JIS C 5954-3:2013 光伝送用能動部品―試験及び測定方法―第3部:単心直列伝送リンク用光送・受信モジュール | ページ 2

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Pr : 戻り光のパワー(mW)
x : 光反射損失(dB)
3.16
消光比,ER(extinction ratio)
送信部でのハイレベルの平均光出力パワーと,ローレベルの平均光出力パワーとの比。単位は,通常デ
シベル(dB)で表す。
3.17
ピーク発光波長,λp(peak emission wavelength)
発光ダイオードを発光素子とする送信部で,光出力パワーが最大となる波長。
3.18
ピーク発振波長,λp(peak emission wavelength)
半導体レーザを発光素子とする送信部で,レーザ発振パワーが最強となる波長。
3.19
中心波長,λ0(center wavelength)
発光スペクトルにおけるピーク波長の長波長側及び短波長側において,最も近接する半値波長の平均値。
3.20
スペクトル幅,Δλw(spectral radiation bandwidth)
発光ダイオードを発光素子とする送信部の場合,ピーク発光波長における光出力パワーに対し,規定の
割合の光出力パワーとなるスペクトル広がり幅(全幅)。また,半導体レーザを発光素子とする送信部の場
合,ピーク発振波長における光出力パワーに対し,規定の割合の光出力パワーとなる発振スペクトル広が
り幅(全幅)。
なお,光出力パワーのピークに対し,50 %になるスペクトル広がり幅(全幅)は特にスペクトル半値幅
(Δλfwhm)という。スペクトル半値幅はFWHM(半値全幅)ともいう。
JIS C 61280-1-3に規定するN-dBダウン法,又はRMS法の測定方法のうち,いずれかによって求める。
3.21
アイパターン(eye pattern)
規定の伝送速度のランダムパターンを入力信号としたときの送信部の光出力波形。アイダイアグラム
(eye diagram)ともいう。
3.22
許容伝送速度(bit rate tolerance)
同期信号再生機能をもつ受信モジュールの場合,規定のクロックジッタ及び受信光入力パワーを維持で
きる伝送速度範囲。
3.23
最大受信光入力パワー,Pimax(maximum received optical power)
規定の動作条件で,受信部の光入力ポートから規定の符号誤り率で受信できる光入力パワーの平均値の
最大値。単位は,デービーエム(dBm)で表す。平均値でなくピーク値をとる場合は,それを明記する。
3.24
最小受信光入力パワー,Pimin(minimum received optical power)
規定の動作条件で,受信部の光入力ポートから規定の符号誤り率で受信できる光入力パワーの平均値の
最小値。単位は,デービーエム(dBm)で表す。平均値でなくピーク値をとる場合は,それを明記する。

――――― [JIS C 5954-3 pdf 6] ―――――

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最小受信感度(minimum reseiver sensitivity)と同意である。
3.25
波形再生(reshaping)
受信部の入力信号から,ひずみ及び雑音を取り除いて送信部の出力信号に復元すること。
3.26
波形整形(regenerating)
波形再生した信号から,線形又は非線形回路によって元の送信部の入力信号を作り出すこと。
3.27
同期信号再生(retiming)
波形整形した信号から同期信号の周波数成分を抽出し,その抽出した同期信号で波形整形した信号を時
間軸上で再生すること。
3.28
パルス幅,tw(pulse width)
パルスの持続時間。特に規定がない場合,前縁(立ち上がり)での半値点から後縁(立ち下がり)での
半値点までの時間。
3.29
パルス幅ひずみ,Δtw(distortion of pulse width)
送信部の光出力又は受信部の電気出力のパルス幅と,その基準となる波形のパルス幅との差。
3.30
パルス幅ジッタ,Δtj(random jitter)
ゆらぎがない理想的なパルス幅区間における,信号の変換点からのランダムパターン若しくは信号の符
号パターンによる位相,又は変換点の時間のゆらぎ。パルス幅ジッタの成分の中で,マーク率の変動に起
因する比較的低周波のゆらぎを,ワンダ(Wander)とよぶ。ワンダの測定方法は,IEC 61280-2-3による。
単位は,秒(s)又はUI(Unit Interval)で表す。UIは1ビットの時間長で,ジッタはUIに対する割合で
表す。例えば,25 %の場合,0.25 UIと表す。
3.31
ジッタ伝達関数(jitter transfer function)
規定の周波数軸上における,同期信号再生機能のジッタ量の入出力伝達特性。
3.32
クロックジッタ,ΔtCLK(clock jitter)
同期信号再生機能をもつ受信モジュールで,時間軸上でのクロック信号のゆらぎ。クロックジッタは,
クロックのパルス振幅の50 %値の基準時間からのばらつきの標準偏差で規定する。
3.33
データ・クロック時間差,ΔtCD(time difference between data and clock pulse)
受信部の電気出力パルスの前縁(立ち上がり)での半値点と出力クロックパルスの前縁(立ち上がり)
での半地点との時間差(図20参照)。
3.34
NRZ符号(non return to zero)
データが“1”のとき,そのビット区間全てが“ハイレベル”,かつ,データが“0”のとき,ビット区間
全てが“ローレベル”の信号列。

――――― [JIS C 5954-3 pdf 7] ―――――

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3.35
RZ符号(return to zero)
データが“1”のとき,そのビット区間で“ハイレベル”から“ローレベル”に変化し,データが“0”
のとき,ビット区間全てが“ローレベル”の信号列。
3.36
CMI符号(coded mark inversion)
データが“0”のとき,そのビット区間で“ローレベル”から“ハイレベル”に変化し,データが“1”
のとき,ビット区間全てが“ローレベル”及び“ハイレベル”を交互に送出する信号列。
3.37
上昇時間,tr(rise time)
特に規定がない場合,送信部の光出力パルス又は受信部の電気出力パルスが,パルス振幅の10 %から
90 %まで増加するのに要する時間。一般的には,光波形の本質的ノイズのため,10 %及び90 %のレベルを
十分な精度で分析することは難しいため,20 %から80 %までの上昇時間の測定値が選択される。10 %から
90 %までの上昇時間が必要な場合は,20 %から80 %までの測定値に補正係数(4次ベッセルトムソンフィ
ルタ使用時,1.25倍)を適用する。上昇時間は,慣用的には,“立ち上がり時間”ともいう。
3.38
下降時間,tf(fall time)
特に規定がない場合,送信部の光出力パルス又は受信部の電気出力パルスが,パルス振幅の90 %から
10 %まで減少するのに要する時間。上昇時間の規定と同様に,光波形測定では80 %から20 %までの下降
時間を選択する。下降時間は,慣用的には,“立ち下がり時間”ともいう。
3.39
伝搬遅延時間,td(transmission delay time)
信号の半値点間の時間の差で表した,入力信号に対する出力信号の遅れ時間。
3.40
マーク率,U(mark density)
二値信号列で論理値“1”が発生又は出現する確率。
3.41
ビット誤り率,BER(bit error rate)
受信パルス(被測定パルス)の誤りビット数を,単位時間当たりの送信パルス(基準パルス)ビット数
で除した値。
3.42
SLM-LD(single longitudinal mode-laser diode)
単一縦モード半導体レーザ。
3.43
MLM-LD(multi longitudinal mode-laser diode)
多縦モード半導体レーザ。
3.44
エンサークルドフラックス,EF(encircled flux)
マルチモード光ファイバ出射端の光パワーを,コアの中心からの径方向距離の関数として測定した累積
パワーの全光パワーに対する比。

――――― [JIS C 5954-3 pdf 8] ―――――

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3.45
光変調振幅,OMA(optical modulation amplitude)
デジタル信号の“1”レベルの光パワーから“0”レベルの光パワーを減じた値。
3.46
平均光パワー基準の相対強度雑音,RIN(relative intensity noise)
規定の周波数帯域幅内での1 Hz当たりの光強度変動の二乗平均値の,平均光パワーの二乗に対する比。
対数表示する場合は,10を底とする。
3.47
光変調振幅基準の相対強度雑音,RINOMA(relative intensity noise OMA)
く(矩)形波信号によって変調したレーザ光の1 Hz当たりに正規化した光強度変動の二乗平均値(光電
気変換した電気信号雑音パワー)の,光変調振幅に対する比。対数表示する場合は,10を底とする。
3.48
分散ペナルティ
光ファイバの波長の伝搬速度差に起因する信号波形のひずみによって生じるビット誤り率の劣化(ペナ
ルティ)の量。
3.49
PRBS[pseudorandom binary(bit)sequence]
擬似ランダムビットシーケンス。擬似的にランダムに発生させたビットパターン。PRBS(2n-1)は,0
以外のnビットのランダムパターンである。
3.50
ストレスド アイ ジッタ(stressed eye jitter)
雑音が重畳されたアイパターンの時間軸方向のずれ(ジッタ)。
3.51
バーティカル アイ クロージャ ペナルティ,VECP(vertical eye closure penalty)
アイパターンの振幅方向のアイの開きが閉じることによって生じるビット誤り率の劣化(ペナルティ)
の量。

4 標準環境条件

  特に規定がない場合,測定及び試験時の標準環境条件は,表1による。特別な環境条件が必要な場合に
は,個別性能規格で規定する。
なお,温度及び湿度の変動は,一連の測定中では最小限に維持する。
表1−測定及び試験時の標準環境条件
温度 相対湿度 気圧
℃ % kPa
1828 2575 86106
注記 この表は,JIS C 5954-1:2008光伝送用能動部品−試験及び測定方法−第1
部 : 総則に基づいている。

5 図記号

  図記号は,JIS C 0617(規格群)による。

――――― [JIS C 5954-3 pdf 9] ―――――

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6 測定装置

  測定装置は,次による。
a) 測定用電源 直流電源は,電圧変動が±0.5 %又は10 mV以下のいずれか大きい方を超えないものと
し,交流電源は,高調波含有率5 %以下のものとする。ただし,商用電源の場合,高調波含有率は,
10 %以下とする。
なお,特に交流出力を測定する試験では,直流電源のリプル含有率,交流電源の高調波含有率及び
交流の流れる直流電源回路の交流インピーダンスは,測定に影響を与えない小さい値とする。また,
サージの侵入は,十分な防護措置をとらなければならない。
b) 計器及び測定器 特に規定がない場合,計器(メータ)はJIS C 1102-1に規定する0.5級以上のもの
とし,測定器はこれと同等以上の確度をもつものとする。これらのインピーダンスは,測定系への影
響を無視できる値とする。
c) 光パワーメータ 測定に使用する光パワーメータは,測定条件に該当する波長及び光パワー範囲内で
校正し,分解能は0.1 dB以下とする。
d) デジタルオシロスコープ 光及び/又は電気アイパターンを表示するオシロスコープは,測定システ
ムの帯域幅を制限しないように,低域フィルタの帯域幅より広い帯域幅を備えるものとする。また,
オシロスコープは,光及び/又は電気アイパターンに同期した局所クロック信号,又は光信号から再
生した同期信号に同期できるものとする。
e) 電気スペクトラムアナライザ(スペクトル分析器) 電気スペクトラムアナライザは,規定の周波数
帯域で,十分なダイナミックレンジをもつものとする。
f) 光スペクトラムアナライザ 光スペクトラムアナライザは,光スペクトルを分散分光分析法によって
測定できるものとする。波長分解能は,測定する50 nmの範囲において,MLM-LDに対しては0.2 nm,
SLM-LDに対しては0.1 nmよりも高いものとする。
g) 可変光減衰器 可変光減衰器は,0.25 dB以下のステップで可変できるものとし,減衰量は,システム
の利得より510 dB大きいものとする。送信部への反射戻り光は,十分低いものとする。
h) 光/電気(O/E)変換器 光/電気変換器は,電気的な増幅器を後段に接続した高速フォトダイオー
ドで,かつ,光学波形を十分忠実に再生できるものとする。
i) 電気/光(E/O)変換器 電気/光変換器は,電気入力信号を光学波形に変換できるものとする。測
定する目的に応じた波長特性の光源[発光ダイオード(LED),半導体レーザ(LD)など]を選択す
る。カプラ,スプリッタなどの光受動部品の損失測定又は校正に用いる場合は,光パワーの安定度が
十分高い性能をもっていなければならない。動的な試験を行う場合は,応答速度及び線形性が使用範
囲で十分保たれていなければならない。必要に応じて,直接変調形の光源,安定化光源と変調器との
組合せなどを選択する。
j) 基準送信部 基準送信部は,デジタル電気信号を光強度変調信号に変換する装置であり,電気/光変
換器及び駆動回路によって構成する。測定時に,供試(被試験)送信部及び/又は供試(被試験)受
信部を組み合わせて用いる。基準送信部は,光トランシーバの光電気特性を試験及び測定する場合,
必要に応じて,直接変調形の光源,安定化光源と変調器との組合せなどを選択する。基準送信部は,
上昇時間及び下降時間が十分速く(20 %から80 %までの上昇時間又は80 %から20 %までの下降時間
が,0.15 UI以下。),ジッタが0.2 UIpk-pk以下で,かつ,相対強度雑音(RIN)が規格値に比べ十分低い
ものを用いる。
k) 基準受信部 基準受信部は,デジタル変調された光信号をデジタル電気信号に復調する装置であり,

――――― [JIS C 5954-3 pdf 10] ―――――

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JIS C 5954-3:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5954-3:2013の関連規格と引用規格一覧