JIS Z 8734:2021 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定―残響室における精密測定方法

JIS Z 8734:2021 規格概要

この規格 Z8734は、残響室を用いて,定常性の騒音を放射する騒音源の音響パワーレベル及び単発性の騒音を放射する騒音源の音響エネルギーレベルの測定方法について規定。

JISZ8734 規格全文情報

規格番号
JIS Z8734 
規格名称
音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定―残響室における精密測定方法
規格名称英語訳
Acoustics -- Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using sound pressure -- Precision methods for reverberation test rooms
制定年月日
1988年3月1日
最新改正日
2021年3月22日
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‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 3741:2010(MOD)
国際規格分類

ICS

17.140.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1988-03-01 制定日, 1993-05-01 確認日, 2000-05-20 改正日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認日, 2021-03-22 改正
                                                                                   Z 8734 : 2021

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[2]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[3]
  •  4 基準気象条件・・・・[6]
  •  5 残響室・・・・[7]
  •  5.1 一般事項・・・・[7]
  •  5.2 残響室の容積・・・・[7]
  •  5.3 残響室の吸音・・・・[7]
  •  5.4 暗騒音に関する基準・・・・[8]
  •  5.5 大気の気温,湿度及び気圧・・・・[8]
  •  6 測定装置・・・・[8]
  •  6.1 一般事項・・・・[8]
  •  6.2 校正・・・・[8]
  •  7 測定対象騒音源の特定,配置,据付け及び作動・・・・[9]
  •  7.1 一般事項・・・・[9]
  •  7.2 補助装置・・・・[9]
  •  7.3 騒音源の配置・・・・[9]
  •  7.4 騒音源の据付け・・・・[9]
  •  7.5 測定中の騒音源の作動・・・・[10]
  •  8 残響室内における測定・・・・[11]
  •  8.1 一般事項・・・・[11]
  •  8.2 測定対象騒音源の最初の設置位置・・・・[11]
  •  8.3 マイクロホン位置・・・・[11]
  •  8.4 時間平均音圧レベルの測定・・・・[12]
  •  8.5 時間積分音圧レベルの測定・・・・[14]
  •  8.6 比較法における基準音源による時間平均音圧レベルの測定・・・・[15]
  •  8.7 残響時間の測定・・・・[15]
  •  8.8 気象条件の測定・・・・[15]
  •  9 音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの算出・・・・[16]
  •  9.1 音響パワーレベルの算出・・・・[16]
  •  9.2 音響エネルギーレベルの算出・・・・[19]
  •  9.3 A特性音響パワーレベル及びA特性音響エネルギーレベルの計算・・・・[21]
  •  10 測定不確かさ・・・・[21]
  •  10.1 評価の方法・・・・[21]

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Z 8734 : 2021

pdf 目次

ページ

10.2 σomcの算定 21
10.3 σR0の算定 22
10.4 σR0の代表的な上限値 23
10.5 全標準偏差σtot及び拡張測定不確かさU 23
  •  11 記録事項・・・・[24]
  •  11.1 一般事項・・・・[24]
  •  11.2 測定対象騒音源・・・・[24]
  •  11.3 測定環境・・・・[24]
  •  11.4 測定器・・・・[24]
  •  11.5 音響データ・・・・[24]
  •  12 試験報告書・・・・[25]
  •  附属書A(参考)残響室の設計指針・・・・[26]
  •  附属書B(参考)回転拡散翼の設計指針・・・・[28]
  •  附属書C(規定)広帯域音の測定のための残響室の適性試験方法・・・・[29]
  •  附属書D(規定)離散周波数成分を含む音の測定のための残響室の適性試験方法・・・・[31]
  •  附属書E(参考)100 Hz未満の周波数の測定のための周波数範囲の拡張・・・・[36]
附属書F(規定)1/3オクターブバンドレベルからオクターブバンド音響パワーレベル及び音響エネルギー
     レベル,A特性音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルを計算する方法  38
  •  附属書G(参考)測定不確かさに関する情報の開発のための手引・・・・[41]
  •  附属書JA(参考)ISO 3741:2010における残響室の暗騒音に関する記載・・・・[52]
附属書JB(参考)残響室を用いる音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定の原理並びに各種の
     補正  56
  •  参考文献・・・・[60]
  •  附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[62]

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                                                                                   Z 8734 : 2021

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本音響学会(ASJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を
改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で
ある。これによって,JIS Z 8734:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

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                                       日本産業規格                             JIS
                                                                              Z 8734 : 2021

音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定−残響室における精密測定方法

Acoustics-Determination of sound power levels and sound energy levels ofnoise sources using sound pressure-Precision methods for reverberationtest rooms

序文

  この規格は,2010年に第4版として発行されたISO 3741を基とし,技術的内容を変更して作成した日
本産業規格である。
  なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。
  この規格で規定する音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定では,一定の音響的条件を満た
した残響室を用いる。測定の原理としては,騒音源が放射する音響パワー又は音響エネルギーは,残響室
内の2乗音圧の時間平均値又は時間積分値の空間平均値に比例することに基づいている。これらの音圧に
関する量は,残響室の音響特性及び測定時の気象条件に依存する。
  狭帯域の音又は離散周波数の音を放射する騒音源を対象とする場合には,広帯域にわたって平たんな周
波数成分を放射する騒音源を対象とする場合に比べて,音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルの測
定により高い厳密さが必要である。その理由は,次のとおりである。
a) マイクロホン位置の数が少ない場合,又はマイクロホントラバースの経路の長さが十分でない場合に
    は,測定される2乗音圧の時間平均値又は時間積分値は,必ずしも残響室内全体にわたる2乗音圧の
    時間平均値又は時間積分値の空間平均値の推定値にはならない。
b) 騒音源が放射する音響パワー又は音響エネルギーは,残響室のノーマルモードの影響を強く受け,騒
    音源の残響室内の位置によって変化する。
  卓越した狭帯域成分又は離散周波数成分の音を放射する騒音源を対象とする場合には,残響室の特性を
最適化する,又は騒音源及びマイクロホンの設置位置の数を多くする(マイクロホントラバースによる場
合には,経路を長くする。)などが必要となる。このような場合には,低周波数帯域に有効な吸音体の付加
及び回転拡散装置の設置によって,測定が容易となる。
  この規格で規定する方法では,1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベル又は音響エネルギーレベ
ルを算出し,その結果から,オクターブバンドの値,A特性周波数重み付けをした値及び周波数重み付け
をしない全帯域の値を求める。
  この規格で規定する測定方法によれば,ISO 12001に規定するグレード1(精密級)の精度が得られる。
  音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定結果は,測定時の気象条件における値をこの規格で

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Z 8734 : 2021
規定する基準気象条件における値に換算して表示する。

1 適用範囲

  この規格は,残響室を用いて,定常性の騒音を放射する騒音源の音響パワーレベル及び単発性の騒音を
放射する騒音源の音響エネルギーレベルの測定方法について規定する。
  この規格で規定する方法は,ISO 12001:1996に規定されている全ての騒音の種類(定常性,非定常性,
変動性,単発性など)に適用可能である。
  この規格を適用する騒音源は,残響室の容積の2 %以下の体積のものに限られる。体積が残響室の容積
の2 %を超える騒音源については,ISO 12001:1996に規定するグレード1(精密級)の精度は実現できな
い可能性がある。
  残響室を用いる音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定方法には,直接法及び比較法があり,
この規格では,これら二つの方法の測定及び計算の手順を規定する。
  この規格による測定の対象とする周波数範囲は,一般的な測定では中心周波数が100 Hzから10 000 Hz
までの1/3オクターブバンドの範囲である(3.12参照)。この範囲を低周波数まで拡張する場合の指針を,
附属書Eに示す。
    注記1 高い周波数については,ISO 9295に規定する方法を適用することが可能である。
    注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
            ISO 3741:2010,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise
                sources using sound pressure−Precision methods for reverberation test rooms(MOD)
              なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
            ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS C 1508 騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法
      注記 対応国際規格 : IEC 61183,Electroacoustics−Random-incidence and diffuse-field calibration of
             sound level meters
    JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部 : 仕様
      注記 対応国際規格 : IEC 61672-1,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications
    JIS C 1513-1 電気音響−オクターブバンド及び1/Nオクターブバンドフィルタ(分析器)−第1部 : 
        仕様
      注記 対応国際規格 : IEC 61260-1,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters−
             Part 1: Specifications
    JIS C 1515 電気音響−音響校正器
      注記 対応国際規格 : IEC 60942,Electroacoustics−Sound calibrators
    JIS Z 8402(規格群) 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)
      注記 対応国際規格 : ISO 5725 (all parts),Accuracy (trueness and precision)   f measurement methods and
             results

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                                                                                   Z 8734 : 2021
    JIS Z 8733:2000 音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−反射面上の準自由音場
        における実用測定方法
      注記 対応国際規格 : ISO 3744,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels
             of noise sources using sound pressure−Engineering methods for an essentially free field over a
             reflecting plane
    JIS Z 8739:2021 音響−音響パワーレベルの測定に使用する基準音源の性能及び校正に関する要求事
      注記 対応国際規格 : ISO 6926:2016,Acoustics−Requirements for the performance and calibration of
             reference sound sources used for the determination of sound power levels
    ISO 3382-2,Acoustics−Measurement of room acoustic parameters−Part 2: Reverberation time in ordinary
        rooms
    ISO 12001:1996,Acoustics−Noise emitted by machinery and equipment−Rules for the drafting and
        presentation of a noise test code
    ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
        measurement (GUM:1995)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
音圧,p(sound pressure)
  瞬時圧力と静圧との差。
    注記1 音圧は,パスカル(Pa)で表す。
    注記2 この定義は,JIS Z 8000-8:2014(対応国際規格 : ISO 80000-8:2007[20])の8-9.2と技術的に
            一致している。
3.2
音圧レベル,Lp(sound pressure level)
  音圧の実効値peffの2乗を,基準音圧p0の2乗で除した値の常用対数を10倍した値。
                                     2
                                   peff
                         Lp  10log10 2
                                         (1)
                                   p0
                      ここに,        peff :  音圧pの実効値(Pa)
                                       p0 :  基準音圧(20  懿
    注記1 音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 JIS C 1509-1で規定している周波数重み付け特性及び時間重み付け特性又は特定の周波数帯
            域に適用する場合には,適切な添字を付ける。例えば,A特性音圧レベルを表す場合には,
            LpAと表記する。
3.3
時間平均音圧レベル,Lp,T(time-averaged sound pressure level)
  ある一定時間T(t1に始まり,t2で終わる。)の音圧pの2乗の時間平均値を,基準音圧p0の2乗で除し
た値の常用対数を10倍した値。

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Z 8734 : 2021
                                     1  t2
                                           2
                                            ()   d
                                          ptt
                         LpT  10log10T  t1
                           ,                       (2)
                                         p02
                      ここに,         p0 :  基準音圧(20  懿
    注記1 時間平均音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 時間平均音圧レベルは,必ずある測定時間長にわたって測定するので,添字Tは省略するこ
            とが多い。
    注記3 時間平均音圧レベルは,しばしばA特性周波数重み付けがされ,その場合の記号としてLpA,T
            が用いられる。
    注記4 この定義は,ISO/TR 25417:2007[19]の2.3と技術的に一致している。
3.4
時間積分音圧レベル,LE,T(time-integrated sound pressure level)
  ある一定時間T(t1に始まり,t2で終わる。)の音圧pの2乗の時間積分値を,基準値E0で除した値の常
用対数を10倍した値。
                                      t2
                                         2
                                          ()   d
                                        ptt
                                      t1
                         LET
                           ,  10log10            (3)
                                        E0
                      ここに,         E0 :  (20愀             4×10−10 Pa2s
    注記1 時間積分音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 この量は,Lp,T+10 log10(T/T0)(ただし,T0=1 s)で表される。
    注記3 この量を,音の暴露の測定に用いる場合には,“音圧暴露レベル(sound exposure level)”と呼
            ばれている(ISO/TR 25417:2007[19]の2.7参照)。
3.5
測定時間,T(measurement time interval)
  時間平均音圧レベル又は時間積分音圧レベルを算出するための,測定対象騒音源の作動時間又は作動周
期の一部又は何倍かの時間。
    注記 測定時間は,秒(s)で表す。
3.6
残響室(reverberation test room)
  箇条5に規定する要求事項に適合する試験室。
3.7
残響音場(reverberant sound field)
  残響室の内部で,音源からの直接音が無視できる音場。
3.8
残響時間,T60(reverberation time)
  室内で音源を停止した後,音響エネルギー密度の空間平均値が10−6に,すなわち,60 dB減衰するのに
要する時間。
    注記1 残響時間は,秒(s)で表す。

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                                                                                   Z 8734 : 2021
    注記2 残響時間は,周波数に依存する。
3.9
吸音率,α(sound absorption coefficient)
  ある周波数の音が,ある条件で面に入射したときに,入射した音響パワーに対する反射されなかった音
響パワーの比。
    注記 この規格では,吸音率は,JIS A 1409(対応国際規格 : ISO 354[1])によって計算する。
3.10
等価吸音面積,A(equivalent sound absorption area)
  ある面の面積とその吸音率との積。
    注記 等価吸音面積は,平方メートル(m2)で表す。
3.11
基準音源(reference sound source)
  JIS Z 8739:2021の箇条5で規定している要求事項に適合する音源。
3.12
対象周波数範囲(frequency range of interest)
  一般には,1/3オクターブバンド中心周波数が100 Hzから10 000 Hzまでの周波数範囲。
    注記 測定環境及び測定機器がこの規格の要求事項を満たした上で,中心周波数が50 Hzの1/3オク
          ターブバンドまで周波数範囲を広げることもある(附属書E参照)。
3.13
暗騒音(background noise)
  測定対象騒音源以外の全ての音源からの騒音。
    注記 暗騒音には,空気伝搬音,固体伝搬振動による放射音,及び測定装置内部の電気的ノイズも含
          まれる。
3.14
暗騒音補正値,K1(background noise correction)
  暗騒音の影響を考慮するために,測定対象騒音源について測定した時間平均音圧レベル又は時間積分音
圧レベルを補正する値。
    注記1 暗騒音補正値は,デシベル(dB)で表す。
    注記2 暗騒音補正値は,周波数に依存する。中心周波数がfの周波数帯域の暗騒音補正値を,K1fと
            表記する。
3.15
音響パワー,P(sound power)
  ある面上の1点における音圧pと粒子速度のその面に直交する成分unとの積の時間平均値を,その面全
体にわたって積分した量。
    注記1 音響パワーは,ワット(W)で表す。
    注記2 この量は,ある面を通して音源が空気中に放射する音響エネルギー(J)の時間率(J/s)に相
            当する。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[19]の2.8と技術的に一致している。
    注記4 積分面を音源を取り囲む閉曲面全体とした場合,この量を音源の音響パワーという。

――――― [pdf 6] ―――――

Z 8734 : 2021
3.16
音響パワーレベル,LW(sound power level)
  音響パワーPを,基準音響パワーP0で除した値の常用対数を10倍した値。
                                   P
                         LW  10log10   (4)
                                   P0
                      ここに,         P0 :  基準音響パワー(1 pW)
    注記1 音響パワーレベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 JIS C 1509-1で規定している周波数重み付け特性又は特定の周波数帯域を適用する場合には,
            適切な添字を付ける。例えば,A特性音響パワーレベルを表す場合には,LWAと表記する。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[19]の2.9と技術的に一致している。
    注記4 音源の音響パワーを式(4)で表した値を,音源の音響パワーレベルという。
3.17
音響エネルギー,J(sound energy)
  ある一定の時間T(t1に始まり,t2で終わる。)にわたって音響パワーの瞬時値P(t)を積分した量。
                             t2
                         J     ()   d
                              Ptt    (5)
                             t1
    注記1 音響エネルギーは,ジュール(J)で表す。
    注記2 この量は,非定常で過渡的な音響現象に用いる。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[19]の2.10によっている。
    注記4 音源を取り囲む閉曲面全体についてこの量を積分した場合,音源の音響エネルギーという。
3.18
音響エネルギーレベル,LJ(sound energy level)
  音響エネルギーJを,基準音響エネルギーJ0で除した値の常用対数を10倍した値。
                                   J
                         LJ  10log10    (6)
                                   J0
                      ここに,         J0 :  基準音響エネルギー(1 pJ)
    注記1 音響エネルギーレベルは,デシベル(dB)で表す。
    注記2 JIS C 1509-1で規定している周波数重み付け特性又は特定の周波数帯域を適用する場合には,
            適切な添字を付ける。例えば,A特性音響エネルギーレベルを表す場合には,LJAと表記する。
    注記3 この定義は,ISO/TR 25417:2007[19]の2.11によっている。
    注記4 音源の音響エネルギーを式(6)で表した値を,音源の音響エネルギーレベルという。

4 基準気象条件

  音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルを求める際の基準気象条件は,次のとおりで,この状態に
おける空気の特性音響インピーダンスρc(ただし,ρは空気の密度,cは音速)は,411.5 Ns/m3である。
a) 気温 : 23.0 ℃
b) 静圧 : 101.325 kPa
c) 相対湿度 : 50 %

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                                                                                   Z 8734 : 2021

5 残響室

5.1 一般事項

  残響室は,対象周波数範囲全体にわたって適切な残響音場となるように,十分な容積をもち,吸音性が
低くなければならない。
    注記 この規格によって音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルを測定するのに適した残響室の
          設計指針を,附属書Aに示す。回転拡散翼の設計指針を,附属書Bに示す。

5.2 残響室の容積

  残響室の最小容積の推奨値を,表1に示す。全ての残響室について,附属書Cに示す適性試験を行うと
よい。対象周波数範囲の測定に,表1に示す値よりも小さな容積の残響室又は300 m3を超える容積の残響
室を用いる場合には,広帯域音の測定に対する適性を,附属書Cに示す方法で確認しなければならない。
離散周波数成分の測定を行う場合の残響室の適性を調べる方法を,附属書Dに示す。この附属書では,8.4.2
又は8.5.2に示す測定対象騒音源ごとに行う適性試験とは別の,一般的な残響室の適性試験の方法を示す。
中心周波数が100 Hz未満の1/3オクターブバンドについて測定を行う場合は,附属書Eを参照するとよい。
                     表1−最低対象周波数帯域ごとの残響室の最小容積の推奨値
                  測定対象の最低1/3オクターブバンド        残響室の最小容積
                             中心周波数                          m3
                                Hz
                                100                              200
                                125                              150
                                160                              100
                               ≧200                              70

5.3 残響室の吸音

  測定対象騒音源とマイクロホン位置との間に保たなければならない最小距離は,残響室の吸音の程度に
よる。また,騒音源の騒音放射及び室内空間の周波数応答特性も,吸音の影響を受ける。これらの理由か
ら,残響室内の吸音は,大きすぎても極端に小さすぎてもいけない(附属書A参照)。
  対象周波数範囲全体にわたって,測定対象騒音源から1波長分の距離以内の室表面は,反射性(吸音率
で0.06未満)になるように設計する。附属書C及び附属書Dに規定するように,低音用の吸音パネルを
用いる場合には,騒音源から対象周波数範囲の最低周波数の音の波長以内の場所に設置してもよいが,1.5
m未満にはならないようにする。その他の室表面は,測定対象騒音源を設置しない状態で,残響室の残響
時間T60(測定方法は,8.7参照)が,6 300 Hz未満の1/3オクターブバンドで,式(7)を満たすようにする。
                            V
                        T60>   (7)
                            S
                      ここに,         V :  残響室の容積(m3)
                                       S :  残響室の全表面積(m2)
  式(7)の条件を満たさない場合は,広帯域音の測定に対する残響室の適性について,附属書Cに規定する
方法によって試験する。
    注記 5 000 Hz以上の周波数では,室内の吸音に対する空気の音響吸収による寄与が大きくなる。室
          内の相対湿度を50 %以上に保つことによって,空気による吸音が過度にならないようにするこ
          とが可能である。

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Z 8734 : 2021

5.4 暗騒音に関する基準

  残響室内で,対象周波数範囲(3.12参照)の1/3オクターブバンドごとに,固定マイクロホン又はマイ
クロホントラバースで測定した測定対象騒音源が作動している間の時間平均音圧レベルと暗騒音の時間平
均音圧レベルとの差ΔLpが20 dB以上の場合は,暗騒音の影響は無視することが可能である。
  ΔLpが20 dBより小さい場合は,9.1.2によって暗騒音の補正を行う(図1参照)。
  単発性の騒音の時間積分音圧レベルについても,同じ規定を適用する。その場合,暗騒音の時間積分音
圧レベルは,単発性の騒音の測定時間と同じ時間にわたって測定する(8.5.1参照)。暗騒音の補正は,9.2.3
による。
  マイクロホントラバースによる測定では,それによって発生する騒音が暗騒音となるので,トラバース
装置を作動しながら暗騒音を測定する。
  なお,ISO 3741:2010における試験室の暗騒音に関する規定を,附属書JAに参考として示す。この附属
書によった場合には,その旨を試験報告書(箇条12参照)に記載する。

5.5 大気の気温,湿度及び気圧

  マイクロホンを設置する範囲内の大気の気温及び相対湿度の変化は,表2に示す範囲内でなければなら
ない。
  気圧の測定は,±1.5 kPaの誤差範囲で行う。
  表2に示す限度は,一般的な測定では十分な条件である。ただし,特殊な装置類で,特に作動条件及び
騒音の放射が大気の条件によって変わるものについては,騒音試験規程で温度及び湿度の条件を規定して
もよい。その場合は,規定の条件で測定を行う。
                表2−残響室における測定時の大気の気温及び相対湿度の許容変化範囲
         気温tの変化範囲                           相対湿度の範囲
               ℃                                        %
                                  <30 %             30 %50 %              >50 %
                                              気温及び相対湿度の許容限界
            −5≦t<10         ±1 ℃,±3 %        ±1 ℃,±5 %       ±3 ℃,±10 %
            10≦t<20          ±1 ℃,±3 %        ±3 ℃,±5 %       ±3 ℃,±10 %
            20≦t≦50          ±2 ℃,±3 %        ±5 ℃,±5%        ±5 ℃,±10 %

6 測定装置

6.1 一般事項

  音圧レベルの測定に用いる機器は,マイクロホン及びケーブルを含めてJIS C 1509-1のクラス1の要求
事項に適合するものを用いる。周波数分析に用いる機器は,JIS C 1513-1のクラス1の要求事項に適合す
るものを用いる。比較法(8.1,9.1.6及び9.2.6参照)を適用する場合には,JIS Z 8739:2021の要求事項に
適合する基準音源を用いる。

6.2 校正

  マイクロホンは,JIS C 1508に規定するランダム入射の条件で校正する。
  測定に先立って,JIS C 1515のクラス1の要求事項に適合する音響校正器を用いて,一つ又はそれ以上
の周波数で音圧レベルの測定システム全体の感度を校正する。測定の後にも感度を点検し,調整をしない
で読み値の変化が0.5 dB以下であることを確認する。読み値の変化がこの値を超えている場合には,測定
データは破棄する。

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  音響校正器のJIS C 1515の要求事項に対する適合性,音圧測定システムのJIS C 1509-1の要求事項に対
する適合性,周波数分析器のJIS C 1513-1の要求事項に対する適合性,及び基準音源を用いる場合にはJIS
Z 8739:2021の要求事項に対する適合性について,適切な標準に対してトレーサブルな校正を実施できる機
関で,定期的に検証する。
  国が別の規定をしていない限り,音響校正器は1年を超えない期間で,基準音源は2年を超えない期間
で校正することを推奨する。また,JIS C 1509-1の要求事項に適合した測定システム,JIS C 1513-1の要
求事項に適合した周波数分析器については,2年を超えない期間で検証することが望ましい。

7 測定対象騒音源の特定,配置,据付け及び作動

7.1 一般事項

  音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルの測定の対象とする騒音源として,構成部品,組立部品,
補助装置,駆動源などの組合せを決めることが重要である。また,測定のために,騒音源をどのように据
え付け,作動させるかを決めることも重要で,これらの条件によって放射される音のパワー又はエネルギ
ーは大きく変化する。この箇条では,再現性のある測定を行うために,また,測定条件を明確にするため
に,測定における騒音源の据付け方法及び作動条件について規定する。
  この規格では,騒音源の特定,据付け及び作動に関する一般的な規定を記載するが,特殊なタイプの測
定対象騒音源について,特に騒音試験規程で規定があれば,それによる。

7.2 補助装置

  測定対象騒音源に接続された電気配線,配管,空気ダクトなどが,残響室内に大きな音を出していない
ことを確認する。
  可能な場合には,測定対象騒音源の作動に必要な全ての補助装置で本体の一部でないものは,残響室の
外に置く。それが不可能な場合には,それらから残響室内に放射する音を最小限にするように注意を払う。
移動することが不可能,又は発生音を小さくすることが不可能な補助装置などがあれば,それらも含めて
測定対象騒音源とする。

7.3 騒音源の配置

  測定対象騒音源を,残響室の中の1か所又はそれ以上の位置に,実際の使用における室境界との関係を
考慮して設置する。特定の位置が指定されていない場合には,壁から1.5 m以上離して設置する。8.4.2.4
又は附属書Dによって,設置位置を2か所又はそれ以上にする必要がある場合には,それぞれの位置の間
隔は,対象周波数範囲で最低の1/3オクターブバンド中心周波数の音の波長の1/2以上とする。残響室の
床が長方形の場合には,測定対象騒音源の位置が対称にならないようにする。
  卓上形の装置で,テーブル又はスタンドの上に置くのが通常の使用の仕方である場合を除き,残響室の
床上で,壁から1.5 m以上離れた位置に設置する。テーブルの上に置くのが通常の装置の場合には,テー
ブル上の中央に設置し,騒音源とテーブルとを一体として測定対象騒音源とする。

7.4 騒音源の据付け

  多くの場合,測定対象騒音源が放射する音響パワー又は音響エネルギーは,騒音源の支持又は据付け条
件によって変化する。騒音源の据付け条件が決まっている場合には,それによるか,又はそれに近い条件
とする。
  騒音試験規程に特に指定がない限り,騒音源となる機器の製造業者が指定又は推奨する据付け条件によ
る。特に据付け条件が指定されていない場合,指定されていても測定では不可能な場合,又は多様な据付
け方がある場合には,それによって騒音源からの音の放射が著しく変化することがないように注意する。

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Z 8734 : 2021
騒音源を載せる構造物からの音の放射が少なくなるような注意も必要である。
  寸法が小さな騒音源では,それ自体からの低周波数の音の放射が小さくても,据付け方によっては騒音
源からの振動が大きな面に伝わって,低音域の音の放射が大きくなる場合もある。このような場合には,
支持面への振動の伝達を防ぐとともに,支持面から騒音源に対する反動を防ぐために,可能ならば測定対
象騒音源を弾性支持する。その場合,据え付けるベースが振動して音を放射しないように,硬くて十分に
大きな機械インピーダンスをもっている必要がある。ただし,このような弾性支持は,測定対象騒音源が
実際に弾性支持して用いられる場合に限る。
  主要な駆動部分とそれによって作動する機械との結合条件が,測定対象騒音源からの音の放射に大きな
影響を与えることもある。このような場合には,フレキシブルに接続する方法をとるのがよいが,それら
の部分を弾性支持することも考える。
  手持ち形の騒音源は,手で持って測定するか,何かで支持するとしても,それに振動が伝わって音が放
射されないように注意する。騒音源を作動するために何らかの支持が必要な場合には,支持器具は,測定
対象騒音源の一部とみなせるようになるべく小さくし,騒音試験規程がある場合には,その条件に合わせ
る。
  壁際の床に設置する機械・装置類は,音響的に剛な壁面の前の剛な床上に設置する。壁面に設置する機
械・装置類は,音響的に剛な壁面に設置する。

7.5 測定中の騒音源の作動

  騒音源が放射する音響パワー又は音響エネルギーは,負荷,作動速度及び作動条件によって変化する。
可能な限り,騒音源の再現性が保たれ,代表的な使用状態で最も騒音の発生が大きい状態で測定する。騒
音試験規程がある場合にはその規定によるが,それがない場合には,次のa)   g)の作動モードのうち,一
つ又はそれ以上を選んで,測定を行う。
a) 騒音源に特定の負荷及び条件を与えた場合
b) 騒音源に最大負荷を与えた場合[a)の条件と異なる場合]
c) 騒音源に負荷をかけない場合(アイドリングの状態)
d) 騒音源を決められた条件内で最高の運転速度にした場合
e) 騒音源を通常の使用状態で発生音が最大になるように作動した場合
f)  騒音源に決められた条件内で模擬的な負荷をかけた場合
g) 騒音源を決められた条件内で特定のサイクルで作動した場合
  音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルの測定の前に,安定した温度の条件で駆動源及び伝達系を
動かし,騒音源を適正な作動条件に安定させておく必要がある。負荷,速度及び作動条件のいずれも,測
定中は一定に保つ,又は制御された方法で作動サイクルを変化させる。
  加工する材料の種類及び切断道具の設計などの二次的な条件によって,音響パワー又は音響エネルギー
の放射が変化する場合には,その変化をなるべく小さくし,通常の使用条件を代表するように,これらの
条件を実際的な範囲で調整する。模擬的な負荷の条件とする場合には,測定対象騒音源の音響パワーレベ
ル又は音響エネルギーレベルが通常の使用状態を代表するように,条件を設定する。
  速度制御が可能な冷却ファンを備えた電気装置,コンプレッサーを内蔵した空調機器などは,試験室内
の気温によって騒音の放射が変化する。騒音試験規程で特に指定がない場合には,この種の装置類につい
ては,作動に適切と思われる温度を±2 ℃の範囲に保って測定を行い,その旨を報告する。

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8 残響室内における測定

8.1 一般事項

  音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定には次の二つの方法があり,いずれかによる。
a) 直接法 残響室の等価吸音面積を用いる方法。
b) 比較法 音響パワーレベルが既知の基準音源を用いる方法。
  二つの方法とも,中心周波数が100 Hz10 000 Hzの1/3オクターブバンドに適用が可能であるが,特に
必要な場合には,附属書Eに示す指針に従って,中心周波数が50 Hzの1/3オクターブバンドまで拡張し
てもよい(3.12参照)。

8.2 測定対象騒音源の最初の設置位置

  測定対象騒音源を,7.3によって選択した残響室内の最初の位置に設置する。

8.3 マイクロホン位置

  直接法及び比較法のいずれによる場合にも,測定対象騒音源とそれに最も近いマイクロホン位置との距
離dmin(m)は,対象周波数範囲の全ての周波数帯域にわたって,式(8)で計算される値以上とする。
                                  V
                         dmin DT
                               1       (8)
                                   60
                      ここに,         D1=0.08
                                       V :  残響室の容積(m3)
                                      T60 :  残響時間(s)
  近距離バイアス誤差を小さくし,マイクロホン位置が残響音場内にあることを確実にするために,5 000
Hz未満の周波数については,D1を0.16とすることを強く推奨する。
  比較法を適用する場合には,測定対象騒音源とそれに最も近いマイクロホン位置との間の最短距離は,
式(8)によってもよいが,式(9)で求めてもよい。
                                    0.05 LW (RSS)   p(RSS)
                         dmin D210                (9)
                      ここに,     D2=0.4
                                   LW(RSS) :  基準音源の音響パワーレベルで,既知の値(dB)
                                   Lp(RSS) :  残響室内で基準音源を作動したときの時間平均音圧レ
                                             ベル(dB)
  式(9)によってdminを決める場合,基準音源からの距離を十分にとって,直接音の影響が無視できる領域
でLp(RSS)を測定する。
  近距離バイアス誤差を小さくし,マイクロホン位置が残響音場内にあることを確実にするために,5 000
Hz未満の周波数については,D2を0.8とすることを強く推奨する。
  残響室及び試験条件の適性が附属書Dによって確かめられている場合には,適性試験の場合と同じ数の
マイクロホン及び同じマイクロホン位置,又は連続的なマイクロホントラバースによって時間平均音圧レ
ベルを測定する。
  残響室が附属書Dの要求事項を満たしていない場合には,6点のマイクロホン位置を設定し,時間平均
音圧レベルの標準偏差を求めて評価する(8.4.2参照)。その場合の6点のマイクロホン位置は,どの室表
面からも1.0 m以上離れ,騒音源からdmin以上離れた位置とする。それぞれのマイクロホン位置の最小間
隔は,対象周波数範囲の最低の中心周波数の音の波長の1/2とする。標準偏差を求めるための測定以外の
測定では,連続的なマイクロホントラバースの方法を用いてもよい。
  連続的なマイクロホントラバースによる場合には,次のa)   e)の条件を満たさなければならない。

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a) トラバース経路上のいかなる点も,騒音源からdmin以上離れるようにする。
b) トラバース経路上のいかなる点も,残響室の表面から1.0 m以上離れるようにする。
c) トラバース経路上のいかなる点も,拡散板の表面から0.5 m以上離れるようにする。
d) トラバース経路は,残響室の表面に対して10°以内の面を通るようにしてはならない。
e) トラバース経路は,直線,円弧又は円とし,その長さlは,最低周波数帯域の中心周波数の音の波長
    の3倍又は10.3 mのうちの小さい方の値以上とする。
  小さな残響室では,測定点が残響音場内に入ることを確実にするために,トラバース経路同士の最小間
隔を,1 mと最低周波数帯域の中心周波数の音の波長の1/2のいずれか短い方よりも長くすることができ
る場合には,トラバース経路の長さを,二つ以上に分割することを推奨する。

8.4 時間平均音圧レベルの測定

8.4.1  一般事項
  直接法及び比較法のいずれによる場合にも,i番目(i=1,2···n)のマイクロホン位置又はマイクロホン
トラバースで,対象周波数範囲の1/3オクターブバンドごとに,測定対象騒音源による時間平均音圧レベ
ルL   pi(ST)を,選択した作動モード(7.5参照)ごとに,適切な測定時間にわたって測定する。残響室が附属
書Dの要求事項を満たしている場合には,適性試験の場合と同じ数のマイクロホン及びマイクロホン位置,
又は連続的なマイクロホントラバースによって,時間平均音圧レベルを測定する。残響室が附属書Dの要
求事項を満たしていない場合には,8.3に記載したように6点の離散点を設定し,評価のための最初の測定
位置とする(8.4.2参照)。
  測定対象騒音源の放射音又は暗騒音の各マイクロホン位置における音圧レベルが時間的に変動する場合
には,測定時間を長くする必要があり,その時間を試験報告書に記載する。中心周波数が160 Hz以下の
1/3オクターブバンドについては,測定時間は30秒以上とする。中心周波数が200 Hz以上の1/3オクター
ブバンドについては,測定時間は10秒以上とする。回転拡散翼を用いる場合には,測定時間は,その回転
周期の整数倍又は10回転以上の長さとする。マイクロホントラバースによる場合には,測定時間は,トラ
バースの2回分の長さ以上とする。
  測定対象騒音源の時間平均音圧レベルの測定の直前又は直後に,対象周波数範囲の1/3オクターブバン
ドごとの暗騒音の時間平均音圧レベルLpi(B)を,各マイクロホン位置又はマイクロホントラバース経路で,
測定対象騒音源の測定と同じ時間にわたって測定する。
8.4.2  離散周波数成分の測定が保証されていない残響室における追加的評価(附属書D参照)
8.4.2.1  一般事項
  離散周波数成分を含む騒音源の測定のための特性が,附属書Dに規定する試験方法によって適正である
と評価されている残響室については,8.4.2.28.4.2.5の手順は必要ない。
8.4.2.2  予備測定による標準偏差の計算
  8.4.1によって最初に設定した6点のマイクロホン位置で測定した時間平均音圧レベルの標準偏差sMを,
式(10)によって1/3オクターブバンドごとに計算する。
                              NM(pre)
                                          L'pm(pre)
                                   L'pi(pre)     2
                         sM                          (10)
                               i 1     NM(pre)1
                      ここに,     L   pi(pre) :  騒音源が作動している間の,i番目のマイクロホン位置
                                             における1/3オクターブバンド時間平均音圧レベル(dB)

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                                                                                   Z 8734 : 2021
                                   L  pm(pre) :  騒音源が作動している間の,6点で測定した1/3オクタ
                                             ーブバンド時間平均音圧レベルの算術平均値(dB)
                                 NM(pre)=6(最初に設定したマイクロホン位置の数)
8.4.2.3  設定するマイクロホン位置の数
  式(10)で計算した時間平均音圧レベルの標準偏差sMが,一つ又はそれ以上の1/3オクターブバンドで1.5
dBを超えている場合,測定対象騒音源は離散周波数成分を含む音を放射していると考えられる。その場合
には,残響室及び試験条件を変更して附属書Dに規定する特性となるようにするか,又は音響パワーレベ
ルの算出に必要となる残響室内の時間平均音圧レベルの平均値(計算は9.1.3による。)を求めるために必
要なマイクロホン位置の数NMを,表3から求める。
  マイクロホントラバースによる場合には,トラバース経路の最短の長さは,次の二つの値のうちの小さ
い方にする。
                        l    NM
                           2      (11)
                        l  10.3
                      ここに,          l :  マイクロホントラバース経路の長さ(m)
                                               測定周波数帯域の中心周波数の音の波長(m)
                                      NM :  表3に示すマイクロホン位置の数
  マイクロホン位置の数が多数必要な場合には,マイクロホントラバースの方法を推奨する。
                 表3−時間平均音圧レベル測定のためのマイクロホン位置の最少の数
       1/3オクターブバンド中心周波数                       標準偏差sM
                   Hz                                          dB
                                         sM≦1.5          1.5<sM≦3           sM>3
                                                          NMの最小値
              100,125,160                 6                 6                  6
              200,250,315                                   6                  12
              400,500,630                                   12                 24
                  ≧800                                       15                 30
    注記 回転拡散翼を用いた場合,固定マイクロホン位置の数を少なくし,またマイクロホントラバー
          スによる場合には,その経路を短くすることが可能である。
8.4.2.4  音源位置の追加の必要性評価
  8.4.2.2に規定した手順で計算した時間平均音圧レベルの標準偏差sMが,一つ又はそれ以上の1/3オクタ
ーブバンドで1.5 dBを超えている場合には,測定対象騒音源は,強い離散周波数成分を含む音を放射して
いると考えられる。その場合には,残響室又は試験条件を変更して附属書Dに規定する特性となるように
するか,又は音源の位置の数NSを,式(12)及び表4から求める。
                                            2
                                 T60  1000      1
                         NS≧KS                      (12)
                                 V      f      NM
                      ここに,        KS :  該当する1/3オクターブバンドに対して表4に示す値
                                      T60 :  残響室の1/3オクターブバンドごとの残響時間(s)
                                       V :  残響室の容積(m3)
                                        f :  1/3オクターブバンドの中心周波数(Hz)

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Z 8734 : 2021
                                      NM :  該当する1/3オクターブバンドについて,表3に示す時
                                             間平均音圧レベルの測定に必要なマイクロホン位置の数
              表4−時間平均音圧レベル測定のための音源位置の最小の数及びKSの数値
       1/3オクターブバンド中心周波数                      標準偏差 : sM
                   Hz                                         dB
                                          sM<1.5          1.5<sM<3           sM>3
                                                               KS
              100,125,160                                   2.5                 5
              200,250,315                                   5                  10
              400,500,630                                  10                  20
                  ≧800                                      12.5                25
              NSの最小の数                  1                     式(12)による。
  回転拡散翼を用いれば,追加する音源の設置位置の数を減らすことが可能である(附属書B参照)。
  モードの重なりを増やすために残響時間を短くすることによっても,追加する音源の位置の数を減らす
ことが可能である。中心周波数が1 000 Hz未満の1/3オクターブバンドについては,残響時間T60(秒)が
次の不等式を満たすようにすることを推奨する。
                                     2
                            V    f
                        T60<
                               1000
                      ここに,         V :  残響室の容積(m3)
                                        f :  1/3オクターブバンドの中心周波数(Hz)
8.4.2.5  音響パワーレベルを求めるための測定
  固定マイクロホン位置で行った測定の結果を,8.4.2.3及び8.4.2.4によって評価し,マイクロホン位置又
は音源位置を追加する必要がないと判定された場合には,8.4.1による最初の6点の固定測定点における測
定を,最終結果としてよい。8.4.2.3による評価で,マイクロホン位置又はトラバースを追加することが必
要となった場合には,必要なマイクロホン位置の数又はマイクロホントラバース経路の長さで追加測定を
行う。8.4.2.4によって音源の位置の数を増やす必要があると評価された場合には,追加した音源位置につ
いて,同じ数のマイクロホン位置又はトラバース経路の長さで測定を行う。その場合,それぞれの音源位
置について,8.4.2.3による評価を繰り返す必要はない。

8.5 時間積分音圧レベルの測定

8.5.1  一般事項
  直接法及び比較法のいずれによる場合にも,i番目(i=1,2···NM)のマイクロホン位置で,対象周波数
範囲の1/3オクターブバンドごとに,測定対象騒音源の発生音の時間積分音圧レベルLE,T,i(ST)を測定する。
音の発生ごとに測定する場合には,測定をNe回(Neは最小5)繰り返す。Ne回の音の発生を連続して測定
する方法をとってもよい(その場合にも,Neは最小5)。これらの測定は,回転拡散翼は停止した状態で,
騒音源の作動モードごとに行う(7.5参照)。残響室が附属書Dの条件を満たしていれば,適性試験の際と
同じ数のマイクロホン及び同じマイクロホン位置で測定を行う。残響室が附属書Dの条件を満たしていな
い場合には,8.3で規定したように6点のマイクロホン位置を設定し,評価のための最初の測定位置とする
(8.5.2参照)。繰返し性のない衝撃騒音を発生する騒音源を対象とする場合は,マイクロホンを移動する
方法を用いてはならない。
  測定対象騒音源の発生音の測定時間Tは,時間積分音圧レベルへの寄与が無視できない減衰部分も含ま

JIS Z 8734:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3741:2010(MOD)

JIS Z 8734:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8734:2021の関連規格と引用規格一覧