム入射音場 (random incidence sound field)
において,あらゆる方向から等確率で順次入射する等レベルの複数の自由進行波によって構成される音場。

3.4 拡散音場 (diffuse sound field)

対象とする位置及び周波数(又は周波数帯域)において,あらゆる方向から等確率でほぼ同時に入射する等レベルの複数の音波によって構成される音場。
3.5 対象とする周波数(又は周波数帯
ランダム入射感度レベル (random-incidence sensitivity level)
域)において,ランダム入射音場での騒音計の時間平均音圧レベルの指示値から,騒音計の存在しない状
態での同一音源からの音波によるマイクロホンの音響中心での時間平均音圧レベルを減じたもの。単位は
デシベル(dB)。
参考1. 3.53.8の感度レベルは,従来広く用いられているトランスジューサの感度レベルの定義(例
えば,マイクロホンの場合には,開放出力電圧と音圧との商として求めた感度を基準感度で
除した値の常用対数の20倍)とは異なる。
2. この規格で用いる音響中心とは.指向係数などを求める場合の基準点としての意味と考えら
れ,例えば,マイクロホンの振動膜の幾何学的中心を音響中心としてもよい。
3.6 対象とする周波数(又は周波数帯域)にお
拡散音場感度レベル (diffuse-field sensitivity level)
いて,拡散音場での騒音計の時間平均音圧レベルの指示値から,騒音計の存在しない状態での騒音計のマ
イクロホンの音響中心の位置の,その音場の時間平均音圧レベルを減じたもの。単位はデシベル (dB)。
3.7 対象とする周波数(又は周波数帯域)において,
自由音場感度レベル (free-field sensitivity level)
基準方向から入射する自由音場での騒音計の音圧レベルの指示値から,騒音計の存在しない状態での騒音
計のマイクロホンの音響中心の位置の,その音場の音圧レベルを減じたもの。単位はデシベル (dB)。

――――― [JIS C 1508 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)
3.8 対象とする周波数(又は周波数帯域)において,マイ
音圧感度レベル (pressure sensitivity level)
クロホyの振動膜面上に一様な音圧が加えられた場合の騒音計の音圧レベルの指示値から,振動膜面上の
実際の音圧レベルを減じたもの。単位はデシベル (dB)。

4. 自由音場測定による校正方法

4.1   各周波数(又は周波数帯域)での騒音計のランダム入射感度レベルGRIは,次の式で計算する。
GRI=GF−10log10 最 dB) (1)
ここに, 柿 騒音計の指向係数で,マイクロホン^
のすべての音の入射角で等感度とした理想的な全指向応答か
らの偏差を表す。
GF : 基準方向から入射する音に対する騒音計の自由音場感度レベ
ル,Lrd−L0 (dB)
Lrd : 基準方向からマイクロホンに入射する平面進行波による騒音
計の音圧レベルの指示値 (dB)
L0 : 騒音計が存在しない状態での同一の平面進行波の音圧レベル
(dB)
4.2 騒音計の自由音場感度レベルGF=Lrd−L0は,通常,個々の騒音計で異なるが,指向係数 騒音
計の寸法及び幾何学的形状にだけ依存し,同一型式のすべての騒音計で等しい。
4.3 指向係数 基準座標系の原点がマイクロホンの音響中心と一致するように配置し
た騒音計を考える。騒音計の基準方向を,座標系のX軸に一致させる。異なる方向からの音は,原点から
のベクトルr 爰 する,球の表面上の一点に配置した音源から騒音計に入射する。図1を参照。
4.4 指向係数 次の式で計算する。
柿 4
(2)
1.0 Lrd -L r d
10
S
ここに, L (r : 方向r 爰 イクロホンに入射する平面進行波による騒音
計の音圧レベルの指示値 (dB)
Lrd : 基準方向からマイクロホンに入射する平面進行波による
騒音計の音圧レベルの指示値 (dB)
d 音源位置r 爰歛 する面要素の立体角 (sr)
積分は,球の表面全体にわたり行う。
図1 自由音場測定に基づいてランダム入射感度レベルを校正するための基準座標系

――――― [JIS C 1508 pdf 5] ―――――

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JIS C 1508:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61183:1994(IDT)

JIS C 1508:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 1508:2000の関連規格と引用規格一覧