JIS C 60079-2:2008 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p” | ページ 4

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C 60079-2 : 2008 (IEC 60079-2 : 2007)
1) 保護ガスの供給(装置)は,内圧防爆構造容器の最小圧力を保持するため,保護ガス供給系の故障
を表示するための警報装置を具備しなければならない。
2) 内圧防爆構造容器と保護ガス供給警報装置との間に隔離バルブ,流量又は圧力を制御する以外の装
置を具備してはならない。
3) すべての隔離バルブは,次による。
− 次のような警告を表示する。
警告−保護ガス供給バルブ−バルブを閉める前に取扱説明書を読む。
− 開放の位置で確実に止める。
− 開いている状態か閉じている状態かが分かる印を表示する。
− 内圧防爆構造容器のすぐ近くに設置する。
− 内圧防爆構造容器の運転時だけに使用する。
注記 爆発性雰囲気ではないと分かっている場合,内圧防爆構造容器内部の電気機器の電源が切
れており,冷却されている場合以外には,バルブの開放が保たれていることを意図する。
4) 圧力又は流量の制御機構は,調整する場合に操作するために工具を必要としなければならない。
5) 内圧防爆構造容器と保護ガス警報装置との間にフィルタを取り付けてはならない。
6) 指示計は,見やすい位置に設置しなければならない。
7) 指示計は,容器内の圧力を示さなければならない。
8) センサの設置位置は,最も厳しい運転状態を考慮して設置しなければならず,次による。
− 内圧と掃気量との両方を表示する流量計の場合は,排気口に設置してもよい。
− 圧力だけを表示する流量計の場合は,給気口以外の容器のどこに設置してもよい。
− 例外的な事項として,給気口に設置した流量計は,容器内の圧力又は容器を通り抜ける流量を示
すものとする。
9) 指示計と内圧防爆構造容器との間には隔離バルブを設置してはならない。

7.10 内圧

  内圧防爆構造容器,関連するダクトのいずれかに漏れが発生した場合においても,タイプpx又はタイプ
pyに対しては容器外部の周辺圧力より50 Pa以上の内圧,タイプpzに対しては容器外部の周辺圧力より
25 Pa以上の内圧をすべての部位で保たなければならない。
製造業者は,運転中の最小及び最大内圧並びに最大内圧時の最大漏れ量を指定しなければならない。
システム及びダクトの圧力の分配例を,図C.1図C.4に示す。
注記 関連するダクト及びコンプレッサ又はブロアを危険な状況とならないように設置することは,
内圧防爆構造容器の設置の安全にとって重要である。ダクトシステムの設置に対する基本的要
求事項は,附属書D参照。

7.11 複数の内圧防爆構造容器

  複数の内圧防爆構造容器の保護ガス供給源が共通の場合,共通の保護装置は,最も厳しい容器の組合せ
を満足することを考慮しなければならない。共通の保護装置が準備されている場合,次の三つの状態を満
足していれば,ドア又はカバーの開放によって内圧防爆構造容器内のすべての電気機器の電源を遮断した
りアラームを初期化する必要はない。
a) タイプpxに対しては,ドア又はカバーを開放する前に,7.13に規定する場合を除き,内圧防爆構造容
器の中の電気機器への電源供給を遮断する。
b) 共通の保護装置は,複数の内圧防爆構造容器の内圧及び必要な流量を監視する。

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c) 内圧防爆構造容器の中にある電気機器への電源の再投入は,7.6に規定する掃気手順によって行う。

7.12 ドア及びカバーの保護装置

  タイプpxは,工具又はかぎを使わないで開放できるドア及びカバーを開けるとき,7.13に該当しない電
気機器の電源供給を自動的に遮断し,かつ,それらを閉じるまで,電源を復帰させることができないよう
ドア又はカバーをインタロックしなければならない。7.6の要求事項も適用する。

7.13 通電状態が継続している場合の保護構造

  タイプpx又はタイプpyの保護が動作していないとき,内圧防爆構造容器内の通電する可能性がある電
気機器は,防爆構造“d”,“e”,“ia”,“ib”,“ma”,“mb”,“o”又は“q”によって保護する。タイプpz
の保護が動作していないとき,内圧防爆構造容器内の通電する可能性がある電気機器は防爆構造“d”,“e”,
“ia”,“ib”,“ic”,“ma”,“mb”,“mc”,“o”,“q”,“nA”,“nC”又は“nL”によって保護する。

7.14 タイプpyで認める保護構造

  タイプpyの電気機器は,防爆構造 “d”,“e”,“ia”,“ib”,“ic”,“ma”,“mb”,“mc”,“o”,“q”,“nA”,
“nC”又は“nL”によって保護する。

8 密封式に対する安全設備及び保護装置

8.1 危険区域での保護装置の要件

  密封式内圧防爆構造の内圧防爆性能を保持するためのすべての保護装置は,爆発を引き起こす可能性が
あってはならない。保護装置が電気的に動作するものである場合,JIS C 60079-0に規定する適切な防爆構
造の一つで保護しなければならない。又は,危険区域の外に取り付けなければならない。

8.2 保護ガス

  保護ガスは,不活性なものとする。不活性ガスを充てん(填)した後の酸素濃度は,体積分率1 %未満
でなければならない。

8.3 内部放出源

  内部放出源があってはならない。

8.4 充てん(填)手順

  製造業者が指定する手順を用いて非危険区域において内圧防爆構造容器に不活性ガスを充てん(填)し
なければならない。

8.5 保護装置

  内圧が製造業者が指定する最小内圧を下回ったときに動作する,タイプpx及びタイプpyでは二つの自
動保護装置,タイプpzでは一つの自動保護装置をもたなければならない。機器が動作しているときに,装
置の正しい動作を確認できなければならない。自動保護装置は,工具又はかぎを使用することによって解
除できるものでなければならない。
注記 いかなる自動保護装置(電源を遮断,アラームを鳴らす,又は別の方法で設備の安全を確保す
る。)を使用するかは,一般的に使用者の責任である。

8.6 通電状態が継続している場合の保護構造

  内圧防爆構造を維持していないとき,内圧防爆構造容器内の通電する可能性がある電気機器は,7.13に
規定する防爆構造の一つによって保護しなければならない。

8.7 内圧

  最小内圧は,JIS C 60079-0に規定する通常の動作に対する封入部品の冷却に必要な時間の100倍以上の
時間(最低1時間),測定した最大圧力損失より大きくなければならない。内圧の最小レベルは通常作動に

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対して規定した最も厳しい状態でも外部圧力より50 Pa以上高くなければならない。

9 保護ガスの供給

9.1 ガスの種類

  保護ガスは,不燃性でなければならない。製造業者は,保護ガス又は許容できる代替を指定しなければ
ならない。
注記1 保護ガスは,化学的特性又は不純物によって内圧防爆構造の性能低下,正常な動作及び内蔵
機器に影響を与えないことが望ましい。
注記2 通常の空気,窒素,又は他の不燃性ガスは,保護ガスとして受け入れ可能と考えられる。
注記3 不活性ガスを使用するとき,窒息の危険があるので,適切な警告を容器に表示することが望
ましい。また,他の手段として,ドア又はカバーを開放する前に不活性ガスを排除するため
に容器を掃気する適切な手順を備えることが望ましい。

9.2 温度

  通常,保護ガスの温度は,容器の給気口で40 ℃を超えてはならない。特殊な状況でより高い温度でも
よい場合,又はそれより低い温度が要求される場合があり,これらの場合,温度を容器に表示しなければ
ならない。
注記 必要に応じて,結露及び凍結を避けるように考慮することが望ましい。

10 内部放出源をもつ内圧防爆構造容器

  放出条件,封入システムに対する設計要件,保護ガス及び内圧防爆技術,点火源をもつ機器の制限並び
に内部高温表面は,箇条11箇条15に規定する。

11 放出条件

11.1 放出なし

11.1.1 封入システムが故障を生じないとみなすとき,内部に放出は存在しない。12.2参照。
11.1.2 封入システム内部の可燃性物質が気体又は蒸気の状態であるとき,封入システムが指定された温度
で運転している場合で,次のいずれかに該当するときは,内部の放出は存在しないとみなす。
a) 封入システム内にある混合ガスは常に爆発下限界以下である。
b) 内圧防爆構造容器に指定する許容最小内圧が,封入システムに指定された最大内圧より50 Pa以上高
い値とし,圧力差が50 Pa未満になったときに自動保護装置が動作する。
注記 自動保護装置からの信号によって電源を遮断,アラームを鳴らす,又は別の方法を用いての安
全性の確保は,使用者の責任で実施する。
この要件を満足する場合は,JIS C 60079-0に規定する“X”を機器に表示し,安全な使用のために計測
器を指定する。

11.2 ガス又は蒸気の限定放出

  内圧防爆構造容器の中への可燃性物質の放出の割合は,封入システムのすべての故障状態において予測
できなければならない。12.3参照。
注記 この規格では,液化ガスの漏えい(洩)もガス放出とみなす。

11.3 液体の限定放出

  内圧防爆構造容器の中への可燃性物質の放出割合は,11.2と同様に予測可能でなければならない。しか

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し,液体から可燃性蒸気への変化を予測することはできない。内圧防爆構造容器内部の液体の蓄積及びそ
れから生じる結果を考慮しなければならない。
液体から酸素が放出される場合,酸素の最大流量を予測できなければならない。13.2.2参照。

12 封入システムに対する設計要件

12.1 一般設計要件

  封入システムの設計及び構造は,漏えい(洩)発生の可能性の有無によって決定する。製造業者が指定
する運転条件で最も厳しい状態に基づかなければならない。
封入システムは,故障を生じないとみなすものか,又は故障した場合に放出量が限定されるものでなけ
ればならない。可燃性物質が液体の場合,附属書Eに規定するとおり,通常放出がないものとする。また,
保護ガスは,不活性ガスとする。
注記 保護ガスは,発生する蒸気によって保護ガスの能力を低下するのを防ぐため,不活性である必
要がある。
製造業者は,封入システムへの最大入口圧力を指定しなければならない。
製造業者は,封入システムの設計及び構造の詳細並びに特定の場所での放出量について予測可能な可燃
性物質の種類及び使用状態を,故障を生じないとみなす封入システム(12.2参照)又は限定放出をもつ封
入システム(12.3参照)に分類するために指定しなければならない。

12.2 故障を生じないとみなす封入システム

  封入システムは,金属製,セラミック製又はガラス製のつなぎ目のないパイプ,チューブ又は容器で構
成する。つなぎ目は,溶接,ろう付け,金属へのガラス融着又は共晶法1)によって作らなければならない。
鉛すず合金などの低温はんだ合金は,使用しない。
注記 製造業者は,誤った操作方法によって壊れやすいと考えられる封入システムへの損傷を考慮す
ることが望ましい。製造業者と使用者との間で取り決めた誤った操作方法とは,振動,熱衝撃,
内圧防爆構造容器のドア又はアクセスカバーが開かれたときの保守動作を含む。
注1) 接合するいずれの部品の凝固点よりも低い一定温度で凝固する二成分又は三成分の合金組織を
用いる,二つ以上の部品を接合する方法。

12.3 限定放出をもつ封入システム

  限定放出をもつ封入システムの設計は,封入システムのすべての故障における可燃性物質の放出率を予
測しなければならない。内圧防爆構造容器の中に放出される可燃性物質の量は,封入システムの中の可燃
性物質の量及びプロセスから封入システムに入る可燃性物質の流量を含む。流量は,内圧防爆構造容器の
外部に具備された適切な流量制限装置によって予測可能な量に制限しなければならない。
なお,封入システムが,内圧防爆構造容器の流量制限装置の給気口まで12.2に適合している場合,流量
制限装置は,内圧防爆構造容器の内側に設置してもよい。その場合は,流量制限装置を恒久的に設置しな
ければならない。
封入システムのプロセス流量は,封入システムから内圧防爆構造容器への最大放出率を予測できる場合
は,制限しなくてもよい。この状態は,次のa)及び/又はb)による。
a) 封入システムは,個々の接合部分が,12.2に適合し,部品間のつなぎ目は,最大放出量が予測でき,
つなぎ目が恒久的でなければならない。
b) 封入システムは,通常動作時の放出(例えば,発炎燃焼)を目的としたオリフィス又はノズルを含ん
でいる。又は,12.2に適合していなければならない。

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流量制限装置を機器の部品に含めない場合,JIS C 60079-0の規定に従って,内圧防爆構造容器は“X”
を表示し,安全に使用する特殊な条件として封入システム内の可燃性物質の最大圧力及び流量を指定する。
内圧防爆構造容器内に火炎がある場合,既に炎が消えた状態で評価しなければならない。燃料/空気の
混合物が最大量補充された封入システムからの放出を追加しなければならない。
注記1 封入システムの弾性体シール,窓及び他の非金属部品を用いてよい。管用ねじ,圧縮継手(例
えば,金属圧縮取付金具),フランジ継手を用いてもよい。
注記2 結果として追加の予防策が必要となる封入システムへの空気の侵入の可能性に伴う引火性物
質の生成の可能性については,使用者が考慮することが望ましい。

13 保護ガス及び内圧防爆技術

13.1 一般

  保護ガスの選定は,封入システムから放出される可能性,量及び成分によって決定する。使用できる保
護ガスを,表4に示す。
表4−封入システムを備えた内圧防爆構造容器に対する保護ガスの要件
内部放出(附属書E参照) 連続希釈 漏えい補てん
物質 通常 異常 附属書 UEL ≦ 80 % UEL > 80 % UEL ≦ 80 % UEL > 80 %
ガス又は なし なし E.2 適用しない 適用しない
液体
ガス なし 限定 E.3 空気又は 空気 不活性ガス <不可>
不活性ガス
ガス 限定 限定 E.4 空気又は 空気 <不可> <不可>
不活性ガス
液体 なし 限定 E.3 不活性ガス <不可> 不活性 <不可>
液体 限定 限定 E.4 <不可> <不可> <不可> <不可>
<不可>は,内圧防爆技術を認めない。
封入システム及び限定放出をもつ内圧防爆構造容器の設計は,潜在的な点火源をもつ内圧防爆構造容器
の内部に爆発性ガス雰囲気を生成してはならない。これは,希釈区域の外部とする。附属書Fに確実に点
火源が希釈区域の外部にあるとみなせる内部隔壁の使用例を示す。
保護ガスとして不活性ガスを使用する場所では,内圧防爆構造容器は,18.9に規定する表示を行う。
適用する内圧防爆技術は,次のような放出状態及び放出されるものの成分による。

13.2 漏えい補てんを考慮した内圧防爆構造

13.2.1 放出なし
保護ガスは,空気又は不活性ガスとする。
13.2.2 ガス又は液体の限定放出
保護ガスは,不活性ガスとする。
可燃性物質の中の酸素濃度は,体積分率2 %を超えてはならない。
可燃性物質のいかなる通常放出(附属書E参照)もあってはならない。
可燃性物質のUELの80 %を超えてはならない。
注記1 可燃性物質が,酸素がわずかか又は存在しない状態でも反応する場合,不活性ガスの漏えい
補てんの適用は難しく,不可能である。(蒸気又はガスがUELの80 %を超えるものとみな
す。)

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JIS C 60079-2:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60079-2:2007(IDT)

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