JIS C 5381-12:2014 低圧サージ防護デバイス―第12部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバイスの選定及び適用基準 | ページ 2

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C 5381-12 : 2014 (IEC 61643-12 : 2008)
よく理解するために,必要な注記を付け加えている。
3.1.1
低圧サージ防護デバイス,SPD(surge protective device)
過渡的な過電圧を制限し,サージ電流を分流することを目的とするデバイス。このデバイスは,1個以
上の非線形素子を内蔵している。
[JIS C 5381-11の3.1.1(低圧サージ防護デバイス)参照]
3.1.2
連続使用電流,Ic(continuous operating current)
各防護モードに対して最大連続使用電圧Ucを印加したとき,それぞれのモードでSPDに流れる電流。
3.1.3
最大連続使用電圧,Uc(maximum continuous operating voltage)
SPDの防護モードに連続して印加してもよい最大交流電圧(実効値)又は直流電圧。これは,定格電圧
に等しい。
[JIS C 5381-11の3.1.11(最大連続使用電圧)参照]
3.1.4
電圧防護レベル,Up(voltage protection level)
端子間の電圧を制限した場合,推奨値のリストから選定するSPDの性能を規定するパラメータ。この値
は,測定制限電圧Umの最大値よりも大きい。
[JIS C 5381-11の3.1.14(電圧防護レベル)参照]
3.1.5
測定制限電圧,Um(measured limiting voltage)
規定する波形及び振幅のインパルスを印加したとき,SPDの端子間で測定した電圧の最大値。
[JIS C 5381-11の3.1.15(測定制限電圧)参照]
3.1.6
残留電圧,Ures(residual voltage)
放電電流の通過によってSPDの端子間に発生する電圧のピーク値。
[JIS C 5381-11の3.1.16(残留電圧)参照]
3.1.7
SPDの一時的過電圧試験値,UT(temporary overvoltage test value of the SPD)
一次的過電圧条件下のストレスを模擬するために規定の持続時間の間,SPDに印加する試験電圧。
注記1 次の注記2を追加して,JIS C 5381-11の3.1.17(一時的過電圧試験電圧値)を適用している。
注記2 製造業者が申告する性能で,規定する試験時間tTの間Ucよりも高いUTの電圧を印加する場
合のSPDの挙動についての情報である(この挙動は,一時的過電圧を適用した後に特性の変
化がない又は人員,設備若しくは施設に危険を及ぼすような破損がないかのいずれかであ
る。)。
3.1.8
電力系統の一時的過電圧値,UTOV(temporary overvoltage value of the power system)
特定の場所で比較的長い時間,系統上に発生する過電圧。TOVは,低圧系統[UTOV (LV)]又は高圧系統
[UTOV (HV)]の内部故障によって発生することがある。
注記 TOVは,一般的に数秒間続き,開閉動作又は故障(例えば,突然の負荷の遮断,一相の事故な

――――― [JIS C 5381-12 pdf 6] ―――――

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C 5381-12 : 2014 (IEC 61643-12 : 2008)
ど)及び/又は非線形性(鉄共振,高調波など)から起こる。
3.1.9
公称放電電流,In(nominal discharge current)
SPDに流れる8/20電流波形の波高値。これは,クラスII試験を適用するSPDの分類,並びにクラスI
試験及びクラスII試験に対するSPDの前処理のときにも用いる。
[JIS C 5381-11の3.1.9(クラスII試験での公称放電電流)参照]
3.1.10
クラスI試験でのインパルス電流,Iimp(impulse current)
電流のピーク値Ipeak,電荷Q及び比エネルギーW/Rの三つのパラメータによって定義する電流。動作責
務試験の試験手順によってインパルス試験する。これは,クラスI試験を適用するSPDの分類に用いる。
[JIS C 5381-11の3.1.10(クラスI試験でのインパルス放電電流)参照]
3.1.11
コンビネーション波形(combination wave)
開回路の両端で1.2/50の電圧インパルス,短絡回路で8/20の電流インパルスを発生する発生器による波
形。SPDに印加する電圧,電流の振幅及び波形は,発生器及びサージを印加するSPDのインピーダンスに
よって決まる。短絡回路電流のピークに対する開回路電圧のピークの比は2 地柿 これを想定インピーダ
ンスZfとして定義する。短絡回路電流は,Iscの記号で表す。開回路電圧は,Uocの記号で表す。
[JIS C 5381-11の3.1.22(コンビネーション波形)参照]
3.1.12
8/20電流インパルス(8/20 current impulse)
規約波頭長が8 柿 規約波尾長が20 準 ンパルス。このときの規約波頭長及び規約波尾長は,
次による。
− 規約波頭長は,IEC 60060-1に従い1.25×(t90−t10)で定義する。t90及びt10は,波頭部のピーク値の90 %
及び10 %の時間である。
− 規約波尾長は,規約原点と波尾部でピーク値の50 %の点との間の時間として定義する。規約原点は,
波頭部のピーク値の90 %及び10 %の点を直線で結び,I=0の線と交差する点である。
[JIS C 5381-11の3.1.21(8/20電流インパルス)参照]
3.1.13
1.2/50電圧インパルス(1.2/50 voltage impulse)
規約波頭長が1.2 μsで,規約波尾長が50 μsの電圧インパルス。このときの規約波頭長及び規約波尾長
は,次による。
− 規約波頭長は,IEC 60060-1に従い1.67×(t90−t30)で定義する。t90及びt30は,波頭部のピーク値の90 %
及び30 %の時間である。
− 規約波尾長は,規約原点と波尾部でピーク値の50 %の点との間の時間として定義する。規約原点は,
波頭部のピーク値の90 %と30 %との点を直線で結び,U=0の線と交差する点である。
[JIS C 5381-11の3.1.20(1.2/50電圧インパルス)参照]
3.1.14
熱暴走(thermal runaway)
SPDに発生する電力損失が容器及び接続部の温度許容能力を超え,内部素子への熱の蓄積増加によって
最終的に故障に至る動作状態。

――――― [JIS C 5381-12 pdf 7] ―――――

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C 5381-12 : 2014 (IEC 61643-12 : 2008)
3.1.15
熱的安定性(thermal stability)
温度上昇が起こる動作責務試験後に,SPDに規定する周囲温度条件で,規定する最大連続使用電圧Uc
を印加したときに,SPDの温度が時間の経過とともに下降する熱的安定状態。
[JIS C 5381-11の3.1.25(熱的安定性)参照]
3.1.16
SPD分離器(SPD disconnector)
SPDを電力系統から切り離すために必要な(内部及び/又は外部)装置。
注記 この分離器は,絶縁能力をもたなくてもよい。系統の持続的故障を防ぎ,SPDの故障の表示に
用いるものである。例えば,過電流保護機能,温度保護機能など,一つ以上の分離機能をもっ
てもよい。これらの機能は,一つのユニットに集約する又は分割したユニットの中で機能して
もよい。
[JIS C 5381-11の3.1.28(SPD分離器)参照]
3.1.17
形式試験(type test)
新しいSPDの設計開発の終了時点に実施する,代表的な性能を確立し,関連する基準に合致しているこ
とを明らかにするために行う試験。試験は,一度行えば,その性能を修正するために設計を変更しない限
り,これらの試験を繰り返して行う必要はない。この場合には,関連する試験だけを繰り返し行う必要が
ある。
[JIS C 5381-11の3.1.30(形式試験)参照]
3.1.18
ルーチン試験(routine tests)
各SPD,部品又は材料について,製品が設計仕様に合致していることを保証するために行う試験。
[JIS C 5381-11の3.1.31(ルーチン試験)参照]
3.1.19
受入試験(acceptance tests)
注文したSPD又は代表試料について試験する必要があると製造業者と使用者との間で合意したときに
行う試験。
[JIS C 5381-11の3.1.32(受入試験)参照]
3.1.20
外郭の保護等級の分類(IPコード)[degrees of protection provided by enclosure (IP code)]
危険な部位への接近,固体異物の侵入及び/又は水の浸入に対する外郭についての保護等級の分類。
[JIS C 0920及びJIS C 5381-11の3.1.29(外郭の保護等級)参照]
3.1.21
電圧降下率(%)[voltage drop (in per cent)]
次の式によって算出する入力電圧に対する出力電圧の降下の割合。
UIN UOUT
ΔU 100
UIN
ここに, ΔU : 電圧降下率(%)
UIN : 入力電圧

――――― [JIS C 5381-12 pdf 8] ―――――

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C 5381-12 : 2014 (IEC 61643-12 : 2008)
UOUT : 最大定格の抵抗負荷を接続した状態で,同時に測定した出力
電圧
この用語は,2ポートSPDに対してだけに用いる。
3.1.22
挿入損失(insertion loss)
規定する電源系統に接続したSPDの規定する周波数において,試験対象SPDを挿入する前後の,挿入
点の負荷側の電源線両端に現れる電圧の比。この結果はデシベル単位(dB)で表す。
注記 試験及び要求事項は検討中である。
3.1.23
2ポートSPDに対する負荷側サージ電流耐量(load-side surge withstand capability for a two-port SPD)
SPDの出力側にある負荷に起因するサージに対する,2ポートSPDの出力端子のサージ電流耐量。
[JIS C 5381-11の3.1.18(2ポートSPDに対する負荷側のサージ電流耐量)参照]
3.1.24
短絡電流耐量(short-circuit withstand)
SPDが耐えることができる推定最大短絡電流。
注記1 次の注記2を追加して,JIS C 5381-11の3.1.27(定格短絡電流)を適用している。
注記2 この定義は,交流50/60 Hz及び直流に適用する。2ポートSPD又は入出力端子を別々にもつ
1ポートSPDに対して,二つの短絡電流耐量値を規定してもよい。一つは,内部短絡回路(内
部の導通部品をバイパス)であり,もう一つは,負荷側での故障の場合で,出力端子での直
接の外部短絡回路(負荷側短絡)である。
3.1.25
1ポートSPD(one-port SPD)
防護する回路に対して分流するように接続するSPD。1ポートSPDは,入力端子と出力端子との間に直
列のインピーダンスをもたないで,入力端子と出力端子とは分離してもよい。
注記1 次の注記2を追加して,JIS C 5381-11の3.1.2(1ポートSPD)を適用している。
注記2 図1は,幾つかの代表的な1ポートSPD,及び1ポートSPDのための総括的な図記号[図1
のc)]を示す。1ポートSPDは,図1のa)に示すように電源回路に分岐し,又は図1のb)
に示すように電源回路内に接続してもよい。図1のa)の場合は,負荷電流はSPDに流れない。
図1のb)の場合では,負荷電流がSPDに流れ負荷電流によって温度上昇するため,関連する
最大許容負荷電流を,2ポートSPDに対するのと同様に決定してもよい。図3のb)図3の
d)には,コンビネーション波形発生器によって8/20電流インパルスを印加したときの1ポー
トSPDの各種タイプの応答を示す。
3.1.26
2ポートSPD(two-port SPD)
2端子対の入力端子及び出力端子をもつSPD。入力端子と出力端子との間に特定の直列インピーダンス
をもっている。
注記1 次の注記2を追加して,JIS C 5381-11の3.1.3(2ポートSPD)を適用している。
注記2 測定制限電圧は,出力端子に比べて入力端子のほうがより高くなってもよい。防護する機器
は出力端子に接続する。図2は,代表的な2ポートSPDを示す。コンビネーション波形発生
器によって印加した8/20電流インパルスに対する2ポートSPDの応答を,図3のe)及び図3

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C 5381-12 : 2014 (IEC 61643-12 : 2008)
のf)に示す。
3.1.27
電圧スイッチング形SPD(voltage switching type SPD)
サージを印加していない場合は,高インピーダンスであるが,電圧サージに応答して瞬時にインピーダ
ンスが低くなるSPD。
注記1 電圧スイッチング形SPDに用いる素子の一般的な例は,エアギャップ,ガス入り放電管
(GDT),サイリスタ形サージ防護素子(TSS)及びトライアックがある。これらを“クロー
バ素子”という場合がある。
注記2 次の注記3を追加して,JIS C 5381-11の3.1.4(電圧スイッチング形SPD)を適用している。
注記3 電圧スイッチング形SPDは,不連続のU−I曲線をもっている。コンビネーション波形発生
器によって印加したインパルスに対する代表的な電圧スイッチング形SPDの応答を,図3の
c)に示す。
U
U
a) 1ポートSPD
図1−1ポートSPDの例

――――― [JIS C 5381-12 pdf 10] ―――――

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JIS C 5381-12:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61643-12:2008(IDT)

JIS C 5381-12:2014の国際規格 ICS 分類一覧

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