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4.11.6 クリーンルーム
電子機器の実装は,この規格の最終製品性能要求事項の適合を確実にするために,クリーンルームの使
用を必要とする場合がある。この場合,クリーンルームのクラスは,購入者と実装業者との取決めによる。
4.12 実装工具及び設備
4.12.1 一般事項
実装業者は,部品及び/又は導体の準備に加えて,はんだ付けに用いる工具及び設備の選択並びに保全
に責任がある。使用工具は,用いることによって有害な損傷が生じないように,選択及び保全をしなけれ
ばならない。工具及び設備は,使用前には清浄な状態であり,また,使用中も清浄な状態であり,ごみ,
グリース,フラックス,油及びその他の異物がない状態に保つことが望ましい。はんだこて,設備及びシ
ステムは,温度制御機能及び電気的過ストレス(EOS)又はESD(4.10参照)からの防止機能を備えたも
のを選定し,採用する。
4.12.2 工程管理
4.12.1に適合するための適切な工程管理がない場合には,附属書Aに規定する要求事項を必須とする。
実装工具及び設備は,購入者の評価に利用できる文書化した手順に従って用いる。実装工具及び設備は,
製造仕様書に指示した条件で用いる。
5 材料要求事項
5.1 概要
この規格に規定するはんだ付け工程で用いる材料は,5.25.10の規定による。規定する材料及び工程は,
ある組合せでは,互換性がない場合があるため,実装業者は,品質レベルが許容できる製品を製造するた
めの材料と工程との組合せを選定する。
5.2 はんだ
JIS Z 3282に適合するはんだ合金を用いる。この規格のその他の全ての条件を満足し,購入者と実装業
者との間での同意がある場合,製品に要求するサービス寿命,性能,信頼性又は規定する要求事項を満た
すその他のはんだ合金を用いてもよい。
5.3 フラックス
フラックスは,JIS Z 3197又は同等の規格に従って試験し,次の三つのタイプに分類する。
− L : 低フラックス(低フラックス残さ活性度)又はフラックス残さ活性度なし
− M : 中フラックス(中フラックス残さ活性度)
− H : 高フラックス(高フラックス残さ活性度)
タイプL又はMのフラックスを実装時のはんだ付けに用いる。フラックス残さを除去しない(無洗浄)
場合は,洗浄なし(C-00)で9.6の要求事項に適合するタイプLのフラックスを用いることが望ましい
(9.6.3.2参照)。
無機酸系フラックス及びタイプHのフラックスは,端子,単線及び密封した部品の予備はんだ付けに用
いてもよい。無機酸系フラックスは,実装時のはんだ付けに用いないことが望ましい。タイプHのフラッ
クスは,フラックス塗布,はんだ付け,洗浄及び清浄度試験からなる一連の作業の一部として適用し,次
のいずれかの条件に適合する場合,端子,単線及び密封した部品のはんだ付けに用いてもよい。
a) 購入者がタイプHのフラックスの使用を承認する。
b) 附属書Bの試験要求に従って適合性を証明するデータが,評価時に利用可能である。
タイプHのフラックスを用いる場合は,洗浄は必須である。
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水溶性フラックスをその他のフラックスとともに用いる場合,水溶性フラックスは,一緒に用いるその
他のフラックス及び材料との間で化学的に問題なく用いることができなければならない。やに入りはんだ
のフラックスも,この細分箇条の規定による。やに入りはんだ中のフラックスの割合は,任意である。
5.4 ソルダペースト
ソルダペーストのはんだ粉末及びフラックスの成分は,5.2及び5.3の要求事項に適合しなければならな
い。また,実装工程要求事項に適合するために,JIS Z 3284-1に従って評価することが望ましい。
5.5 プリフォームソルダ
プリフォームソルダは,5.2及び5.3の要求事項に適合しなければならない。
5.6 接着剤
表面実装部品の取付けに用いる接着剤,及び表面実装部品以外の部品の取付けに用いる接着剤は,用途
に適切なもので,実装時に悪い影響を与えてはならない。
5.7 洗浄剤
5.7.1 一般事項
グリース,油,ワックス,ごみ,フラックス及びその他の残留物を取り除くために用いる洗浄剤は,フ
ラックス残さ,その他の残さ及び粒子状汚染物質を,取り除く性能に基づいて選定しなければならない。
洗浄剤は,洗浄する材料又は部品を劣化してはならないし,また,9.6の洗浄要求事項に適合しなければな
らない。
5.7.2 洗浄剤の選択
洗浄剤及びその混合物は,各種の規格及び仕様に適合しなければならない。混合した洗浄剤は,安定な
状態である場合用いてもよい。塩素系溶剤は用いてはならない。水,アルコール又はテルペンを優先して
用いる。全ての溶剤は,健康,安全及びその他の環境規則に適合するように用いなければならない。
5.8 樹脂コーティング
5.8.1 一般事項
高分子材料(ポリマ材料)に対する要求事項は,次による。
5.8.2 ソルダレジスト及び部分的マスク剤
ポリマソルダレジストコーティング剤及びIEC 61249-8-8に従う一時的マスク剤は,次の材料を用いる。
a) はんだ付け性,基板材料又はプリント配線を劣化しない。
b) マスクした領域へはんだを流出しない。
c) 残留した場合にも,プリント配線板,導体,フラックス,接着剤及びその上に塗布するコンフォーマ
ルコーティング剤を阻害しない。
注記 コンフォーマルコーティング(conformal coating)とは,完成したプリント回路板の表面形状
に沿って付けた絶縁保護皮膜のことをいう。
d) 一時的にマスクする場合,プリント配線板のコンフォーマルコーティング又は実装品の完全性に対し
有害な汚染を残さずに容易に取り除くことができる。
5.8.3 コンフォーマルコーティング及び封止
実装品に対するコンフォーマルコーティングの要求事項は,コーティングの種類(例えば,材料)も含
めて承認した実装図に指定する。実装図にコーティング材の端面はみ出し(edge coating)を指定する場合
は,11.2.2.7による。封止材は,その用途に適したものとし,また,実装に問題がないものを用いる。
5.8.4 スペーサ(永久的なもの及び一時的なもの)
機械的なスタンドオフとして用いるスペーサの材料は,はんだ付け工程に耐えなければならない。また,
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はんだ接合の検査ができることが望ましい(13.2.2.3参照)。この要求事項は,スペーサが部品の自己発熱
による温度に耐えることを含める。スペーサの位置,形状及び材料は,文書で規定する。
注記 スタンドオフとは,部品底面と基板表面との間を離すことをいう。
5.9 離剤
単線の被覆を除去するために用いる化学的溶剤,ペースト及びクリームは,線材に劣化を引き起こして
はならない。さらに,線材は,推奨条件に基づいて中和し洗浄しなければならず,また,6.3に規定するは
んだ付けができなければならない。
5.10 熱収縮はんだ付け部品
熱収縮はんだ付け部品は,自己封止形であり,はんだ接合部を封止しなければならない。編みシールド
線の端末処理は,購入者が承認した実装図に指定する要求事項に基づいて作成した作業指示書に従って行
わなければならない。自己封止形部材は,9.4の洗浄要求事項の適用外である。
注記 熱収縮はんだ付け部品(heat shrinkable soldering devices)とは,線材同士,線材と端子との間,
線材とシールドとの間などを,接続するのに用いるものであり,はんだ付けと封止とを一つの
部品によってできるようプリフォームソルダを内蔵した熱収縮性スリーブからなる。
6 部品及びプリント配線板要求事項
6.1 一般事項
電気・機構部品及びプリント配線板は,購入仕様書の要求事項に適合し,適合証明は,実装業者の責任
とする。実装品に選定する部品及びプリント配線板は,その実装品の製造に用いる材料及び工程に適合し
なければならない。
注記 詳細な情報は,IEC 62326-1,IEC 62326-4,IEC 62326-4-1及びIEC/PAS 62326-7-1による。
6.2 はんだ付け性
6.2.1 部品のはんだ付け性
部品のはんだ付け性は,供給業者の責任であり,実装業者が規定し,また,合意した要求事項に適合し
なければならない。電気・機構部品及び線材は,JIS C 60068-2-20,JIS C 60068-2-58又は同等の規格によ
って試験した場合のはんだ付け性要求事項に適合しなければならない。プリント配線板は,IEC 61189-3
又は同等の規格で試験した場合の要求事項に適合しなければならない。
保管及び使用のための部品の受入れに先立って,実装業者は,はんだ付けする部品に対して,抜取り計
画に従ってはんだ付け性試験を行い,適用するはんだ付け性規格の要求事項に適合していることを確認す
る。購入者は,必要なはんだ付け性規格を指定することが望ましい。保管条件は,JIS C 60721-3-1のクラ
ス1K2及びJIS C 5070による。
6.2.2 予備はんだ付け
実装工程の一部として,予備はんだ付け及び検査を実施する場合,その予備はんだ付け作業がはんだ付
け性試験を代替できる(6.3参照)。
6.2.3 セラミック基板のはんだ付け性試験
セラミック基板のめっき箇所に対して,IEC 61189-3に規定する方法又は同等な方法で,はんだ付け性
試験を実施する。
6.3 はんだ付け性の維持
6.3.1 一般事項
実装業者は,手はんだ付け及び/又は自動はんだ付け作業の開始時に,6.2の要求事項を満足する全ての
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部品,リード線,線材,端子及びプリント配線板が,はんだ付けできる状態にあることを確実にする。実
装業者は,はんだ付け性の劣化をできるだけ少なくする方法を確立しなければならない。
6.3.2 前処理
部品のリード線,電極及び端子は,はんだ付け性を維持するために前処理(はんだディップなど)して
もよい。
6.3.3 はんだ接合部の金ぜい(脆)化
6.3.3.1 一般事項
金めっき部(例えば,部品のリード線,プリント配線板のランド)によるはんだのぜい(脆)化の影響
を少なくするために,あらゆるはんだ接合部中の金の総量は,はんだ体積の1.4 %(はんだ質量の3 %相当)
を超えてはならない。ただし,はんだ付けプロセスに関連する,金によるはんだのぜい(脆)化問題がな
いこと,又はその他の金属表面仕上げによるはんだ接合部の問題がないことが確認できる根拠書類がある
場合は,次の6.3.3.2,6.3.3.3及び6.3.3.4の要求事項は適用しなくてもよい。
6.3.3.2 部品電極の金
実装業者は,次の要求事項のいずれか一方又は両方に適合していることを証明する。
a) 予備はんだ付け,又はその他の方法で,全ての金めっきしているリード線又は端子に対し,はんだ付
けする表面から金を除去している。
b) はんだ付け前の金の残留量は6.3.3.1の限界値を超えていない。
6.3.3.3 リード線・電極の予備はんだ付け
リード線・電極を予備はんだ付けする場合,部品に悪影響を与えてはならない。2度の予備はんだ付け
又はウェーブソルダリングを用いて,効果的に金を除去することが望ましい。
次の要求事項に適合する場合は,ディップ,ウェーブ又はドラッグソルダリング工程を用いてはんだ付
けする実装部品には,金除去工程は適用しなくてもよい。
a) 6.2のはんだ付け性要求事項を満足できる金の厚さである。
b) はんだ付けプロセスは,6.3.3.1及び6.3.3.2の要求事項を満足できる十分な時間,温度及びはんだ量で
ある。
6.3.3.4 プリント配線板のランドの金
プリント配線板のランドの金の体積は,6.3.3.1の限界値を超えてはならない。
6.3.4 はんだ付け性の悪い部品の予備はんだ付け
適用するはんだ付け性要求事項に適合しない部品のリード線,端子及びプリント配線板を用いる場合は,
はんだ付けの前に,はんだディップによる予備はんだ付け又はその他の適切な方法で再処理する。再処理
した部品は,蒸気エージングの要求事項を除き,6.2に適合しなければならない。線材の予備はんだ付けで
は,よ(撚)り線部分をはんだで覆いつくしてはならない。線材被覆部内へのはんだの吸い上がりは,で
きるだけ少なくしなければならない。要求がある場合,熱に弱い部品のリード線への予備はんだ付けの間
は,リード線にヒートシンクを取り付けなければならない。
6.4 はんだの純度維持
前処理として行う金除去,部品の予備はんだ付け及びはんだ付け装置で用いるはんだは,表1に規定す
る不純物の限界値を下回って適合していることを証明するために,定期的に分析し,取り替え,又は補給
する。その分析周期は,過去の履歴又は毎月の分析結果に基づいて決定することが望ましい。不純物が,
表1の限界値を超えた場合は,分析,取替え又は補給の間隔を短縮しなければならない。全ての分析結果
及びはんだ槽使用状態(例えば,総使用時間,取り替えたはんだの量,処理数)の記録は,各はんだ槽ご
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とに保管する(4.1.3参照)。
表1−はんだ不純物限界値
単位 質量%
不純物 前処理 本はんだ付け
(リード線・ワイヤの予備はんだ付け) (ポット,ウェーブなど)
銅(Cu) 0.750 0.300
金(Au) 0.500 0.200
カドミウム(Cd) 0.010 0.005
亜鉛(Zn) 0.008 0.005
アルミニウム(Al) 0.008 0.006
アンチモン(Sb) 0.500 0.500
鉄(Fe) 0.020 0.020
ひ素(As) 0.030 0.030
ビスマス(Bi) 0.250 0.250
銀(Ag) 0.750 0.100
ニッケル(Ni) 0.020 0.010
パラジウム(Pd) 0.004 0.004
鉛(Pb) 0.100 0.100
表中に記載の金属が,工程に用いるはんだ合金の成分である場合,不純物として取り扱わない。
はんだ槽中のすず(錫)の含有量は,はんだ合金組成の公称値の±1.5 %以内とし,銅・金汚染の分析周期と同じ
周期で分析する。
本はんだ付け用はんだ中の不純物としての銅,金,カドミウム,亜鉛及びアルミニウムの合計は,質量分率0.4 %
以下とする。
注記 (対応国際規格の表中の注記は,規定事項であるため本文に移した。)
注a) [対応国際規格の注a)の内容は,“はんだ合金の成分である場合は不純物として取り扱わない”旨の要求事項
と矛盾するため,適用しない。]
b) [対応国際規格の注b)の内容は,注a)と同じく要求事項と矛盾するため,適用しない。]
c) [対応国際規格の注c)の内容は,根拠が不明確のため,適用しない。]
6.5 リード線の準備
6.5.1 一般事項
リード線の成形及び準備についての要求事項は,次による。
6.5.2 リード線の成形
リード線の成形工程は,部品の内部接続を損傷してはならない。部品製造業者が指定するリード成形の
推奨方法を用いなければならない。さらに,部品本体,リード線及びリード封止部(シール)は,各部品
規格で規定する要求事項に適合しなければならない。
6.5.3 リード線の成形限度
手作業,機械又は型で成形したリード線に,その断面積の10 %を超える切りきず又は変形がある場合に
は,その部品は実装しない。
リード線のはんだ付け表面の母材金属の露出は,5 %未満の場合には許容できる。リード線成形での母
材金属の露出発生は,工程指標の対象とする。
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JIS C 61191-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧
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JIS C 61191-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.240 : 電子設備の機械的構造
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- 規格名称
- JISQ9001:2015
- 品質マネジメントシステム―要求事項
- JISZ3197:2012
- はんだ付用フラックス試験方法
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- はんだ付用フラックス試験方法
- JISZ3282:2017
- はんだ―化学成分及び形状
- JISZ3284-1:2014
- ソルダペースト―第1部:種類及び品質分類