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C 6710 : 2007 (IEC 60679-1 : 1997, Amd.1 : 2002, Amd.2 : 2003)
4.3.3 目視試験C 水晶発振器は,腐食又は満足のいく動作を妨げるような欠点がないか目視検査をする。
表示は,明りょうでなければならない。
4.4 寸法及び測定手順
4.4.1 寸法−試験A 端子の寸法,端子間隔及び端子の配置が規定値を満足しなければならない。
4.4.2 寸法−試験B その他の寸法が,規定値を満足しなければならない。
4.5 電気的試験手順
4.5.1 絶縁抵抗 個別規格に規定がない場合には,図9aの試験回路で,規定の試験点に20 Vの最大電圧
を印加し,電流を測定する。電流値は,規定最大値以下とする。
代替試験方法として抵抗は,抵抗計(図9b)によって直接測定してもよい。この値は,規定最小値より
も大きくなければならない。
測定は,規定点に正しい極性の電圧を加え,また規定の電圧値を超えないよう注意する。これらが守ら
れないと試験中,部品に損傷を与える可能性がある。
試験後,水晶発振器の動作を確かめる測定をする。
A
電源 V 水晶発振器
V : 電圧計
A : 電流計
図 9a 電圧−電流法
抵抗計 水晶発振器
図 9b 抵抗計法
図 9 絶縁抵抗測定回路
4.5.2 耐電圧 規定の検査前処理を行った後,図10に示す試験回路を用いて,目的の端子に規定電圧を
印加する。電源内部抵抗及び最大許容電流は,個別規格に定める。アーク,その他の電気的破壊の形跡が
あってはならない。試験後,水晶発振器の動作を確かめる測定をする。
電源内部抵抗
A
V 水晶発振器
電圧源
図 10 耐電圧試験回路
――――― [JIS C 6710 pdf 21] ―――――
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4.5.3 入力電力
4.5.3.1 水晶発振器入力電力 水晶発振器に図11に示すように電源及び規定の負荷を接続する。規定の
電圧を加え,規定時間安定させておく。個別規格に規定がない場合には,電圧及び電流の測定は,基準温
度で行う。入力電力は,これらの測定値を使用して算出する。
A
電源 V 水晶発振器 負荷
図 11 水晶発振器入力電力測定回路
4.5.3.2 恒温槽及び水晶発振器の入力電力 恒温槽制御水晶発振器(OCXO)の場合には,図12に示すよ
うな試験回路に接続し,試験槽の中に入れる。負荷及び電源電圧は,個別規格による。試験槽内の空気を
強制的に循環させることが水晶発振器の入力電圧に影響を与えるおそれのある場合には,4.2.3に基づいて
水晶発振器をドラフトシールドで囲むことによって空気を静止状態にする。電圧及び電流は,個別規格に
規定の温度(通常,動作温度範囲の最低温度,最高温度及び基準温度)で測定する。
ドラフトシールドを使用する場合の温度は,通常,ドラフトシールド表面を温度基準点とする。ピーク
電力が規定されている場合には,電圧及び電流の過渡値は,試験槽が各指定温度に達してから測定する。
この場合,過渡値を適切に測定するために,電流計及び電圧計に記録計をつける必要がある。
水晶発振器及び恒温槽は,非通電中ピーク電力の測定前に,動作温度で温度を安定にする。ピーク電力
の測定の場合,試験槽の熱的時定数は,測定対象の恒温槽,水晶発振器の組合せの熱的時定数よりも十分
に小さくなければならない。
入力電力は,電圧及び電流の測定値を用いて算出する。
試験槽
A
発振器用
電源 V
発振回路 負荷
A 恒温槽回路
恒温槽用
V
電源
備考 水晶発振器用電源は,恒温槽用電源から供給してもよい。
図 12 恒温槽及び水晶発振器の入力電力試験回路
4.5.3.3 恒温槽入力電力 恒温槽入力電力だけの測定は,水晶発振器の電源を接続しないことを除いて,
4.5.3.2に示す測定手順を用いる。
4.5.4 出力周波数 出力周波数測定は,規定の水晶発振器の精度に従って,次の注意を守り,方法1又は
方法2を適用する。
− 測定系の精度及び分解能は,周波数測定値の精度よりも常に一けた高い精度とする。
――――― [JIS C 6710 pdf 22] ―――――
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− 水晶発振器には,正確な負荷を接続する。
− 測定系の安定性及び精度は,周波数標準を国際的に認められた標準に対し,定期的に校正することに
よって確認する。
− 正確な測定値を得るために,環境状態が測定値に影響を与えないように十分注意を払う。
方法1−精度が1×10−8未満の場合の測定
水晶発振器は,図13に示すように,規定の電源電圧及び負荷を接続する。通常の動作状態で,規定時間
安定化させる。
周波数は,周波数カウンタで測定する。周波数の測定は,周波数を直接測定するか,又は周期を平均し
て求める。通常,測定時間周期は,0.1秒から10秒までの範囲である。一般に,周期を平均して周波数を
求める方法は,周波数5 MHz未満の測定に使用する。
電源 水晶発振器 負荷
周波数 基準
カウンタ 周波数
図 13 出力周波数測定試験回路,方法1の試験回路
方法2−精度が1×10−8以上の場合の測定
水晶発振器は,図14に示すように,規定の電源電圧及び負荷を接続する。通常の動作状態で,規定時間
安定化させる。
要求精度に相応する周波数に逓倍して,周波数カウンタで,周波数を測定する。その測定時間周期は,
0.1秒10秒の範囲である。例えば,10秒間以内に1×10−8以上の精度の周波数を測定するためには,2.5
MHz信号を25 MHzに逓倍する必要がある。
周波数逓倍の代わりに,高速カウンタを使用する方法もある。1×10−10又は,それ以上の精度で測定す
るために,基準信号で駆動する周波数シンセサイザを用いて位相比較によって測定する装置を使用するこ
ともできる。
電源 水晶発振器 負荷
周波数 周波数
逓倍器 カウンタ
基準
周波数
図 14 出力周波数測定試験回路,方法2の試験回路
――――― [JIS C 6710 pdf 23] ―――――
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C 6710 : 2007 (IEC 60679-1 : 1997, Amd.1 : 2002, Amd.2 : 2003)
4.5.5 周波数対温度特性
4.5.5.1 規定温度での周波数 非通電の水晶発振器を試験槽に入れ,図15の試験回路に示すように規定
の負荷を接続する。その後,規定の電源電圧を水晶発振器に印加する。
試験槽内の空気を強制的に循環させることが,水晶発振器の入力電力に影響を与える場合は,周囲の空
気を静止させるために,4.2.3に規定のドラフトシールドで水晶発振器を囲む。
試験槽は,規定の温度で安定させ,水晶発振器の温度が安定した後(4.2.2参照),4.5.4に規定の適切な
測定方法を使用して,周波数を測定する。
電源 水晶発振器 負荷
記録計付き
試験槽 周波数測定装置
温度センサ
温度計
図 15 周波数温度特性測定試験回路
4.5.5.2 全温度範囲での周波数変化 通電しない状態で水晶発振器を試験槽に入れ,図15に示す試験回
路のように,規定の負荷を接続する。その後,規定の電源電圧を水晶発振器に印加する。
試験槽内の空気を強制的に循環させることが,水晶発振器への入力電力に影響を与えるおそれがある場
合には,周囲の空気を静止させるために,4.2.3に規定のドラフトシールドで水晶発振器を囲む。
試験槽が測定温度範囲の最低温度で安定し,水晶発振器が温度安定に達したとき(4.2.2参照),4.5.4の
適切な周波数測定方法を使用し,周波数及び温度を記録する。
個別規格に規定がない場合には,試験槽の温度は,1.5 ℃刻みで各温度ごとに温度安定になっているこ
とを確認しながら,温度を上げるか,又は0.5 ℃/分の速さで温度を変える。
試験中の周波数及び温度は,記録しておく。個別規格に周波数温度特性の再現性の規定がある場合には,
双方向の温度変化に対する周波数を記録する。
備考 特定の応用分野では,最初に最低温度から最高温度になるまで昇温し,次に最高温度から最低
温度になるまで降温した場合の周波数温度特性の再現性の測定が要求されることがある。昇温
時と降温時との特性の違いは,リトレースエラー又はヒステリシスと呼ばれ,TCXOを試験す
る場合には,特に重要である。
4.5.6 周波数対負荷変動特性 水晶発振器の出力周波数測定は,4.5.4のような周波数測定系を用いて規
定の公称負荷,最小負荷及び最大負荷で行う。その間,その他のすべての動作パラメータは規定値にする。
負荷の値は,水晶発振器の出力に接続した測定器の影響を考慮に入れ,総負荷値に合算する。
4.5.7 周波数対電源電圧変動特性 4.5.4のような周波数測定系を使用し,その他の動作パラメータを規
定値にした上で,電源電圧を規定公称値,最小値及び,最大値にしたときに,水晶発振器周波数の測定を
行う。いずれの場合も,電源電圧の調整と周波数測定の間では,規定の安定化の時間を許容する。
――――― [JIS C 6710 pdf 24] ―――――
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一時的な周波数の変動は,特に,水晶発振器がOCXOかTCXOのどちらかである場合には,電源電圧
の調整直後に起こり得る。この一時的な変動の大きさが問題になる場合には,周波数変動を記録するのに
記録式のメータを使用する。この間の一時的変動の最大許容偏差は分けて規定する。
必要なら,試験中,周囲温度を規定値に保つため,試験槽を使用する。
4.5.8 サーマルトランジェントをもつ周波数安定度 非通電の水晶発振器を試験槽に置き,図15に示す
試験回路を用いて,規定の負荷を接続する。その後,規定電圧を水晶発振器に印加する。試験槽を規定の
初期温度T1で温度安定にし,かつ,水晶発振器も初期の規定温度T1で温度安定になるようにして(4.2.2
参照),水晶発振器の出力周波数を記録する。
その後,試験槽の槽内温度を最終温度T2まで,規定の変化率で変える。
水晶発振器出力周波数及び環境温度(基準点で測定したように)は動作中,及び動作後も,連続して記
録する。図16のように周波数変化及び温度の両方をプロットした結果から,温度熱応答時間及びオーバシ
ュートを決定してもよい。
4.5.8.1 一時的な変動のオーバシュート(ΔFos)は,公称周波数(Fnominal)に対する比で規定する。例え
ば,オーバシュートは2×10−7を超えない。
Fmax Ffinal
ΔFos
Fnominal
4.5.8.2 個別規格に規定がない場合には,サーマルトランジェントとは,最終周波数までの周波数変化の
10 %変化したときから,最終周波数の10 %(周波数変化の10 %)以内に到達するときまでとする。
図16の例で示すように,二つのケースがある。
− オーバシュートが10 %未満のとき,サーマルトランジェントは,t2−t1時間に等しい。
− オーバシュートが10 %以上のとき,サーマルトランジェントは,t3−t1時間に等しい。
――――― [JIS C 6710 pdf 25] ―――――
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JIS C 6710:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60679-1:1997(IDT)
- IEC 60679-1:1997/AMENDMENT 1:2002(IDT)
- IEC 60679-1:1997/AMENDMENT 2:2003(IDT)
JIS C 6710:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.140 : 圧電素子及び誘電素子
JIS C 6710:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0025:1988
- 環境試験方法(電気・電子)温度変化試験方法
- JISC0617-2:2011
- 電気用図記号―第2部:図記号要素,限定図記号及びその他の一般用途図記号
- JISC0617-3:2011
- 電気用図記号―第3部:導体及び接続部品
- JISC0617-4:2011
- 電気用図記号―第4部:基礎受動部品
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC60068-2-1:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
- JISC60068-2-13:1989
- 環境試験方法(電気・電子)減圧試験方法
- JISC60068-2-17:2001
- 環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-20:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-20部:試験―試験T―端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法
- JISC60068-2-21:2009
- 環境試験方法―電気・電子―第2-21部:試験―試験U:端子強度試験方法
- JISC60068-2-27:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
- JISC60068-2-29:1995
- 環境試験方法―電気・電子―バンプ試験方法
- JISC60068-2-3:1987
- 環境試験方法(電気・電子)高温高湿(定常)試験方法
- JISC60068-2-30:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
- JISC60068-2-32:1995
- 環境試験方法―電気・電子―自然落下試験方法
- JISC60068-2-45:1995
- 環境試験方法―電気・電子―耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法
- JISC60068-2-52:2020
- 環境試験方法―電気・電子―第2-52部:塩水噴霧サイクル試験方法(塩化ナトリウム水溶液)(試験記号:Kb)
- JISC60068-2-58:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第2-58部:表面実装部品(SMD)のはんだ付け性,電極の耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性試験方法
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISC60068-2-7:1993
- 環境試験方法―電気・電子―加速度(定常)試験方法
- JISZ8202-3:2000
- 量及び単位―第3部:力学
- JISZ8203:1964
- 単位記号
- JISZ8203:2000
- 国際単位系(SI)及びその使い方